自動ドアは電動モーターによって動いているため、ある程度の作動音はつきものです。
しかし「ピキピキ…」「パキッ」など、普段聞きなれない異音がし始めたとき、多くの人が「壊れたかも?」と不安になりますよね。

この記事では、自動ドアから「ピキピキ音」がする原因を徹底的に分解し、自分で確認できるチェックポイントや、放置した場合に起こり得るリスクを解説します。
また、どんな場所にどんな自動ドアが向いているかという「適ドア適所」の視点からも、異音トラブルとの関係を考えていきます。


目次(このページの内容)

その「ピキピキ音」はどんな音?まず確認したいポイント

要点: 自動ドアから聞こえる「ピキピキ音」は、異常のサインか、それとも自然な動作音かをまず見極めることが重要です。音の種類や発生タイミングを観察するだけで、トラブルの兆候をつかむ手がかりになります。


手順:まず確認すべき「4つの観察ポイント」

  1. 音のタイミングはいつ?
     - 開閉時だけか、停止時にも鳴るか
  2. 音の種類はどんな感じ?
     - 「ピキピキ」以外に「ギー」「ガタガタ」「カタカタ」などは混じっていないか
  3. 音の場所はどこから聞こえる?
     - ドアの上部?下部?左右どちらか?
  4. 頻度はどうか?
     - 毎回鳴るか、たまに鳴るか、不規則か

これらを記録しておくと、後で原因の特定や業者相談時に非常に役立ちます。


注意点:音がしても「必ずしも故障とは限らない」

「ピキピキ音」がするからといって、すぐに大きな故障があるとは限りません。
特に以下のようなケースでは、比較的軽度の問題や経年変化によるものが多くみられます:

  • 気温や湿度の変化による素材の収縮
  • レールや部品の軽微なずれ
  • 潤滑剤が減ってきているだけの状態

とはいえ、完全に無視していいわけではありません。
このあと解説する「音の正体と原因別チェックポイント」を参考にしながら、対応を検討していきましょう。


ピキピキ音から考えられる原因一覧【症状別・部位別】

要点: 「ピキピキ音」がする背景には、自動ドアの構造的な要素が関係しています。発生部位ごとに考えられる原因を整理すると、どこに問題があるのかが見えてきます。


部位別:ピキピキ音の主な発生源と原因

発生部位主な原因備考
上部(レール・走行装置)レールの摩耗、ローラーの劣化、潤滑不足ドアの開閉時にピキピキと摩擦音が出やすい
センサー・制御装置付近センサーの誤作動や配線の接触不良音そのものはしないが動作に伴う部品干渉音が発生する場合も
ドア本体の側面・端部ドアのゆがみ、取付部品の緩みドアの閉まり際や反転動作で異音が出やすい
下部レール・敷居異物混入、車輪のズレ定期清掃で改善するケースが多い

症状別:音のタイプから疑うポイント

音の種類疑われる原因優先対応度
ピキピキ樹脂や金属の軽微な擦れ、潤滑不足中(まず経過観察+清掃)
ギーギー機械部品の劣化、潤滑欠如高(点検・注油・部品交換)
カタカタ締結部の緩み、部品の劣化高(早期対応が望ましい)
ガタンレール脱落、重大なズレ非常に高(即点検)

根拠:自動ドアの設計上「静音性」は常に意識されている

とくに商業施設や医療機関などでは、音は顧客体験に大きく影響するため、「異音が出ないような構造設計」が求められています。
そのため、「音が出る」ということ自体が、何らかの軽微な異常を知らせるサインとも言えるのです。


自分でできる!ピキピキ音チェックのポイント

要点: 「業者に依頼する前に、自分で確認できることはある?」という声に応える形で、チェックすべき具体的なポイントを紹介します。これにより、必要以上のコストや手間をかけず、状況を正確に把握できます。


手順:異音チェック5ステップ

  1. 開閉のタイミングと音を観察する
     - 「開きはじめ」「完全に開いた瞬間」「閉じはじめ」「閉まりきる直前」など、どの段階で音が出るかを記録
  2. レールとローラーを目視確認
     - 上部レールにホコリや髪の毛、ゴミが詰まっていないか
     - 車輪(ローラー)の回転にムラがないかを確認(できる範囲で)
  3. ドア本体を軽く押してみる
     - 多少のガタつきがあるか?左右に緩く動く感じがないか?→ 緩みや締結不良の兆候
  4. 開閉速度の変化を体感する
     - 以前より「遅い」「途中で止まりそう」「急にスピードが変わる」などがあるかをチェック
  5. 異音が継続する期間を記録する
     - 一時的か、数日間続いているか? → 環境変化か構造的問題かを判断しやすくなる

注意点:自分で無理に分解・調整しない

自動ドアは建築設備の中でも「構造がシンプルに見えて、実は精密」な機械です。
特に、以下の行為は避けましょう:

  • ドア上部のカバーを外す
  • センサーの角度を変える
  • 強く押して開閉させる

誤って破損させると、安全基準違反や修理費の高騰につながる恐れがあります。


安心のために:記録ノートや動画撮影もおすすめ

  • 音の発生状況をスマホで動画に撮っておく
  • 音の頻度や発生条件を日付付きでメモ

こうした記録は、業者に相談する際に非常に役立ちます。


放っておくとどうなる?異音を軽視すると起きること

要点: ピキピキ音が「今すぐ故障に直結する」とは限りませんが、軽視すれば安全性の低下や急な停止、さらなる部品劣化を招くリスクがあります。


進行パターン:異音の「次」に起こるかもしれないこと

  1. 異音が大きくなる
     - 擦れが悪化し、「ピキピキ」→「ギーギー」へ変化
  2. 開閉速度の低下
     - モーターやローラーへの負荷が蓄積し、動作に遅延が出る
  3. センサー誤作動や一時停止
     - 開閉の途中で止まる、反応しないなどの症状が発生
  4. 安全装置の強制停止
     - JIS規格上の安全基準を超える負荷により、自動的に動作停止
  5. 完全停止(ドアが開かなくなる)
     - 最悪の場合、動作不能に陥り、緊急対応が必要に

リスク別:放置による具体的な問題

リスクの種類想定される問題備考
安全性の低下センサー誤作動で人が挟まれるリスク特に高齢者施設・病院などで深刻
利用者トラブル勝手に開かない、途中で止まる商業施設・事務所ではクレーム原因に
修理費の増加軽微な異常から部品交換に発展早期点検で防げるケース多数
信用の低下「壊れてる感」が常時伝わる店舗の印象やブランディングに影響

実際のトラブル事例(Nドア導入事例より)

  • ケース①:病院の出入り口で異音放置→来院者が手動で開ける事態に
     → 通常の潤滑メンテナンスで解決できたが、1週間ほど対応が遅れたことで信用に影響
  • ケース②:学校の通用門で異音放置→完全停止し、業者出動
     → モーター過熱により制御装置が一時停止。修理費用5万円超

異音は「自動ドアのSOSサイン」。たとえ今動いていても、「いつ止まるか分からない状態」を放置するのは、設備管理上の大きなリスクとなります。


点検は必要?業者を呼ぶべきタイミングとは

要点: 自動ドアに「ピキピキ音」が出たとき、どの段階で業者に相談すべきか。判断の基準を明確にすることで、ムダな出費も防ぎつつ、トラブルも未然に防げます。


判断基準:業者に連絡すべき5つのサイン

サイン説明
① 音が日に日に大きくなる摩耗や劣化の進行サイン。早めの対応で被害を最小限に
② 動作スピードに変化があるモーターやセンサーに負荷がかかっている可能性
③ 動作が不安定(途中で止まるなど)安全装置の作動、または制御系の異常
④ 同じ場所で何度も音がする局所的な損傷や部品のズレ
⑤ ドアの動きと音のタイミングが連動している物理的な干渉の可能性が高い

これらのサインのうち、2つ以上当てはまる場合は、業者による点検をおすすめします。


頼む前に用意しておきたい情報

  • 音が出始めた時期
  • 発生場所(ドアの上、下、横など)
  • 開閉動作のどのタイミングで音がするか
  • 動作スピードや挙動の変化
  • 清掃や注油を行った履歴の有無

これらを伝えるだけで、対応の正確性とスピードが格段に上がります。


定期点検の必要性

音のトラブルは、定期点検を実施していれば未然に防げることが多くあります。
実際、下記のような業種では定期的な点検がルール化されているケースもあります。

業種点検頻度の目安
医療・福祉施設3ヶ月〜半年ごと
商業施設・コンビニ半年〜1年ごと
オフィス・事業所1年ごとが多い
教育機関年1回以上が理想

自動ドアは「設備」ではなく「入り口の顔」

特に店舗や事務所において、自動ドアは第一印象をつくる大切な要素です。
ピキピキという音があるだけで、「古びた建物」「メンテが行き届いていない」といったマイナスの印象を与えかねません。


【適ドア適所】音から見直す「その場所に合った自動ドア」選びとは?

要点: 異音が出やすい場所、出にくい構造、自動ドアのタイプ選びには実は明確な「相性」があります。トラブルをきっかけに、「その場所に合った自動ドアとは何か?」を見直すことで、根本的な安心が得られます。


そもそも「電動式」はどんな場所向き?

特徴内容
駆動方式モーターによる電動開閉
長所スムーズで力強い動き、リモート制御可能
短所部品点数が多く、劣化・異音・故障リスクが高め

向いている場所:

  • 病院、商業施設、駅など「常時多くの人が通る」「開閉回数が多い」場所

「荷重式(Newtonドアなど)」はなぜ静音で異音リスクが低い?

特徴内容
駆動方式人の荷重を感知して開く(機械式)
長所構造が非常にシンプルで、電気不要、異音・故障が極めて少ない
短所自動でのリモート開閉ができない(非電動)

向いている場所:

  • 小規模オフィス、診療所、学校、公共施設など
  • 電源の確保が難しい場所、静かさが求められる場所

ケース比較:自動ドアの相性早見表

利用シーン電動式荷重式(Newtonドア)
大規模商業施設
小規模オフィス
病院○(病室や診察室などに適)
公共施設(市役所・学校)
音が気になる場所
停電時の安心感△(開かないことも)◎(電気不要)

トラブルは「相性ミスマッチ」のサインかも

ピキピキという音は、「機能の限界」や「経年劣化」を示すだけでなく、
その場所と自動ドアのタイプが合っていないことを知らせるメッセージかもしれません。

今使っている自動ドアの特徴を知り、「なぜこの音が出るのか?」と向き合うことで、
より長く安心して使える「その場所に合った選択」ができるようになります。


【適ドア適所】にそった「まとめ」

  • 「ピキピキ」という音は、摩耗・潤滑不足・構造のゆがみなど、さまざまな要因から生じますが、どれも「放っていいサイン」ではありません。
  • 異音の観察と記録を通じて、自分でできるチェックを行うことで、対応の優先順位を判断することができます。
  • 異音の進行を見逃せば、安全性や印象面、修理コストの面で大きな損失になる可能性があります。
  • 音が出にくい構造=荷重式のように「異音が発生しにくい設計」を選ぶことで、トラブル自体を未然に防ぐという考え方もあります。
  • トラブルは、「今の自動ドアはその場所に本当に合っているか?」を見直す絶好の機会です。

自動ドアは「単なる入口の機械」ではなく、「人の動線と空間の関係」を形にしたもの。
だからこそ、異音一つにも、構造と運用のヒントが隠れています。


【出典・参考情報】

  • Newtonドア(Newtonプラス株式会社):https://newton-plus.co.jp
  • NドアFAQ、導入事例、チラシ資料(自治体・マンション・商業施設向け)
  • 「Newtonドアの安全性検証とJIS規格整合性」社内技術資料
  • 「Nドア顧客セグメントと導入事例」社内ドキュメント
  • 日本建築設備技術者協会:自動ドアの安全運用ガイドライン

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