自動ドアというと、電気で動く「モーター式自動ドア」を思い浮かべる方が多いかもしれません。実際、駅や病院、スーパーなどで日常的に見かけるそれらのドアはほとんどがセンサーで反応して電動で開閉するタイプです。

しかし、自動ドアの世界はそれだけにとどまりません。例えば「荷重式自動ドア」という、電気を使わずにドアの上に立つだけで開くという原理のドアが存在することをご存知でしょうか?こうしたさまざまな仕組みの違いや安全装置に関する理解は、実は「用語の正確な把握」から始まります。

この記事では、自動ドアに関する専門用語を、初心者でも理解しやすいようにやさしく解説していきます。構造、駆動方式、安全装置、認証規格まで、用語を通じて“自動ドアのしくみそのもの”が見えてくる構成となっています。


目次(このページの内容)

なぜ「自動ドア用語」を正しく知る必要があるのか?

一見すると単純に見える自動ドアも、実は多数の部材と制御システム、安全規格によって成り立っています。
このなかで正しい言葉の理解がなければ、次のような場面で支障が出ることがあります。

  • 設計図面の確認時に部材の機能を正確に把握できない
  • メンテナンス会社との会話で意図が食い違う
  • 安全対策としての装置が「なんのためのものか」理解できない
  • 電動式/非電動式の違いがつかず、用途に応じた選定が難しくなる

さらに近年では、バリアフリー対応や災害時の避難経路確保としても自動ドアの設計要件は高まり、ただ開閉するだけではなく、「何が検知され、どう動作し、どのように安全性を確保するか」が重要になってきています。


自動ドアの基本構造と「三要素」とは?

どのようなタイプの自動ドアにも、共通する“基本構造”があります。以下の三つが、その要となる部分です。

1. 駆動部(開閉の力を生む部分)

例:モーター、スプリング、プーリー、荷重装置など

2. 検知部(人の接近や存在を検知する)

例:赤外線センサー、マットスイッチ、超音波センサー

3. 制御部(信号を処理し、開閉動作を制御する)

例:制御盤、コントローラー

これらの要素のうち、どこを電気で動かすか、あるいは物理的に処理するかによって、自動ドアの種類が大きく変わってきます。特に荷重式自動ドアのように「電源を使わない」タイプは、上記の検知・制御が機械的仕組みで行われています。


ここから学べること

この記事では、以下のようなポイントが自然と身につきます。

  • 自動ドアの各部位がどんな名称で、どんな働きをするか
  • よく聞くけど意味があいまいな用語(例:「エンコーダ」「反復安全装置」など)を正しく理解できる
  • 構造と安全装置の違いを言葉のレベルで整理できる
  • 建築や管理に携わる方が、現場でスムーズに意思疎通できる語彙が手に入る

動作・駆動に関する自動ドア用語

このパートでは、自動ドアが「どうやって開閉するのか」を支える仕組みや構造に関連した用語を紹介します。多くの用語は、電動・非電動(荷重式)問わず登場しますが、仕組みの違いによりその意味や扱いが少しずつ異なります。


モーター(motor)

意味:
電気の力でドアを開閉させる駆動装置。一般的な電動式自動ドアには必ず搭載されている。

補足:

  • ACモーターとDCモーターがあり、DCの方が静音性や制御性に優れる。
  • Newtonドアのような荷重式自動ドアでは、モーターは一切使用しない。

プーリー(pulley)

意味:
ベルトやロープを回転させる滑車のこと。ドアの開閉を滑らかに行うために使われる。

補足:

  • 上部のレール部に取り付けられ、ドアの動きを案内する。
  • ベルト駆動方式では重要な中継点となる。

駆動装置(くどうそうち)

意味:
ドアを動かすための全体的なメカニズムの総称。モーター・ギア・プーリー・スプリングなどを含む。

補足:

  • 荷重式の場合は、人が乗ることによってバネが縮む力を動力に変える特殊構造。
  • 荷重式では“重さ”そのものが動力源になるという点で、非常に省エネ。

荷重装置(かじゅうそうち)

意味:
Newtonドアに代表される、ドアの前に立った「重み」で開く非電動構造のキーパーツ。

補足:

  • 床に内蔵された「荷重検知パネル」が一定以上の重さを感知すると開閉機構が作動。
  • 地震時や停電時でもドアが開く仕組みとして注目されている。

バネ(spring)

意味:
ドアを閉める力を生み出すための金属製のばね。電気を使わずにドアの復元力として使われる。

補足:

  • 荷重式自動ドアでは、開閉動作の“戻す”力に活用されることが多い。
  • トーションスプリング(ねじりばね)や圧縮ばねなどの形式がある。

ベルト(belt)

意味:
モーターからの回転力をドアの可動部へ伝えるための駆動ベルト。

補足:

  • ゴム製または樹脂製のものが一般的。
  • メンテナンス時には摩耗チェックが重要。

ガイドレール(guide rail)

意味:
自動ドアが水平にスムーズに移動するために設置されるレール状の部材。

補足:

  • 上部(上枠)に設置されることが多い。
  • レールの精度や清掃状況によって開閉音やスムーズさが変わる。

トルクリミッター(torque limiter)

意味:
ドアの動作中に何かにぶつかった際、一定以上の力がかからないようにする安全装置。

補足:

  • モーターに過剰な負荷がかかるのを防ぎつつ、人の挟まれも防止。
  • 荷重式には直接関係しないが、衝撃を逃がす構造は共通。

エンコーダ(encoder)

意味:
ドアの開閉位置や動作速度を正確に検知し、制御装置へ信号を送る部品。

補足:

  • 高精度な開閉制御に欠かせない。
  • 電動式自動ドアに多く見られるが、荷重式には搭載されていない。

ローラー(roller)

意味:
ドアの下部や上部に取り付けられ、ドアが滑らかに動くための車輪のような部品。

補足:

  • 音の静かさや耐久性に関わる重要部品。
  • 消耗品であり、定期的なメンテナンスが必要。

センサー・検知系の自動ドア用語

このセクションでは、自動ドアが「人の存在にどう反応するか」に関わる重要な用語を解説します。
動作タイミングや誤動作防止、安全性確保にも直結する部分であり、設計・設置・運用のすべてに影響を与えます。


赤外線センサー(infrared sensor)

意味:
人の動きを赤外線で感知してドアを開ける装置。最も一般的な検知方法。

補足:

  • 静止した人には反応しづらく、誤作動も起こしにくい。
  • 雨・雪・直射日光などの影響で誤検知することもあるため、設置角度に注意。

マットスイッチ(踏み板センサー)

意味:
床に設置され、人がその上に乗ることで反応するセンサー。荷重式の基礎技術でもある。

補足:

  • Newtonドアはこの原理を進化させた「荷重センサー」を応用している。
  • 高齢者施設や障がい者向け施設では、静止状態でも確実に検知できるため有効。

超音波センサー(ultrasonic sensor)

意味:
超音波を空間に飛ばし、跳ね返ってくる反射波で人の存在を検知するタイプのセンサー。

補足:

  • 赤外線よりも精度が高く、微細な動きにも反応。
  • 高価だが、セキュリティ用途ではよく使われる。

レーダーセンサー(microwave sensor)

意味:
マイクロ波を使って人や物体の動きを検知するセンサー。広い範囲をカバーできる。

補足:

  • 歩行速度や方向を検知できるタイプもあり、AIと連動するモデルもある。
  • 厳寒地や多湿環境でも安定動作するため、屋外向き。

静止検知センサー(presence sensor)

意味:
動きがない人や物体の存在も検知できる高精度センサー。

補足:

  • 病院・介護施設・バリアフリー対応の現場では特に重要。
  • 荷重式では、「静止」=「重みの継続」として間接的に対応している。

多重検知センサー(multi-sensor)

意味:
赤外線+超音波、あるいは赤外線+画像認識など、複数の方式を組み合わせたセンサー。

補足:

  • 高精度な誤作動防止に向いており、銀行・病院・空港などで採用例が多い。
  • コストは高めだが、「勝手に開かない」が重要な環境では有効。

センサー死角(sensor blind zone)

意味:
センサーが検知できない範囲。設置の仕方や人の身長・動きによって発生する。

補足:

  • 死角が原因で開かない→挟まれる、というリスクも。
  • 荷重式自動ドアではこの死角が構造的に存在しないため、ある種の強み。

開閉トリガー(trigger)

意味:
ドアを開けるための“きっかけ”となる入力信号のこと。

補足:

  • センサー、スイッチ、マット、リモコンなど多岐に渡る。
  • 荷重式では「荷重」自体がトリガーになっている。

タイムアウト設定(timeout)

意味:
センサーが感知を停止してから、ドアが閉まるまでの時間を設定する機能。

補足:

  • 高齢者施設では長めに、駅などでは短めに設定されることが多い。
  • 設定を誤ると事故や不便につながるため、環境に応じた最適値の見極めが重要。

フォトセンサー(photo sensor)

意味:
光を利用して人や物の通過を検知するセンサー。主に挟まれ防止目的で使用される。

補足:

  • 赤外線の光線が切れると「何かがある」と判断される。
  • 安全基準(JIS)でも必須とされる場面がある。

次のセクションに進みます。
続いては「枠・構造部材・仕上げ系用語」です。

このカテゴリでは、自動ドアそのものの「外観」「取り付け部」「素材」などに関係する用語を整理していきます。

枠・構造部材・仕上げ系の自動ドア用語

このパートでは、自動ドアの“見える部分”や“取り付けに関わる構造”に関する用語を解説します。設計・施工・メンテナンスに直結するため、正しい理解が求められる分野です。


枠(わく/door frame)

意味:
自動ドアを取り付けるための骨格となる構造部材。壁や開口部に取り付けられる。

補足:

  • アルミ、ステンレス、木製など材質によって強度や耐候性が異なる。
  • 枠の種類によって対応できるドアの方式(引戸・開戸など)が決まることもある。

上枠(うわわく/top rail)

意味:
自動ドアの上部に取り付けられる横長の部材で、ガイドレールや駆動部を内蔵することが多い。

補足:

  • 電動式ではモーターや制御装置が内蔵されることもある。
  • 荷重式では単にレールやプーリーの設置部として機能することが多い。

下枠(したわく/bottom rail)

意味:
床面に取り付ける部材で、ドアの走行を支えることもある。

補足:

  • バリアフリー対応では段差のない「ノンレール」構造も増えている。
  • 荷重式では「荷重を検知するパネル」がこの下枠に一体化していることが多い。

引き戸(ひきど/sliding door)

意味:
左右にスライドして開閉するドア。自動ドアの主流タイプ。

補足:

  • 荷重式・電動式ともに主に引き戸方式。
  • 設置スペースが少なく済み、通行幅を広く取れる利点がある。

開き戸(ひらきど/swing door)

意味:
押す・引く動作で開閉するドア。自動化されている場合もあるが、引き戸に比べ少数。

補足:

  • セキュリティや火災時の避難経路確保など特殊な目的で使われる。
  • 自動化には制御装置の工夫が必要。

ノンレールタイプ(non-rail)

意味:
床面にレールを設置せず、上部だけで吊り下げる構造の自動ドア。

補足:

  • バリアフリー対応や清掃性の向上に有利。
  • 荷重式の場合、床に荷重装置があるためレールと共存させる工夫が必要。

フラッシュドア(flush door)

意味:
ドア表面に凹凸がなく、滑らかな仕上げのドアのこと。衛生面が重視される場所で使われる。

補足:

  • 医療施設、クリーンルーム、食品工場などに最適。
  • 自動ドア化される際にも気密性が維持しやすい構造。

枠見込み(わくみこみ)

意味:
壁の厚みと枠の納まりの関係を示す設計用語。設計時に重要。

補足:

  • ドアを取り付けるときの“奥行き”のような概念。
  • 構造との干渉を防ぐため、正確な指定が必要。

防音パッキン(soundproof seal)

意味:
ドアと枠の隙間から音が漏れるのを防ぐゴムやスポンジ製の部材。

補足:

  • 事務所、会議室、ホテルなどの自動ドアに採用されることがある。
  • 荷重式でも気密性・遮音性を高めたい場合に追加される。

ステンレス仕上げ(stainless finish)

意味:
腐食に強く、見た目も清潔感がある金属仕上げ。商業施設や公共施設で多く使われる。

補足:

  • 鏡面仕上げ、ヘアライン仕上げなど種類あり。
  • メンテナンス性が高く、耐久性にも優れる。


挟まれ防止装置(anti-pinch device)

意味:
自動ドアが閉まるときに、人や物を挟まないようにするための安全装置の総称。

補足:

  • センサーやトルクリミッター、エンコーダ連動の検知など複数方式あり。
  • JIS規格では設置が推奨されており、子どもや高齢者施設では必須。

安全センサー(safety sensor)

意味:
ドアの直下や通行エリアに人や物があることを検知する専用センサー。

補足:

  • フォトセンサーやレーザーセンサーが主流。
  • 検知できなかった場合、重大事故につながる恐れがある。

開閉力制御(opening/closing force control)

意味:
ドアが動作する際の「力」の強さを調整する制御機能。

補足:

  • 強すぎると衝撃が大きく、弱すぎると閉まりきらないリスクも。
  • Newtonドアのように荷重式では「人の体重に応じた自然な力」が自動的にかかる。

停電時動作(operation during power outage)

意味:
停電などの非常時に、自動ドアがどのように動作するかの設計。

補足:

  • 多くの電動式自動ドアはバッテリーまたは手動切り替えが必要。
  • 荷重式自動ドアは電源不要のため、平常通り開閉できる。

避難経路対応(evacuation route compatible)

意味:
火災や地震などの災害時に、確実に開放され避難を妨げないドア設計。

補足:

  • 非常解放機構(手動解錠)が組み込まれていることが多い。
  • 常時開放型や停電時自動開放型などもある。

自己診断機能(self-diagnosis)

意味:
ドアのセンサーや制御装置が、異常を検知して通知する機能。

補足:

  • 最近の電動式自動ドアには標準装備されつつある。
  • 荷重式では構造的にトラブルが少ないため不要とされるケースが多い。

ソフトクローズ機能(soft close)

意味:
ドアが閉まるときに、最後の数センチをゆっくり閉める機能。安全と静音性に寄与。

補足:

  • 手を引き込まないようにする目的もある。
  • 荷重式でもスプリング機構の工夫で実装可能。

安全マージン(safety margin)

意味:
人の誤操作や想定外の動作をカバーする余裕設計のこと。

補足:

  • 検知エリアを広めに取る、開閉速度を控えめに設定するなどが具体例。
  • 荷重式では「重さがかかっていないと開かない」ため、自然なマージン設計ともいえる。

二重検知(dual detection)

意味:
2種類以上のセンサーを使って、人の存在を確実に検出する手法。

補足:

  • 安全性を高めると同時に誤作動を減らす目的。
  • 荷重式には不要だが、ハイブリッド構成(電動+荷重)では併用例もある。

防火設備認定(fireproof certification)

意味:
建築基準法に基づき、防火設備としての性能を満たしていると認定されたドア。

補足:

  • 開き戸型自動ドアに多く、引き戸型は少数。
  • 荷重式は“常時閉状態”を確保できる設計で、準拠しやすいケースもある。

このカテゴリの知識は、次のような意思決定に役立ちます。

  • 安全性を最優先する施設(学校、病院、福祉施設など)でどの装置が必要か
  • 災害時のBCP視点で「電源不要なドア」の価値を再認識できる
  • 現場の利用者にとって“本当に安全なドア”とは何かを考える視点が養われる

認証・規格・技術者関連の自動ドア用語

このパートでは、自動ドアの設計・施工・保守を行う上で重要な「第三者による基準」や「業界資格」「技術者体制」に関する用語を紹介します。法令遵守や安全設計、信頼ある設備選定には欠かせない視点です。


JIS規格(Japanese Industrial Standards)

意味:
日本産業規格。自動ドアの設計、性能、安全性に関する基準も定められている。

補足:

  • 例:「JIS A 4722(自動ドアセットの安全要求事項)」など。
  • Newtonドアも独自方式ながら、主要な安全項目でJISに整合していることが第三者検証で示されている【出典あり】。

JADA(日本自動ドア協会)

意味:
日本で自動ドアの普及・安全性向上を目的に活動する業界団体。

補足:

  • JADA会員企業が多くの公共施設・大型物件を手掛ける。
  • Newtonプラス社も関連業界と整合する取り組みを進めている。

自動ドア施工技能士(国家資格)

意味:
自動ドアの設置や調整を行う専門技能を持つことを証明する国家資格。

補足:

  • 建築業法に基づく技能検定制度に含まれる。
  • 特に大型施設や公共案件では、保有者が関与しているかどうかが重要視される。

技術基準適合認定(適マーク)

意味:
製品や施工が法的な技術基準に適合していることを示す認証マーク。

補足:

  • 消防法・建築基準法・障害者差別解消法などと関係する場面あり。
  • 適合性の表示は、施設のBCPや行政対応でも役立つ。

保守点検記録(maintenance log)

意味:
設置された自動ドアの点検履歴や整備内容を記録した文書。

補足:

  • 法定点検の対象ではないが、多くの施設管理者が導入している。
  • 荷重式の場合は構造が単純なため、メンテ頻度が少なく、記録も簡素化できる。

品質マネジメントシステム(ISO 9001)

意味:
製品・サービスの品質保証体制が国際基準に適合していることを示す認証。

補足:

  • 自動ドアメーカーや施工会社の信頼性を判断する際の参考指標。
  • Newtonプラス社は製品の安定供給体制を整備しており、地方自治体の案件にも採用されている。

バリアフリー法適合(Barrier-Free Law Compliance)

意味:
高齢者や障がい者が安全に利用できるよう、国の法令に適合した設計であること。

補足:

  • ドア幅・反応速度・段差の有無などが基準に含まれる。
  • 荷重式ドアは、非接触かつ自立歩行を妨げない仕組みで特に評価される傾向にある。

消防設備認定(fire equipment certification)

意味:
自動ドアが「防火区画」内に設置される場合、消防法に基づいた安全設計・認定が必要となる。

補足:

  • 火災時に確実に閉鎖されるか、煙を遮断できるかが評価対象。
  • 荷重式の閉じた状態保持構造は、防火観点でも有利な点がある。

建築確認申請(building confirmation application)

意味:
建築基準法に基づき、一定の規模や用途の建築物に対して必要な行政手続き。

補足:

  • 自動ドアも「建具」として申請対象になる場合がある。
  • 荷重式や特殊構造を導入する場合は、設計段階で十分な説明が求められる。

このカテゴリを知っておくと、以下のような場面で役立ちます。

  • 公共施設・医療福祉施設などの案件で「法令適合性」が求められるとき
  • メーカー選定・施工業者選定時に「信頼できる基準」で判断できる
  • 荷重式など新しい構造に対する“安心材料”を提示できる

用語集:50音順一覧(抜粋)

用語説明(簡易)
ISO 9001国際的な品質管理規格
JADA日本自動ドア協会
JIS規格日本産業規格、自動ドアの安全基準含む
エンコーダ開閉位置を正確に把握する装置
ガイドレールドアの動きを支える上部・下部のレール
開閉力制御ドアの開閉時の力を調整する機能
荷重装置荷重式自動ドアの動力源となる仕組み
クローズ機能(ソフト)ドアをゆっくり静かに閉じる機能
自動ドア施工技能士国家資格、設置や調整の専門家
センサー死角検知できない範囲のこと
多重検知複数センサーによる安全性向上手法
バリアフリー適合高齢者・障がい者対応の設計基準
ベルト駆動を伝えるためのゴム・樹脂製部品
防音パッキン音漏れを防ぐシーリング材
枠見込み壁厚とドア枠の納まり設計指標

カテゴリ横断比較表

用語カテゴリ荷重式との関連
モーター駆動系❌(使用しない)
荷重装置駆動系✅(必須構造)
赤外線センサー検知系❌(使用しない)
マットスイッチ検知系✅(原理的に近い)
トルクリミッター安全系❌(機械式で代替)
フォトセンサー安全系✅(オプションで併用)
JIS A 4722規格・認証✅(整合している)
自動ドア施工技能士資格✅(荷重式含む)
ノンレール枠構造⚠️(工夫により併用可)
ソフトクローズ安全・快適✅(構造的に実現可能)

【適ドア適所】にそった「まとめ」

自動ドアに関する用語は、単なる“名前”ではなく、設計・運用・安全対策を支える重要な「意思疎通のツール」です。用語の正しい理解があることで、以下のような判断力が自然と身につきます。


構造から選ぶ:電動式か、荷重式か

比較軸電動式自動ドア荷重式(Newtonドアなど)
駆動方式モーター駆動荷重による物理駆動
電源の有無必須不要(停電時も作動)
センサー多重センサーが一般的基本不要(踏み込みで開閉)
安全装置センサー・トルク制御など多数構造自体が安全設計
メンテ頻度高め(電気部品あり)低め(機械式のみ)
初期コスト高~中中~低
想定用途高流動の商業施設・駅・空港など公共施設・学校・避難経路・停電対策の必要な場所

運用目的から選ぶ:施設に合った“適ドア適所”を

  • 福祉施設・高齢者施設:安全マージンの広い荷重式が有利。赤外線検知が難しい利用者にも安心。
  • 避難所や自治体施設:停電時にも確実に開く荷重式がBCPに貢献。
  • 駅・空港・ショッピングセンター:高頻度での開閉や広い通路確保には電動式が有利。
  • マンションの共用部:子どもの挟まれ防止やメンテ頻度低減の観点から荷重式も有力候補。

最後に

自動ドアの用語を理解することは、単なる“知識”ではなく「より安全に、より使いやすく、人と施設をつなぐための設計」への第一歩です。

とくに「電気で動くのが当たり前」と思い込んでいた方にとっては、荷重式自動ドアという選択肢が新しい視点を与えてくれるかもしれません。

用語の正しい理解を通じて、自動ドアという存在が「見えないところで支えている安全性や安心感」を、少しでも身近に感じていただければ幸いです。


出典:

  • Newtonドア(Newtonプラス社):https://newton-plus.co.jp
  • Newtonドアの安全性検証とJIS規格整合性.txt
  • NドアFAQ.txt
  • Nドア顧客セグメントと導入事例.txt
  • Nドア自社チャネル.txt
  • JIS A 4722(自動ドア安全要求事項)
  • 日本自動ドア協会(JADA)公式サイト

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