新しくお店をつくるとき、「誰に相談すればいいのか」で悩む人はとても多いです。
建築家、設計士、内装業者——それぞれの名前はよく聞くけれど、「具体的に何がどう違って、どこまで任せられるのか」は、案外知られていません。
しかも、設計のスタート時点でこの判断を誤ると、あとから「こんなはずじゃなかった」と後悔するリスクもあります。

この記事では、建築家・設計士・内装業者の違いをわかりやすく整理しながら、
失敗しない判断軸と、自分に合った相談先の見つけ方を解説します。

さらに、動線やバリアフリー設計に直結する「ドアの選び方」についても、
見落とされがちな設計の落とし穴として詳しく掘り下げます。


「設計の相談は、誰にするべき?」と迷ったら

要点:

店舗づくりに関わるプロは複数いますが、それぞれ得意分野が異なります。
「どんなゴールを目指したいか」によって、相談すべき相手も変わってきます。


根拠:

まずは、「建築家」「設計士」「内装業者」の違いを、次のような視点で整理してみましょう。

相談先主な役割得意分野認可・資格主な相談タイミング
建築家全体設計、構造・法規対応も含む意匠性、機能性、長期視点の設計一級建築士・二級建築士など用地選定・基本構想の段階から
設計士建築士とほぼ同義。実務設計・申請が主詳細図面、実行予算との整合建築士資格が必要基本設計〜実施設計の段階
内装業者内装の仕上げ・施工が中心素材やコストに基づいた提案特に資格不要(建設業許可などは別)基本設計が終わった段階から施工直前

手順:

判断に迷ったときは、次の3ステップで考えてみてください。

  1. どこまで自由に設計したいか?
     → オリジナル性や意匠を重視するなら建築家が向いています。
  2. 法規対応・構造の調整も必要か?
     → 厨房や排煙設備など、法令に関わる部分が多ければ建築士が必須です。
  3. すでにある程度イメージが固まっていて、形にするだけか?
     → 施工中心に進めたいなら、内装業者でも問題ないケースがあります。

補足:

例えば飲食店では、「厨房面積の確保」と「客席数のバランス」によって売上に直結するため、
単に「見た目がいい」だけの空間設計ではうまくいかないケースが多いです。

また、物販系の場合は「什器の配置」「視線の通り方」「商品導線」が、設計精度によって大きく差が出ます。


おしゃれなだけでいい? 店舗設計で失敗するパターン

要点:

「見た目のよさ」だけで設計を進めると、使い勝手や法的対応で後悔することがあります。
設計段階での抜け漏れが、営業開始後のストレスやコスト増加につながるケースも。


根拠:

店舗設計の失敗には、次のような典型パターンがあります。

失敗パターン問題点よくある影響
動線が悪い設計厨房と客席の導線が交差するスタッフの動きが非効率、回転率が下がる
法規未対応のまま施工バリアフリー未対応/建築確認未取得営業停止や改修命令のリスク
設備容量の見積もりミス空調や換気の能力不足店内が暑い/臭いがこもるなどのクレーム
意匠に偏りすぎた設計什器や家具が実際の営業に合わない接客・導線に支障、レイアウト変更が必要になる

具体例:

あるカフェでは、デザイン重視でレジカウンターの後ろに導線を取らなかった結果、
キッチンと客席の行き来がスタッフ動線とぶつかり、混雑時のオペレーションが非常に非効率に。

また、別の美容室では「開放的な空間」を優先しすぎた結果、冬場の寒さ対策が不十分で
「寒くて落ち着けない」との声が増え、来店数が減少したケースもあります。


チェックリスト:設計前に必ず確認すべき5項目

  1. 客席数・厨房面積のバランスが営業計画に合っているか
  2. 来店者・スタッフの動線が交差せずに設計されているか
  3. バリアフリー/消防/用途変更などの法令対応が考慮されているか
  4. 設備容量(空調・換気・電気容量など)の想定が妥当か
  5. 家具・什器の実寸配置と現場での動きがシミュレートされているか

建築家に依頼するメリットと注意点

要点:

建築家に依頼することで、空間のトータル設計や長期的な使い勝手まで見越した店舗づくりが可能になります。
一方で、費用感や役割分担において誤解があるとトラブルになることも。


根拠:

建築家の大きな特長は「全体構想力」と「専門的な法的・構造的知識」の両立にあります。

項目内容
設計の深さ意匠・構造・設備・法規すべてを設計に反映できる
空間の統一性素材、照明、音環境まで一貫性あるデザインが可能
提案力コンセプト設計やブランディングに貢献できる
安全性建築基準法、消防法、バリアフリー法などの適合設計

メリット:

  • 世界観に一貫性が出る:空間とブランドの統一感が出やすい。
  • 営業戦略と連動した設計:例えば「回転率重視」「長居促進型」などの運営方針にあわせた動線設計。
  • 法規に強い:用途変更や防火対象物、建築確認などの法的手続きも対応可能。

注意点:

  • 費用感の不安:一見高く見えるが、長期視点では「コストではなく投資」に。
  • 職域の混同に注意:施工管理は別業者(工務店など)となる場合が多い。
  • 相談スタートが早すぎても遅すぎてもダメ:用地選定の段階で入れるのが理想。

Q: 建築家って、いつ・どうやって相談するのがベスト?

A: 店舗の方向性や立地が「だいたい決まりそう」という段階がベストです。
あまりにも初期だと現実性が薄く、逆に工事直前だと調整がきかないことが多くなります。


設計段階で“絶対に”抜けてはいけない3つの視点

要点:

設計には、美しさやレイアウトだけでなく「動線」「法規」「運営後の管理」といった現場感覚の視点が欠かせません。
これらを見落とすと、完成後の「不便さ」や「営業コストの増加」につながります。


根拠:

特に重要な視点は以下の3つです。

  1. ユーザー動線の設計
  2. 法令・安全性への適合
  3. メンテナンス・運営後の持続性

視点①:ユーザー動線の設計

  • 来店者の流れとスタッフ動線が交差しないように設計
  • 滞在型か回転型かで動線の幅・配置が変わる
  • 「入って3秒で空間を理解できる」配置が理想

【例】
カフェで入口から注文→受取→着席までが視認しやすいと、回転率やオペレーションがスムーズになる。


視点②:法令・安全性への適合

  • バリアフリー新法(段差解消、手すり設置など)
  • 消防法(非常口、誘導灯、消火器の配置など)
  • 建築基準法(用途地域、構造種別の制限)

【注意点】
設計段階で法令に適合していないと、「開業できない」事態にも。
あとから修正するには追加費用もかかります。


視点③:メンテナンス・運営後の持続性

  • 日々の掃除や保守がしやすいか
  • 修理対応が容易な素材・構造か
  • 数年後のリニューアルや多店舗展開を見据えているか

【例】
天井に埋め込み式の照明が多すぎて、ランプ交換や点検時に足場が必要になり、
営業を止めなければならないという事例もあります。


自動ドアの選択で「動線設計」は大きく変わる?

要点:

自動ドアは単なる出入口ではなく、「第一印象」「快適性」「安全性」に大きく関わる重要な設計要素です。
中でも【荷重式自動ドア】の導入は、空間設計や費用対効果の面で大きなメリットがあります。


根拠:

設計段階で自動ドアの種類まで意識するケースは少ないですが、
「設計の抜け漏れ」「動線の不整合」「無駄なコスト増」の原因になることも。


自動ドア選びの比較表(用途別に適ドア適所)

シーン電動式自動ドア荷重式自動ドア(Newtonドア)
駅前・人通りの多い店舗◎開閉頻度高でも耐久性あり○一方向導線なら適応可
郊外型の物販店◎大量搬入にも対応◎大開口で簡単開閉、停電時も安心
バリアフリー店舗○センサー精度次第◎軽く押すだけで開く、車椅子に最適
停電時の対応×開かなくなることが多い◎電気不要なので常に手動で開閉可能
コスト制限あり×設置費・維持費が高い◎初期コスト・維持費が安価で済む

特に注目すべき場面:

  • 高齢者施設や福祉型店舗では、電気式よりも荷重式のほうが「自然で安全」
  • 停電時に閉じ込めのリスクがある場所では、荷重式が非常口にも使える
  • 入口に電源が引けない小型テナントや古い建物では、荷重式が設計の選択肢になる

設計者との共有ポイント:

  • 設計初期段階で「どの種類の自動ドアを採用するか」を話し合う
  • 必ず「利用者層」「停電時の対応」「将来の維持管理費」まで含めた議論にする
  • 荷重式が有効なシーンで、設計を柔軟にする

荷重式自動ドア(Newtonドア)は、特に「機能性」「安全性」「コスト」に優れ、
設計段階での「柔軟性」を確保するうえでも有効な選択肢です。

意匠だけではなく、現場で実際に使いやすい設計を目指すなら、
自動ドアの設計も含めた「全体設計の質」が問われることを覚えておきましょう。


まとめ:理想の店舗づくりに必要なのは「相談できる相手」

店舗設計は、「誰に頼むか」だけではなく、
「どんな視点で相談するか」がすべてを左右します。


この記事でわかったこと:

  • 建築家・設計士・内装業者は、それぞれ得意分野と役割が異なる
  • おしゃれな空間でも、動線や法令・安全性を欠くと機能しない
  • 設計段階では、動線・法令・持続性の3つの視点を外さないこと
  • 自動ドアの種類は、設計の自由度やユーザーの快適性に大きく関係する
  • 荷重式自動ドア(Newtonドア)は、バリアフリー・停電対応・低コスト設計に強みがある

【適ドア適所】にそった「まとめ」

設計は常に、「用途」と「現場の制約」に合わせて最適化されるべきです。
自動ドア一つとっても、万能な選択肢はなく、空間の性格に応じた判断が重要です。

荷重式の自動ドアは「電気を使わずに自動で開閉できる」というシンプルな仕組みの中に、
設計者や運営者が見落としがちな**“現場力”に基づいた合理性**が詰まっています。

設計に関わるパートナー選びにおいても、こうした細部の判断まで対話できる人こそ、
信頼すべき相手といえるのではないでしょうか。


次の一歩として、設計パートナーとの打ち合わせや、より具体的な空間設計を考える際には、
この記事の内容が「視点を整えるヒント」となれば幸いです。

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