自動ドアと聞くと、皆さんはどんな動きを思い浮かべるでしょうか?
おそらく多くの方は「横にスライドするドア」を想像されるのではないかと思います。
コンビニエンスストア、オフィスビル、病院の玄関など、日常で目にする自動ドアのほとんどがこのタイプです。
しかし、実は自動ドアには“開き方”の違いによってさまざまな種類があります。
中には「押すように開く」「折れながら開く」「回転する」といった、全く異なる動作をするものも存在します。
これらの違いは単なる見た目や動作のバリエーションではなく、設置場所の条件や使う人の動線、安全性などに深く関係する大切なポイントです。
本記事では、「自動ドアの開き方」に関する基本知識を徹底的に解説します。
名前だけでは分かりづらい用語も丁寧に整理しながら、それぞれの構造や特徴、適した設置場所などを、専門的な視点でわかりやすく紹介します。
この記事を読むことで、以下のような疑問が解消されます。
- 自動ドアにはどんな「開き方」があるのか?
- それぞれどんな場所に向いているのか?
- 選び方を間違えると、何が起きるのか?
- 自分の施設や建物には、どのタイプが適しているのか?
さらに、「電気を使わないタイプの自動ドア」や「災害時にも閉じ込められない仕組み」など、一般にはあまり知られていない情報にも触れていきます。
知っているようで意外と知らない、自動ドアの“開き方”。
ぜひこの記事を通じて、より安心・快適な空間づくりのヒントを見つけてください。
自動ドアには「開き方」がいろいろあるって知ってましたか?
自動ドアというと、多くの方が「スライド式(横に動く)」をイメージされるかもしれません。
実際に普及している数もスライド式が圧倒的に多いのは事実です。
しかし、それだけではありません。
自動ドアの世界には、実はさまざまな「開き方(動作方式)」が存在しています。
そしてそれぞれが異なる「設置条件」「動線計画」「安全性」「利用者層」などに応じて選ばれているのです。
まずは以下に代表的な「開き方」の種類を挙げてみましょう。
- スライド式(引き戸)
- スイング式(開き戸)
- フォールディング式(折れ戸)
- 回転式(ロータリードア)
ここで注意したいのが、「両開き」「片開き」といった表現の混同です。
たとえば「両開き」と聞くと“観音開き”のように真ん中から左右に開く開き戸を想像する方が多いかもしれません。
しかし自動ドアの業界では、「両引き戸」=左右に引いて開くスライド式を「両開き」と表現することもあります。
こうした用語の混乱は、選定や打ち合わせの際に誤解を招く要因にもなります。
そのため、まずはそれぞれの名称と開閉のしくみをしっかり整理して理解することが大切です。
次のセクションでは、主要な4タイプの自動ドアの開き方について、構造や動きの特徴を順番に見ていきましょう。
どんな開き方がある?主要4タイプの構造と動き
ここでは代表的な自動ドアの「開き方」を4つ紹介し、それぞれの動きや構造、設置に適した条件をわかりやすく整理します。
目次(このページの内容)
スライド式(引き戸)
特徴:
- ドアが左右どちらかに水平にスライドして開閉
- レール上を滑らかに動く
- 通常は上部にモーター、センサー、レール機構が一体化されている
メリット:
- 開閉スペースがいらない(手前にも奥にもドアが張り出さない)
- 通行量が多い場所でもスムーズに動線確保できる
- 自閉機能付きが多く、開けっ放しを防げる
適した場所:
- コンビニ・病院・銀行・商業施設の正面入口
- 通行量が多く、バリアフリー性を重視する場所
スイング式(開き戸)
特徴:
- ドアが「押す/引く」動作で回転して開閉する
- いわゆる“ドア”の動きそのもの
- モーターによってドアがスイング動作する
メリット:
- スライドスペースが取れない場合でも設置可能
- 室内ドアや間仕切りとしても使用しやすい
注意点:
- 開閉時に「ドアが張り出す」ため、通行人との接触に注意
- センサー制御での安全対策が重要
適した場所:
- 高齢者施設のトイレ出入り口や、ホテルの客室出入り口
- 「静音性」が求められるシーン
フォールディング式(折れ戸)
特徴:
- ドアが中央で折れて開く方式
- 開閉時に折れながらスライドする
- 狭いスペースに対応しやすい
メリット:
- 奥行きのない場所でも使用可能
- スライドやスイングが難しい場所の選択肢
適した場所:
- 高齢者施設・小規模クリニック・住宅内装ドアなど
- 限られた空間での設置が必要な現場
回転式(ロータリードア)
特徴:
- ガラスの円筒形や十字形のドアが回転して出入り
- 見た目のインパクトが強い
メリット:
- 空調効率が高く、ドア開閉による外気の侵入が少ない
- デザイン性が高く、施設の顔となる演出が可能
適した場所:
- 高級ホテル・商業ビル・空港など
注意点:
- 動作に慣れない人への配慮が必要(高齢者・子供)
それぞれの「向いている場所」と「苦手なシーン」
上記の開き方にはそれぞれ適性があります。
以下のように、設置場所や目的に応じて「適ドア適所」で考えることが重要です。
| 開き方 | 向いている場所 | 苦手なシーン |
|---|---|---|
| スライド式 | 商業施設、病院、駅など | 側面に引き戸を納められない狭い空間 |
| スイング式 | トイレ、住宅の出入口 | 扉の張り出しに余裕がない通路 |
| 折れ戸式 | 狭い施設・住宅内の小部屋など | 頻繁に通行する出入口には不向き |
| 回転式 | 高級施設、外気遮断が重要な施設 | 通常の動線で使うには慣れが必要 |
このように、単純な「見た目」や「動きの好み」で選ぶのではなく、その空間にとって合理的かどうかという視点が大切です。
選ぶときに失敗しない判断軸とは?
自動ドアを選ぶ際には、以下のような視点で考えると「選んだ後の後悔」が防げます。
判断軸1:スペース条件
- スライドできる左右スペースはあるか?
- ドアが手前や奥に張り出しても支障がないか?
判断軸2:通行頻度・流れ
- 人がひっきりなしに通る場所か?
- 一度に何人通れる幅が必要か?
判断軸3:利用者層
- 高齢者や子供など、動きに敏感な層が使うか?
- 開閉に「予測可能性」が必要か?
判断軸4:安全性・災害時
- 万一の停電でも開閉できるか?
- 挟まれ事故を防止できるセンサーはあるか?
こうした観点を意識することで、「最適な開き方」の判断に近づけます。
「非電動」の選択肢って?知る人ぞ知る“荷重式”という考え方
自動ドア=電動式というイメージがありますが、実は電気を使わない方式も存在します。
それが「荷重式(じゅうりょうしき)」という考え方です。
荷重式とは?
- ドアの前に人が立って“荷重”がかかることで、機械的に開く仕組み
- 電気制御を一切使わないため、停電でも確実に動作
- 閉じ込めリスクがゼロに近い
この方式は、高齢者施設や避難経路を重視する建物で再評価されています。
また、「電気代をかけずに自動化したい」というニーズにも適しています。
詳しくは関連記事にて紹介しています。
(※ここでNewtonドア関連コンテンツへ自然導線リンク可能)
【適ドア適所】にそった「まとめ」
自動ドアの“開き方”には、それぞれ異なる動き、構造、適した環境があります。
スライド式・スイング式・折れ戸式・回転式…どれも正解であり、使う場所によって最適解が変わるというのが本質です。
そして、最近では電気を使わずに動作する「荷重式」などの新しい選択肢も登場しています。
選ぶべきドアは、“あなたの建物”にとって適しているかどうか。
見た目や流行だけでなく、構造、安全性、使い勝手をしっかり考慮して、最適な「開き方」を選ぶことが、快適で安心な環境づくりの第一歩です。
✅ FAQ:よくある質問とその答え(スキーママークアップ対応)
Q1: 自動ドアにはどんな種類の開き方がありますか?
A: 一般的には「スライド式(引き戸)」「スイング式(開き戸)」「折れ戸式(フォールディング)」「回転式」の4タイプがあります。
Q2: 「両開き」と「両引き戸」は同じ意味ですか?
A: 業界によって表現が異なりますが、両開きは観音開き(スイング式)、両引き戸は左右にスライドするスライド式を指します。
Q3: 自動ドアの選び方で一番重要なのは何ですか?
A: スペース条件と通行頻度です。これによって適切な開き方が大きく変わります。
Q4: 折れ戸式の自動ドアはどんな場所に使われますか?
A: 狭い場所や開閉スペースが取れない場所(例:住宅内や小規模施設)に向いています。
Q5: 自動ドアは停電すると開かなくなりますか?
A: 多くの電動式は停電時に安全確保モードになりますが、完全に電源依存です。一方、荷重式は電気を使わず開きます。
Q6: 自動ドアに非電動式があるって本当ですか?
A: はい、荷重式と呼ばれる非電動型自動ドアがあります。電力を使わず、安全性と防災性能に優れています。
Q7: 回転式自動ドアはどんな施設に向いていますか?
A: 高級ホテルや空港など、空調効率やデザイン性を重視する施設に適しています。
Q8: 自動ドアの「適ドア適所」ってどういう意味ですか?
A: 設置環境、通行頻度、ユーザー層に合わせて“その場所に最も適したドアの種類”を選ぶ考え方です。
Q9: 高齢者施設におすすめの自動ドアの開き方はありますか?
A: 通行しやすさと安全性から、荷重式や静かに開くスイング式が多く選ばれています。
Q10: 自動ドアの「開き方」って、変更できるんですか?
A: 基本的に後から開き方を変えるのは難しいため、初期設計で十分な検討が必要です。