自動ドアが「開きっぱなし」になると、なんとも言えない不安に襲われますよね。防犯面や衛生面の問題はもちろん、空調効率が落ちたり、故障の前触れかもしれないという心配も…。とくに人の出入りが多い施設や店舗では、このような状態が続くことで、大きなトラブルにつながるケースも少なくありません。

この記事では、そんな「自動ドアが開きっぱなしになる原因」について徹底解説します。一般的な電動式自動ドアに多い誤作動や設定ミスから、見落としがちな物理的な要因まで網羅し、現場で今すぐ確認できるチェックリストや、専門業者に依頼すべきタイミングも整理します。

さらに後半では、同じトラブルを繰り返さないための予防策や、構造的に「開きっぱなしになりにくい」設計の自動ドアについてもご紹介。単なる対処だけでなく、「そもそもそうならないための考え方」までをカバーしています。

不安を放置せず、自動ドアの仕組みとトラブルの背景を正しく理解することで、より安心・快適な環境づくりの一助となれば幸いです。


目次(このページの内容)

「自動ドアが開きっぱなし」…そのまま放置しても大丈夫?

自動ドアが誰もいないのにずっと開いたままになっているとき、「まぁそのうち閉まるかな」と様子見をしてしまうこともあるかもしれません。しかし、この「開きっぱなし」という状態は、見逃してはいけない重要なサインの可能性もあります。

**まず結論からお伝えすると、「開きっぱなしの放置」は推奨できません。**なぜなら、それが一時的な誤作動であれ、重大な故障の初期症状であれ、放置によるリスクは共通して高いためです。


要点:放置して起こる3つの問題

  1. 防犯リスクの増加
    • 常時開放状態が続くと、施設のセキュリティが無防備になります。とくに夜間のビルや、管理人不在のマンションなどでは不審者の侵入リスクが高まります。
  2. 空調効率の著しい低下
    • 冷暖房を使っている室内でドアが開いたままだと、空気が外部に逃げ続け、光熱費が無駄にかさむだけでなく、温度管理も難しくなります。
  3. 機器本体のさらなる故障
    • モーターやセンサーが何らかの異常を感知し続けている場合、無理に動作を継続することで、さらに別の部品に負荷がかかり、本格的な故障へと発展する恐れがあります。

根拠:これは“異常サイン”である

正常な状態であれば、自動ドアは以下のようなロジックで動作します:

  • センサーが人の動きを感知する
  • 開く(動作する)
  • 一定時間が経過すると、自動で閉まる

つまり、「開きっぱなし」になるというのは、このいずれかの工程に異常があることを意味しています。


放置しがちなシーンに注意

とくに注意したいのは、次のような「放置されがちなシーン」です。

  • 強風の日にドアが開いたままになる→風のせいだと思って放置
  • 小さな虫や反射物でセンサーが反応→一時的なことと見過ごす
  • たまたま人が出入りした直後に開いていた→気にせずスルー

こうした「よくある風景」が、実はトラブルの芽である可能性があるのです。


原因は?「開きっぱなし」になる自動ドアのよくある5つの理由


このパートに進みます。ここでは、誤作動や故障、設置環境の影響など、「開きっぱなし」になる代表的な原因を技術的かつ分かりやすく解説していきます。

原因は?「開きっぱなし」になる自動ドアのよくある5つの理由

自動ドアが開いたまま閉じなくなる原因には、さまざまな要素が関係しています。多くの場合はセンサーの誤作動や制御機器の設定ミスに端を発していますが、見落とされがちな物理的なトラブルも少なくありません。

ここでは、実際によくある代表的な5つの原因を解説します。


1. センサーの誤作動や感度のズレ

最も多い原因のひとつが、センサーの誤検知や感度異常です。自動ドアの多くは、赤外線やマイクロ波を用いた「人感センサー」によって人の接近を感知しますが、以下のようなケースで誤作動が起きやすくなります。

  • センサー前にゴミや虫、葉っぱなどが舞っている
  • 照り返しの強い日差しや車のヘッドライトがセンサーに反応
  • ガラス面への反射がセンサーに干渉している
  • ペットや小さな子どもなど、検知しにくい動き

こうした影響により、常に人がいると誤認識してしまい、開いたままになることがあります。


2. 制御基板やタイマー設定の不具合

自動ドアには、開閉の時間をコントロールする**「制御基板」や「タイマー機能」**が組み込まれています。この設定値が間違っていたり、基板が劣化していると、開きっぱなしになる現象が発生します。

  • 開いた後の「待機時間(開放時間)」が長く設定されすぎている
  • 制御ユニットのプログラムがフリーズ・誤動作している
  • 電気的なノイズや雷などで設定が飛んでしまった

このような場合、一度設定リセットや電源再起動で解決することもありますが、専門業者による再設定が必要になることもあります。


3. 動作範囲に障害物がある場合

自動ドアが閉まり始めても、センサーが人や物を検知すると、安全のために再び開く仕組みになっています。これは「挟まれ防止機能」とも呼ばれます。

この安全機能があるため、以下のようなものが検知範囲にあると、常に「人がいる」と誤認されて閉まらないという現象が起こります。

  • マット、看板、ベビーカーの一部などが残っている
  • ドアのすぐそばに植木や展示物が設置されている
  • 夜間に昆虫やホコリが反応してしまう

地面の状態や設置物の配置にも注意が必要です。


4. ドアクローザー・ヒンジなどの物理的摩耗

自動ドアの構造部品として、ドアクローザーやヒンジ(蝶番)などが用いられています。これらが摩耗していたり、潤滑不足で動作が重くなっていた場合、物理的に**閉まりきらずに“開きっぱなしのように見える”**状態になることがあります。

  • 経年劣化で部品のバランスが崩れている
  • ガイドレールが歪んでいてスムーズに閉まらない
  • 取付位置が微妙にずれていて干渉している

このタイプのトラブルは、動作時に異音やぎこちなさを感じることで見分けられることがあります。


5. 電源や配線のトラブル

意外と見落としがちですが、電源供給や内部配線の異常も、「開きっぱなし」になる原因となります。

  • ブレーカーの一部が落ちて動作が中断している
  • 配線がネズミにかじられるなどして断線している
  • コンセントの接触不良で断続的な動作が起こる

このような場合、一見すると電源が入っているように見えても制御ができていないことがあります。点検ランプが点灯していない場合などは、電源・配線のチェックが必要です。


【自分で確認できる】開きっぱなし時のチェックリスト


【自分で確認できる】開きっぱなし時のチェックリスト

「自動ドアが閉まらない」という状況に遭遇したとき、すぐに業者を呼ぶのではなく、まずは自分で確認できることをチェックしておくと、対処がスムーズになります。ここでは、現場で実際に試せる確認ポイントを、簡単な順にご紹介します。


手順:その場で確認できる4つの基本チェック

  1. センサーの前に何かある?
    • 観葉植物、看板、ベビーカーの一部、影などがセンサーの範囲に入っていないか確認。
    • 夜間は蛾や虫、ホコリが反応していることもあります。
  2. センサー部分が汚れていないか?
    • レンズ部分が汚れていたり、結露・水滴がついていたりすると誤作動の原因に。
    • 柔らかい布で優しく拭き取りましょう(研磨剤や溶剤はNG)。
  3. 開閉時に異音や動作の違和感はあるか?
    • ギー、ガタンといった異音や、開くときよりも閉まるときに動きが重い場合は物理的な不具合の可能性があります。
    • レールやドアの下部に異物が挟まっていないか確認。
  4. 制御盤やリモコンがある場合は設定を確認
    • タイマーや「常時開放モード」になっていないか。
    • 最近設定を変更した心当たりがある場合は、元に戻すと改善することも。

応急対応:安全にできる電源リセット手順

以下のような条件がそろっていれば、一時的な誤作動に対して電源リセットを試すのも一つの方法です。

  • 電源の場所が明確にわかる
  • 自動ドアの周囲に人がいない(安全が確保されている)
  • 電源ON/OFFの操作が可能な構造である(ブレーカー/コンセント)

手順は以下の通りです。

  1. ブレーカーまたは電源スイッチをOFFにする
  2. 30秒〜1分程度待つ
  3. 再度電源を入れる

これにより、誤作動やフリーズが解消されることがあります。ただし、再起動後に動作が明らかにおかしい場合は、すぐに使用を中止し、専門業者へ連絡してください。


注意点:無理な解体や調整はNG

「センサーの角度を変えてみよう」「機械の中を開けて確認しよう」といった行為は、専門知識がない限り推奨できません。内部部品を損傷させたり、保証が無効になったりする可能性があります。


修理?様子見?「開きっぱなし」への適切な対応判断ガイド


このパートでは、トラブルの状況から「業者を呼ぶべきか/もう少し様子を見るか」の判断基準を具体的に整理していきます。

修理?様子見?「開きっぱなし」への適切な対応判断ガイド

「自動ドアが開きっぱなしになっている」と気づいたとき、どの段階で専門の修理業者や管理会社に連絡すべきか迷う方は少なくありません。無用な出費は避けたい一方で、対応が遅れて症状が悪化してしまうリスクもあります。

このセクションでは、「すぐに業者へ連絡すべき状況」と「様子見でもよいケース」の判断基準を明確にしておきましょう。


要点:即対応すべき3つのサイン

以下のいずれかに該当する場合は、即時の専門対応が必要です。

  1. ドアが開いたまま微動だにしない/手で動かそうとしても動かない
    • 制御基板のフリーズや物理的な故障の可能性
    • モーター焼き付きや電源トラブルの兆候
  2. 動作時に異常音がする、または動きが極端に遅い
    • クローザーやヒンジなどの物理的な破損、劣化
    • 可動部に異物が絡んでいる可能性
  3. 開きっぱなしが繰り返し発生している(頻発)
    • 単なる誤作動ではなく、再現性がある場合は部品交換や再設定が必要

これらに該当する場合、使用を中止し、管理会社または自動ドアの設置業者に連絡するのが望ましいです。


様子見でも良い場合の条件

次のような状況であれば、状況を観察しながら様子を見ることも選択肢に入ります。

  • 一時的な開きっぱなしで、すでに閉じて正常動作に戻っている
  • 強風や日光の反射など、外部環境が明らかに影響していたと推測できる
  • センサー前の物体除去や清掃後に改善が見られた

ただし、「たまたま直った」状態を過信しないことも大切です。再発があれば必ず次の対応を検討しましょう。


メーカーサポート or 修理業者、どちらに相談する?

状況対応の目安
保証期間内で、製品型番や購入先が明確メーカーサポートに連絡(無償修理の可能性あり)
設置から数年経過、業者設置履歴あり設置業者または建物管理会社に連絡
メーカー不明/古い設備/応急対応を急ぐ場合近隣の自動ドア修理業者に相談

【繰り返す前に】自動ドアの“開きっぱなし”トラブルを防ぐ3つの方法


このパートでは、すでにトラブルを経験した方向けに、再発を防止するための予防策や運用の工夫を具体的にご紹介します。

【繰り返す前に】自動ドアの“開きっぱなし”トラブルを防ぐ3つの方法

「一度は直ったけれど、また開きっぱなしになったらどうしよう…」
そんな不安を抱えている方も少なくありません。自動ドアは使用頻度が高いため、トラブルを未然に防ぐための予防策がとても重要です。

ここでは、同じトラブルを繰り返さないために役立つ3つの方法をお伝えします。


1. 定期点検とセンサー調整を怠らない

最も効果的な予防策は、定期的な点検と微調整の実施です。

  • センサーの反応範囲や感度のチェック
  • レンズや機器表面の清掃
  • 開閉速度や待機時間の再設定
  • 電源や配線の緩み確認

とくに飲食店や病院、施設など、環境が変化しやすい現場では、月1〜3ヶ月に1回のチェックをルーチンにすると安心です。


2. 利用環境に合った設置レイアウトを再検討する

自動ドアは周辺環境の影響を受けやすいため、設置位置や周辺の状態を定期的に見直すことも有効です。

  • センサー前に常時物を置かない
  • 強い光や反射物が当たる位置を避ける
  • 屋外に面する場合は風除室の導入や、開閉速度を調整

また、季節によってセンサーの誤作動要因(虫の飛来、結露など)も異なるため、季節ごとのチューニングもおすすめです。


3. 「自動ドアの構造」そのものを見直す

そもそも、誤作動やセンサー依存のトラブルが多発するようであれば、自動ドアの構造そのものを見直すのも一つの考え方です。

たとえば、電動式でセンサー依存のドアは便利ですが、以下のような弱点もあります。

  • 電気がないと動作しない(停電時は開かない・閉まらない)
  • センサーの影響を受けやすい(特に屋外や風の強い場所)
  • モーターなどの消耗部品が多く、故障リスクが一定ある

こうした構造面の弱点を理解した上で、「もっと根本的にトラブルが起きにくいドアとは何か?」を検討してみるのも、トラブル防止には重要です。


【適ドア適所】そもそも“開きっぱなし”が起きにくい設計とは?


このセクションでは、そもそも自動ドアのトラブルが構造的に起きにくい設計とはどういうものなのか、「荷重式自動ドア(Newtonドア)」の考え方をもとに解説し、「適ドア適所」という独自視点につなげます。

【適ドア適所】そもそも“開きっぱなし”が起きにくい設計とは?

ここまで、自動ドアが開きっぱなしになる原因や対処法について見てきましたが、最も根本的な再発防止策は「トラブルがそもそも起きにくい構造」を選ぶことにあります。

では、どういった設計なら“開きっぱなし”のリスクが構造的に低いのか?
その答えの一つが、「荷重式自動ドア」という選択肢にあります。


荷重式自動ドアとは?

一般的な自動ドアは「センサーで人を検知し、電気でドアを開閉する仕組み」ですが、荷重式自動ドアはまったく異なります。

  • 電源を使わない(電気不要)
  • センサーも使用しない
  • 足で踏むとドアが開く「荷重=重さ」で開閉を制御

この構造により、センサー誤作動や電気系統のトラブルから完全に解放されるのが最大の特長です。


開きっぱなしにならない構造的な理由

荷重式自動ドアでは、人がいないとドアは閉じたまま
誰かが「踏んだ時だけ」開くため、以下のような問題とは無縁です。

  • 虫や光、反射による誤検知 → 影響ゼロ
  • タイマー設定のミス → そもそもタイマーがない
  • 電気系統の故障 → 電源を使わないので無関係

つまり、「誰もいないのに開きっぱなし」という事態自体が設計上、起こりようがないのです。


用途に応じた「適ドア適所」の考え方

もちろん、すべての場所に荷重式が適しているわけではありません。

使用環境推奨される方式
通行量が非常に多い駅・商業施設センサー式電動ドア(高速性重視)
高齢者施設・病院・手を使いにくい環境非接触型センサー式 or 荷重式の併用
エネルギー効率重視の自治体施設・学校荷重式(非電動)でコスト・故障リスク低減
セキュリティ重視の事務所・マンション開閉状態が明確な設計(機械式優先)

このように、「環境に合った自動ドア」を選ぶことで、トラブルの発生頻度を構造的に減らすことができます。これが私たちの提唱する「適ドア適所」の考え方です。


【適ドア適所】にそった「まとめ」

  • 自動ドアの「開きっぱなし」は一時的な誤作動のようでいて、実は重大な初期故障のサインであることも。
  • 原因は、センサー誤作動、設定ミス、物理的摩耗、電気トラブルなど多岐にわたる。
  • 自分で確認できるチェック項目を踏まえ、状況によっては業者にすぐ相談を。
  • 再発を防ぐには、設置環境・使用頻度・メンテナンスの見直しが重要。
  • そもそも開きっぱなしになりにくい設計=荷重式自動ドアなど、環境に応じた「適ドア適所」の考え方が、トラブルを根本から減らすカギとなる。

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