自動ドアと聞いて、まず思い浮かべるのは「電動で自動開閉する便利な装置」というイメージかもしれません。実際、多くの施設・建物で使われる自動ドアはモーターやセンサーを内蔵し、電気の力で動作しています。ですが、その「電気」という仕組みがあるがゆえに、意外なところに脆さも抱えています。

たとえば雷。突発的に発生し、しかも対策が難しい自然現象ですが、自動ドアにとっては「壊れるきっかけ」となることもあるのです。とはいえ「自動ドアが雷で壊れるなんて聞いたことがない」という方もいるかもしれません。しかし、現場レベルでは落雷が原因と見られるトラブルの報告は少なくありません。

本記事では、「自動ドア × 落雷」という見過ごされがちなリスクを深掘りし、なぜ問題が起きるのか、どんな兆候があるのか、どう予防し、どう復旧すればよいのかをわかりやすく整理していきます。

さらに、自動ドア設計において自然災害リスクも考慮した設計思想を持つ「Newtonドア」の視点も加え、現場レベルで活かせる実践知としてまとめました。


雷の影響は、単に「落ちたら危ない」だけではありません。むしろ自動ドアのように電装部品を多数備える機器にとっては、雷が遠くで鳴っていても、内部回路が壊れることがあります。

その背景には「雷の種類」と「電気回路への影響の仕組み」があります。

目次(このページの内容)

手順:雷の3つの種類を理解する

雷は、落ち方・伝わり方によって、主に3つに分類されます。

雷の種類特徴自動ドアへの影響経路
直撃雷建物や地面に直接雷が落ちるフレーム・構造体・アース線から大電流が流れ込む
誘導雷雷が近くに落ちて発生した電磁波が、電線や配線に誘導される電源線・信号線を通じて内部回路にサージ電流が流入
逆流雷(逆流サージ)建物の避雷針や接地構造を通じて、電流が逆方向に流れ込む地面や金属構造体を通じて、配線へ電流が遡上してくる

この中で特にやっかいなのが「誘導雷」と「逆流雷」です。というのも、自動ドアは建物の入口付近に設置されることが多く、地面や壁の金属構造体、電源・信号配線と密接につながっているため、遠くで雷が落ちたとしても「回路の奥までサージ電流が侵入する」リスクがあるのです。

要点:誘導雷が一番厄介な理由

  • 雷の距離が数キロ離れていても電磁誘導で電圧上昇が起きる
  • 電装部品は高圧や急激な電圧変化に弱い(特にIC・基板)
  • 誘導雷の経路は目に見えないため、事前予測が難しい
  • 一度でも被害が出ると基板交換など高額修理になりやすい

このように、雷は「電動式の自動ドアにとって、目に見えない故障の原因」となり得ます。

次に、どのような被害が実際に発生しているのかを、症状や報告例から見ていきましょう。


ここでは、雷によって自動ドアに起きうる不具合や、実際の報告事例に基づいて「どんな兆候を見逃してはいけないのか」を整理します。

雷が原因で自動ドアが壊れる、と聞いても「本当にそんなことあるの?」と思われるかもしれません。
しかし、実際には雷の影響と見られるトラブルは、想像以上に多く報告されています。特に梅雨〜夏季の落雷シーズンには、毎年のように「突然動かなくなった」「センサーが効かない」といった声が現場からあがっています。

この章では、そうした報告に基づき「雷で壊れるとしたらどこが壊れやすいか」「その兆候はどう現れるのか」を、症状別に整理していきます。


3‑1 制御盤・電気錠・センサーへの影響パターン

制御盤(コントローラ)

  • 内部には電源供給ユニット、リレー、マイコン、通信ICなどが含まれており、最も重要かつ繊細な部位。
  • 雷によるサージが入ると、制御不能になる操作不能になるといった症状が現れやすい。
  • 「電源が入らない」「操作パネルの表示が点かない」「設定がすべて初期化された」などが典型的な兆候。

電気錠(電動ロック)

  • 一般的には直流電源を使い、信号で開閉動作を行うが、その信号が雷サージで壊れると施錠・解錠ができなくなる
  • 「解錠されっぱなしになる」「反応が遅れる」「施錠音がしない」などがよくあるトラブル。

センサー類

  • 人感センサー、タッチセンサー、補助赤外線などは、非常に小さな信号で反応しているため、わずかな電圧上昇でも故障することがある。
  • 「ドアが開かない」「勝手に開く」「誰もいないのに反応する」など、誤動作・無反応の両極端な症状が起きる。

その他の影響しやすい部位

  • 電源ユニット:雷による電圧変動でブレーカーが飛んだり、ヒューズが切れる
  • 信号線・配線接続部:導体が焦げたり、端子が焼損する例も
  • 表示灯・パネル:フリーズや液晶異常、バックライト点灯不良など

3‑2 「故障かな?」と感じたらチェックすべき症状

以下のような症状が、雷による影響で起きる典型的な例です。

症状雷との関連性の目安
ドアがまったく開かない制御装置・センサー故障の可能性大
通電しているのに反応がない電気錠や内部基板が壊れている可能性
ドアが勝手に開閉を繰り返すセンサー誤動作やノイズ混入の疑い
操作パネルの表示が消えた・乱れた内部のIC破損や電源異常が疑われる
焦げたようなニオイがするサージにより部品が焼損した可能性
雨の後に調子が悪くなった雷サージ被害の初期症状の可能性あり

上記のような「突発的かつ原因不明なトラブル」が、雷の直後に起きた場合には、雷サージの影響を疑うべきです。


3‑3 実際に報告されている被害事例(住宅/施設など)

雷による自動ドア関連のトラブルは、製品単体というより「建物全体の電装設備の一部として」発生することが多いです。そのため、報告されている事例も「自動ドアだけでなく、インターホンや防犯装置など複数の機器が一度に壊れた」というケースが目立ちます。

事例1:マンションのエントランス自動ドアが反応しなくなった

  • 近隣で雷鳴があった翌朝、オートロック付きの自動ドアがまったく反応しなくなった
  • 管理会社の点検で制御基板の損傷が判明。電気錠も同時に不具合が出ており、雷による誘導サージが原因と推定

事例2:医療施設でセンサー式自動ドアが誤動作

  • 夜間に雷雨があった翌日、誰もいないのにドアが開閉を繰り返す
  • センサーの信号処理部が異常を起こしており、交換対応に
  • 同建物では他にも、ナースコールやLAN機器に異常があり、サージが全体に入ったと見られる

事例3:工場の搬入口自動ドアが突然開かなくなる

  • 配電盤ごと制御が停止、電源ユニットが破損。部品交換後に復旧
  • 工場屋根の接地不良があり、逆流雷の経路となった可能性

これらの事例に共通しているのは、「雷が建物に直撃していないにもかかわらず、複数の機器が同時に故障した」という点です。
つまり、雷=直接的に落ちないと壊れない、という考え方は危険なのです。


ここまで見てきたように、雷被害は自動ドアのさまざまな構成要素に、想定外のダメージを与える可能性があります。

ここでは「雷が来る前にできること」を中心に、設計・施工・運用の観点から整理していきます。


雷による被害は、起きてからでは遅い——。これは自動ドアに限らず、電装機器全般に共通する原則です。特に自動ドアは「人の出入り」に関わる装置のため、一度止まれば業務や生活に大きな影響を及ぼします。

そのため、**雷が来る前に「どこまで備えておけるか」**が、被害を最小限に抑えるための鍵になります。


4‑1 設計段階の対策(アース・配線・サージ保護)

自動ドアの設計段階から意識すべき雷対策には、以下のようなものがあります。

✅ サージ保護器(SPD/アレスター)の設置

  • 電源系統(分電盤・制御盤)や通信系統(センサー信号線・通信線)に設置することで、落雷時の過電圧を吸収
  • 「低圧電源用」「通信線用」「信号用」など用途別に適切な選定が必要
  • JIS C 5381などの規格に基づいた設計が推奨されます

✅ 適切な接地(アース)の設計

  • 建物全体と機器間で「等電位ボンディング」が取れていないと、雷サージの帰路が不明確になり、誤動作や破損を招く
  • 制御盤や金属構造体のアース抵抗をJIS基準以下に維持(目安:10Ω以下)

✅ 配線設計の工夫(雷経路の分離)

  • 電源線と信号線、制御信号線などは物理的に分離し、交差する場合は直角交差が原則
  • 屋外配線が多い場合は金属管配線やシールドケーブルを用いてノイズを抑制

✅ 制御盤の遮蔽構造

  • 金属筐体に収めることで、雷サージの侵入を抑える
  • 特に制御基板・電源ユニット部分の「筐体内接地」を徹底

4‑2 現場での施工・運用で配慮すべきこと

設計が万全でも、施工段階での小さなミスが雷被害を招くことがあります。

✅ ブレーカーの配置と避雷経路の確保

  • 雷が流入した際に、被害を最小限に抑えるには個別ブレーカーの設置が有効
  • 特に自動ドア用の制御盤は別回路として独立させ、過電流発生時に自動遮断できるようにする

✅ 配線接続部の処理

  • 接続部のネジ緩み、露出、圧着不良などはサージの侵入ポイントになる
  • 特にアース線の接続が不完全だと、雷のエネルギーが制御盤側に流れ込むことも

✅ 運用マニュアルへの落雷対策の明記

  • 「雷鳴が聞こえたら手動で電源を落とす」「雷警報が出たら閉館前にブレーカーを落とす」などのルール化
  • 現場スタッフへの周知・教育が重要

✅ 現場点検時の確認ポイント

  • サージ保護器の劣化チェック(SPDは一度動作すると機能が低下)
  • アース抵抗の定期測定
  • 制御盤内部の端子緩み・腐食の点検

4‑3 保険・メンテナンス契約における事前確認

雷被害が保険でカバーされるケースは多いものの、「契約内容によっては対象外」になることも。

✅ 火災保険・動産総合保険での対応

  • 多くの保険では、落雷による機器破損は「天災」扱いとして補償対象になる
  • ただし「経年劣化」「施工不良」などが原因と判定されると補償されない場合もあるため、定期点検記録の保存が重要

✅ メンテナンス契約における対応

  • 保守契約に「サージ保護器の点検」「非常時の駆け付け対応」が含まれているかを確認
  • 年1回以上の点検項目に、アース抵抗の測定電源系統の耐電圧試験を加えておくと安心

このように、雷対策は「設計」だけでなく、「施工の精度」「運用ルール」「契約内容」まで含めた総合的な管理が求められます。


このセクションでは【復旧手順】として「落雷で自動ドアが止まってしまった場合の対応手順」を、安全確保から原因特定、復旧確認まで段階的に解説します。


どれだけ対策をしていても、雷という自然現象に「100%の防御」は存在しません。
実際、誘導雷や逆流サージは完全には防ぎきれず、突然の不具合として自動ドアに表れることがあります。

では、もし落雷の影響で自動ドアが故障した場合、どう対応すればよいのでしょうか?
この章では、現場担当者がとるべき初期対応から復旧までの手順を、段階を追って説明します。


ステップ1:安全確認と初期対応

✅ ブレーカー遮断

  • まず第一に、電源を完全に遮断します。感電やさらなる被害を防ぐため、主幹ブレーカーを必ず落としてください。

✅ 火災・異臭・発煙の有無確認

  • 落雷の影響で部品が焼損していることがあります。
  • 「焦げ臭さ」「煙」「本体の過熱」などがあれば、絶対に再通電してはいけません。

✅ 周囲の安全確保

  • 通行人の出入りを一時的に制限。特に自動ドアが中途半端に開いた状態で停止している場合、ドアの落下や閉まり込み事故のリスクがあります。

ステップ2:目視点検・被害範囲の推定

✅ 表面の焦げ・変形・破損

  • 制御盤、配線、センサー周辺に目立つ破損がないかチェック

✅ 電源ランプ・表示灯の確認

  • 制御盤や電気錠の通電ランプが点灯しているかどうかで、被害箇所を大まかに切り分け可能

✅ 配線の接続部確認

  • 圧着端子の外れ、コネクタの緩み、被覆の破損がないか目視で確認

ステップ3:通電テストと被害箇所の特定

⚠ 再通電は慎重に!以下の条件をすべて満たしてからにしてください。

  1. 焦げ跡や発煙がない
  2. ブレーカー・ヒューズが正常
  3. 接地配線に異常なし

✅ 再通電して、以下を確認:

チェック項目被害の可能性
制御盤が動かない電源回路または内部基板の破損
操作パネルが反応しない接続不良またはマイコンの損傷
センサーが無反応センサー本体または信号線に被害
ドアは反応するが閉まらない電気錠・リレー回路の故障

ステップ4:切り分けと部品交換

✅ 電源ユニットの確認・交換

  • ヒューズ切れ、過電流遮断がないかをまず確認。
  • 電圧テスターで出力電圧が正常かチェック(一般的にDC24V)

✅ 制御盤・制御基板の交換

  • 点検用の代替制御盤がある場合、一時的にそれで動作確認を行う。
  • メーカー対応が必要な場合は型番・製造番号を控えておく。

✅ センサー・電気錠の切り分け確認

  • 他のシステムにつなぎかえて動作するかを確認し、故障箇所を特定。

✅ 配線・端子の修復

  • 被覆破損やショートの可能性がある箇所はケーブルごと交換が基本。
  • 焼けた端子台は高温による絶縁不良を起こしているため交換。

ステップ5:試運転と全体確認

✅ 通電後の開閉テスト

  • 手動起動→自動開閉→非常開放など各モードで動作確認

✅ 表示・センサー・電気錠の応答チェック

  • 人感センサーが正常に反応するか、鍵の施錠・解錠が正確に行えるかを複数回テスト

✅ 異音・タイムラグ・誤動作がないかの確認

  • 1回の動作ではなく、5〜10サイクル連続で問題が出ないか確認

ステップ6:原因の記録と再発防止策の立案

✅ 被害状況の記録

  • 落雷の日時、異常が発生した箇所、交換した部品、かかった時間などを記録しておくと保険請求や次回対応に役立ちます

✅ 保険申請やメーカー報告

  • 火災保険・設備保険・動産総合保険の対象になるかを確認し、証拠写真や修理報告書を添えて申請
  • メーカーには被害情報を提供しておくと、機種ごとの耐雷性の把握にもつながります

✅ 今後の予防策

  • 被害箇所にサージ保護器を後付けする
  • 接地構造を見直し、雷サージ経路を明確に
  • 次回の点検から雷対策項目を定期確認リストに追加

以上の流れを踏むことで、落雷による被害が出ても、被害範囲を最小限にとどめ、安全に復旧作業を進めることが可能です。

次章では、こうした復旧・対策をふまえたうえで、Newtonドアがどのように設計段階から雷リスクに向き合っているのかを解説します。


ここでは、Newtonドアがどのように雷リスクに備えた設計・施工思想を持っているかを、「荷重式 × 非電動の特性」や「電気錠・制御装置の構成」も踏まえて解説します。

ここまで見てきたように、自動ドアと雷の問題は、「電装化が進んだ現代の自動ドア」にとって避けて通れないテーマです。
では、自動ドアの設計段階で、このリスクをどう捉え、どう向き合えばよいのでしょうか。

ここでは、荷重式自動ドア「Newtonドア」を開発するNewtonプラス社の設計思想をもとに、雷リスクへの備え方の実例として、専門的な視点を共有します。


6‑1 自動ドア制御設計における耐サージ構成

Newtonドアにおける制御設計の特徴は、「荷重式=物理的な開閉機構が基本」である点です。
これにより、**通常の電動自動ドアに比べて“電気を必要とする部分が限定されている”**という特長があります。

✅ 制御盤の構成がシンプル

  • Newtonドアの標準構成では、制御盤自体が存在しないことも多く、サージが侵入する経路そのものが少ない
  • 電気錠などの電装オプションを追加する場合でも、極力シンプルな信号制御回路で構成されており、耐サージ性が高い。

✅ 信号回路は「絶縁設計」・「弱電系統分離」が前提

  • 荷重式の主機能は「人の体重」で作動するため、誤作動のリスクが極端に少ない
  • 電気錠制御や表示灯などの電装追加時も、信号回路と電源回路を分離する設計を標準としている

6‑2 配線・アース設計と構造上の工夫

設置現場においても、Newtonドアは「雷に強い施工構造」を実現するため、以下のような配慮がなされています。

✅ 最短接地構造の採用

  • 電装部品を含む構造材(ストライカーや表示ユニット)などは、最短距離でのアース接地が可能な設計
  • 必要に応じて、建物の接地線と連動する施工指示がマニュアルに明記されている

✅ 部品単位でのアース独立構造

  • コントローラや電源ユニットを使う場合も、それぞれに独立アース回路を取ることが基本
  • 「共通アースを取らず、電位差リスクを減らす」設計思想が徹底されている

✅ 配線ルート設計における雷対策

  • 信号線・電源線・構造材の干渉を最小限にするルートが、標準の施工マニュアルとして定義
  • 特に電気錠付きドアでは、「高電圧機器から距離を取る」「金属フレームを避ける」などの配線ルールがある

6‑3 現場での施工ガイド・保守指針の特徴

Newtonプラス社は、「雷被害=人の動線停止リスク」と捉え、設計段階から運用までを貫いた雷対策指針を提供しています。

✅ 施工ガイドの工夫

  • 雷警報時の対応手順(電源オフの方法)を施工時に説明
  • 保守契約時にサージ保護器の推奨位置をマニュアル化
  • 施工担当者・設置先双方に**「自律的な落雷対応フロー」を明示**する運用が基本

✅ 保守契約への組み込み

  • 定期点検メニューに「雷サージ保護器の劣化チェック」「接地状態の再測定」を含める設計
  • 導入後の利用者が**「使いっぱなしにしない」ような保守体制**が組み込まれている

このように、Newtonドアでは「構造上、雷の影響を受けにくい」「そもそも壊れにくい」設計思想に加え、万一の時にも被害を最小限にするための運用設計が組み込まれています。

最後の章では、ここまでの内容を「適ドア適所」という視点で総括し、選定・設置の判断軸としてまとめていきます。


ここでは、雷リスクを踏まえた「自動ドアの選定と設計の視点」を、Newtonドアの特徴と照らし合わせて整理していきます。

雷による被害は、電装化された現代の建物にとって避けられないリスクのひとつです。
そして、自動ドアはその中でも「電源が止まると人の動線が断たれる」という、極めて重要な役割を担う設備です。

ここまで見てきたように、雷は「直撃」よりも「誘導雷・逆流雷」のほうが日常的には多く、しかも被害の現れ方がわかりにくいため、日頃からの対策と選定判断が極めて重要になります。


【適ドア適所】の視点から見る雷リスクと自動ドア選定

「適ドア適所」とは、自動ドアをその場所に最も適した形で選ぶ・設置するという考え方です。

雷という観点から考えると、以下のような判断軸が有効です。

判断軸雷リスクが高い立地・状況推奨されるドア特性
地理条件落雷の多い地域(関東内陸、九州、北陸など)荷重式や電装最小構成が望ましい
建物構造鉄骨構造/高層建築/避雷針のある施設アース・接地設計が重要/絶縁構造推奨
使用目的医療・公共施設など「人の出入りが止まっては困る場所」落雷時でも最低限の開閉が担保される設計
電装構成電気錠、センサー、遠隔制御など高機能搭載サージ対策回路/アレスター必須設計/定期点検前提

Newtonドアの選定が適しているケース

荷重式自動ドア Newtonドアは、上記のような判断軸に対して以下の特長を持ちます:

  • 電動でなく荷重(体重)で開閉するため、雷が来ても基本動作が止まらない
  • 電装が最小限なため、誘導雷・逆流雷による被害範囲が極めて限定的
  • 電気錠などの電装追加時にも、信号分離・アース独立といった設計思想で対応
  • 施工・保守時に「雷対策マニュアル」が明文化されており、教育や指導がしやすい

これは単なる「製品の特長」ではなく、「雷のような自然リスクとどう向き合うか」という、建築設備全体の設計哲学に関わるものです。


「自動ドア × 雷リスク」まとめ

観点ポイント
雷の種類と経路誘導雷・逆流雷が特に危険。遠くの雷でも被害あり。
故障部位制御盤・センサー・電気錠・信号線が主な被害対象。
予防策サージ保護器・接地設計・配線分離・遮蔽設計が重要。
復旧手順被害の切り分け→部品交換→再起動チェックの流れで対応。
Newtonドアの特徴荷重式で電装最小、絶縁構造設計、施工時に雷対応フローあり。
選定の軸立地・建物構造・用途・電装構成をふまえた「適ドア適所」判断が鍵。

雷は一見するとランダムで避けようがない現象ですが、「自動ドアがどのような仕組みで動いているか」を正しく理解することで、対策や選定の可能性が見えてきます。

「何を使うか」よりも「どこで、どう使うか」——
それが、雷リスクと向き合う自動ドア選定の最も重要な視点です。


FAQ:自動ドアと落雷に関するよくある質問


Q: 自動ドアが落雷で壊れた場合、保証で修理できますか?
A: メーカー保証では「天災による故障」は対象外とされるケースが一般的です。ただし、火災保険や動産総合保険でカバーされる可能性があります。契約内容を事前に確認しましょう。


Q: サージ保護器(SPD)は後からでも設置できますか?
A: はい、可能です。制御盤や電源配線にアレスターやSPDを追加することで、雷サージに対する防御力を高めることができます。ただし、設置は専門業者に依頼するのが安全です。


Q: 雷が鳴っている時、自動ドアの電源は切るべきですか?
A: 雷雲が接近している場合や雷注意報が出ている場合は、主幹ブレーカーで電源を落とすことが推奨されます。特に夜間や無人時は、自動開閉による誤動作や破損を防ぐためにも有効です。


Q: 雷に強い自動ドアってありますか?
A: 荷重式のように「電気を使わずに開閉できる構造」のドアは、雷サージの影響を受けにくい傾向があります。また、電装部がシンプルで、アース設計が明確な製品を選ぶのがポイントです。


Q: 雷被害を受けた後、すぐに使っても大丈夫ですか?
A: 表面上は正常に見えても、内部基板にダメージが残っている場合があります。再通電前には焦げ臭さや異常熱の有無を確認し、不安があれば業者点検を依頼してください。


Q: 荷重式自動ドア(Newtonドア)は雷の影響を受けませんか?
A: 荷重式は電動駆動を使わず、人の体重で開閉する構造のため、基本的な動作に電気を必要としません。電気錠などオプションを追加した場合のみ、雷サージの影響が考慮されますが、それでも電装最小構成なので被害範囲は限定的です。


Q: 電動タイプと荷重式、雷に対して安全なのはどっち?
A: 雷リスクに限定して言えば、荷重式の方が被害を受けにくい構造です。特に、重要な施設や雷の多い地域では「電装最小構成で基本動作が維持される」ドアの方が安心です。

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