自分のお店を持つという夢がいよいよ現実に近づいてくると、いろいろなことを決める必要が出てきます。その中でも「店舗設計」は、開業の成否に直結する大事な要素です。見た目のデザインはもちろん、スタッフの動きやすさやお客さんの導線、安全性や将来のメンテナンスまで――設計次第でお店の“運営のしやすさ”がまったく違ってきます。

愛媛で店舗設計を考えている方の多くは、こうした視点まで意識する余裕がなく、なんとなく「オシャレにしたい」「予算内でできれば…」といった感覚で業者を選んでしまいがちです。

この記事では、そうした方のために「店舗設計とはそもそも何なのか」から、「業者選び」「設計のチェックポイント」「意外と知られていないドア選びの落とし穴」まで、愛媛で後悔しない店舗づくりのための知識を徹底的に解説していきます。


そもそも「店舗設計」とは何をするのか?


店舗をつくる、というと「どんなデザインにするか?」「内装はどうするか?」というように、見た目のイメージから考えがちです。しかし実際の「店舗設計」は、それだけではありません。

むしろ見えない部分の設計こそが、お店の使いやすさやトラブルの少なさ、スタッフの働きやすさを大きく左右します。


問いかけ:店舗設計って、具体的にどんな作業?

答え:建物の構造・レイアウト・動線・設備配置など、店舗を運営するための“計画の設計図”を作る作業です。


目次(このページの内容)

手順:設計と施工の違いとは?

まず混同しやすいのが、「設計」と「施工」という言葉。似ているようで役割はまったく異なります。

区分内容担当者
設計どこに何を配置するか、構造はどうするか、図面で計画を立てる設計士(建築士)やインテリアデザイナー
施工設計図に基づいて実際に工事をする工務店、内装業者などの施工会社

店舗づくりは、この2つが連携して初めて成り立ちます。特に愛媛のように地域に密着した設計・施工会社が多いエリアでは、「設計と施工を同時に請け負う会社」も多く存在しますが、それぞれの得意分野を見極める目が必要です。


要点:設計会社・施工会社・デザイン会社の違い

店舗づくりには、いくつかの「専門家」が関わります。それぞれの違いと役割を見てみましょう。

  • 設計会社(建築士事務所)
     建築士が在籍し、法令を踏まえた構造・レイアウト設計を担当。店舗の安全性や耐震性も考慮します。
  • デザイン会社(インテリア系)
     内装の雰囲気やカラーコーディネートなど“見た目”を重視した提案を行います。設計は外注するケースもあります。
  • 施工会社(工務店や内装業者)
     実際に工事をする会社。図面に従って床・壁・天井などをつくり、設備を設置します。

すべてを1社で完結させる「ワンストップ型」もありますが、その場合は内部にどの専門職がいるかを確認するのが大切です。


注意点:外観よりも内側(動線・安全性)が重要な理由

見た目のデザインばかりに気を取られがちですが、「運営のしやすさ」は動線と安全設計にかかっています。

  • スタッフの動線が長すぎると疲労が蓄積しやすい
  • お客さんの導線が複雑だと、商品やサービスの見逃しが生まれる
  • 非常時の避難経路がないと、営業許可に影響する場合も

とくに飲食店や美容室、医療系店舗では「設計段階での見落とし」が運営開始後のトラブルやクレームにつながるケースも少なくありません。


愛媛で店舗設計を依頼する時、まず考えるべきことは?


店舗設計を依頼する際、どの地域でも「どの会社に頼むか?」が大きな分岐点になりますが、地方都市である愛媛ならではの注意点や特徴があります。

このセクションでは、設計業者選びにおいて「見逃しがちな重要視点」をご紹介します。予算・距離・信頼性など、いくつもの判断材料がありますが、単に「地元だから安心」「安いからここで」では後悔につながる可能性があるのです。


問いかけ:愛媛ならではの設計依頼の注意点って?

答え:地域密着型の良さとリスクを見極め、施工スタイルの傾向を知ることが鍵です。


要点:地域密着業者のメリット・デメリット

メリット

  • 距離が近いため打ち合わせがスムーズ
  • 土地勘があるので法令や地盤の知識が豊富
  • 地元ネットワークを活用してスピード感ある対応が可能

デメリット

  • 得意な業種やデザイン傾向が偏っていることがある
  • 自社施工前提で設計の自由度が低くなる場合も
  • 実績がネットに掲載されておらず比較しにくい

→「近いから安心」だけでなく、どのジャンルを得意とするか、どんな設計思想を持つかまで確認して依頼する必要があります。


注意点:価格だけで選ぶと後悔する理由

設計・施工にかかるコストは非常に幅があります。たとえば坪単価で言えば、内装込みで15〜30万円/坪が目安になりますが、これはあくまで「一例」であり、設備機器・空調・照明の種類で大きく変動します。

価格重視で選んだ場合に起きがちなトラブル:

  • コストを抑えるために材料や仕上げが雑になる
  • 施主の意図が伝わらないまま進行し、後から手直しが発生
  • 図面に含まれていない「別途工事」が見積外で追加される

→ 必ず見積もりの内訳を比較し、「何が含まれていて、何が別料金なのか」を丁寧にチェックすることが大切です。


根拠:愛媛に多い施工スタイルと設計傾向

愛媛県内の店舗設計で多く見られるスタイルには、以下のような傾向があります:

  • 木造や鉄骨造ベースの構造提案が多い:地元の工務店の施工ノウハウを活かしたプランが主流
  • シンプルで機能的なデザイン重視:コストを抑えつつ、耐久性・実用性を両立
  • 空調や照明に関する提案はやや弱め:細かな演出は別途業者を使うケースが多い

このため、依頼前には「どこまでが対応範囲か?」「専門分野以外は外注か?」をしっかりヒアリングすることで、役割分担の明確化ができます。


店舗の「動線設計」は、なぜ売上にも影響するのか?


“動線”という言葉を聞いたことがある方も多いかもしれませんが、実は店舗設計において売上・業務効率・安全性のすべてに直結する重要な要素です。

このセクションでは、顧客とスタッフそれぞれの動線をどう設計すべきか、動線設計の失敗がどんな結果を生むか、そして改善によってどれほど運営が変わるかを見ていきます。


問いかけ:動線って、そんなに売上に関係あるの?

答え:商品やサービスの“気づかれやすさ”と、スタッフの“負担軽減”を左右するからです。


要点:顧客導線とスタッフ導線の両立

顧客導線(お客さまが店内で移動するルート)

  • 商品やサービスに自然に目がいくか?
  • 待たされる・迷う・戻ることがないか?
  • 出入りがスムーズにできるか?

スタッフ導線(スタッフの作業ルート)

  • 注文受付・調理・提供・片付けなどが一筆書きで行えるか?
  • 無駄な移動・動作がないか?
  • 他スタッフとの接触や衝突が避けられるか?

これら2つの導線は「交差させない」ことが理想です。動線が複雑になると、ストレス・ロス・事故が増えるため、設計段階での丁寧なプランニングが重要になります。


根拠:運営コストやトラブル削減にも関わる視点

設計ミスによって動線が悪いと、次のような“コスト”が発生します。

  • スタッフの移動が長くなり、人件費が増加
  • お客さまの待ち時間が長くなり、回転率が悪化
  • 調理場・倉庫・レジなどでの接触事故やヒヤリハットのリスク増

逆に、動線が整理されていると、

  • スタッフの疲労やストレスが減り、離職率の低下につながる
  • 商品配置が自然になり、買い逃しや売上機会のロスを防ぐ
  • 非常時の避難経路も確保しやすく、安全性も高まる

→ 運営が始まってから「こんなはずじゃなかった」とならないために、最初の設計で未来の問題を予防するのです。


事例:実際の設計ミス例と改善方法

事例1:美容室の失敗例

  • シャンプースペースとカットスペースが遠く、毎回横断移動が必要に
  • → スタッフ1人当たり1日1時間以上の無駄な移動が発生

事例2:飲食店の改善例

  • 注文から配膳まで、レジ→厨房→ホールが一直線になるように再設計
  • → 回転率が約15%向上、スタッフ1人分の人件費を削減

このように、動線設計は見た目には表れにくいものの、設計の成否を大きく分ける本質的な要素です。


ドア選びで意外と後悔が多い?【電動・非電動の使い分け】


自動ドアというと「電動式」が当たり前と思われがちですが、実は店舗の種類や運営スタイルによっては、非電動式(荷重式)の方が適しているケースも少なくありません。

このセクションでは、自動ドアのタイプとその違い、メリット・デメリット、そして非常時や停電時を含めた「適ドア適所」の考え方を紹介します。


問いかけ:電動自動ドアって、実は選び方があるの?

答え:停電時のリスクやランニングコスト、店舗タイプによって“最適なドア”は変わります。


要点:停電時のリスクと非常時の動作

電動自動ドアの最大のリスクは、「電気がなければ開かない」という点です。
たとえば、

  • 地震や台風などの災害で停電した際、ドアが開かずに避難の妨げになる
  • 非常時用のバッテリーが切れているとドアが動作しない
  • 復旧まで手動開閉に切り替える必要があるが、知られていないことが多い

特に、愛媛県のように地震や台風の発生リスクがある地域では、「停電リスク」に備えたドア選びが欠かせません。


比較:電動式 vs 荷重式(非電動)自動ドアの特徴

特徴電動式自動ドア荷重式(非電動)自動ドア
開閉方式センサー・モーターで開閉人が扉に体重をかけて開く
電気使用必須不要
停電時対応原則停止、手動切替が必要そのまま使用可能
メンテナンスモーター部の点検・修理が必要ほぼメンテ不要(消耗部品のみ)
ランニングコスト電気代+定期点検ほぼゼロ
導入事例大規模商業施設・交通機関小規模店舗・避難口・高齢者施設など

荷重式は一見「古い」印象を持たれがちですが、安全・停電対応・維持費といった視点ではむしろ優れており、用途に応じて合理的な選択肢となります。


根拠:導入事例で見える適ドア適所の考え方

【飲食チェーン店】

→ 朝の仕込み時間だけ開け閉めが発生。荷重式で問題なし+停電にも強い

【医療施設(発熱外来など)】

→ 電動ドアのセンサーが誤作動しやすく、荷重式に変更 → 感染対策と安全性を両立

【公共施設(避難所として指定あり)】

→ 停電時にも確実に避難経路を確保するため、電気不要の荷重式を採用


Newtonドア(荷重式自動ドア)の考え方は「適ドア適所」。
つまり、「どの場所に、どんな使い方をするか」によって最適なドアを選ぶという思想です。

この視点を持って設計段階で検討することで、あとから後悔しない店舗設計が実現できます。


店舗設計で「あとから困る」チェックリスト


設計が完成し、施工も終わり、いざ店舗がオープンしてみると…「え、こんなはずじゃなかった」という声が少なからず聞こえてきます。
これは、多くの場合設計時点での見落としや確認不足が原因です。


問いかけ:プロに任せていても、見落としは起きる?

答え:はい。生活者視点や運営者視点での“当たり前”が、プロには意外と伝わっていないことがあります。


要点:設計時に忘れがちな視点

設計士や施工業者が図面通りに仕事をしても、「運営者の日常視点」まではカバーしきれないことがあります。とくに以下のような点は、運用が始まってから不便が顕在化する典型例です。

  • 掃除用具の収納スペースがない
     →モップやバケツが外に出しっぱなしになり、衛生的にもNG。
  • ゴミ出し動線が長い・複雑
     →スタッフが他業務中に外出しないといけなくなり非効率。
  • レジやカウンターの後ろに収納がない
     →備品が手元になく、都度取りに行く手間が発生。
  • 換気扇や空調の操作盤が高すぎて届かない
     →毎日使うのに脚立が必要など、非現実的な運用に。
  • 非常口の周囲に障害物が置かれてしまう
     →消防法違反になる可能性すら。

チェック:図面確認時に見るべき5つのポイント

設計図面が出てきた段階で、以下の5点を「運用者の視点」でチェックすることを強くおすすめします。

  1. 清掃・メンテナンスは現実的にできるか?
     →空調・照明のフィルター掃除など、脚立が必要になる設計はないか。
  2. 非常時にすぐ避難できる構造になっているか?
     →ドアの種類・避難経路・スロープの勾配なども確認。
  3. レジ・バックヤードなど「頻繁に使う場所」の収納は充分か?
     →日々の業務でどの動線が頻繁に発生するかを想像する。
  4. 日射・風・音など「環境要因」への配慮はあるか?
     →西日が強すぎる時間帯があるなら、遮蔽やカーテンなどの設計は必須。
  5. 防犯・プライバシー対策が甘くないか?
     →裏口が人目に触れる場所にないか、女性スタッフが働く環境に適しているか。

補足:専門家に任せきりにしない工夫

設計士や施工会社は「建築のプロ」ですが、実際の運営者の視点は持っていないことも多いのが実情です。

  • 開業経験者の知人にアドバイスをもらう
  • 他店の動線や収納を観察する
  • 「設計チェックシート」を自作して、打ち合わせに持ち込む

こうした工夫によって、設計段階での“あとから困る”リスクを最小限に抑えることができます。


「愛媛の店舗設計会社」を選ぶときのチェックポイント


いよいよ設計を依頼する業者を決めよう、という段階になると、「どの会社が良いのか?」で悩む方が一気に増えます。愛媛県内にも多くの設計・施工会社があり、それぞれ特色も異なります。

このセクションでは、相談から契約までの流れと、業者選びで失敗しないためのチェックポイント、そしてよくある疑問への回答をまとめました。


問いかけ:業者の選び方、なにを基準にすればいい?

答え:価格・デザイン性よりも「信頼性」「ヒアリング力」「施工体制」の3つが重要です。


手順:相談〜見積〜契約までの一般的な流れ

店舗設計を依頼する際の一般的な流れは以下の通りです。

  1. 問い合わせ・相談(無料)
     ざっくりした希望を伝え、対応可能かを確認
  2. 現地調査・ヒアリング
     店舗の立地、条件、業態、営業時間などをもとに提案準備
  3. プランと概算見積の提示
     平面図やパース、費用目安の提示。ここで比較検討可能
  4. 詳細見積・仕様確定
     素材・設備の仕様を詰めたうえで、最終見積
  5. 契約・着工準備
     契約内容に合意の上で工事準備へ
  6. 施工・引き渡し
     完成検査と引き渡し。アフターサポート内容も確認

→ このプロセスは1〜2ヶ月以上かかることが多いため、早めの相談が重要です。


要点:信頼できる業者の見抜き方

信頼できる設計業者は、以下のような特徴を持っています:

  • ヒアリングが丁寧で、質問の意図をくみ取ってくれる
  • メリットだけでなく、リスクや制限も説明してくれる
  • 「〇〇はまだ決めていません」と言ったとき、選択肢を具体的に提示してくれる
  • 図面に素人でもわかる補足や注釈がある
  • 納期と見積の根拠を明確に説明できる

反対に、以下のようなケースは注意が必要です:

  • 提案が抽象的すぎて判断できない
  • 毎回の打ち合わせで言っていることが変わる
  • 「安くできます」と言うが、その理由が曖昧
  • 資材や職人の手配について不明瞭

FAQ:よくある質問と対応法


Q: 設計と施工は別々の会社に頼んだほうがいいの?

A: ケースバイケースですが、「施工に自信のある設計会社」か、「設計を外注せず自社で完結できる施工会社」が理想です。分離する場合は、両者の連携体制を確認しましょう。


Q: デザイン性と機能性、どっちを優先すべき?

A: 両立が理想ですが、開業直後の段階では「機能性」を優先しましょう。お客さまの回遊性、スタッフの作業効率、安全性などが確保されていなければ、営業に支障をきたします。


Q: 相談は無料でしてもいいの?

A: 多くの会社が初回相談は無料で受け付けています。ただし、プラン作成に入ると有料になるケースもあるため、「どこまでが無料か」は事前に確認を。


【適ドア適所】にそった「まとめ」


店舗設計は見た目のデザインだけでなく、お店の運営そのものを左右する設計の質が問われます。
そしてその成否は、設計士や施工会社まかせにするのではなく、施主自身がどれだけ「知って」「考えて」「確認するか」にかかっています。

本記事では、特に以下の視点が重要であることを紹介してきました:

  • 設計と施工の違い、関わる専門家の役割を理解すること
  • 地域性(愛媛)をふまえた業者の選び方と施工傾向を知ること
  • 動線設計が運営効率と安全に直結すること
  • 非電動ドア(荷重式)が適している場面があること
  • 設計段階で見落としがちな「あとから困るポイント」の把握

そして、ドア選びにおいては「電動か非電動か」ではなく、「その場所・用途・緊急時対応まで考慮した最適配置」こそが大切であるという視点=【適ドア適所】が、これからの店舗づくりに必要な考え方です。

あなたの大切なお店が、長く、無理なく、安全に運営されるよう、この記事が一助になれば幸いです。


【参考・出典】

  • Newtonプラス株式会社『Newtonドア製品資料』
  • Newtonプラス株式会社『荷重式自動ドアに関するFAQ』
  • 愛媛県内 設計・施工会社のWeb公開情報(SERP調査より)
  • 各種建築設計・施工フローガイドライン
  • 建築業法および建築基準法に基づく店舗設計資料

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