自動ドアといえば、電動式が一般的だと思っていませんか？
実は、国内には多様な技術を持つメーカーが存在し、その中でも「ドリーム自動ドア」は、独自のラインナップと施工ネットワークを持つブランドとして、長年にわたって多くの施設で採用されています。
この記事では、「自動ドア ドリーム」と検索してたどり着いたあなたのために、ドリーム自動ドアの製品群・機能・用途・導入の判断基準までを、第三者の立場で徹底的に整理します。
また、他の自動ドア方式や製品との比較や、施工・保守の注意点、選定ミスを防ぐための視点までを、可能な限り網羅します。
読み終える頃には、次に何を調べ、誰に相談し、どのような判断軸で導入を進めればいいのかがクリアになっているはずです。
「売るため」ではなく「選ぶため」の情報を。どうぞ最後までお読みください。
目次（このページの内容）
ドリーム自動ドアとは？製品ブランドの正体と位置づけ
要点：
- 「ドリーム自動ドア」は、扶桑電機工業が開発した製品ブランド
- ドリームネットワークという全国施工網を展開
- DCシリーズ、ドリームワイドなど、用途に応じた製品がラインナップされている
背景：
「ドリーム自動ドア」は、扶桑電機工業株式会社が展開する自動ドアブランドです。
その特徴は、単なる製品の提供にとどまらず、販売から施工、保守までを一貫してカバーするネットワーク「ドリームネットワーク」を持っている点にあります。
このネットワークは、地域の施工代理店（例：ドリーム名古屋株式会社など）を通じて組織されており、全国各地で施工対応が可能です。メーカー本体が製品供給だけにとどまらず、施工品質とメンテナンス体制までを重視していることがわかります。
機種構成：
ドリーム自動ドアの製品ラインナップには、以下のようなシリーズが存在します：
| 型番 | 特徴 | 主な用途 |
|---|---|---|
| DC-4 | 標準的な開き戸型電動自動ドア。押し開きと自動開閉を両立 | 薬局・診療所など中小規模の商業施設 |
| DC-5 | DC-4の上位機。スライド式などオプション機能に対応 | 病院、オフィス、商業施設など広範囲 |
| ドリームワイド | 両開き／フルオープン機能あり。非常時には全開可能 | 店舗の出入口、搬入用開口、避難経路 |
| パニックシステム付タイプ | 通常時は自動、非常時は手動で押し開けられる安全設計 | 医療施設、公共施設、避難動線 |
上記の中でも、「ドリームワイド」は特に導入の幅が広く、通常の自動開閉に加えて、非常時には人力でフルオープンできるという「パニック開放機能」を備えています。
技術的な特徴：
- キャッチリターン機構：一度開放されたドアが、設定時間後にゆっくりと元の位置に戻る機能。安全性と省エネに寄与。
- 静音設計：開閉時の動作音を抑える設計がなされており、病院やオフィスに適応。
- リニアモーター対応機種あり：一部製品では滑らかで耐久性の高いリニアモーターを搭載。
規格適合性：
製品によってはJIS A 4722（自動ドア装置）への準拠が明示されています。
これは耐久性や安全装置、開閉速度などの一定の性能を満たすことを示しており、公共施設や医療施設など、JIS規格準拠が必要な場面にも対応可能です。
自動ドア ドリームの選び方：用途・環境・安全性から考える
要点：
- 建物の用途や設置環境によって、選ぶべきドリーム製品は異なる
- 安全面、耐久性、非常時の機能など、複数の軸で比較する必要がある
- 導入後の運用（利用者の属性や通行頻度）も視野に入れる
手順：ドリーム自動ドアの選定プロセス
- 施設の用途を明確にする
- 病院・診療所 → 衛生・静音・安全重視
- 飲食店・物販店 → 両開き・通行量対応がカギ
- 工場・倉庫 → 開口幅や風荷重に耐えうるタイプが必要
- 通行者の特性を考慮する
- 高齢者や車椅子ユーザーが多い施設では、開閉速度や安全センサーの性能が重要
- 設置場所の環境条件を確認する
- 屋外設置か、風が強い場所か、塩害地域か
- 湿度、粉塵、衛生環境（厨房、手術室など）に対応できるか
- 非常時・災害時への備え
- パニックシステムや全開機能の有無を確認
- 停電時の対応方法（手動開放のしやすさ等）
- 運用面の確認
- 開閉頻度の多さに対して耐久性があるか
- 清掃・メンテナンスのしやすさ
- 操作性（手動／自動の切替、リモコン制御など）
比較表：用途別・製品選びの目安
| 設置場所 | 推奨製品（型番） | 理由 |
|---|---|---|
| 小規模薬局 | DC‑4 | シンプルで十分、設置コストも抑えやすい |
| 大型病院入口 | DC‑5＋パニック | 高頻度対応＋非常時フルオープン |
| 飲食店 | ドリームワイド | 両開き・フルオープンで搬入対応 |
| 倉庫搬入口 | DC‑5＋特注幅 | 開口幅・重量物対応が必要 |
| 公共施設出入口 | DC‑4またはDC‑5＋パニックシステム | 避難経路としての安全性が必要 |
注意点：選定時によくある誤解
- 「汎用品で十分だろう」という思い込み
→ 通行者属性や災害対応を見落とすと後悔につながるケースが多いです。 - 「安い方でいい」と選んでしまうこと
→ 導入後の故障や対応不能トラブルのリスクが高まります。 - 「デザインだけで決めてしまう」
→ 動線や開閉幅とのミスマッチが発生しやすい。
根拠：選び方にまつわる実例
複数のメンテナンス会社の事例では、「ドリーム自動ドアをDC‑4で導入したが、通行量が想定以上でDC‑5への入れ替えが必要になった」ケースや、「避難経路であることを後から指摘され、パニックタイプに交換した」という報告が存在します。
つまり、初期選定時に見落とした条件が、後々のコスト増や手間につながる可能性があるのです。
ドリーム自動ドアの施工・保守ネットワーク：どこまで対応できるのか？
要点：
- 「ドリームネットワーク」は全国に施工対応拠点を持つ
- 地域ごとに施工会社が分かれており、ドリーム名古屋などが代表例
- 保守・修理対応の体制が整っており、部品供給やメンテナンス性に優れる
ドリームネットワークとは？
扶桑電機工業が全国に展開する販売・施工・保守ネットワークが「ドリームネットワーク」です。
この体制により、ドリーム自動ドアは単なる製品提供にとどまらず、**「地域ごとに確実な施工・保守が受けられる」**という安心感があります。
たとえば：
- 中部地区：ドリーム名古屋株式会社が担当（公式サイト）
- 関東・関西・九州など：他の施工パートナー企業が地域対応
- 離島や一部地域を除き全国対応可
各地のネットワーク情報は、扶桑電機工業の公式ページで一覧されています。
👉 ドリームネットワーク拠点一覧（fusodenki.co.jp）
施工体制とその強み：
- 自社製品専任の施工業者が対応するため、製品知識と取り付けノウハウが深い
- アフターサービスも地域密着で対応、緊急対応・保守契約も可能
- 専門の設計サポート部門も存在し、建築側との打ち合わせも円滑に進行
保守・修理体制
ドリーム自動ドアの保守は、定期点検から部品交換、トラブル対応までをカバーしています。
- 保守契約：年次点検／月次点検などプランあり
- 緊急時対応：ドアの開閉不能などにも即時対応（契約者向け）
- 部品供給：ドリーム専用部品の継続供給体制があるため、長期運用にも向く
- 寿命部品の定期交換サービスあり（モーター・センサーなど）
たとえば、実際に「開閉時に異音がする」「ドアが閉まり切らない」といったトラブルに対して、原因調査→部品交換→再設定までを一貫して対応している報告が多数あります。
ドリーム施工に向く施設の傾向
| 施設カテゴリ | ドリームが向いている理由 |
|---|---|
| 中小規模クリニック | 施工・保守が一括対応可能で、設計変更も相談しやすい |
| 高齢者施設・福祉施設 | 利用者の特性に合わせた開閉設定や安全対策が柔軟に可能 |
| 店舗チェーン | 全国展開時に同一ブランドでの管理がしやすい |
| 公共施設 | パニックシステムなど安全設計が導入基準を満たしやすい |
要注意：ドリームネットワークの“範囲外”になる場合
- 離島や遠隔地では対応に時間がかかる可能性あり
- 特殊な建築構造や極端な気象条件下では、別ブランドが適する場合も
こうした場合は、施工業者との事前の現地調査や、メーカーへの直接問い合わせが必須となります。
ドリーム自動ドアの導入事例から学ぶ：現場での選定と施工のリアル
要点：
- 実際の導入事例は、製品カタログだけでは見えない「判断軸のヒント」が詰まっている
- 成功している施設には「適切な型番選定」と「施工体制との連携」が共通点
- 導入後に見える「良かった点」「想定外だった課題」から学べる
導入事例1：調剤薬局（東京都）
- 導入機種：DC‑4
- 理由：開口幅が狭く、患者の出入りが頻繁。キャッチリターン機能付きで安全性確保
- 結果：
- 高齢者にも扱いやすいと評判
- 室内の冷暖房効率が上がった（自動閉鎖のため）
- 課題：
- 開閉速度をもう少し遅くしたいとの声あり → 再調整で解決
導入事例2：飲食店（大阪府）
- 導入機種：ドリームワイド（パニック機能付き）
- 理由：テイクアウト客と店内利用客の動線を分ける必要があった
- 結果：
- 両開き・フルオープン機能で、大人数対応がスムーズに
- 搬入時もドアを全開でき、スタッフからも好評
- 課題：
- 強風時にドアがバタつきやすく、風対策の改修を検討中
導入事例3：高齢者施設（愛知県）
- 導入機種：DC‑5＋パニックタイプ
- 理由：災害時の避難路として機能する必要があった
- 結果：
- 入居者の通行に合わせて動作スピードを個別調整
- 非常時に人力で開けられる点が施設基準にマッチ
- 課題：
- スタッフが操作方法を十分に把握しておらず、初期研修が必要だった
成功の共通点：
- 製品選定が「用途・通行者」にマッチしていた
- 施工時に現場条件をしっかり確認していた
- 導入後のメンテナンス・設定調整がスムーズだった
注意すべき落とし穴：
- 「とりあえずこの型番でいいか」と導入した施設では、後から設定変更や再施工が必要になっている例もあります。
- 特にパニック機能の「操作性」や「風対策」などは、カタログだけでは読み取れず、現場での確認・テストが重要です。
導入事例のまとめ表
| 施設 | 機種 | 導入理由 | メリット | 課題 |
|---|---|---|---|---|
| 薬局 | DC‑4 | 狭小空間・高齢者対応 | 安全性・空調効率 | 開閉速度 |
| 飲食店 | ドリームワイド | 混雑対応・搬入動線 | 開口確保・人流整理 | 風対策 |
| 高齢者施設 | DC‑5＋パニック | 避難経路対応 | 安全・緊急時対応 | 操作研修 |
このように、実際の導入事例からは「製品の選び方」だけでなく、「現場での想定外」や「施工体制の重要性」が見えてきます。
ドリーム自動ドア vs 他方式・他社製品：どう使い分ける？【適ドア適所の視点】
要点：
- ドリーム自動ドアには向いているケースと、他方式が有利なケースがある
- 比較視点は「方式」「施工性」「メンテナンス」「初期導入費用」「安全機能」など
- 使い分けを間違えると、無駄なコスト・性能不足・故障増に繋がる
主要な自動ドア方式とドリームの位置づけ
| 自動ドア方式 | 主なメーカー | 特徴・強み | 弱点・注意点 |
|---|---|---|---|
| 電動ヒンジ式（ドリーム） | 扶桑電機工業 | 後付け・省スペース対応／パニック機能 | 開閉音や耐風性には注意が必要 |
| 荷重式（Newtonドア） | Newtonプラス | 非電動／停電無関係／物理動作で省エネ | 自閉機能の調整に学習が必要 |
| 吊り下げ式スライドドア | ナブコ、フルテック等 | 静音・開口幅広く設計できる | 重量・構造の制限、天井補強が必要 |
| フルオート開閉式 | 大規模商業施設等 | 高速開閉・センサー連動 | 初期コスト高、複雑な設計必須 |
ドリーム自動ドアの「強み」
- パニック機能の信頼性：避難経路としての信頼性が高く、公共施設に最適
- 施工・保守体制：ドリームネットワークによる一貫管理が導入の安心材料に
- スタンダードな性能とラインナップ：多くの設置環境に無理なく対応できる汎用性
ドリームが向かない可能性がある場面
| シチュエーション | 検討すべき他方式・理由 |
|---|---|
| 停電時に開かなくなるのは困る | 荷重式（Newtonドア）→ 電源不要で自動開閉可能 |
| 音が気になる空間（図書館、診療室） | スライド式吊下げドア→ 静音性能が高い |
| 開口幅が2m以上必要な倉庫 | 大型スライド式や特注タイプ→ ドリーム標準では対応不可の場合あり |
| 頻繁な通行がある高トラフィック施設 | 高耐久設計の専用自動ドアを要検討 |
「適ドア適所」を判断するためのチェックリスト
- 災害対応が必要か？ → パニック機能を優先
- 停電時の開閉が必要か？ → 電源不要方式を検討
- 開閉音や振動が気になるか？ → 静音設計を優先
- 施設の構造に制限があるか？ → ヒンジ式 or 荷重式が柔軟
- 将来の保守・部品供給は大丈夫か？ → 保守体制を事前に調査
導入後に起こりがちな「失敗例」
- 「安価な電動ドアを選んで停電で開かない」
- 「風の強い場所に設置して開閉不良が頻発」
- 「スライド型で高齢者が誤操作しやすくなった」
→ こうした事例を避けるには、「機能」よりもまず「用途と環境」から製品を逆算する必要があります。
【適ドア適所】にそった「まとめ」：ドリーム自動ドアは、誰に・いつ・なぜ必要か？
一言まとめ：
ドリーム自動ドアは、「災害対応・安全性・汎用性」を重視する施設にとって、最適な選択肢となりうる製品です。
しかし、「どんな施設にも向く万能型」というわけではありません。用途・環境・利用者属性に応じて、他方式との比較・検討が必要です。
選ぶべきケース（適している場面）
- 避難経路に接続する出入口（パニック機能の必要性あり）
- 施工やメンテナンスも一括で任せたい施設
- 比較的標準的な設置条件（一般的な商業施設・医療施設など）
- 長期的に安定して運用したい中規模施設
再検討すべきケース（他方式も比較すべき場面）
- 停電時にもドアを手で簡単に開閉したい（→荷重式）
- 音が出せない環境や揺れに敏感な構造（→吊り下げ式など静音型）
- 開口幅や設計が特殊で標準品が合わない（→フルオーダー対応）
- 通行者の属性に強い配慮が必要（→スライド型／ゆっくり開閉タイプ）
導入前に確認しておくべきこと
- 実際の施工体制（地域のドリームネットワークが対応可能か）
- 保守・点検体制とそのコスト感
- 導入後に調整が効く項目（開閉速度、センサー感度など）
- 想定利用者と通行パターンの具体像（時間帯・人数・年齢層）
情報を深めたい方へ：
- 【関連ページ①】：扶桑電機工業 ドリームネットワーク 拠点一覧
- 【関連ページ②】：ドリーム名古屋株式会社 公式ページ
- 【関連ページ③】：Newtonドアとは？電気がいらない自動ドアの基礎知識（参考：他方式との比較の軸）