自動ドアは便利で快適な設備ですが、「急に反応しなくなった」「人がいないのに勝手に開く」など、思わぬ誤作動に戸惑った経験はありませんか?特に、店舗・マンション・施設など、日常的に多くの人が利用する場所では、ちょっとした不調が大きな不便や不安につながります。

本記事では、自動ドアの誤作動について「センサーや制御の不具合」といった一般的な原因だけでなく、「その場所や使い方との相性」まで掘り下げて、トラブルの背景を根本から読み解きます。

さらに、「修理すればよい」のか、「構造そのものを見直すべきか」という判断の視点も交えながら、誰でもわかるように整理してお伝えしていきます。


目次(このページの内容)

誤作動の前に知っておきたい「正常動作」との違い

要点:それは“仕様”かもしれません。誤作動と「そう見えるだけ」の動きを見極めよう

自動ドアのトラブル相談で意外に多いのが、「実は正常動作だった」というケースです。誤作動と思っていたけれど、実際はその自動ドアの仕様として想定されている動きであることも。まずは、誤作動と誤解されやすい“正常な挙動”を知っておきましょう。


誤作動と間違えやすい「仕様としての動作」

  1. ドアが開いてからすぐに閉まらない
     → 自動ドアは安全のため、一定の「開放時間」が設定されています。通行が終わっても数秒待ってから閉まるのは仕様です。
  2. ゆっくり開く・閉まる
     → 高齢者施設や病院向けの自動ドアでは、スピードを意図的に遅く設定してある場合があります。これも“安全配慮”の仕様です。
  3. 人が近づいたのに開かない(ように感じる)
     → センサーの「検知範囲」が狭く設定されている場合、正面ではなく斜めから近づくと反応しにくいことがあります。

誤作動を疑う前に確認すべき3つのポイント

  1. 設置されているドアの種類・モデルを確認する
     → 型番やマニュアルがあれば、それに記載された動作仕様を参照できます。
  2. 周囲の状況や時間帯に注目する
     → 例えば、夕方の逆光、夜間の照明の影などでセンサーが一時的に反応しにくくなる場合もあります。
  3. 過去と比べて明らかに“違う動き”をしているか
     → 数ヶ月前にはスムーズだったのに、最近急に不自然な動きになった場合は、誤作動の可能性が高まります。

要注意:「正常動作と誤作動の区別」がトラブル対応の第一歩

「どうもおかしい」と感じたときこそ、冷静に、仕様と実際の動きの違いを見極めることが大切です。誤った判断で「修理が必要だ」と決めつけると、不要な出費や対応につながることも。まずは「それが設計通りの動きかどうか」を確認してみましょう。


よくある誤作動の症状とその原因【センサー・制御系】

要点:センサーの汚れやズレ、経年劣化が原因で誤作動は最も多く発生する

自動ドアの誤作動で最も多い原因は、やはりセンサーと制御系に関わるトラブルです。ここでは、症状ごとに原因と背景を整理し、現場で確認できるポイントも紹介します。


主な誤作動症状と原因

  1. 人が近づいたのに開かない
    • 原因:赤外線センサーやモーションセンサーの汚れ、位置ズレ
    • 詳細:埃や油膜がセンサー表面に付着すると、微弱な赤外線が遮られ反応しにくくなります。また、設置後に壁や柱の設置位置が変わると、センサーの検知範囲と通行者の動線がずれることがあります。
  2. 人がいないのに勝手に開く
    • 原因:センサーの誤検知、光の反射、電波干渉
    • 詳細:自動ドアのセンサーは赤外線やマイクロ波を用いて検知しています。直射日光の反射や近くの窓ガラスからの反射が誤検知を引き起こすことがあります。さらに、同じ周波数帯を使う無線機器の近接も影響する場合があります。
  3. 途中で止まったままになる
    • 原因:制御システムの異常、モーターの負荷過多
    • 詳細:ドアを動かすモーターや制御基板に一時的な過負荷がかかると、セーフティ機能が働いて停止します。例えば、風でドアが押される、ドア下のレールに小石や砂が挟まると負荷が増し、途中停止することがあります。
  4. 片側だけ開く、または閉まらない
    • 原因:左右のドアのバランス不良、モーターやアクチュエーターの故障
    • 詳細:両開きドアの場合、片方のモーターやアクチュエーターが劣化すると、片側だけが正常に動かず、もう片方が開いたままになることがあります。

確認手順:センサー・制御系のトラブル診断

  1. センサー表面を清掃する
    • 乾いた布で軽く拭くか、専用の清掃液を使用します。
  2. 設置角度を調整する
    • センサーが人の通行経路を正確に検知しているか確認。
  3. モーターや基板の動作確認
    • 異音、異臭、過熱がないかチェック。異常があれば専門業者に連絡。
  4. 電源や接続ケーブルを確認
    • 緩みや損傷がないか確認することで、一時的な誤作動を防げます。

実例紹介

  • 店舗入り口:強い逆光で午前中のみ自動ドアが勝手に開閉。
    → 光の反射を遮るサンシェード設置で改善。
  • マンション共用部:風の強い日だけ途中停止。
    → ドア下のレール清掃と風除けパネル設置で改善。
  • オフィスビル:片開きドアが閉まらない症状。
    → モーター劣化のため、部品交換で解決。

要点:ドアの誤作動は「設置環境との相性」によっても大きく左右される

自動ドアの誤作動の原因として、センサーや制御系以外に見落とされやすいのが設置場所や周囲環境の影響です。ドア自体に異常がなくても、環境との相性次第で誤作動が起こることがあります。


具体的な環境要因

  1. 光の影響
    • 赤外線センサーは強い光や反射を受けると誤作動します。
    • 例:建物外壁のガラス面、日差しの直射、照明の強さや角度による反射
  2. 風や空気の流れ
    • 強風や換気の影響でドアが押されると、途中停止や逆動作の原因になります。
    • 例:高層ビルのエントランス、風の通り道にある出入り口
  3. 通行量・動線の特性
    • 通行量が少ない時間帯のみ誤作動するケースは、センサーが軽微な動きに過敏に反応するため。
    • また、子供やペットなどの体高が低い場合、検知範囲から外れて動作しないこともあります。
  4. 地面・床材の影響
    • 砂利や濡れた床材、段差などがあると、ドアの下部センサーや安全装置に誤作動が発生することがあります。

判断軸:設置環境とドアの相性を見極める

誤作動の根本的な原因を見つけるには、「ドアの性能」と「設置環境」の関係を整理することが重要です。

  • 環境がドアに合っていない場合
    → センサーや制御系を何度調整しても、根本解決にはならないことがあります。
  • 適切な環境調整で改善できる場合
    → サンシェードや風除けパネルの設置、センサー角度の微調整など、環境側の改善で十分に誤作動を減らせます。

実例

  • マンション共用部
    玄関前に直射日光が差す時間帯のみ誤作動 → センサー角度を変更し、光が直接当たらないよう調整
  • 店舗入り口
    冬季に強風が通ると途中停止 → ドア下に風除けパネルを設置し解消
  • 小型オフィスドア
    通行量の少ない時間帯にだけ誤作動 → センサー感度を通行量に応じて調整

通電系・システム系の故障の見分け方

要点:突然動かない、片開きになる場合はモーターや制御基板の問題の可能性

自動ドアの誤作動は、センサーや環境だけでなく、通電系・制御系の故障によっても起こります。ここでは、システム系のトラブルを見極めるポイントを解説します。


主な症状と原因

  1. 突然動かない・反応しない
    • 原因:電源供給の不安定、基板や配線の断線
    • 詳細:停電やブレーカーの誤作動による瞬間的な電圧変動で基板がリセットされる場合があります。また、配線の劣化やコネクタの緩みも動作不良を引き起こす要因です。
  2. 片側だけ開く・閉まらない
    • 原因:片側のモーターやアクチュエーターの故障
    • 詳細:両開きドアの場合、片方のモーターが過熱や劣化で十分な力を発揮できなくなることがあります。
  3. 途中で止まる/反応が不安定
    • 原因:モーター負荷増大、制御基板の誤作動
    • 詳細:ドアの開閉動作中に過負荷がかかると、安全装置が作動して途中停止します。例として、ドア下の障害物や風の影響がモーター負荷を増やすケースがあります。

確認手順:システム系トラブルの見極め

  1. 電源状態の確認
    • コンセントやブレーカーの状態を確認。停電や過電圧はないかチェック。
  2. 配線・コネクタをチェック
    • 緩み、断線、腐食、被覆損傷がないか確認。
  3. モーターやアクチュエーターの異常音を確認
    • 異音や異臭があれば劣化のサイン。放置せず交換検討。
  4. 基板のリセットや異常コード確認
    • 一部の自動ドアは基板のLED表示で異常コードを確認可能。

実例

  • オフィスビルの片開きドア
    モーター劣化により片側が開かない → モーター交換で解消
  • 大型商業施設
    停電直後にドアが開かず → 基板リセットで正常化
  • 公共施設
    強風で一時停止 → 負荷検知で安全停止、障害物除去で解消

修理すべき?交換すべき?判断のための3つの視点

要点:応急対応・要修理・構造の再選定をわけて考える

自動ドアの誤作動に直面したとき、まず重要なのはどの段階でどの対応が適切かを見極めることです。ここでは判断のための3つの視点を整理します。


1. 応急対応で解決できるケース

  • 症状例:センサー表面の汚れ、軽微な角度ズレ、床下の小さな障害物
  • 対応
    • センサーやドア下の清掃
    • センサー角度の微調整
    • 小石やゴミの除去
  • ポイント:応急対応で改善する場合、費用はほとんどかからず、短時間で誤作動が解消されます。

2. 専門業者による修理が必要なケース

  • 症状例:モーター劣化、制御基板の不具合、配線の断線
  • 対応
    • モーター交換、基板修理、配線修理
    • 専門機器でのテストと調整
  • ポイント:この段階では、応急対応だけでは根本解決できません。修理にかかる費用と所要時間を考慮し、適切な業者に依頼することが必要です。

3. 構造の見直し・交換を検討すべきケース

  • 症状例:設置環境とドアの構造が合っていない、誤作動が頻発する
  • 対応
    • ドアの種類(電動式、荷重式、人感式など)の再選定
    • 設置環境に適した機種への変更
  • ポイント:誤作動の根本原因が「ドア構造や環境との不適合」にある場合、いくら修理しても再発します。長期的に安定した運用を目指すなら、構造の見直しが最も効果的です。

判断のためのチェックリスト

観点応急対応修理交換
症状の程度軽微、短時間動作不能、頻度高根本的に不適合
原因清掃・角度調整モーター・基板・配線設置環境・構造
費用ほぼ無料中程度高額(初期投資)
効果即効数年安定長期安定

【適ドア適所】という考え方で防げる誤作動

要点:場所に応じたドア選びが、誤作動の根本対策になる

誤作動の多くは、センサーや制御系の調整だけでは完全に防げません。最も効果的なのは、**「その場所に最適なドアを選ぶ」**という考え方です。これを「適ドア適所」と呼びます。


ドアのタイプと設置場所の相性

  1. 電動式自動ドア
    • 特徴:モーターで駆動、幅広い用途に対応
    • 向く場所:人通りが多い施設、商業ビル、店舗
    • 注意点:停電時や電源トラブル時に誤作動の可能性あり
  2. 荷重式自動ドア(電源不要)
    • 特徴:ドア本体の重さを利用して開閉、電気不要で誤作動が少ない
    • 向く場所:マンション共用部、高齢者施設、災害避難路
    • メリット:センサー故障や電源トラブルによる誤作動が起きにくい
  3. 人感センサー式(マイクロ波・赤外線)
    • 特徴:人の動きを感知して開閉
    • 向く場所:店舗・オフィスなど動線が一定の場所
    • 注意点:風や照明、ペットなどによる誤検知の可能性

「適ドア適所」の実践ポイント

  1. 通行量・人の種類を把握する
    • 高齢者、子供、ペットの通行が多い場合、荷重式や応答速度の調整が必要
  2. 設置環境の特性を考慮する
    • 風、光、床材の状態を確認し、それぞれのドアの特性に合わせる
  3. 誤作動のリスクを最小化するドア構造を選ぶ
    • 高リスク環境(強風・直射日光・頻繁な通行)には荷重式や耐候性の高いセンサー設置が有効

実例

  • 高齢者施設:荷重式ドアを採用 → 停電時でも開閉可能、センサー誤作動なし
  • 商業施設のメイン入口:電動式+マイクロ波センサー → 通行量が多くてもスムーズに開閉
  • マンション共用部:荷重式+環境調整(光遮蔽) → 誤作動ゼロ、住民の利便性向上

FAQ:自動ドア誤作動に関するよくある質問

Q1: 自動ドアが開きっぱなしになる原因は?

A: センサーの故障や制御系の誤作動、ドアのバランス不良が考えられます。応急対応として、ドア下の障害物を確認し、センサーやモーターをチェックしてください。


Q2: 夜だけ誤作動するのはなぜ?

A: 照明や影の変化、逆光、または周囲の熱源が赤外線センサーに影響を与えている可能性があります。角度調整や環境調整が有効です。


Q3: ペットで反応してしまう場合の対処法は?

A: センサー感度の調整や、人専用検知ゾーンの設定で誤作動を防げます。また、荷重式ドアならペットによる誤作動はほとんど起きません。


Q4: 強風が多い場所ではどうすれば良い?

A: ドア下に風除けパネルを設置する、荷重式を採用する、センサー感度を調整することで誤作動を最小化できます。


Q5: ドアの反応距離は調整できる?

A: ほとんどの自動ドアではセンサー感知距離を調整可能です。通行者の動線に応じて最適な距離に設定しましょう。


Q6: 荷重式は誤作動が少ないって本当?

A: はい。荷重式は電気を使わず、ドアの重さで開閉するため、センサーや電源トラブルによる誤作動がほとんどありません。特に高齢者施設やマンション共用部で有効です。


Q7: ドアが片側だけ開く場合はどうする?

A: モーターやアクチュエーターの劣化が原因のことが多く、専門業者による部品交換が必要です。


Q8: 停電時、自動ドアはどうなる?

A: 電動式の場合は開閉できなくなることがあります。荷重式なら電気がなくても手動で開閉可能です。重要な通路では荷重式が安心です。


Q9: 誤作動が頻発する場合、修理で直るの?

A: 原因が構造や環境との不適合の場合、修理だけでは根本解決になりません。設置環境とドア構造を見直すことが必要です。


Q10: 設置場所に応じて最適なドアは?

A: 高通行量 → 電動式、停電リスクや高齢者施設 → 荷重式、環境が厳しい場所(強風・直射日光) → 荷重式や耐候センサー式が向いています。


まとめ:【適ドア適所】で誤作動を防ぐ

自動ドアの誤作動は、単なるセンサーや制御系の問題だけでなく、設置環境やドア構造との相性が大きな要因です。原因を正確に特定し、適切な対応を行うことで、誤作動の再発を防ぐことができます。


まとめのポイント

  1. まずは正常動作の確認
    • 誤作動と思っても、仕様としての挙動である場合があります。
  2. 原因別に分類して対処
    • センサー・制御系/構造・環境系/通電・モーター系に分けて原因を特定。
  3. 応急対応・修理・交換の判断
    • 軽微なトラブル → 清掃・角度調整
    • システム故障 → 専門業者による修理
    • 構造や環境の不適合 → ドアの再選定や設置環境の見直し
  4. 適ドア適所の考え方
    • 高通行量 → 電動式自動ドア
    • 停電リスク・高齢者向け → 荷重式自動ドア
    • 強風や直射日光など環境が厳しい場合 → 荷重式や耐候センサー式

誤作動の原因を理解し、設置環境や利用シーンに最適なドアを選ぶことで、長期的に安心して利用できる自動ドア運用が可能になります。

特に、荷重式自動ドアは電気を使わず、誤作動リスクが低いため、災害時や高齢者施設でも安定した利用が可能という点は重要です。


出典・参考リンク

  • Newtonプラス社公式サイト: https://newton-plus.co.jp
  • Newtonドアの安全性検証とJIS規格整合性資料
  • NドアFAQ
  • Nドア顧客セグメントと導入事例

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