自動ドアというと、多くの方が“横にスライドして開く”引き戸タイプを思い浮かべるのではないでしょうか。ですが近年、「もっと広く開けたい」「台車やストレッチャーが通りやすくしたい」「非常時に一気に開放できるようにしたい」といったニーズに応えるかたちで、“ワイドオープン”型の自動ドアが注目されています。

とはいえ「ワイドオープン」とは何なのか、「ブレークアウト」や「スイング併用式」との違いは何かが分からず、混乱する方も多いのが実情です。

この記事では、そうした疑問にお応えしつつ、自動ドアをより広く、安全に、目的にかなったかたちで開放するための選択肢を丁寧に整理します。開口幅の設計に迷っている方や、建物に最適な自動ドアを検討中の方にとって、有益な判断材料となることを目指します。


なぜ「もっと広く開けたい」と思ったのか?開口幅の基本と背景事情

要点:

多くの施設で「開口幅が足りない」と感じるのは、搬出入や車椅子通行など、通常想定を超えるシーンが発生したとき。こうした想定外への対応力を高めるのが“ワイドオープン”という発想です。

背景と詳細:

一般的な引き戸自動ドアは、建物の入り口にスライド式のパネルを設置し、人や物の通行に合わせて自動で開閉します。
しかし「引き戸」である以上、パネルを引き込むスペースが必要であり、どうしても「片開き」または「両開き」で確保できる開口幅には限界があります。

この“限界”が露呈するのが次のような場面です:

  • 施設イベントでの大量搬入
  • 医療施設でのストレッチャー移動
  • 介護施設での車椅子の通行
  • 災害時・避難時の一斉退避

通常の開口幅(例えば1,000mm〜1,200mm程度)では、これらの用途には狭すぎることもあり、「一時的に2倍の幅を確保できないか?」というニーズが生まれます。
それが「ワイドオープン」や「ブレークアウト」「スイング併用」といった、“非常時対応型”もしくは“可変幅型”の自動ドア技術を求める背景になっています。


「ワイドオープン自動ドア」とは?3つの開き方を比較する

要点:

“広く開けたい”ニーズに応えるためには、「ワイドオープン」「ブレークアウト」「スイング併用」という三つの方式があります。それぞれ、動作構造・設置条件・使い勝手が異なります。

比較表:

項目ワイドオープン型ブレークアウト型スイング併用型
開放方法手動で内側へ開放手動で外側へ緊急開放スライド後、手動でスイング
開口幅約2倍まで拡張可能約2倍まで拡張可能約1.5倍程度拡張
常時の開閉自動スライド自動スライド自動スライド+手動スイング
非常時対応想定せず避難開放用として設計想定せず(補助的対応)
建物枠の要件既設サッシでも対応可能枠構造の補強が必要な場合も複合設計のためやや制限あり
操作の複雑さ直感的で比較的簡単非常時操作の訓練が必要利用者の理解が必要
主な用途多目的施設・搬入出が多い現場病院・学校・避難所バリアフリー用途、老健施設等

詳細解説:

  • ワイドオープン型
     普段は引き戸として動作しますが、いざという時はドアパネル全体を内側へ手で押し開けることで、通常の2倍近くの開口幅が確保できます。
     既存のサッシやアルミ枠にも対応可能な設計が多く、リニューアルにも向いています。
  • ブレークアウト型
     こちらも通常は引き戸として動作しますが、緊急時には外側にドアパネルを押し開けて避難通路を確保する機構を備えます。
     消防法や避難基準への適合が求められる施設(病院・公共施設など)に使われることが多いです。
  • スイング併用型
     通常のスライド動作のあと、さらに内開き/外開きに手動でスイングさせることで、開口を拡張するハイブリッド型。
     導線の柔軟性が必要な介護施設や集合住宅で採用されています。

どんな場所でも設置できる?建物条件と安全規格の確認ポイント

要点:

ワイドオープン型やブレークアウト型を採用するには、建物の枠構造・サッシ寸法・安全基準との整合が重要です。「どこにでも付けられる」わけではありません。

詳細:

自動ドアは基本的に「開け閉めする」以上、構造物(壁・枠)と連動して動く仕組みです。そのため、開口幅を広げる場合には通常以上の制約があります。


手順:設置可否の判断ポイント

  1. 既設サッシに対応可能か?
     → ワイドオープン型は、既存のアルミサッシ枠にも対応できる設計が多くあります。
     → ただし、「開けたときに引っかかる突起や柱がないか」などを確認する必要あり。
  2. 建物枠に補強が必要か?
     → ブレークアウト型やスイング式は、ドアが手前/外側に開くため、「ドアの動線に物がないこと」「開閉時の耐荷重」に注意。
     → ガラスドアの場合は、耐衝撃性能(合わせガラスなど)も確認。
  3. JIS A 4722(自動ドアの安全規格)との整合性
     → センサー感知範囲や挟まれ防止、ドアの動作速度などの規定に準拠する必要があります。
     → 特に「通常と異なる動作(手動で開放する、跳ね上げる等)」がある場合、JIS基準の設計とどこが異なるかを明確に。

根拠:

Newtonドア(Nドア)を含む多くの荷重式・手動式の自動ドアは、こうした「建物と人とのインターフェースとしての整合性」に対して、**構造的・制度的な裏付け(検証・規格適合)**を行っています【出典:Newtonドアの安全性検証とJIS規格整合性.txt】。


ワイドオープン導入で“かえって困る”場面とその対策

要点:

「開口幅が広い=万能」とは限りません。現場では逆に安全リスクや機能制限、トラブルにつながることもあります。

よくある困りごと:

  • センサー誤作動
     → 開口範囲が広がると、人や物を誤認識してドアが閉まらなくなったり、開きっぱなしになる場合がある。
  • 雨風・気圧変化への弱さ
     → 広く開けた状態で強風が吹き込むと、内部の空調やドアパネルの動作に影響を与える。
  • 操作方法の理解不足
     → 手動開放の機構を現場スタッフが理解していないと、**「開けられない」「戻せない」**といった混乱が起きやすい。
  • 広く開けすぎて「不安定になる」
     → 幅が広がる分、パネルやレールに負荷がかかりやすく、メンテナンス頻度が上がることも。

対策:

  • 利用シーンを事前に限定・設計する
     → 「常時ワイドオープンで使う」のではなく、「荷物搬入時のみワイドにする」など、運用ルールで使い分けを決める。
  • センサーのゾーニング再設定
     → 開口幅に応じて、感知範囲の再調整・複数センサーの設置を検討。
  • スタッフ向けの操作トレーニング
     → 手動開放・ロック解除方法を訓練し、手順を明文化。

【適ドア適所】で見る「ワイドオープンにすべきか」の判断軸

要点:

ワイドオープン=万能ではありません。大事なのは「どのような目的で」「どのような空間に」設置するか。自動ドアにも“適材適所”があります。


判断軸1:目的の整理

自動ドアに「より広い開口」を求める理由は施設によって異なります。以下のように“目的別”に分類することで、ワイドオープンが適しているかどうかを判断しやすくなります。

目的ワイドオープン型の適性
荷物の搬出入が頻繁◎(一時的に開口を広げられる)
ストレッチャー・車椅子の通行◎(バリアフリー導線確保に最適)
緊急時の避難動線確保△(ブレークアウト型が適切)
通常時のスムーズな通行◯(ただし常時全開は非推奨)
防犯・気密性の確保△(開放幅が広い=リスク増)

判断軸2:施設の種類と構造

設置対象の建物が「どのような用途」で「どのような構造をしているか」も重要な判断要素です。

  • 向いている施設例:
     → 商業施設の搬入口
     → 病院・介護施設(医療機材・ストレッチャー通行)
     → ホール・集会所・イベント会場(多人数利用)
  • 注意が必要な施設例:
     → 居住施設での常時利用(音・風・気密性の問題)
     → 保育園など小さな子どもが触れる可能性がある場所(安全対策が必要)
     → 飲食店舗など、防虫・冷暖房効率を重視する業態

判断軸3:「ワイドオープンじゃなくても良いのでは?」という逆提案視点

これは【適ドア適所】の哲学にもとづく重要な視点です。

  • ドアの左右に十分な引き込みスペースがある → 通常の引き戸で広めの設計でも十分
  • そもそも開け放しにする頻度が低い → 片引き+常時半開での運用で足りる可能性
  • スライド式よりもスイング式のほうが動線的に理にかなっている → スイング併用型または手動式で検討

補足:Newtonドア(荷重式自動ドア)との関係

Newtonドアは、電気を使わず「人が乗る重みで開く」荷重式のドアで、以下のような根本的な構造的アプローチの違いがあります。

  • 「非常時だけ広げる」「必要なときだけ全開にする」というニーズには、ワイドオープン型
  • 「電源がなくても常に安全に開閉できる」ことが求められる環境には、荷重式Newtonドア

このように、根本的な設計思想そのものが違うため、「広く開けたい」と感じたときには、ワイドオープン型・手動開放型・荷重式の違いを横断的に比較することが大切です。


Q&A:ワイドオープン自動ドアのよくある疑問


Q: ワイドオープンにしたとき、耐久性に影響はありますか?
A: 使用頻度や構造によって異なりますが、広く開ける分、パネルやレールに負荷がかかるため定期点検が重要です。年1回以上の保守点検が推奨されます。


Q: 停電時はどうなりますか?自動で開く?
A: 自動機構は作動しないため、手動で開閉できるよう設計されているかがカギです。ワイドオープン型は非常時の手動操作が可能な設計が一般的ですが、事前の確認と操作訓練が不可欠です。


Q: 故障リスクは高くなりますか?
A: 機構が複雑になる分、動作不良や誤作動のリスクは通常型より若干高まる傾向があります。ただし、正しく設計・施工・保守されていれば問題ありません。


Q: 古い建物でも取り付け可能ですか?
A: ワイドオープン型は既設のアルミサッシ対応モデルもあります。ただし、開口部の寸法や壁構造によって制限があるため、事前の現地調査が必須です。


Q: 導入コストの目安はどのくらいですか?
A: 標準的な引き戸型よりも1.5〜2倍程度の価格帯になることが多いです。要因としては、特殊なヒンジ・レール・補強構造が必要な点と、施工の複雑さが挙げられます。


Q: 普段からワイドオープンの状態で使ってもいい?
A: 非常時や荷物搬入時など一時的使用を想定しているため、常時ワイドで使う設計ではありません。安全性や部品の摩耗を考えると、常時利用は避けた方がよいでしょう。


Q: ワイドオープンとブレークアウトのどちらを選べばいい?
A: 目的によって異なります。避難用・消防法対応が必要ならブレークアウト型搬入出や多目的利用が主眼ならワイドオープン型が適しています。


【適ドア適所】にそった「まとめ」

「自動ドアをもっと広く開けたい」と考えるとき、選択肢は1つではありません。
本記事で紹介したように、ワイドオープン・ブレークアウト・スイング併用など、開口幅を拡張する仕組みは複数あり、それぞれが「向いている用途」と「そうでない用途」を持っています。

また、Newtonドアのように「そもそも電気を使わずに、安全性を保ちながら開閉する」というアプローチもあり、広さだけにとらわれない判断も必要です。

重要なのは、“広く開けるべきタイミング”がいつなのか、何のためなのかを明確にし、その目的に合ったドアを選ぶこと。
これが、Newtonプラス社が提唱する【適ドア適所】という視点です。

ただ「広く開けたい」という感覚だけでは、適切なドアは選べません。
設置条件、使い勝手、安全性、維持管理、コスト…それぞれのバランスを見極めて、最も賢い選択ができるように情報提供を続けていきます。


出典表示

  • 『Newtonドア.txt』
  • 『Newtonドアの安全性検証とJIS規格整合性.txt』
  • 『Nドア(チラシ)マンション.txt』
  • 『Nドア(チラシ)自治体.txt』
  • 『NドアFAQ.txt』
  • 『Nドア顧客セグメントと導入事例.txt』
  • 『Nドア自社チャネル.txt』

【荷重式自動ドア】Newtonドアの資料請求はこちらから→https://76auto.biz/newtonplus/registp/p-offer.htm

【荷重式自動ドア】NewtonドアのYoutubeチャンネルはこちらから→https://www.youtube.com/@newton_plus

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