自動ドアというと、多くの人がセンサーで自動的に開閉する「非接触型」のドアを思い浮かべるかもしれません。
ですが、実際の現場では、今でも「押すボタン式」の自動ドアが多く使われています。

では、その「ボタン式の自動ドア」は、もう時代遅れなのでしょうか?
それとも、いまでも選ばれているだけの理由があるのでしょうか?

この記事では、「ボタン式の自動ドア」に関してよくある疑問──
たとえば「衛生面ではどうなの?」「バリアフリーに適してるの?」「非接触型にすべき?」といった悩みに対し、選ぶべき基準を明確にし、見直しのポイントを整理します。

さらに、「押す必要がない」選択肢や、「場所に応じた最適な使い分け(適ドア適所)」の考え方まで掘り下げ、
自動ドアを導入・更新する際に本当に納得して選べるようになる記事構成となっています。


目次(このページの内容)

自動ドアの「ボタン式」は、まだ現役?

要点:

ボタン式の自動ドアは「もう古い」と思われがちですが、実際には今も多くの施設で採用され続けている現役の方式です。
選ばれているのには、きちんと理由があります。


背景:よく見る「ボタン式」の現場とは?

駅、学校、福祉施設、集合住宅の共用部など、日常的な場面で「押すボタン」で開く自動ドアを目にする機会は意外と多いのではないでしょうか。
特に高齢者や障がい者が多く利用する施設では、「意図的に開ける」という行動を伴うボタン式が選ばれるケースもあります。

実態:まだ多くの現場で使われている理由

ボタン式のドアがまだ多く使われている理由には、次のようなものがあります:

  1. 設置コストが低い
     センサー式に比べて構造がシンプルで、設置費用が安価な傾向があります。
  2. 誤作動が少ない
     人が近づいただけで反応するセンサー式に対し、ボタン式は意図的に操作するため、不要な開閉が減ります。
  3. 維持管理がしやすい
     複雑なセンサーやプログラムが不要で、経年劣化に強く、故障リスクも比較的低い。

これらの理由から、「あえてボタン式を選ぶ」施設管理者も少なくないのです。


疑問:「それって、安全性や利便性はどうなの?」

ボタン式自動ドアにも、安全性や利便性の面で課題はあります。
例えば、ボタンの位置が高すぎると車椅子の利用者にとって押しにくくなったり、体の不自由な方にはボタンまで移動することが大変だったりするケースも。

しかしそれでも、「ボタン式が最適」である場面が存在するのも事実。
つまり、「ボタン=古い、センサー=新しい」という単純な話ではなく、どんな場所に、誰のために、どんな使われ方をするのか?
それによって「選ぶべき方式」が異なるのです。


根拠:施設運営者が重視していることとは?

実際の施設運営者にとって、重視するポイントは以下のように整理できます:

  • 運用管理がしやすいか
  • 誤作動・無駄な開閉がないか
  • 費用対効果が見合うか
  • 安全・バリアフリー基準に適合するか

このうち、誤作動や費用対効果の面では、センサー式よりもボタン式の方が望ましいとされるケースも多いのです。


なぜ今でも「ボタン式自動ドア」が選ばれているのか

要点:

「古いから」「不便そうだから」と思われがちなボタン式ですが、現場で選ばれ続けている背景には、明確な合理性があります
ここではその「選ばれる理由」を、コスト・制御性・安全性といった観点から整理します。


理由①:センサー式よりも「意図的な制御」ができる

センサー式の自動ドアは、人や物が近づくと自動的に開く仕組みですが、その便利さが仇になるケースもあります。
たとえば以下のような場面では、勝手に開いてほしくないというニーズが強くなります:

  • 病院・診療所の内部ドア:機密性やプライバシーの観点から、勝手に開くと困る
  • 特別支援学校や施設内の安全ドア:子どもたちがうっかり外に出ないよう、意図的な操作が必要
  • 厨房や倉庫など、頻繁に人が横切る場所:通行人による誤作動を避けたい

このような場合、“押したときだけ開く”ボタン式は、明確にメリットがある方式です。


理由②:コスト・メンテナンスが抑えやすい

ボタン式のメリットとしてしばしば挙げられるのが、「設備コストの安さ」です。
センサー式は赤外線やマイクロ波センサー、プログラムによる制御を伴うため、初期設置費用が高くなりがちです。

一方、ボタン式は比較的シンプルな構造のため、

  • 設置費用が抑えられる
  • 故障時の対応が容易(ボタン交換のみで済むことも)
  • 消耗品の交換も少なく、ランニングコストが低い

といった導入後の負担軽減にもつながります。


理由③:「開ける意思」がある人だけに開けさせる安全性

ボタン式の特徴は、「押す」という操作を通じて、「開ける意思のある人」だけが開けることができる点にあります。

これは施設内での誤開放や無関係者の侵入を防ぐセキュリティ上の利点として評価されることがあります。
特に以下のような場面では、その安全性が重要視されます:

  • 高齢者施設の居室出入り口
  • 子どもが出入りする園舎やプレイルーム
  • 入退室の制御が必要な研究室やバックヤード

このような「意図のある人だけに動作させたい」場面では、センサーよりもボタン式の方が安全とされます。


理由④:「反応しすぎるセンサー」によるトラブルを避けられる

センサー式自動ドアでは、次のような「開きっぱなしになる」「人が通ってないのに開く」といった現象がよくあります:

  • ペットや小動物の動きに反応して開く
  • 強風で揺れる木や看板に反応する
  • 道路沿いで車両の反射などにより誤作動する

このような場面では、「押すまで開かない」という確実性が逆に強みとなります。


補足:誤解されがちな「バリアフリー=センサー」の構図

多くの人が「バリアフリー=センサー式が正解」と思い込みがちですが、実際にはそう単純ではありません。
「操作の意思がある人だけが動作できる」「誤動作しない」「押しやすい高さに設置できる」など、条件を満たすボタン式もバリアフリー対応可能です。

この点については、次章「衛生面・感染対策」と合わせてさらに詳しく掘り下げていきます。

次に、セクション3(H2-3):
「感染対策や衛生面で、ボタン式はどうなの?」の本文を作成していきます。
少々お待ちください。


感染対策や衛生面で、ボタン式はどうなの?

要点:

「みんなが触るボタンって、不衛生じゃないの?」という声が増えたのは、コロナ禍以降とくに顕著です。
ですが、最近では非接触型のボタンや、そもそも「押さない仕組み」の選択肢も登場しており、ボタン式=不衛生というのは一面的な見方に過ぎません。


背景:ボタン=感染リスクという意識の高まり

新型コロナウイルスの影響により、公共施設・医療施設・飲食店などを中心に、「共用部における接触回避」が強く意識されるようになりました。
自動ドアの「ボタン」も例外ではなく、「多くの人が触れるボタンって、ちょっと気になるよね…」という感覚が広がっています。

このような意識から、最近では**「非接触で動作するボタン」**の導入が進んでいます。


対応策①:非接触式の「近接センサーボタン」

近づけるだけで反応する非接触式の押しボタン(タッチレスボタン)は、以下のような仕組みで動作します:

  • 指や手のひらを、赤外線センサーにかざす
  • 数cm以内に近づけると作動する
  • 実際には“押していない”のに「押す動作」に見える

これにより、ボタン式の制御性を保ちつつ、衛生面への配慮ができるというメリットがあります。
また、導入にあたっても、従来のボタンを「非接触型ボタンに交換する」ことで対応できる場合が多いため、コストも抑えやすいです。


対応策②:「押さなくてもいい」別方式の再評価

非接触を追求する中で、そもそも「ボタンを押す必要がない」という選択肢にも注目が集まっています。たとえば:

  • センサー式(赤外線・マイクロ波)
  • フットセンサー式(足元の検知で開閉)
  • 荷重式(体重をかけると開くドア)

といった方式がそれにあたります。

なかでも、Newtonドアで採用されている荷重式は、完全に電気を使わず、自然な動作(ドアに体重をかける)で開くため、
衛生面だけでなく「電源トラブル」「停電時」などにも強いという利点を持っています。


判断基準:衛生面 vs 誤開閉リスク

「非接触の方が清潔」というのは一理ありますが、反面、非接触ゆえに“開きすぎる” “誤作動が多い”といった問題も起きがちです。
そのため、以下のような基準で選ぶことが推奨されます:

判断基準ボタン式非接触式(センサー)
誤作動リスク低い(押さないと開かない)高い(近づいただけで開く)
衛生面接触が必要(非接触ボタンで対応可)高い(触れずに済む)
利便性意図的な開閉ができる自動開閉で便利
設置・コスト低めやや高い

つまり、場所や目的によって、どちらが最適かは異なるのです。


現場例:病院や福祉施設での使い分け

  • 外来入口など不特定多数が出入りする場所 → 非接触式(センサー型やタッチレスボタン)
  • リハビリ室・薬局カウンター前など、意図的な入退室が必要な場所 → ボタン式(または荷重式)

このように、「衛生」と「安全」を両立するためには、単純な一択ではなく、状況ごとに最適な方式を見極める力=適ドア適所の視点が求められます。


バリアフリー対応としての「押すボタン」の現実

要点:

「バリアフリーならボタン式は不適切」と考える人も多いですが、それは必ずしも正しくありません。
JIS規格で定められた条件を満たしていれば、ボタン式でもバリアフリーに十分対応可能です。


誤解されやすい「ボタン=不便」という印象

バリアフリー化が進むなかで、「手が使いづらい方」「車椅子利用者」「視覚障がいのある方」にとって、ボタンを押すのは難しいのでは?
という印象が広がっています。

しかし実際には、「使いやすいボタン」としての規格や設計ガイドラインが整備されており、それに準拠していれば十分に配慮されたものと見なされます。


JIS規格に基づくボタンの設計条件

JIS(日本産業規格)では、公共施設や福祉施設に設置するボタンについて、以下のような要件が定められています:

  1. 操作部の高さ:床面から80〜100cmの範囲内
     → 車椅子でも押しやすい高さ設定
  2. 押しやすさ(作動力):軽い力で反応する構造
     → 手の不自由な方でも押せるよう考慮
  3. 視認性:色・形・照光表示などで視覚的にわかりやすく
     → 視覚障がい者にも優しい設計
  4. 音や振動でのフィードバック:押されたことがわかる音や感触がある
     → 多感覚での認知を補助

このように、「正しく設計されたボタン」であれば、バリアフリー性は確保可能です。


現場での工夫:より押しやすくする実践例

実際の施設では、ボタンの種類や設置位置の工夫により、さらなる配慮がなされています。たとえば:

  • 大型の平面スイッチ:手のひら全体で軽く触れるだけで動作
  • 床面に設置されたフットスイッチ:足で押せるボタン
  • 音声案内付きボタン:視覚に頼らずに使用可能

こうした工夫により、「誰にとっても使いやすいボタン式の自動ドア」が実現されています。


実はセンサー式にもある「バリアフリー上の弱点」

センサー式は一見するとバリアフリーに見えますが、実は以下のような弱点も指摘されています:

  • 反応範囲が合わず、車椅子では反応しづらい
  • 誤作動で急に開いて危険を伴うことがある
  • 感知範囲が広く、無関係な通行人で開いてしまう

このため、「使う人にとって、何が一番安全か」という視点が最も重要であり、方式そのものに優劣があるわけではありません。


「選ばれるバリアフリー」には判断基準がある

結論としては、バリアフリーに適しているかどうかは、「押すかどうか」ではなく、「押しやすさ」「使いやすさ」「安心して使えるか」で判断されるべきです。
そしてその判断には、現場の状況や利用者層を把握した「適ドア適所」の視点が欠かせません。


実は「押す必要がない」選択肢もある?

要点:

「ボタン式か、センサー式か」の二択だけでは、選択肢を狭めてしまいます。
実際には、“押す”という行為そのものが不要になる自動ドアの仕組みも存在しています。
ここでは、そんな「第三の選択肢」をご紹介します。


視点の転換:「操作する」前提を捨ててみる

多くの人が、「自動ドア=何かしらのアクションで開けるもの」と考えています。
ボタンを押す、センサーに近づく、カードをかざす──いずれも「意図的な操作」が必要です。

しかし実は、人が自然な動作をしただけで開く、操作レスの自動ドアも存在します。


荷重式自動ドアという選択肢(Newtonドア)

その代表例が、「荷重式自動ドア」と呼ばれるタイプです。
たとえば、Newtonプラス社が展開している「Newtonドア」は以下のような特徴を持っています:

  • ドアに体重をかけるだけで、自然に開く
  • 電気やセンサーを一切使用しない
  • 停電や災害時にもそのまま機能する
  • 高齢者や子どもでも扱いやすく、安全性が高い

つまり、「押す」も「かざす」も必要ない、新しい自動ドアのかたちなのです。


なぜ「押さなくていいドア」が求められているのか

現場では、以下のような声が多くなっています:

  • 「センサーがうまく反応しなくて困る」
  • 「手がふさがっていて、ボタンが押せない」
  • 「衛生面で、どんなボタンも触りたくない」
  • 「押す力が弱くて操作できない高齢者がいる」

こうしたニーズに対応するには、「押さないでも自然に開く」という仕組みが理想です。
荷重式はまさにそれを実現するものであり、これまでの“押すか・押さないか”の議論を超えた選択肢です。


比較表:操作方式による違い

方式開き方衛生性誤作動停電時利用者負担
ボタン式押す△(接触あり)操作必要
センサー式近づく◎(非接触)×操作不要
荷重式体重をかける◎(非接触)自然な動作のみ

このように、荷重式は「衛生性」「安全性」「災害時対応」「自然な使いやすさ」のすべてを兼ね備えており、
“誰にとっても使いやすいドア”の理想型に近い存在ともいえます。


判断軸を「操作方法」から「利用シーン」へ

ここまでを通して見えてくるのは、もはや自動ドアは「センサーか、ボタンか」ではなく、
「その場所や使う人にとって、最も自然で安全な操作ができるものは何か?」という判断軸が重要だということです。

そしてその考え方こそが、私たちが提案している「適ドア適所」という視点につながります。


【適ドア適所】ボタン式が向いている場所・向いていない場所

要点:

ボタン式の自動ドアは「古いからダメ」なのではなく、場所や目的によっては最も適した選択肢になることもあります。
このセクションでは、「ボタン式が最適なケース/向かないケース」を事例とともに紹介しながら、選定の基準となる判断軸を整理します。


判断基準は「誰が使うか、どんな環境か」

自動ドアの選定において最も大切なのは、「その場所で誰がどのように使うのか」を明確にすることです。

  • 誰が使う?(子ども、高齢者、障がい者、不特定多数)
  • 何のために使う?(通過、制御、誘導)
  • どんな場所で使う?(屋外、屋内、静かな空間、プライバシー空間)

この3つの観点で整理していくと、ボタン式が向いている・向いていない場所が見えてきます。


ボタン式が向いている場所【具体例】

利用シーン理由備考
特別支援学校の教室出入口子どもが勝手に外に出ないようにするセキュリティ目的にも有効
医療施設のリハビリルームセンサーが勝手に開くと危険な場面がある意図的な開閉が安全性を高める
倉庫・厨房・バックヤード作業者の出入りが多く、誤開閉を避けたい誤作動のないボタンが効率的
公共トイレの個室入口プライバシー確保、外部から開けられないようにする操作性と安心感の両立が必要
集合住宅のゴミ置き場や共用部センサー式だと常時開いてしまう利用者の意思でのみ開く方が望ましい

ボタン式が向かない場所【具体例】

利用シーン課題推奨される代替方式
駅や商業施設の出入口不特定多数で混雑しやすく、接触回避したいセンサー式、フットセンサー
高齢者が多く利用する自動ドアボタンが押せない、操作が難しい非接触ボタン、荷重式
病院の外来入口感染症対策として接触を避けたいタッチレスセンサー、荷重式
非常口や緊急避難口操作が不要で、すぐに開く必要がある自動開放式(センサー式または荷重式)
乳幼児施設の出入口小さな子どもが操作しにくい荷重式または保護者用リモート開閉

選定ミスを防ぐ「適ドア適所」の視点

ここまでの事例からわかる通り、「ボタン式が古いからやめる」「センサー式が流行っているから採用する」といった表面的な理由ではなく、
「その場で誰がどう使うか」に合わせて最適な方式を選ぶべきです。

これが、我々が提案する**「適ドア適所」という考え方**です。


導入・更新の際に確認すべきチェックポイント

導入・交換を検討する際は、以下のチェックリストを用いると失敗が少なくなります:

  1. そのドアは、誰が一番多く使うのか?
  2. その利用者が、「簡単に開けられる」設計になっているか?
  3. 衛生面や安全面で、何か配慮すべきことはあるか?
  4. 非常時(停電や災害)でも使えるか?
  5. 維持管理や修理のコストは現実的か?

このように、**「使いやすさ」「安全性」「維持性」「場の性質」**を総合的に評価することが、最適な自動ドア選びにつながります。


【適ドア適所】にそった「まとめ」

「ボタン式の自動ドアは古いのか?」という問いには、一概にイエスとは言えないのが答えです。
むしろ、ボタン式には他の方式では実現しづらい明確なメリットがあります。

  • 意図的に操作できる安心感
  • 誤作動のない確実な開閉
  • 設備・メンテナンスのコストパフォーマンス
  • JISに準拠した設計によるバリアフリー対応

一方で、「衛生面」「利便性」「非接触ニーズ」「停電対応」といった観点では、
ボタンを押さない方式(センサー式・荷重式など)のほうが適している場面もあります。

だからこそ、必要なのは「どれが優れているか」ではなく、
「その場所にとって、どの方式が最も自然で、安全で、使いやすいか」を見極める視点=適ドア適所です。

この記事を通じて、
「ボタン式だからNG」「センサーが最新だから安心」といった思い込みを一度手放し、
本当に納得できる自動ドア選びの一助になれば幸いです。


出典表示

  • 「自動ドアのバリアフリー対応とJIS規格」:Newtonプラス社資料『Newtonドアの安全性検証とJIS規格整合性』
  • 「荷重式自動ドアの構造と利点」:Newtonプラス社『Newtonドア』製品概要
  • 「用途別に異なる自動ドアの使い分け」:導入事例・顧客セグメント資料『Nドア顧客セグメントと導入事例』
  • 「福祉・教育現場におけるNドアの採用理由」:自治体・集合住宅向けチラシ資料(Nドア)
  • 「衛生性・感染対策に対応する自動ドア方式」:NドアFAQおよび設計思想より

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