自動ドアと聞くと、多くの人が「センサーで開く電動式」を思い浮かべるかもしれません。
しかし、病院のような特殊な環境では、実は電動式だけでは解決できない課題が多くあります。たとえば、停電や災害時の対応、感染症対策としての換気・非接触性、そして高齢者や車椅子利用者に配慮したバリアフリー設計…。これらの条件を満たすには、電動式に限らない選択肢も視野に入れる必要があります。

この記事では、「病院に最適な自動ドアとは何か?」という問いに対して、電動・荷重式・タッチレスなどの方式別に特徴を整理し、病院の出入口ごとの「適ドア適所」の考え方に基づいた最適な選び方を解説していきます。
読み終わるころには、これまでの「電動一択」の思い込みが解け、自分の病院に合った選択肢がはっきりと見えてくるはずです。


病院の自動ドア、どんな種類があるの?

要点:
自動ドアには電動式だけでなく、「荷重式」や「タッチレス式」といった多様な方式があり、それぞれ開閉の仕組みや特徴が大きく異なります。病院では、用途や場所によって使い分けが必要です。


手動・電動・荷重式の違いと特徴

まず、自動ドアの分類をシンプルに整理してみましょう。自動ドアと呼ばれていても、厳密には以下の3タイプに分けられます:

方式主な特徴メリットデメリット
電動式センサーで感知してモーターが開閉手を使わずに開く/多機能停電に弱い/故障時に開閉不可の可能性
荷重式ドアに体重をかけると開く(電気不要)停電時も作動/維持費が安いセンサー開閉に比べ慣れが必要
手動式押し引きで開閉単純で壊れにくい利用者に負担がかかる/非接触性なし

多くの病院では「電動式=当然」という認識がありますが、荷重式という選択肢もあります。これは、ドアに少し体重をかけるだけで自然に開く仕組みで、モーターや電源が一切不要。つまり、停電時にも確実に動くという大きなメリットを持っています。


スライド式とスイング式の比較

開閉方法にも違いがあります。病院でよく使われるのは以下の2タイプです。

タイプ開き方適した場所
スライド式横にスライドして開閉正面玄関、広い出入口
スイング式押す/引く動作で開閉トイレ、小規模な診察室など

スライド式は大人数が通行しやすく、車椅子やストレッチャーでもスムーズです。一方で、スイング式は狭い場所でも設置しやすいというメリットがあります。荷重式でも、スライド・スイングの両タイプがあります。


最近注目の「タッチレスドア」とは?

コロナ以降、「非接触」というキーワードは医療機関にとって重要な設計思想となりました。

タッチレスドアとは:

  • 人感センサーや赤外線により、触れずにドアが開く
  • 感染症対策として有効
  • アルコールで手が濡れている状態でも問題なし

ただし、これは基本的に「電動式」であるため、電源ありきの仕組みです。停電時のことを考えると、タッチレスは便利な一方で、単独運用にはリスクもあります。バッテリーや非常開放装置との併用が前提になります。


停電のとき、自動ドアはどうなる?

要点:
電動式自動ドアは、基本的に電源がなければ作動しません。病院では「停電中も安全に開閉できるか」が非常に重要な検討ポイントになります。


電動式の場合の停電対策

病院で主流の電動自動ドアは、センサーとモーターを内蔵しており、電源供給が止まると次のような挙動になります:

  • 完全に動かなくなる(=閉じたまま or 開いたまま)
  • 安全のため非常解放機構が備えられていることがある
  • 一部の高機能モデルにはバッテリーバックアップがある

ただし、これらの非常機能にも限界があります。

  • 非常開放はあくまで「一時的に手で開けられる」程度
  • バッテリーは数時間で切れる上、交換や管理の手間がある
  • 停電が長引くと結局開閉不能になるリスク

つまり、「電動式=高性能」でも、停電時に確実に機能するとは限らないのです。


非電源式(荷重式)の仕組みとメリット

一方で、荷重式自動ドアは全く異なる発想です。
モーターやセンサーは一切なく、人が少し押し込むことでドアの構造自体がスライドするという、きわめてアナログかつ合理的な仕組みです。

荷重式が停電時に強い理由:

  1. 電源不要=停電の影響ゼロ
  2. 構造がシンプル=故障や誤作動がほとんどない
  3. 車椅子・ストレッチャーでも自然に開く

これにより、災害時・夜間停電時でも安全に開閉できるだけでなく、故障による閉じ込めや緊急対応時の不具合も回避できます。


非常時にも開閉できる構造とは

病院のように「命を守る現場」では、ドアの挙動が患者の安全を左右します。
以下のような点が、非常時の開閉構造として求められます:

機能説明備考
自立開放構造常時開けておくことが可能換気や避難導線確保に有効
ストッパー付き設計手動で固定状態にできる緊急時に開けっ放しで使用
バッテリー不要の開閉方式荷重式など継続的な開閉が可能

実際に、荷重式ドアを導入した医療施設では、
「停電時でもスタッフや患者が普通に出入りできた」「避難導線として非常に役立った」
という声もあり、災害対応力の高さが選ばれる理由の一つとなっています。


病院の安全対策に求められる自動ドアの機能とは?

要点:
病院の自動ドアには、ただ開閉するだけでなく、患者の安全を守るための「制御機能」「誤作動防止」「開けっ放し設計」など、高度な安全性が求められます。


開閉速度とセンサー感度の最適化

電動式自動ドアの多くは、開閉速度を設定できますが、病院の場合は以下の理由で調整の重要性が高いです:

  • 高齢者や歩行困難な患者にとって、早すぎる閉鎖は危険
  • 通行量の多い時間帯では、開閉頻度によるストレスや誤作動が増える
  • ストレッチャーや医療機器を搬送する際は、長時間開いている必要がある

センサーもまた、過剰な反応(風や小動物に反応)や反応不足(距離が短すぎる)などの問題が発生しやすく、現場にあわせた「感度設定の最適化」が安全性のカギになります。


誤作動防止と挟まれ防止機能

病院では以下のような誤作動・事故のリスクがあります:

リスク内容
センサー誤検知車椅子の一部だけが反応 → 中途半端な開閉
挟まれ事故足元を感知できず閉じる → 高齢者や子どもの危険
片側だけ開く両開きのはずが一方のみ反応 → ストレッチャー通れず危険

これらを防ぐには、

  • 多点センサー(上部+下部)
  • 障害物検知ストップ機能
  • 開放状態キープ機能
    などが重要です。

一方、荷重式のような物理的に人の動きでしか開かない構造は、誤作動の余地がほとんどありません。センサーに依存しないという点で、安全性が逆に高いという評価もあります。


開けっ放しができる設計とは?

近年では「換気」や「動線確保」の観点から、ドアを一時的に“開けっ放し”にできるかも大きな検討要素となっています。

目的なぜ開けっ放しが必要か
感染症対策閉鎖空間でのエアロゾル拡散を防ぐ
避難時導線の確保災害・停電時に安全に脱出できる
混雑時の対応検診日・面会時間帯など一時的な通行量の増加

これに対応できる設計には:

  • 手動でドアを固定するストッパー機構
  • 荷重式の自立開放構造
  • 電動式に追加可能な常開設定モード

などがあります。とくに荷重式は、**電気的制御をせずに「開放状態を維持できる」**という点で、操作がシンプルかつ確実です。


衛生・感染症対策としての自動ドアの考え方

要点:
病院では衛生管理が最重要課題。非接触での開閉や、換気・動線設計といった「感染症対策」としての自動ドアの活用が求められています。


非接触で開くドアの選択肢

コロナ以降、病院に求められるドアの要件は一変しました。
最も大きな変化は「接触を避ける」=非接触の自動開閉です。

方式非接触性備考
電動式(センサー開閉)手を使わず開閉可能。反応範囲調整が重要
タッチレススイッチ手をかざすだけで作動。反応の確実性が課題
荷重式完全非接触ではないが、手で触れず開閉可能(体重をかけて開く)

特に手指衛生を徹底すべき手術室・処置室・感染症病棟の入り口では、センサー式やタッチレススイッチの導入が一般的です。

ただし、タッチレスであっても「電源が止まれば使えない」ことを考慮し、緊急時は手動で開ける方法が確保されているかが非常に重要です。


換気を考慮した「自動ロック解除」の意義

コロナ禍以降、厚労省も「室内の定期的な換気」を感染症対策の基本としています。
自動ドアにおいては、「密閉空間を避ける=ドアの開放制御」がポイントになります。

病院でのドア換気対応の工夫:

  1. 一定時間開放しておく設定(タイマー制御)
  2. 自立開放機構(手動で開けっ放しにできる)
  3. 複数ドアを連動させて一方開放中は片方を閉鎖(エアカーテン対応)

とくに荷重式ドアは、モーターがない分、物理的に常時開放状態にすることが簡単です。

開けたままにしても安全が確保される設計(例えば、片開きにして人がぶつからない位置にロックできる構造など)が整っていれば、空調を効かせながらも空気の滞留を防ぐという両立が可能になります。


空調や導線と連動した制御の工夫

自動ドアを導入する際、つい見落とされがちなのが「建物全体の空調・導線設計との整合性」です。

  • 冷暖房と連動して、不要な開閉を防ぐ(省エネ対策)
  • スタッフと患者の動線を分離する(感染拡大を防止)
  • トイレや処置室では片方向開閉などの制限を設ける

これらは建築設備との連携が必要ですが、ドア自体の制御性(開閉のスピード、感度、常開可否)が鍵となります。

また、頻繁な消毒作業を想定し、表面がフラットで洗いやすい素材の採用も重要です。
近年では抗菌仕様や抗ウイルス仕様のドア素材も登場しており、より高度な衛生設計が可能になっています。


導入コスト・維持費・メンテナンスの違い

要点:
自動ドアの導入を検討する際には、「初期費用」だけでなく「故障頻度」「保守コスト」「電気代」など、長期的なランニングコストまで見据えた比較が必要です。


初期費用と設置工事のボリューム感

病院で使われる自動ドアの設置には、次のような初期費用がかかります:

項目電動式荷重式
本体価格高め(40万〜70万円)比較的安価(25万〜50万円)
工事費電源工事・配線が必要壁面補強程度で済む
工期長め(1〜3日)比較的短い(半日〜1日)

※金額は設置場所や仕様によって異なります。

電動式は利便性が高い一方で、設置の手間とコストが大きくなりがちです。特に既存建物への後付けやリプレイスでは、「電気工事の可否」や「通電配線の取り回し」が課題になります。


故障頻度と修理・部品交換の手間

電動式自動ドアの構造は複雑であり、故障要因も多岐に渡ります:

故障要因説明
センサーの誤作動汚れ・雨水・照明の影響など
モーターの摩耗長期使用による劣化
配線トラブル老朽化による断線など
制御基板のエラー雷やノイズ、静電気で異常作動することも

これに対し、荷重式は

  • 電気部品ゼロ
  • 機械的な開閉機構のみ
  • パーツ数が少ない

という特徴から、「壊れにくさ」「修理のしやすさ」で非常に高い信頼性があります。


長期的なコスト比較(電気代・保守費用)

項目電動式荷重式
電気代月数百〜千円程度(常時稼働)0円
保守契約年額2〜5万円が相場契約不要なケースも多い
部品交換数年ごとに必要(センサー・モーター)数年〜10年近く交換不要

電動式は「動いて当然」な機能が多い反面、その分、定期的な点検や保守契約が不可欠です。
一方、荷重式は構造が単純な分、自主管理で済むことも多く、公共施設や予算制限のある病院に適しているとされています。


【適ドア適所】病院に最適な自動ドアとは?

要点:
病院内にはさまざまな出入口があり、それぞれに求められる条件が異なります。ドアを“統一する”のではなく、“使い分ける”ことが、最も安全かつ効率的な選び方です。


出入口ごとの使い分けが重要な理由

病院という施設は、単に「出入りする場」ではなく、患者・医療従事者・搬送機器・家族・救急など、多様な人と用途が交差する場です。
そのため、「すべての出入口に同じタイプの自動ドアを入れる」のは合理的ではありません。

出入口の種類主な利用者ドアに求められる特性
正面玄関患者・来院者・車椅子高い安全性・バリアフリー・停電時対応
病棟入り口スタッフ・患者感染対策・セキュリティ性
トイレ高齢者・介助者プライバシー・開けやすさ・安全開閉
裏口・搬入口スタッフ・業者搬送しやすい広さ・耐久性
検査室・処置室医療従事者非接触開閉・静音性

このように、場所によって「必要な機能」が全く異なります。


正面玄関・裏口・病棟出入口・トイレでの最適選定

以下は、病院でよく見られる場所ごとの自動ドアの最適な選び方の一例です。

場所推奨ドアタイプ理由
正面玄関荷重式スライドドア or 電動式+自立開放停電時対応・開けっ放し対応・高齢者対応
病棟入口タッチレス電動式 or 手動開閉+センサー制御非接触・感染防止・夜間施錠
トイレスイング型荷重式 or 電動スイングドア少スペース対応・バリアフリー・挟まれ防止
裏口手動ドア+ストッパー or 頑丈なスライド式搬送機器・ストレッチャーに対応
処置室・検査室タッチレス式ドア(センサーor足元スイッチ)手指衛生確保・静音・迅速開閉

「電動一択」ではなく視野を広げる選び方

従来の自動ドア選定は「電動か否か」しか軸がありませんでした。
しかし、以下のような新しい判断基準が重要です:

  1. 停電・災害に強いか?
  2. 利用者の動作に負担がないか?
  3. コストと維持管理のバランスは取れているか?
  4. 換気・感染対策への対応ができるか?
  5. 場所に応じて機能が最適化されているか?

これらを満たすには、「すべて電動」でもなく、「すべて手動」でもなく、場所に応じて最適な方式を使い分ける=適ドア適所の思想が最も合理的です。


【適ドア適所】にそった「まとめ」

病院における自動ドアの選定は、単なる“出入口の便利化”ではなく、患者の命と安全、そして医療提供体制の質に直結する重要な判断です。

本記事で扱ったポイントを整理すると、以下のようになります:

  1. 自動ドアの種類と特徴を理解する
     電動式・荷重式・タッチレス式など、仕組みによる違いと適応性を把握。
  2. 停電や災害時の対応力を重視する
     電源不要の荷重式は、非常時でも作動する安全な選択肢。
  3. 病院特有の安全要件に合致する設計を選ぶ
     誤作動防止、開閉速度、挟まれ防止、開けっ放し対応など。
  4. 衛生・感染症対策にドアも一役買う設計にする
     非接触開閉、換気可能な構造、動線設計との連携。
  5. 費用は初期費用だけでなく、10年スパンで考える
     電気代・メンテナンス・部品交換も含めたトータルコストで比較。
  6. 出入口ごとに“最適な方式”を採用する
     正面玄関・病棟・トイレなど、それぞれに合ったドア選定をすることで、安全性とコストの両立が可能に。

電動自動ドアだけが正解ではありません。
状況によっては、シンプルで壊れにくく、停電時にも確実に動く荷重式ドアのような選択肢の方が、病院にとって“本当に強いドア”になりうるのです。


出典情報(参考資料一覧)

  • Newtonプラス社「Newtonドア」製品資料
  • 『NドアFAQ』内部資料
  • 『Nドア顧客セグメントと導入事例』
  • 『Nドア(チラシ)マンション・自治体編』
  • 『Newtonドアの安全性検証とJIS規格整合性』
  • https://newton-plus.co.jp (公式サイト)
  • Google検索結果(SERP)/People Also Askの内容分析

【荷重式自動ドア】Newtonドアの資料請求はこちらから→https://76auto.biz/newtonplus/registp/p-offer.htm

【荷重式自動ドア】NewtonドアのYoutubeチャンネルはこちらから→https://www.youtube.com/@newton_plus

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