自動ドアは一般的に「電動式」というイメージが強く、設計者もその前提で図面化を進めがちです。しかし、荷重式(非電源型)ドアのような種類も存在し、平面図で正確に表現することは、設計の精度や施工者への伝達、さらには保守管理にも直結します。本記事では、平面図における自動ドアの表記方法、設計上の注意点、荷重式ドア対応、施工者への伝達術までを、実務目線で徹底解説します。


自動ドアの図面、どこまで描くべき?

要点: 自動ドアは単なる開閉装置ではなく、意匠・構造・電気・施工と複合的に関わる設備であるため、図面に反映する情報の粒度が非常に重要です。

解説:
図面は単にドアの位置を示すだけでは不十分です。開閉方向、スライド距離、センサー位置、電源の有無、扉寸法など、さまざまな情報を適切に表記することで、施工者や他職種が誤解なく作業できます。特に非電源型ドアは電気配線が不要ですが、施工上の注意点や保守上の情報も示す必要があります。

実務ポイント:

  1. 図面に記載する情報は「誰に何を伝えるか」を基準に決める
  2. CADデータを貼り付けるだけでは伝わらない情報がある
  3. 設計意図や安全上の制約は注記として明示

平面図での自動ドア表記の基本ルール

要点: 平面図で自動ドアを表現するには、開閉方向、扉寸法、センサー範囲、注記などを統合的に示す必要があります。

手順:

  1. 開閉方向の記載
    • 扉のスイング方向を矢印で明確化
    • 引き戸の場合はスライド方向を矢印で示す
  2. 扉寸法の表記
    • 扉幅・高さを寸法線で記載
    • ドア枠の厚みや取り合いも必要に応じて注記
  3. センサー・安全距離
    • 電動式の場合、センサーの検知範囲を示す
    • 荷重式の場合は、センサー不要である旨を注記
  4. 注記と凡例
    • ドア種類、仕様、開閉速度などの基本情報
    • 特殊な構造や安全上の注意点は別注記で示す

補足:
JW_CADやAutoCADでは、専用の図形ライブラリを活用すると効率的に図面化できます。記号の統一が大切です。


電源を使わない自動ドア(荷重式など)の図面表現

要点: 荷重式自動ドアは電源・センサーが不要ですが、「何も書かない」は誤解を招きます。

事例:Newtonドア

  • 平面図では通常の自動ドアと同様に開閉方向、扉寸法、スライド距離は明記
  • センサーや電源線は省略し、代わりに「荷重式ドア」や「非電源式」の注記を入れる
  • 扉の運用上の注意点(急な開閉時の安全性など)は別注記で明示

実務ポイント:

  • 施工者が現場で困らないよう、注記や凡例で明確化
  • 意匠図や平面図だけでなく、詳細図で扉納まりも補足
  • 荷重式特有の制限(開閉力、指詰め防止など)を注記に反映

施工者・他職種に伝えるための図面の言語化

要点: 図面は「設計意図」を伝える手段であり、受け取る人によって注記の必要性が変わります。

視点別の伝達ポイント:

  • 意匠設計者:扉寸法、開閉方向、デザイン上の制約
  • 構造設計者:梁や壁との干渉、耐荷重、取付補強
  • 電気設備:電動式の場合は配線経路・制御機器
  • 保守担当者:荷重式ドアの場合でも、運用上の安全・保守点検

チェックリスト例:

  1. 扉幅・高さの記載は正確か
  2. 開閉方向矢印は必ず明記されているか
  3. 電源・センサーの有無が注記されているか
  4. 施工者が現場で迷わないよう注記・凡例は十分か

自動ドアの図面に関するよくある誤解とNG例

  1. 開閉方向の表記ミス
    • スイング扉を逆向きに描くと施工ミスの原因
  2. 電源ラインの記載漏れ
    • 電動式で配線経路がないと後付け工事が発生
  3. 非電源型=何も書かない
    • 意匠上の制約や運用上の注意が伝わらずトラブルに

設計意図を伝える「適ドア適所」の図面設計

要点: ドアを単なる「動く壁」として描くのではなく、「空間の出入り口」として設計する。

用途別ポイント:

  • 集合住宅:開閉方向で生活動線の安全確保
  • 自治体施設:バリアフリー法に準拠した寸法・スロープ連動
  • 店舗・公共空間:出入りの混雑対策、安全表示・センサー範囲の明示

提案:

  • 用途に応じて図面情報量を調整
  • 必要な情報だけを的確に注記して伝達ミスを防ぐ
  • 荷重式・非電源型も「設計意図が伝わる注記」を必ず追加

まとめ【適ドア適所の図面設計】

  • 自動ドアの図面は「誰に何を伝えるか」が重要
  • 平面図では開閉方向、寸法、スライド距離、注記を正確に
  • 荷重式・非電源型は電源配線は不要だが、注記で情報を伝達
  • 施工者・他職種を意識した図面チェックリストの活用
  • 用途に応じた「適ドア適所」の表記で、空間設計の質を高める

出典(情報整理用)

  • Newtonドア公式サイト:https://newton-plus.co.jp
  • Newtonドア安全性検証・JIS規格整合性資料
  • NドアFAQ・導入事例資料
  • JW_CAD・AutoCAD 図面ガイド
  • CADデータ提供サイト(YKK AP、Nabco)

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