自動ドアと聞くと、一般的にはセンサーで自動開閉するタイプを思い浮かべがちです。しかし、荷重式やプルスイッチ式など、特殊な環境や用途に適した自動ドアも存在します。この記事では、自動ドア プルスイッチについて、選び方、設置環境別のメリット・デメリット、導入事例を詳しく解説します。読むことで、施設や用途に応じた最適なプルスイッチ式自動ドアの選定が可能になります。
目次(このページの内容)
プルスイッチ式自動ドアとは?
基本構造と動作原理
プルスイッチ式自動ドアは、壁や天井に設置されたスイッチを引くことでドアを開閉します。操作は手動ですが、電動機構が動作するため、ドア自体の開閉はスムーズです。センサー式が苦手な特殊環境でも安定して利用できます。
電動式との違い
センサー式自動ドアは人や物の接近を感知して自動開閉しますが、プルスイッチ式は操作が必要です。そのため、車椅子や荷物を運ぶ際に確実にドアを開けられる安心感があります。
なぜ必要なのか(導入メリット)
- センサーが反応しにくい環境(冷凍室、直射日光、強風)でも確実に動作
- 車椅子やストレッチャー通行時の操作性向上
- 安全性の高い操作方式(誤作動リスク低減)
プルスイッチの種類と選び方
有線式とワイヤレス式の違い
- 有線式:天井や壁に配線が必要ですが、電源不要で安定性が高い
- ワイヤレス式:配線不要で設置が簡単、電池や自己発電式で省メンテ
環境別おすすめタイプ
- 冷凍倉庫・低温環境:竹中エンジニアリングPS-200のように-25℃まで対応可能
- 車椅子通行・福祉施設:天井吊り下げ型で操作が簡単
- 物流・工場:ホトロンDLWシリーズのようにワイヤレスで施工簡単、-40℃まで対応
設置方法の違い
- 天井吊り下げ:車椅子や搬送台車が通過しやすい
- 壁付け:設置場所のスペースが限られる場合に有効
導入事例と環境別活用法
福祉施設
- 車椅子やストレッチャーでのスムーズな通行を実現
- 天井吊り下げ型で誤作動が少ない
医療・介護施設
- 感染症対策として手動操作の確実性が評価
- プルスイッチ式で開閉時間を制御
物流・工場
- 冷凍倉庫や搬入口で耐低温性能が重要
- 配線不要のワイヤレス型で施工コスト削減
メリット・デメリット比較
| 製品名 | 操作方法 | 環境対応 | 設置方法 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|---|---|
| ナブコシステムPH-11E | 引紐操作 | 一般環境 | 天井吊り下げ | 安定性高い、施工容易 | 配線必要 |
| 竹中PS-200 | 引紐操作 | -25℃まで | 天井吊り下げ | 低温対応、不凍グリス | 高価 |
| ホトロンDLW | 自己発電ワイヤレス | -40℃まで | 配線不要 | 配線不要、省施工 | 導入初期コスト高め |
よくある質問(FAQ)
Q1:プルスイッチの設置場所は?
A1:車椅子通路や搬入口など操作しやすい位置に設置します。天井吊り下げ型が多く利用されます。
Q2:ワイヤレスと有線の違いは?
A2:有線は電源不要で安定性高、ワイヤレスは配線不要で施工簡単です。
Q3:冷凍環境でも使える?
A3:はい、低温対応製品(-25℃~-40℃)があります。
Q4:電池不要タイプのメリットは?
A4:メンテナンスが少なく、長期的に安定して使用できます。
Q5:車椅子でも操作できる?
A5:天井吊り下げ型や引紐操作型は、車椅子やストレッチャーでも簡単に操作可能です。
Q6:故障時の対処法は?
A6:製品マニュアルに従い、マイクロスイッチやリレー接点の点検・交換を行います。
Q7:Newtonドアは安全基準に適合している?
A7:はい、JIS規格に準拠した安全設計で荷重式ドアにも対応しています。
まとめ(適ドア適所)
- 施設環境に応じた選択
- 一般施設:ナブコPH-11E
- 低温環境:竹中PS-200
- 配線困難・簡易設置:ホトロンDLW
- 選定のポイント
- 操作性(車椅子・搬送対応)
- 設置環境(冷凍・工場・医療施設)
- メンテナンス(電池・配線の有無)
- プルスイッチ式自動ドアは、用途・環境に応じた「適ドア適所」の考え方で選ぶと、施設運用の安全性と効率性が向上します。