「大手の店舗設計会社に依頼すれば安心」——その考え、果たして本当に正しいのでしょうか?

確かに実績もあり、知名度も高く、信頼感のある「大手企業」は、数多く存在します。しかし、そういった企業が“自分たちの店舗にとって最適”とは限りません。とくに、小規模出店や初出店、地域密着型の店舗では「スケール」よりも「相性」や「柔軟性」の方が重要になるケースも少なくありません。

この記事では、「そもそも大手とは何か?」という定義からはじまり、業種・拠点・フェーズ別にどのような設計会社が適しているのか、そして大手を最大限に活かすための視点やチェックリストまでを徹底的に解説します。


目次(このページの内容)

そもそも「大手の店舗設計会社」とは何を指すのか?

要点: 「大手」とは、規模だけでは語れない。事業領域・組織体制・対象フェーズで分けて定義すべき。


手順:まずは「大手」の定義を分解する

「大手」と一口に言っても、実は以下のようなタイプが混在しています。

  1. 設計事務所系大手:意匠設計を主軸とし、商業施設やブランド店舗などの空間デザインを手がける
     例:乃村工藝社、船場、スペース
  2. 施工会社系大手:設計から施工・メンテナンスまで一貫して請け負う体制を持つ
     例:大和ハウスグループ、竹中工務店の商業部門など
  3. プロデュース会社系:ブランド戦略や業態開発も含めて提案する「上流工程」特化型
     例:トータルプロデュース型の設計会社
  4. チェーン専門系:飲食・物販チェーンの大量出店・全国対応に特化した体制
     例:全国出店を支援する外食系専門業者

注意点:範囲が広すぎる「大手」という表現

こうした違いが整理されず、「まとめサイト」や「ランキング記事」などで一括りに紹介されてしまうことで、発注者側の混乱を生んでいます。

とくに初出店や1〜2店舗の運営を想定している方にとっては、「信頼できるから」という理由だけで依頼し、大規模すぎて対応されなかった、という例も実際に存在します。


根拠:業界特有の受注構造

また、建築業界では「元請け」「下請け」「協力会社」の構造が根強く、大手が設計を担当し、実際の施工や現場対応は地場業者が行うケースも一般的です。

つまり「大手に頼んだからといって、最終的な現場対応がすべて大手とは限らない」——この点も、大手選定時の重要な視点となります。


「大手なら安心」と思い込む前に知っておくべき視点とは?

要点: 実績と知名度の裏側には、「柔軟性の低さ」「費用感の不一致」「対応力の限界」といった盲点が潜む。


問いかけ:「安心=最適」ではない理由とは?

あなたの店舗は「大型商業施設」でしょうか?それとも「10坪の路面店」でしょうか?

大手の多くは、「ある程度の規模」が前提になっていることが少なくありません。つまり、「安心=大手に任せれば大丈夫」と思い込むと、プロジェクトの規模や目的に合わない選定になってしまうことがあります。


背景:大手が強みを発揮する領域と、その限界

【強み】

  • 組織体制が整っているため、多店舗展開・全国展開・短納期に強い
  • 法令遵守や申請関連にも強く、行政対応が必要な大型案件にも安心
  • ブランディング力やマーケティングを統合した上流設計も可能

【弱み】

  • 単発案件や小規模プロジェクトには非効率と判断されやすい
  • 社内承認・契約手続きなどが複雑で、柔軟な対応が難しい
  • 基本費用が高くなりがちで、予算に合わないことも

事例:大手に頼んだが「お断り」されたケース

実際、「デザインだけ依頼したかった」「見積もりだけでも取りたかった」といったケースでも、大手では案件として扱ってもらえなかったという声もあります。

とくに、オーナー店舗・フランチャイズ初出店などでは、対応スピードや意思決定のシンプルさを重視する傾向があり、大手の体制が裏目に出ることもあるのです。


要点整理:「大手に向いている店舗」と「そうでない店舗」

適している場合適していない(注意が必要)場合
全国チェーン展開初出店・個人経営の小規模店舗
大型商業施設内10〜30坪のスモール店舗
高級・ブランド業態ニッチ・地域密着業態
予算1,000万円超予算300万円未満

店舗業種別|代表的な大手設計会社とその特徴まとめ

要点: 業種ごとに「得意とする設計会社」は異なる。業界特性と企業の強みを照らし合わせる視点が必要。


手順:業種別に代表企業を分類する

業種により、店舗設計に求められる「設計思想」「オペレーション設計」「法令対応」「ブランド表現」はまったく異なります。以下に、主な業種と代表的な大手企業をまとめます。


業種分類主な大手設計会社特徴・強み
飲食(チェーン)スペース、船場オペレーション設計・厨房導線に強み。短納期・全国対応
飲食(個店・高級)乃村工藝社、DAIKEI MILLS高級感ある空間づくりとデザイン性重視。コンセプト構築
物販(アパレル・雑貨)VUILD、船場店舗体験設計と什器開発に強い。Z世代・SNS対応も
サービス(美容・医療)クレオ、タカラスペースデザイン法令対応・機能性デザインに対応。滞在性・安心感重視
フィットネス・教育系スペース、日建設計(分社)ゾーニングと動線設計に長ける。ブランディングも対応

注意点:どの企業にも“向き不向き”がある

例えば、スペース社は全国に対応できる反面、オーダーメイド色はやや薄く、定型的なフレームが基本。一方、乃村工藝社は高級路線で設計力は抜群だが、費用感が合わないという声もあります。


視点:業種 × 出店フェーズの「掛け算」で考える

単に「業種が合う」だけでなく、以下のようなフェーズ要因も重要です:

  • 初出店 or 多店舗展開?
  • 1区画だけ or 数フロアにまたがる?
  • ビルイン店舗 or 独立店舗?

この「掛け算」で見ていくと、たとえば——

  • 初出店で小規模飲食店:スペースや施工対応可能な地場業者が適
  • 多店舗展開のエステ:クレオ+施工ネットワーク活用が有効
  • 高級アパレル:乃村工藝社やVUILDの空間設計がマッチ

根拠:Newtonドア導入先との一致

Newtonドアの事例でも、美容・医療・飲食など、業態に応じて「全国対応の柔軟な提案力」が評価されている事例が多くあります。
つまり「ドア」ひとつとっても、業種ごとに最適設計が異なるのです。


拠点・出店フェーズ別|大手設計会社の活かし方

要点: 立地条件や出店回数によって「大手が適する場面」「そうでない場面」は明確に分かれる。


問いかけ:地方出店と都市部出店、どちらも同じ選び方でいいのか?

たとえば、東京都心でブランド旗艦店を出す場合と、地方都市で1号店を出す場合、同じ設計会社が向いているとは限りません。

なぜなら、拠点やフェーズによって設計会社の対応力、費用感、設計思想が大きく変わるからです。


手順:出店フェーズごとの「大手の活かし方」

出店フェーズ大手設計会社の活かし方注意点
初出店(1号店)ブランド戦略を含めたトータル設計支援で強みありコストが合わない場合は要分業設計
2〜5店舗目標準化・プロトタイプ設計で効率的展開が可能柔軟性に欠ける場合はカスタム相談が必要
6店舗以上〜全国展開スケール対応・マニュアル設計で一貫性保持が強み拠点によっては対応力の差が出る

拠点別の選定視点

拠点の種類見るべきポイント向いている設計会社の傾向
都市部(東京・大阪など)デザイン性・ブランド力空間演出・高付加価値志向の大手
地方都市現地調査・柔軟対応施工ネットワークを持つ一貫体制の設計会社
多拠点同時展開統一性とスピード全国対応力・標準化設計のある大手

補足:Newtonドアとの親和性が高い場面

Newtonドアは「電気不要」「荷重式」という構造の特性上、地方出店・老朽施設・リニューアルなどに強い。
また「設計の自由度を損なわない」という点では、設計事務所とも好相性。これは、大手設計会社が「見栄えと機能の両立」を求められる場面において、非常に重要な要素になります。


中小設計事務所との違いと、併用・補完の考え方

要点: 「大手 vs 中小」という二択ではなく、「併用」でベストを引き出すという第三の選択肢が存在する。


問いかけ:すべてを1社に任せる必要、本当にある?

設計、デザイン、施工、什器、ロゴ、販促物……店舗づくりには多くの工程があります。

大手ならワンストップでまとめられる安心感はありますが、それが「ベストな選択」かどうかは別問題。むしろ、部分的に専門性を持つ中小事務所と組み合わせることで、柔軟性とコスト最適化の両立が可能になります。


比較:大手と中小、それぞれの強みと弱み

項目大手設計会社中小設計事務所
対応力全国展開・短納期に強い地域密着・カスタム対応に強い
設計思想組織的・標準化・経験値豊富独自性・細部へのこだわり
費用感高め、設計料が明瞭柔軟、相談ベース
意思決定体制的にやや遅い傾向担当者間の直接連携で早い
協働姿勢他社との分業は慎重他パートナーとの併用に柔軟

手順:併用する際の成功パターン

  1. デザインは中小、実施設計と施工は大手
     → コストを抑えつつ、一定の品質を確保
  2. 大手に全体設計を依頼し、細部を中小に外注
     → デザイン表現の幅を持たせる
  3. 既存物件にNewtonドアを導入し、中小が現場管理
     → 製品特性に理解がある中小が細かく調整

根拠:Newtonドアの顧客事例に見る「補完的設計」

実際、Newtonドアの導入事例では、大手設計会社が基本計画を作成した後に、現場実装や部分調整を中小の建築士事務所が担うケースが多く見られます。

この「役割分担」が、最もスムーズで、かつ納得度の高い設計体験につながっているのです。


選び方の最終チェックリスト|自社に最適なパートナーか?

要点: 「大手かどうか」ではなく、「自社の目的と相性が合っているか」で選ぶための視点を整理。


問いかけ:設計会社を選ぶ前に、自社の「優先順位」を言語化できていますか?

・費用優先なのか?
・スピード重視か?
・ブランド構築が目的か?
・多店舗展開を見据えているのか?

この問いに明確に答えられることで、「選ぶべき相手」もおのずと見えてきます。


手順:選定チェックリスト(15項目)

以下の項目を「Yes/No」でチェックし、「Yes」が多かった項目に対応する会社種別を参考にします。

質問内容Yesなら
全国で同じ品質の店を出したい大手
小回りの効くやりとりを望む中小
出店は初めてで不安が大きい中小または併用
ブランド構築が第一優先大手またはプロデュース型
予算は限られている中小
既存店舗と共通デザインを使いたい大手
独自性のある空間をつくりたい中小
意思決定が早く進められる体制が良い中小
設計だけでなく施工まで任せたい大手
製品指定(例:Newtonドア)をしたい中小との協業
内装工事経験が少ない大手
現場調整が多く必要になりそう中小
官公庁とのやり取りがある大手
プロジェクト管理を外注したい大手
継続的なメンテナンスを依頼したい大手

選定マトリクス:目的別 最適選定パターン

目的・条件最適パートナー
ブランド重視/高級路線乃村工藝社、VUILDなど
多店舗展開/全国対応スペース、船場
柔軟なカスタマイズ地場中小設計事務所
低コスト/実行重視工務店系設計会社+中小併用
製品を活かす設計Newtonドアと連携する施工経験者が多い設計会社

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【適ドア適所】にそった「まとめ」


本記事の結論は明快です。
「大手だから安心」というイメージだけで店舗設計会社を選ぶのは、かえって失敗のもとになります。

なぜなら、大手には大手の良さがあり、中小には中小の強みがあるからです。
そして、プロジェクトの目的・フェーズ・業種・規模によって、「最適な設計会社」は必ず異なります。


適ドア適所の視点を設計にも応用する

Newtonドアが提唱する「適ドア適所」は、ドア選びだけでなく、空間設計全体にも活かせる考え方です。

つまり、

  • 「どんなドアが最適か?」を考えるのと同じように、
  • 「どんな設計会社が今の自分たちにとってベストか?」を冷静に判断する

それが、余計なトラブルを避け、満足度の高い店舗をつくる最短ルートです。


自社に合った設計パートナーを見つけるには?

  • 「規模に合っているか?」
  • 「業種に理解があるか?」
  • 「フェーズや予算に合った提案ができるか?」

この3つの視点をもとに、「自分たちの店舗にとって、最適な設計会社は誰なのか?」を一歩ずつ見極めていきましょう。


【出典表示】

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