「自動ドアのSSDタイプってありますか?」と尋ねられたとき、多くの専門業者は戸惑うかもしれません。なぜなら、「SSD」という型番や正式なカテゴリは、自動ドア業界の中で一般的に存在しないからです。ですが、現場での会話や導入検討中の方からこの言葉が出てくるのには、ちゃんと理由があります。この記事では、あいまいな用語「自動ドアSSD」が指している可能性のある機能や仕様を丁寧にひも解きながら、**「停電でも開く」「電源不要」「簡単に取り付けられる」**といったニーズに本当に応える選択肢を紹介していきます。 目次(このページの内容) Q:「SSD」という自動ドアの型番は存在する?A: 一般的な自動ドアメーカーでは、そのような型番・シリーズ名は存在しません。ではなぜこの言葉が出てくるのでしょうか?その背景には、次のような複数の“誤認・混同”が考えられます。 ステンレス製ドアの略称と誤解 建築業界では「SSDシリーズ=Stainless Sliding Door」として販売される製品があり、これが自動ドアと混同されている可能性があります。「停電時にも開くドア」=自立式、自重式、手動式といった連想 聞きかじりで「SSD=Self Sliding Door」「Self Support Door」のような意訳をして覚えている例も。社内の呼称・メモでの略語化 施設の改修時などで、内部的に「SSD=停電対応の簡易ドア」というふうに呼ばれていた可能性も否定できません。 このように、「SSD」という言葉は正式な用語ではなく、さまざまな意味が混在しやすいワードです。そこで本記事では、これが指している可能性が高い機能―**「停電時にも開く」「電源不要で動作する」**といった自動ドアについて、正確な情報を紹介していきます。 Q: 停電しても開く自動ドアって、本当にあるの?A: はい、存在します。ただしそれは、電気で開閉する「電動式」とはまったく異なる駆動方式で動いています。 自動ドアというと、多くの人がセンサーで反応してモーターで開く“電動式”を想像します。しかし実は、電気を使わずに開く「荷重式(重力式)」という方式もあるのです。 荷重式は、扉自体の重さを使って自然に閉じる仕組み。人が手で押すと開き、手を離すとゆっくりと自動的に閉まります。センサーやモーターがないので、停電でも開閉が可能で、非常時にも出入りを妨げません。 実際に、災害や火災などの非常時には、電動式の自動ドアは動かなくなるケースがあります。その際に、**荷重式の自動ドアは“逃げ道としての最後の命綱”**になることも。 電気が止まっても開け閉めできる。これは、自動ドアとしてはとてもめずらしく、そして貴重な選択肢なのです。 Q: 電気がいらない自動ドアなんて、本当にあるの?A: あります。それが「荷重式自動ドア(Newtonドア)」です。 荷重式は、人の力で開ける「手動」と、ドアが自然に閉まる「自動」を兼ね備えた構造です。よくある誤解は「電気を使わない=手動」では?というものですが、**開ける操作は手動で、閉まる動作は重力による“自動”**なのです。 電源が不要 → 電気工事なし、設置費が安い。省エネでランニングコストもゼロ。停電でも機能 → 非常時に備えた出口として安心。バッテリーも不要。メンテナンスが圧倒的にラク → モーター・センサーなどの電子部品がないため、故障リスクが低い。静音性が高く、ゆっくり閉まる → 高齢者や子どもにも安全。騒音トラブルを避けられる。 開閉は完全自動ではない → 高頻度で人が通る出入口や、両手がふさがるシーンには向かないことも。セキュリティ機器との連携には工夫が必要 → カードリーダーなどの組み合わせが必要な場合、設計段階での検討が必要。 避難経路(例:非常階段の出入口)低利用頻度の通用口エレベーターホールやごみ置き場自治体の庁舎や学校、公園施設などの節電対象施設マンションの出入り口(停電時も住民が出られるように) 電源不要でも“自動で閉まる”。荷重式は、「手動+自動」の良いとこどりの選択肢です。 Q: SSDという言葉は、建具のことだった?A: はい、一部のメーカーで「SSDエクセレントシリーズ」として販売されている建具がありますが、それは自動ドアとは別物です。 たとえば、「SSDエクセレントシリーズ(ステンレス製スライディングドア)」は、建築用の引き戸として存在します。これは主に病院や施設内で使われる手動建具であり、自動開閉機構はありません。 リフォーム業者や設計事務所の現場会話で「SSD」=引き戸と認識されている施設の資料や施工図面に「SSDドア」と記載されているが、自動ドアとは限らないステンレス素材で、かつ引き戸であることから「自動ドア」と思い込んでいる このように、「SSD=自動ドア」とは限らないため、導入検討や仕様確認の際には、必ず図面や資料をもとに詳細をチェックすることが重要です。 (次のブロックへ続きます) Q: どんな場所で電源不要な自動ドアが活用されてるの?A: 主に、「災害対応」「コスト削減」「安全配慮」が求められる場所で導入が進んでいます。 避難所となる学校・公民館・体育館などに設置 → 停電でも出入りができ、災害時の安全動線が確保できる窓口・通用口・トイレの自動ドア化 → 高齢者や障害のある方でも使いやすく、福祉の観点でも効果大 電源不要なので後付けがしやすい → 既存の電動ドアが停電時に使えない問題の“バックアップ動線”として有効維持費がかからず管理組合の負担が軽い → 電気代ゼロ・モーター交換も不要なので長期的に低コスト 大型施設の非常口や保安通路 → 閉め忘れ防止や煙拡散防止など、防災・防犯対策としても採用 「停電でも開く」ことが“安心材料”になる「電気工事がいらない」から即日導入も可能「人が自分で開ける」ことで安全性が担保される 電気に頼らない、でも自動で閉まる。そんな「新しいあたりまえ」が、これからの公共施設や集合住宅の標準になるかもしれません。 ここまで見てきたように、「自動ドアSSD」という言葉には明確な定義がなく、検索した人によって意味合いが異なっています。しかし、その誤認の背景には、共通するニーズ―つまり、 電気を使わずに開閉したい停電時にも安心できる出入口がほしい簡単に後付けできるタイプがいい という非常に実用的な要望があるのです。 「どんな自動ドアがベストか?」という問いに、唯一の正解はありません。大切なのは、「目的」と「場所」によって選び方を変えることです。これが、私たちの提唱する【適ドア適所】の考え方です。 もしあなたが、「SSDっていう電源不要のドアがあるらしい」と聞いてここまでたどり着いたなら、その先にあるのは「荷重式自動ドア」という確かな選択肢です。自動ドアにも“適材適所”があります。これからの施設や建物づくりにおいて、その目線こそがもっとも大切です。 Newtonドア.txtNewtonドアの安全性検証とJIS規格整合性.txtNドア顧客セグメントと導入事例.txtNドアFAQ.txtNドア(チラシ)自治体.txtNドア(チラシ)マンション.txtNドア自社チャネル.txt自社サイト:https://newton-plus.co.jp自社Youtubeチャンネル:https://www.youtube.com/@newton_plus外部参考:NABCO製品情報、LIXILオートドア、SSDエクセレントシリーズ(建具)自動ドアSSDってなに?―聞きかじり情報の正体を明確にする
背景:どこから来た?「SSD」という言葉
停電でも開くドアは存在する?―知っておきたい駆動方式の違い
要点:自動ドアの駆動方式には2種類ある
比較項目電動式自動ドア荷重式自動ドア駆動方式モーター(電気)ドアの重さ(重力)電源必要不要停電時開かない(非常用バッテリー等で対応)常時開閉可能開閉速度高速・自動調整可ゆっくり、自然開閉設置電気工事が必要電源なしで設置可主な用途病院、駅、店舗など避難経路、自治体施設、マンション通用口など 「荷重式」ってどんな仕組み?
荷重式は“非常時のための保険”
電源不要タイプの自動ドアとは?―荷重式という選択肢
手で軽く押すと開き、手を離すと自然に閉まる仕組み
荷重式のメリット(導入検討者にとっての魅力)
荷重式のデメリット(理解しておくべきこと)
適している設置場所
SSD建具と自動ドアを混同しないために
「SSD=Stainless Sliding Door」の可能性
よくある混同パターン
見分けるポイント
チェック項目自動ドア(荷重式含む)SSD建具(ステンレス引き戸)開閉方式手動+自動(荷重)or 電動完全手動電源の有無荷重式は不要、電動式は必要不要扉の用途出入口・共用部・非常口など室内間仕切り、医療施設の病室等呼び方Nドア、荷重式ドア、オートドア等SSD、SUS引き戸、スライディングドア 停電・安全・工事不要で選ばれる設置例
自治体:公共施設でのBCP対策として
マンション:通用口やごみ置き場に最適
工場・倉庫:省電力+安全性を両立
導入事例から見えるポイント
【適ドア適所】誤解から学ぶ、あなたに合った自動ドアの選び方
目的で選ぶ「適ドア適所」という考え方
自分に合ったドアの見つけ方
あなたの目的適した自動ドアタイプ理由停電時にも出入りを確保したい荷重式自動ドア(Nドア)電気不要で動作。災害時でも安心工事費や電気代を抑えたい荷重式自動ドア電源・モーター・センサーが不要両手がふさがることが多い電動式自動ドアセンサー開閉で手を使わずに通過可能多くの人が出入りする場所に使いたい電動式(高耐久タイプ)頻繁な開閉にも耐える仕様あり補助的な出入口(通用口、ごみ置場など)荷重式シンプルで壊れにくく安全性も高い 出典