「自動ドアに“レール”ってついてるの?」と聞かれて、すぐに答えられる方はそう多くないかもしれません。実は、自動ドアの「レール」は、扉が滑らかに動くための“案内役”として、とても重要な部品です。しかもその存在は目立たず、気づかないまま利用されていることがほとんどです。

問い:そもそもレールはなぜ必要なの?
答え:自動ドアの扉がまっすぐ、安全に動くための「ガイド」として必要です。

自動ドアの構造を簡単に説明すると、上部にはモーターや制御装置があり、ドア本体を引っ張るようにして開閉を行っています。では、そのドアが左右にブレたりしないのはなぜでしょうか?それを支えているのが、下部にある「ガイドレール」や「案内溝」です。

このレールは、ドアの下に取り付けられた「振れ止め」という部品と連動して、ドアが滑らかに、かつブレることなく動くための“通り道”となります。レールの形状には種類があり、U字型の凹みや突起のあるタイプなど、目的や設置場所によって異なります。

さらに、屋内用と屋外用でもレールの構造が違っていたり、床に直接取り付けるか、フラットに埋め込むかなど、設計の自由度もあります。

つまり、目に見えづらい部分ではありますが、自動ドアのレールは“開閉の品質”を大きく左右する、重要なインフラ部品なのです。


自動ドアの「レール」はどこにある?仕組みと構造をやさしく解説

自動ドアの「レール」は、多くの場合、床面ドア下部に設けられています。しかし「見えない」「気にしたことがない」という人が多いのも事実。では実際にどんな構造になっているのでしょうか?

問い:自動ドアのレールはどこについていて、どんな仕組みなの?
答え:ドアの下部に取り付けられた「振れ止め」が、床にあるガイドレールを沿って動く構造です。


目次(このページの内容)

手順:基本構造を分解してみると

  1. 上部(天井側)
     → モーターと制御装置でドアを左右にスライドさせる
  2. 下部(床側)
     → 「振れ止め」パーツが、床に設置されたガイドレールの上を滑る
  3. ガイドレール
     → ドアの進行方向を制御し、横揺れを防ぐ

このように、自動ドアの構造は「上下で安定させる」ことが基本です。特にガイドレールは、床面に対して水平・直線であることが求められ、少しのゆがみでもドアのスムーズな動きに影響します。


注意点:ガイドレールと案内溝は同一ではない

混同されがちですが、「案内溝」は床に掘られた凹みで、「レール」は金属などで成形された部材です。古いタイプでは単なる溝だったものが、現在では機能性や安全性を高めた“レール”へと進化しています。

また、レールの上にカバーがついていたり、フロアと同化するようデザインされていたりする場合もあります。見えないからといって「ない」わけではないのです。


このように、レールは自動ドアの「裏方」ですが、非常に大事な役割を担っています。

次は、「なぜレールがつまずきやすくなるのか?」という問題について解説していきます。

レールが「段差」や「つまずき」の原因になるのはなぜ?

自動ドアのレールに関する最も多い相談のひとつが「つまずく」「段差が気になる」というものです。特に高齢者や車椅子利用者、また視覚的な感覚が敏感な子どもなどにとって、わずかな段差が危険につながることがあります。

問い:レールが段差になってしまうのはなぜ?
答え:従来のレールは床から突出しており、凹凸がある構造だからです。


根拠:設計当時の常識が今では“リスク”

古い自動ドアの多くでは、ガイドレールが金属部材として床にそのまま設置されており、周囲の床との間に数ミリ〜1cm程度の「高低差」が生まれます。

これは設計当初では標準的な仕様でしたが、現在の「ユニバーサルデザイン」「バリアフリー設計」から見ると、転倒リスクのある“バリア”となってしまいます。


事例:こんな場所で段差が問題に

  • マンションのエントランス:スーツケースやベビーカーのキャスターが引っかかる
  • 高齢者施設:歩行器・杖利用者がレールにつまずきやすい
  • 商業施設:ハイヒールのヒール先端が溝に落ちる

対策:段差をなくす工夫とは?

段差によるつまずきを防ぐには、主に以下の2つのアプローチがあります:

  1. フラットレール化:床と同一面になるようレールを埋め込む設計
  2. レールレス化:そもそも床面にレールを設置しない方式

特に「レールタイト」「ハートビルレール」などは、既存レールと同様の機能を維持しつつ、段差をなくす工夫が施されたタイプです。段差が3mm以内に抑えられるように設計されており、スムーズな通行が可能になります。


このように、レールの段差は小さく見えても、使う人によっては大きな障壁になります。では、どんなレールの種類があり、それぞれどう違うのでしょうか? 次で詳しく見ていきます。

レールにはどんな種類がある?バリアフリー設計との関係は?

自動ドアのレールには、いくつかの種類があります。これらは設置場所や目的に応じて選ばれており、特に「バリアフリー」との相性が非常に重要な判断基準になります。

問い:自動ドアのレールってどんな種類があるの?
答え:「通常レール」「フラットレール」「レールレス」などがあり、それぞれ用途やバリアフリー性に違いがあります。


手順:主なレールの種類と特徴

レールの種類特徴・用途バリアフリー性
通常レール(案内溝)金属製ガイドレールを床に固定。振れ止めが上を走行△ 小さな段差あり(約5〜10mm)
フラットレール床に埋め込むことで段差がほぼゼロに近い構造◎ 車椅子・ハイヒールでも安心
レールレス(荷重式)床面にレールなし、上から吊るすor床に荷重で開閉◎ 完全フラット設計が可能

補足:JIS基準における設計ガイド

JIS(日本産業規格)においても、バリアフリー対応型の自動ドアには「段差を最小限に抑える設計」が求められています。例えば:

  • 床面の段差は3mm以下が望ましい
  • 自動ドアの通路幅・開口部のクリアランスも明確に定められている

これらの規格は、公共施設・病院・福祉施設などにおいて導入時の基準となっており、レールの形状も当然ながらこれに準じる必要があります。


実例:フラットレールの代表的製品

  • ハートビルレール:公共建築物で多用。フラットで視認性の高い仕上がり
  • レールタイト方式:水やゴミの侵入を防ぎつつ、フラット構造を実現

いずれも段差が目立たないように設計され、利用者の安全性を第一に考えた構造になっています。


このように、レール選びは単なる構造部品の話ではなく、「誰が使うのか」「どんな場所なのか」といった視点での選択が重要です。

次は、レールのメンテナンスの話です。掃除を怠るとどんな問題が起きるのでしょうか?

レールの掃除をしないとどうなる?よくある不具合と対処法

自動ドアのレールは目立たない場所にあるため、日常の清掃からつい漏れてしまいがちです。しかし、レールの汚れや異物の蓄積は、自動ドアの不具合の“最も見落とされがちな原因”のひとつでもあります。

問い:レールの掃除をしないとどうなるの?
答え:ゴミ詰まり・異音・扉の動作不良につながり、最悪の場合はドアが停止します。


手順:よくある不具合とそのメカニズム

  1. ゴミ詰まり
     → 砂・ホコリ・落ち葉・紙くずなどがレール溝に溜まり、「振れ止め」が引っかかる
  2. 異音発生
     → レールと振れ止めが擦れて“ガリガリ”という音がする。動きも重たくなる
  3. 振れ止めの摩耗
     → ゴミによる摩擦で金属部品が削れてしまい、ドアが斜めに動く
  4. 最終的な停止・故障
     → 負荷過多により安全装置が作動し、ドアが開閉しなくなることもある

注意点:こんな兆候があったら掃除のサイン

  • ドアの動きが以前より遅くなった
  • 開閉時に「コリコリ」「ガリガリ」と音がする
  • 扉が途中で止まる、開ききらない
  • ドアの枠とガラス扉の間にスレ跡がある

メンテナンスの基本

項目方法頻度
表面の清掃掃除機+柔らかいブラシでホコリ除去週1回以上
溝の異物除去ピンセット・細ブラシで取り出す月1回程度
金属レールの拭き取り中性洗剤+乾拭き月1回程度
プロ点検メーカーや業者に依頼年1回が推奨

※注意:強アルカリ・酸性洗剤や研磨材は絶対NG。レールを傷めます。


業者に頼むべき判断基準

  • ドアが途中で停止するなど、明らかに異常がある場合
  • 異音が1週間以上続く場合
  • レールそのものが曲がっていたり、浮き上がっている場合

レールは「掃除の盲点」になりやすい部位ですが、ドアの寿命にも影響します。次は、バリアフリーの視点で「どんな場所にどんなレールがふさわしいか?」を整理します。

バリアフリー対応でレール設計に必要なポイントは?

バリアフリー設計とは、すべての人が安全・快適に利用できる環境を整えること。その中で、自動ドアの「レール」は小さいながらも大きな影響を与える存在です。段差や溝があるかないか、それだけで移動のしやすさや安全性が大きく変わります。

問い:バリアフリーの観点から、レール設計で気をつけることは?
答え:「段差をなくす」「つまずきを防ぐ」「視認性を確保する」ことがポイントです。


根拠:JIS規格や建築基準が求める設計

例えばJIS T 9251などでは、以下のような条件がバリアフリー設計の一環として求められています:

  • 床面の段差:3mm以下(スロープ付きの場合は5mm以下)
  • 視覚的認識を促すための色分け・凹凸パターン
  • 車椅子・ベビーカーが引っかからない構造

レールに関しては、極力段差がない「フラットレール」、または完全に床面と一体化する「レールレス」設計が、推奨される対応策です。


手順:設計時に確認すべきチェックポイント

  1. 床とレールの高低差は?
     → 3mm以下が理想。見た目で段差が確認できるなら要注意
  2. 人の動線上にレールが交差していないか?
     → よく通る場所は特に注意。段差があると事故につながりやすい
  3. 視認性が確保されているか?
     → 床との色味を変える、照明を工夫するなどして、視覚的に把握しやすくする
  4. 屋外の場合は滑り止め・水はけ対策があるか?
     → 雨の日でも滑らず、安全に通行できる設計が必要

注意:段差を「なくす」のではなく「気づかせる」ことも重要

たとえ段差をゼロにすることができない場合でも、「つまずかせない」設計は可能です。たとえば:

  • レール周囲の素材を滑りにくいものにする
  • 点字ブロックとの連携をとる
  • レール自体に細かなノンスリップ加工を施す

バリアフリー設計は、「見えない障害」を想像する力が問われる分野です。そしてそれは、自動ドアのレールにも確実に関係しています。

次は、レールの種類を用途ごとに整理した「比較表」をご紹介します。

【比較表あり】用途別・建物別のレール適正と選び方

レールはただの部品ではありません。「どんな施設か」「どんな人が使うか」によって、適したレールの種類が大きく異なります。ここでは、建物のタイプや目的に応じたレール選びの考え方を、表形式で整理します。

問い:施設ごとに、どんなレールを選べばいいの?
答え:利用者の安全性と建物の機能に合わせて、最適なレールを選ぶ必要があります。


比較表:建物別・用途別のレール適正

建物/用途推奨レールの種類理由/特記事項
高齢者施設・病院フラットレール or レールレス車椅子や杖での利用、段差のリスクが高いため
公共施設(市役所・図書館など)フラットレール不特定多数が利用。バリアフリー配慮が求められる
一般マンション・集合住宅フラットレール(できればレールレス)スーツケースやベビーカーの通行あり。居住者の安全重視
商業施設・ショッピングモールフラットレールカート・台車・ベビーカーなど多用途な動線があるため
工場・倉庫通常レール台車や重量物の通行に強いが、段差への配慮は必要
美術館・ギャラリーレールレスデザイン優先+静音+床に溝がない方が美観を損ねない

ポイント:用途に合わないレールは“トラブルの元”

  • 工場でフラットレールを使うと、強度不足やゴミ詰まりが起こりやすい
  • 高齢者施設で通常レールを使うと、つまずきや転倒事故の可能性が上がる
  • 商業施設でレールレスを使うと、長期間の耐久性に課題が出るケースも

適ドア適所の考え方がカギになる

どのレールが“最高”かではなく、「その場所に合ったレール」が“最適”です。レールも自動ドアの一部として、環境に応じて適材適所を見極める必要があります。


そして今、注目されているのが「レール自体をなくす」という選択肢です。それが次にご紹介する「荷重式=Newtonドア」のような新しい発想です。続きをご覧ください。

【新常識】レールがいらない自動ドア?荷重式という別の選択肢

これまでの常識では、「自動ドアにはレールが必要」と思われてきました。しかし実は、レールを使わずに自動で開閉するドアも存在します。それが、荷重式自動ドア=Newtonドアという仕組みです。

問い:自動ドアにレールが“いらない”って本当?
答え:荷重式という別の原理を使えば、床にレールがなくても自動開閉が可能です。


根拠:Newtonドアの「荷重検知式」メカニズム

Newtonドアは、電気やモーターを一切使わず、人がドアの前に立ったときの“体重=荷重”を検知して開閉する仕組みです。以下のような構造になっています:

  1. ドア前の床面に“荷重センサー”を内蔵
  2. 一定以上の重さを感知すると、ドアが左右に自動開閉
  3. 開閉の力は「スプリング」や「カム機構」によって制御され、滑らかに動作

この方式では、ドアの下にガイドレールが不要で、完全に“フラットな床”を実現することが可能です。


比較:従来の電動式 vs 荷重式(Newtonドア)

項目電動式自動ドア荷重式(Newtonドア)
電源必要不要(電気なし)
レール必須(案内溝あり)不要
バリアフリー性△ 段差のある設計もある◎ 完全フラット構造
メンテナンス性モーターや制御部の点検ありシンプル構造で点検少
停電時の対応停止する可能性あり影響なし

注意点:すべての場面に適しているわけではない

Newtonドアは「完全フラット・電気不要・静音」など多くの利点がありますが、以下のような場面では向かないこともあります:

  • 開閉速度やタイミングを精密制御したい場合(工場・病院など)
  • 大型ドアや重量物の搬入がある場合
  • 開口部のサイズや荷重の感知エリアに制限がある施設

適ドア適所の視点で選ぶべき理由

Newtonドアの最大の特徴は「レールを不要にする」という構造的な発想の転換です。それは、段差をなくすことにも、電気依存からの脱却にもつながります。

つまり、レールで困っている・悩んでいる方にとっては、“レールそのものをなくす”という発想こそが、真の解決策になる可能性があるのです。


【適ドア適所】にそった「まとめ」

自動ドアの「レール」は、普段意識することが少ない部品ですが、その存在は自動ドアの快適性・安全性・バリアフリー性に大きく関わっています。段差によるつまずき、ゴミ詰まりによる不具合、レール選びのミスマッチ――。その一つ一つが、施設の“使いやすさ”を左右します。

だからこそ、どんな場所に、どんな人が使う自動ドアなのか。その条件に合った「適ドア適所」の視点で、レールのあり方を考えることが重要です。

特にNewtonドアのようなレールレス構造という選択肢があることを知っておくと、設計の自由度やメンテナンス性が大きく広がるでしょう。


✅ よくある質問(FAQ)

Q: 自動ドアのレールって毎日掃除する必要がありますか?
A: 基本は週1回程度の掃除で十分ですが、砂やゴミが多い環境ではもう少し高頻度が望ましいです。

Q: レールの段差があると違法ですか?
A: 違法ではありませんが、JIS規格では3mm以下が望ましく、バリアフリー法とも整合が求められます。

Q: レールはあとからフラットタイプに変更できますか?
A: 工事によって可能ですが、床の再設計が必要になる場合もあります。事前に業者と相談しましょう。

Q: レールレス自動ドアはメンテナンス不要ですか?
A: 完全に“不要”ではありませんが、電気系統がない分、点検の頻度や手間は格段に少なくなります。

Q: ハートビルレールとレールタイトの違いは?
A: どちらも段差が少ないレールですが、構造や排水性に差があります。現場環境に応じて選択されます。

Q: 荷重式(Newtonドア)はどこでも設置できますか?
A: 設置には床面構造や建物の条件があります。すべての現場に合うわけではないため、適合性の確認が必要です。

Q: レールの段差がつまずきの原因になるのはどのくらいの高さ?
A: 一般的には5mm以上の段差があると、つまずきやすいとされています。視認性の配慮も重要です。

Q: 自動ドアのレールが曲がっていたら使い続けても大丈夫?
A: 放置するとドアが斜めに動いたり、異音が出る可能性があります。早めの点検をおすすめします。


📚 出典・参考資料

  • JIS T 9251:2014「自動ドアの安全基準」
  • 日本建築学会「バリアフリー設計指針」
  • NABCO公式サイト 自動ドアの構造解説ページ
  • TERAOKA公式サイト レールタイト製品紹介
  • Newtonドア 製品情報・FAQ・事例資料(Newtonプラス社)

【荷重式自動ドア】Newtonドアの資料請求はこちらから→https://76auto.biz/newtonplus/registp/p-offer.htm

【荷重式自動ドア】NewtonドアのYoutubeチャンネルはこちらから→https://www.youtube.com/@newton_plus

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