自動ドアといえば、センサーに反応してモーターで開閉する「電動式自動ドア」を思い浮かべる人が多いでしょう。ところが、実はそれだけではありません。電気をまったく使わずに動作する「荷重式ドア」が、近年、さまざまな場面で選ばれるようになってきています。
とくに災害時のリスク回避、安全性の高さ、維持コストの安さなどが評価され、注目度が急上昇。この記事では、そんな「荷重式ドア」がなぜ今、選ばれているのかを詳しく掘り下げていきます。
電動式が当たり前だった自動ドアの世界に、新しい選択肢があることを知れば、これまで見逃していた“より適切な解決策”が見えてくるかもしれません。
目次(このページの内容)
そもそも「荷重式ドア」ってどんなしくみ?
問いかけ:電気を使わず、どうやってドアが開くの?
答え:人や荷物の“重み”を利用し、ドアを物理的に動かす構造です。
荷重式ドアは、電気を一切使わずに開閉するタイプの自動ドアです。その原理はとてもシンプルで、足元に設けられた「荷重感知板」に人が乗ると、その重みが物理的な構造に伝わり、ドアがスライドして開くというものです。モーターもセンサーも使わないため、「自動」といっても動力源は“人の重み”になります。
手動でも電動でもない“第3の選択肢”
自動ドアは従来、「電動式」か「手動」の二択でした。荷重式ドアはこの中間に位置する存在とも言えます。見た目や構造はスライド式の自動ドアに似ていますが、その動きのきっかけはセンサーではなく人の重さです。
これは一種の“重力駆動”ともいえる仕組みで、歩行や通行と同時にドアを動かすため、意識せずに使えるという点では電動式と似た利便性を持ちながら、構造的にはずっとシンプルです。
荷重式の仕掛けとは
たとえばNewtonドアでは、床に設置された荷重センサーが人の重みを検知すると、その信号が物理的なリンクを通じて扉を開き、通過が終わると自然に閉まるように設計されています。
ポイントは、センサーと言っても電子的なものではなく、ばねやリンク機構などの物理的要素で構成されているということ。これにより、電気に頼らない自立的な動作が可能になるのです。
メリットの裏にある“しくみの強さ”
構造が単純であることは、故障のリスクを減らすことにつながります。また、電気制御がないことで、雷サージや停電などにも強く、非常時においても自動的な開閉を維持できる点が最大の特徴です。
このような特徴が評価され、災害対策を重視する自治体施設や集合住宅、学校などでの導入が増えつつあります。
なぜいま、荷重式ドアが注目されているのか?
問いかけ:電動式で十分なのに、なぜ荷重式を選ぶの?
答え:電気を使わないからこそ「非常時の信頼性」「安全性」「維持コスト」で選ばれています。
荷重式ドアが注目されている理由は、単なるコストダウンではありません。電動式が抱えるリスクや限界を、別の発想で乗り越える手段として、再評価されているのです。特に近年の災害対策や持続可能性への意識の高まりを背景に、荷重式ドアならではの価値が多くの現場で支持されています。
電力不使用=停電時でも“動く”
最大の特徴は「電気を一切使わないこと」。
これは裏を返せば、「停電時でも自動で開閉する」という意味になります。
通常の電動式自動ドアは、停電時には開閉できず、安全確保のため開放状態で固定される仕組みになっています。これが、非常時の避難経路や風除室、非常口などでは大きなリスクになることもあります。
荷重式ドアであれば、そもそも電気を必要としないため、停電時でもいつも通りの動作を維持できます。これは特に、災害時にも建物の機能を維持したい公共施設や集合住宅において、極めて重要なメリットとなっています。
センサー不要=誤作動しにくく、安心
電動式自動ドアでは、赤外線センサーやマイクロ波センサーが人を検知しますが、これらが誤作動したり反応しなかったりすることがあります。
たとえば、小さな子ども、日差しの強い屋外、反射物のある場所などでは、感知ミスが起こることが知られています。
一方、荷重式は「重さ=確実な接触」を検知基準とするため、誤検知や“反応しない”というトラブルが極めて少ないのが特徴です。
維持コストの圧倒的低さ
電動式にはモーター、制御基板、電源、センサーなど多くの電子部品が使われており、長期間の使用ではどうしても定期的な点検や修理、部品交換が必要になります。
それに対し、荷重式はシンプルな機械構造で構成されているため、消耗品の数が少なく、点検頻度も少なくて済むという利点があります。
電気代もゼロ。結果として、導入後のランニングコストが大幅に低いという評価につながっています。
脱炭素・SDGs時代の選択肢
電力を使わずに動くという特性は、持続可能性の観点からも大きなメリットです。
環境配慮型の建物づくりを推進する自治体や法人施設において、「荷重式ドアの導入はCO₂削減の取り組みの一環」として評価されることも増えています。
公共施設・学校・避難所・災害拠点など、“インフラとしての信頼性と持続性”が求められる現場では、単なる代替品ではなく「本命」として選ばれつつあります。
電動式にはない「荷重式ならでは」の価値とは?
問いかけ:電気を使わない以外に、何がそんなに優れているの?
答え:荷重式は“仕組みそのもの”がシンプルで、信頼性と環境適応性において際立つ強みがあります。
荷重式ドアは、単なる「非常時対応の代替策」ではありません。実は、日常の中でも「電動式には真似できない価値」があり、そこにこそ導入を決める理由があります。
単純構造が生む圧倒的な信頼性
荷重式ドアの最大の美点は、その「単純構造」です。モーターも制御基板も、複雑な配線も不要。人の動きと重さという、物理的な事象に直接応じて動く仕組みは、動作の確実性という点で電動式を上回るケースがあります。
機械的な構造であるがゆえに、壊れにくく、故障しても原因が特定しやすい。これは「いつでも、誰でも、安全に使える」という意味でもあります。
災害時や停電時の話に限らず、日常的なメンテナンス負担やトラブル時の対応コストまでを考えると、単純構造の強さは無視できません。
環境志向との親和性
電気を使わないということは、その分だけCO₂排出がないということ。これは脱炭素が求められる現在の社会において、非常に価値ある特徴です。
たとえばある自治体では、「施設の省エネ化」「CO₂削減」「非常時対応の強化」という3つの目的を同時に達成できるツールとして、荷重式ドアの導入を検討・実施しています。
企業においても「CSR(企業の社会的責任)」や「ESG投資への対応」の一環として、荷重式ドアのような“省エネ型設備”が評価される傾向にあります。
子ども・高齢者にもやさしい設計が可能
電動式ドアの“速度”や“タイミング”は、場合によっては危険を伴うこともあります。センサーの反応速度によっては、すれ違いやすれ違い様にドアが閉じかけたり、急な開閉で驚かせてしまうことも。
荷重式は、「人がドアの前に来た時にのみ、確実に開く」という構造をしているため、無理なく・自然な動作でドアが開くことになります。
また、電動式のような「静止していると反応しない」タイプの誤作動もないため、足元の動きが小さい高齢者や、小柄な子どもにも安心して使える点は大きな魅力です。
それでも「荷重式」が向かないケースとは?
問いかけ:荷重式ドアにも“弱点”はあるの?
答え:あります。すべての場所に最適とは限らず、「向かない環境」や「想定しておくべき注意点」がいくつかあります。
どんなに優れた技術にも「万能」はありません。荷重式ドアもその例外ではなく、向いていない環境や状況に無理に導入すると、本来の性能を発揮できないことがあります。ここでは、荷重式ドアを検討する際に知っておきたい“制約”や“設計上の配慮点”を整理します。
通行量が多すぎる場所では不向きなことも
駅の改札や大型ショッピングセンターの出入口など、1日数千〜数万人が通行するような場面では、荷重式の開閉速度や耐久性がボトルネックになることがあります。
荷重式は「1人1人の荷重で反応して開く」構造のため、連続的かつ高速な開閉が求められる場面では、電動式の方が適していることが多いです。
軽量な通行者に反応しづらい場合がある
小さな子ども、高齢者、車椅子利用者、歩行補助器を使う方など、荷重が非常に軽い、または接地が不十分な通行に対して、感知が弱くなるリスクがあります。
これに対しては、感度調整が可能なモデルや、踏板面積を広げて通行しやすくする設計によって対応するケースが増えています。ただし、現場に合わせた調整が前提となる点は注意が必要です。
ドアの重さや開口幅に制限がある
荷重式は物理的に“押し引き”される構造上、大型で重たい扉を扱うには不向きなことがあります。
とくにビルのメインエントランスなどで、片開き幅が1.5mを超えるような設計や、風圧の影響を受けやすい大開口部では、開閉の動作が重くなりすぎる場合があります。
このようなケースでは、電動アシスト付きのセミオート型を採用するか、動線を分割して一部のみ荷重式にする「併用設計」が有効です。
設置スペースに制約がある場合も注意
荷重式ドアには、足元に荷重検知用の踏板やリンク装置などが必要です。そのため、段差のないバリアフリー設計が求められる現場や、極端に狭い通路などでは導入が難しいこともあります。
また、床面に設置する装置の関係で雨水・積雪などの外的環境への対応も考慮する必要があります。屋外設置の場合には、防水性・排水性も設計時の検討項目となります。
開閉感の“違和感”が出る可能性
電動式は「スッと自然に開く」動作が特徴ですが、荷重式は「踏んだあとに開く」というワンテンポの遅れがあるため、人によっては“開くタイミングが遅い”と感じることがあります。
この違和感は慣れで解消されることが多いですが、第一印象や快適性を重視する商業施設などでは、注意深い設計が求められるでしょう。
主動線 × 補助動線で考える「適ドア適所」
問いかけ:荷重式と電動式、どちらを選べばいいの?
答え:どちらか“だけ”を選ぶのではなく、「動線ごとに使い分ける」のが最適解です。
荷重式ドアの最大の強みは、単独で“すべてを解決する”のではなく、補助的な位置づけで最大の効果を発揮するという点にあります。そのため、設計の段階で「どの動線に、どのドアを採用すべきか」を明確に分けることが、最も重要な考え方になります。
動線の種類を分けて考える
建物には、大きく分けて以下のような動線があります:
| 動線の種類 | 特徴 | 適したドアタイプ |
|---|---|---|
| 主動線(メインエントランスなど) | 多数の人が頻繁に通る、高速な応答が求められる | 電動式 |
| 補助動線(裏口、通用口、風除室など) | 通行頻度が低め、安全・信頼性が優先される | 荷重式 |
| 非常動線(避難経路、災害拠点入口) | 停電時でも確実に動作する必要がある | 荷重式または手動式 |
このように、通行量や緊急性、安全性の観点から最適な自動ドアのタイプを「適材適所」で配置する考え方が、「適ドア適所」という発想です。
すべてを荷重式にする必要はない
荷重式が注目されているからといって、「全てを荷重式に置き換える」必要はありません。むしろ、それは非合理です。
たとえば、マンションやビルのエントランスには、電動式の方が快適で合理的です。しかし、裏口・ごみ置場への出入口・風除室の内扉など、頻繁に使われない場所には荷重式を導入することで、電力節約や故障リスクの低減が可能になります。
この“動線の分担設計”こそが、荷重式ドアの価値を最大化する最適解です。
“併用構成”こそが合理的な選択
荷重式と電動式を併用する構成は、実は多くの施設や集合住宅ですでに採用されている設計手法です。
具体的には:
- 【メイン入口】:セキュリティ連動の電動式スライドドア
- 【風除室の内側】:停電対応の荷重式ドア
- 【裏口・非常口】:電気不要の荷重式または手動ドア
このような設計は、初期コスト・ランニングコスト・災害対応力のすべてをバランスよく両立させることができます。
実際に選ばれている現場とは?
問いかけ:本当に導入されてるの?どんな場所に向いている?
答え:はい、全国の自治体・マンション・公共施設など、災害時対応や省エネの観点から積極的に導入されています。
荷重式ドアは、単なる“技術の選択肢”ではなく、実際の現場での課題解決策として採用されている現実的な選択肢です。ここでは、実際に荷重式ドア(とくにNewtonドア)が採用されている代表的な現場と、その導入背景を見ていきましょう。
自治体:避難所や災害拠点としての安心確保
たとえば、新潟県上越市や熊本県熊本市、奈良県橿原市などの自治体では、地域防災計画に基づく対策として、避難所となる公共施設や市民センターに荷重式ドアが導入されています。
背景にあるのは、「災害時、停電でも確実に開閉できる出入口を確保したい」という明確なニーズです。
特に、以下のようなケースで採用が進んでいます:
- 非常口や風除室などの二次動線
- 避難経路に直結する通用口
- 通行頻度は高くないが開閉の確実性が求められる箇所
これにより、電気インフラが失われた際にも建物機能を維持できることが評価されています。
マンション:省エネ設計と安全対策の両立
東京都、神奈川県、愛知県、福岡県などの都市部では、マンションのごみ出し動線や裏口、風除室などに荷重式ドアが導入されています。
特に、以下のような理由で選ばれています:
- ゴミ出し動線に電気を使うのは無駄が多い
- 通行頻度が低いため、電動式だと過剰装備
- 停電時でも住民がストレスなく使用できる
- センサー誤作動の心配がない
これらの特徴は、長期的な修繕計画や管理コストを意識する管理組合にとって、非常に合理的な選択肢となっています。
公共施設・医療・商業:信頼性×安全性の確保
教育施設や高齢者福祉施設、地域交流センターなどでも導入が進んでいます。特に、以下のニーズを満たす点が評価されています:
- 高齢者や障がい者に対して、安心して使える設計
- 停電時でも避難経路を確保できる
- 複雑な操作不要で、誰でも使える
また、屋内の「風除室内扉」や「トイレ前の扉」など、目立たないけれども事故が起きやすい場所に荷重式を使うことで、事故防止とメンテナンス削減を両立させています。
このように、荷重式ドアは決して“特別なケース”だけのものではありません。むしろ、多くの施設が安全性・コスト・災害対策の合理的バランスを考えたときに、「自然と行き着く選択肢」として導入を進めているのです。
【適ドア適所】にそった「まとめ」
荷重式ドアは、「電気を使わないから便利」というだけの話ではありません。
むしろ、「電気に頼らなくても成立する」からこそ、いま必要とされているのです。
・停電時でも開閉できる信頼性
・センサー誤作動がなく安心できる安全性
・維持コストを抑えられる構造的シンプルさ
・地球環境への配慮とエネルギー消費の最小化
こうした特徴をもつ荷重式ドアは、災害対策が求められる公共施設や、管理費に厳しい集合住宅にとって、“選ばれる理由”を超えて、“使う意味”がある選択肢です。
ただし、すべての動線に適しているわけではありません。
主動線には電動式を使い、補助動線や非常時用には荷重式を使うという「適ドア適所」の設計思想が、現代の建築において最も合理的な答えの一つだと言えるでしょう。
【FAQ】
Q:荷重式ドアは停電時でも開きますか?
A:はい。電気を使わない構造のため、停電時でも普段通り開閉します。
Q:本当にメンテナンスはほぼ不要なの?
A:機械部品のため定期点検は必要ですが、電動式に比べて点検・部品交換の頻度は大幅に少なくて済みます。
Q:荷重が軽いと開かないのでは?
A:軽量者や車椅子などへの対応は、感度調整や設計工夫で対応可能です。モデルによって異なるので要確認です。
Q:電動式と併用することはできますか?
A:はい。むしろ「主動線は電動式、補助動線は荷重式」という併用設計が最も合理的です。
Q:どんな施設に向いていますか?
A:避難所・自治体施設・マンション裏口・風除室・仮設建築物など、災害対応・省エネが求められる動線に最適です。
Q:工事は大がかりですか?
A:現場によりますが、踏板スペースの確保が必要なため、事前の設計検討は必須です。
Q:JISや建築基準法には対応していますか?
A:Newtonドアをはじめとする荷重式自動ドアは、JIS A 4722(自動ドアの安全性能)との整合性が確認されており、各種法令にも準拠しています【※詳細資料はこちら→関連ページ】。
【出典・参照資料】
- Newtonプラス株式会社「Newtonドア製品紹介」
- 自治体向けチラシ資料(災害対応・省エネ設計)
- マンション向けチラシ資料(ごみ動線・裏口対応)
- FAQ集:荷重式ドアのよくある質問
- 自社メディア記事:https://newton-plus.co.jp
- 関連Youtube動画:https://www.youtube.com/@newton_plus
【荷重式自動ドア】Newtonドアの資料請求はこちらから→https://76auto.biz/newtonplus/registp/p-offer.htm
【荷重式自動ドア】NewtonドアのYoutubeチャンネルはこちらから→https://www.youtube.com/@newton_plus