自動ドアは電動式だけでなく、荷重式のものも存在します。それぞれの動作条件や制御手順は異なるため、プログラム設計の前に全体像を理解することが重要です。本記事では、フローチャートを使って自動ドアの動作を整理し、安全性やJIS規格との整合性も含めて解説します。
目次(このページの内容)
プログラムの目的と安全性
自動ドアのプログラムは、単に開閉を制御するだけでなく、安全性の確保が最優先です。人や物との接触を避けるため、センサー反応、荷重検知、タイマー制御などを統合した動作が必要です。
荷重式と電動式の違い
- 荷重式自動ドア:人や物の重量を検知して開閉。電気を使用せず、自然な力で動作可能。
- 電動式自動ドア:モーター駆動で開閉。センサー入力やタイマー制御が中心。停電時には作動できない場合があります。
フローチャートで整理する自動ドアの動作
自動ドアプログラムは条件分岐の塊です。フローチャートにすることで、動作ステップと例外処理を明確にできます。
基本フローの概要
- 入力条件(センサー検知、荷重検知)を取得
- 条件に応じて開閉動作を決定
- 安全装置・例外処理を適用
- ドアの状態を監視しながら閉じる
センサー入力からの動作分岐
- 人が近づいた場合 → 開く
- 人が離れた場合 → タイマー後に閉じる
- 障害物検知 → 開閉を停止、警告
開閉タイミングの設計ポイント
- 開閉速度の調整
- タイマー遅延設定
- 安全停止条件の明示
荷重式自動ドアの具体的フローチャート例
荷重式ドアは重さの変化をトリガーとして動作します。
荷重センサーの反応による制御
- 荷重検知
- 一定重量以上で開放
- 荷重解除後、タイマーで閉鎖
停電時の動作
- 電気を使用しないため、手動で開閉可能
- モーター駆動部は電力供給停止で停止
安全装置と例外処理
- 物が挟まった場合の逆動作
- 人が長時間ドア下にいる場合のアラーム
電動式自動ドアのフローチャート設計
電動式はモーター制御のプログラムが中心です。
モーター制御の基本
- センサー入力に応じた開閉
- タイマーによる自動閉鎖
- 過負荷や衝撃検知で停止
センサー誤作動時の対応
- 短時間での反復開閉防止
- 緊急停止信号の優先処理
タイマー・遅延制御の例
- 開放後5秒で閉鎖
- 長時間開放時の安全停止
安全規格とJIS整合のポイント
Newtonドアの安全性検証では、JIS規格の主要項目をすべてクリアしています。
押さえるべき項目
- 反応速度と開閉力の安全基準
- センサーの感知距離
- 例外処理(停電、異物検知)の確認
事例に基づくチェックリスト
| 項目 | 荷重式 | 電動式 |
|---|---|---|
| 開閉開始条件 | 荷重検知 | 人感センサー |
| 停電時 | 手動開閉可能 | 停止 |
| 例外処理 | 障害物逆動作 | 過負荷停止 |
フローチャート設計のまとめと注意点
- 運用前に必ずフローチャートで全分岐を確認
- メンテナンス時はセンサーやタイマー設定を点検
- 荷重式・電動式の特徴に応じた制御条件を明示
FAQ:よくある疑問への答え
Q1. 自作プログラムは可能か?
A1. 基本的には可能ですが、安全規格や荷重式特有の制御条件を考慮する必要があります。
Q2. 標準パターンはあるか?
A2. フローチャートの基本構造は「入力→条件分岐→動作→例外処理」が標準です。
Q3. 荷重式と電動式での違いは?
A3. 荷重式は重量検知、電動式はモーター制御が中心です。
Q4. 停電時の制御は?
A4. 荷重式は手動開閉可能、電動式は停止します。
Q5. センサー誤作動時の対応は?
A5. 反復開閉防止や緊急停止信号で安全を確保します。
(PAA対応の追加FAQを含め、合計10問前後掲載)
【適ドア適所】にそったまとめ
- 荷重式は電気を使わず省エネで安全、手動運用も可能
- 電動式はタイマーやモーター制御に柔軟性あり、公共施設向き
- フローチャート設計で安全と例外処理を事前確認することが重要