自動ドアから「キュルキュル…」「ギギギ…」といった異音が聞こえてきたとき、私たちは何をすればよいのでしょうか?
多くの人は「故障かも」と直感的に感じつつも、「どの部品の問題なのか」「修理が必要なのか」までは判断がつかず、不安な気持ちを抱えたまま日常を過ごしています。

この記事では、特に「ベルト」が原因かもしれないと感じている方に向けて、異音の種類、放置のリスク、確認のポイント、相談のしかたまでを丁寧に解説します。


目次(このページの内容)

自動ドアの異音、よくあるのはどんな音?

結論:異音には種類があり、それぞれ異なる原因があります。ベルトの異常は「すれる音」や「滑る音」として現れやすいです。

異音が出ていると気づいたとき、まずは「どんな音がしているか」に注目してください。異音の種類によって、原因となる部品やメンテナンスの必要性が変わります。

要点:音でおおまかに原因を絞り込む

以下は、現場でよく聞かれる異音の例と、考えられる原因です。

音の種類よくある表現主な原因例
キュルキュル音タイヤのようなすれ音ベルトの滑り・摩耗
ギーギー音鉄がこすれるような音レールの摩耗・潤滑不足
ゴトゴト音段差を超えるような音ローラーの劣化・異物混入
ブーッ音モーター音が続くセンサー異常・制御トラブル

とくに「キュルキュル」「ヒュルヒュル」などの音が、ドアの開閉時に発生し、タイミングが一貫している場合は「ベルト系の異常」の可能性が高まります。

根拠:自動ドアの基本構造とベルトの役割

自動ドアの開閉は、モーターの力を「ベルトを介してスライド機構に伝える」ことで実現しています。つまり、ベルトは駆動力を伝える非常に重要な中間部品であり、長期間の使用による

  • 摩耗
  • 緩み
  • 表面のひび割れ
    などが発生すると、摩擦音や滑り音として「異音」という形で現れるのです。

注意点:ベルトがすべての異音原因ではない

ベルトが原因でない場合もあります。異音が発生している場所が「下部レール」や「戸車(ドアの下の滑車)」だったり、単なる潤滑不良だったりするケースもあります。
そのため、音の種類とともに「音がどこから出ているか」「どのタイミングで出るか(開けるとき・閉じるとき)」を観察しておくことが大切です。


ベルトが原因かどうかは、どこで判断できる?

結論:異音がドアの上部(モーター・ベルト周辺)からしており、ドアの動きと連動している場合は、ベルトが原因である可能性が高いです。

異音が聞こえるとき、何が原因なのかをすぐに特定するのは簡単ではありません。しかし、以下のような観察ポイントを確認することで、ベルト由来の異常かどうかをある程度判断できます。


手順:ベルト異常の判断ポイント【チェックリスト】

  1. 音がドア上部から聞こえるか?
     → 自動ドアの駆動ベルトは、ドア上部のモーター横に設置されています。
  2. 開閉の動きに合わせて音が発生しているか?
     → ベルトは開閉動作のたびに稼働します。連動して異音が出る場合は関連性が高いです。
  3. 「キュルキュル」「ヒュルヒュル」といった高音か?
     → 金属音や重低音よりも、軽いすれ音や滑り音が特徴です。
  4. 使用頻度が高い出入口か?
     → ベルトは消耗品です。来客が多く頻繁に開閉する場所では劣化が早まります。
  5. 最近メンテナンスを受けていないか?
     → 1年以上点検をしていない場合、ベルトの張力調整が必要なこともあります。

解説:張力と摩耗が異音のもとになる

自動ドアのベルトは、ゴム系や樹脂系の素材でできており、一定の張力でモーターにテンションをかけています。この張力が

  • 緩んでいる
  • 劣化して部分的に滑っている
    といった状態になると、ベルトがスリップしたり、異常な摩擦が発生したりして異音が出ます。

また、テンショナー(張力を自動調整する装置)が不具合を起こしている場合にも、似た症状が現れます。


注意点:音だけで100%の断定はできない

最終的な判断は、専門業者による点検が必要です。
なぜなら「ドア上部から音がしているように聞こえても、実は下部の戸車の異常だった」というようなケースもあるからです。

つまり、ここで紹介したチェックは「ベルトの異常の可能性が高いかどうかを見極めるための予備判断」として活用してください。


放っておくとどうなる?重大なリスクとは

結論:ベルト異常を放置すると、突然の停止や事故につながる可能性があり、特に利用頻度の高い施設では大きなトラブルに発展しかねません。

ベルトが異音を出しているということは、摩耗や張力の不具合が進行している状態です。このような兆候を無視して放置した場合、次のようなリスクが生じます。


根拠:放置で起こる主なトラブルとその影響

トラブルの種類具体的な影響
ベルト切れドアが開かない・閉まらない、完全停止
ベルト滑りドアの動きがガクガクする、開閉しきらない
モーターへの負荷増加駆動部品の焼き付きや故障、高額修理につながる
安全装置の誤作動人が通過中にドアが閉まるなど、安全性の低下
センサーとの連動異常ドアの反応が遅くなる・予期せぬ動作

とくに、病院・福祉施設・学校など「自動ドアの信頼性が人の安全と直結する」施設では、上記のようなトラブルは重大な事故につながる可能性があります。


事例紹介:異音を放置した結果…

あるオフィスビルで、「毎朝だけ異音がするが、すぐ止まるから大丈夫」と放置していたところ、1ヶ月後に完全停止。ちょうど朝の出勤ラッシュ時で、従業員が手動でドアを開ける必要が発生しました。

管理者にとっては「軽視していた音が、突如業務支障をもたらすトラブルになった」と痛感した事例です。


解説:ベルトは消耗品、予防保守が鉄則

多くの自動ドアメーカー・保守業者は「ベルトは定期的な張り調整または交換が必要」と明示しています。
ベルト異常は「小さな異音」から始まるため、早期の段階で対処すれば、

  • 調整のみで済む
  • 故障部品の交換コストを最小限に抑えられる
    というメリットもあります。

相談すべき相手は?管理者と業者の役割

結論:まずは「施設の管理者」または「保守契約の有無を知っている窓口」に相談すべきです。保守契約があれば、業者に直接連絡するのではなく、管理ルートを通じて対応するのが原則です。

異音に気づいても「誰に言えばいいのか分からない」と感じる方は少なくありません。特にビルのテナント・従業員・住人といった立場では、自動ドアの所有・契約関係が自分の責任範囲にないこともあります。


手順:相談先の判断フロー

  1. 施設の受付・管理人に連絡
     → マンションや公共施設などの場合は、まず管理人・受付が窓口になります。
  2. 管理会社に確認(または通報)
     → 建物の管理会社が自動ドア保守業者との契約を持っているケースが一般的です。
  3. 保守点検の契約内容を確認
     → 年間保守契約がある場合、異音があればすぐ点検対応してもらえることが多いです。
  4. 契約業者が明確な場合は指名で依頼も
     → 大型ビルや施設では「〇〇自動ドアサービス」といった専任業者があるケースも。
  5. 記録を残す(日時・音の種類・使用状況)
     → 再発や対応履歴のために、異音の発生時間・状況をメモしておくのが効果的です。

注意点:直接業者に依頼するとトラブルになるケースも

管理会社を飛ばして個人判断で業者に依頼した場合、以下のような問題が生じることがあります:

  • 保守契約の保証対象から外れてしまう
  • 二重対応や指示の混乱を招く
  • 費用の負担先が曖昧になり、トラブルに発展

そのため、「まずは管理ルートを通して確認・依頼する」が鉄則です。


解説:Nドア導入施設でも、保守ルートが重要

Newtonドアのような荷重式自動ドア(Nドア)でも、構造はシンプルですが、ベルトが使われている場合は同様に定期点検が推奨されます。
導入後は「点検契約」または「保守対応ルートの明文化」がされているため、必ずそのルートに従うことが大切です。


点検・修理の流れと、ベルト交換が必要な場合の目安

結論:異音がある場合は、まず点検で状況を把握し、ベルトに摩耗や緩みが見られれば、調整または交換を行う。交換の目安は3〜5年に1回が一般的です。

「この異音、修理しなきゃいけないの?」「交換ってすぐに必要?」
と迷ったときは、点検を通じて状態を正しく評価するのが第一歩です。


手順:自動ドアのベルト点検と修理の流れ

  1. 点検の申し込み(または定期点検の実施)
     → 年間契約をしていれば、定期点検の際に異音の発生を伝えればOK。
  2. 開閉動作の確認と音の発生箇所チェック
     → 専門技術者が、動作状況・音の種類・ドア内部の状態を調査します。
  3. ベルトの摩耗・損傷・張力のチェック
     → 表面の劣化、歯飛び、テンション不足などがないかを確認。
  4. 調整 or 交換の判断
     → 軽微な場合はテンション調整のみ。摩耗が進んでいれば交換が提案されます。
  5. 部品手配と作業日の設定
     → 即日対応が可能な場合もありますが、多くは後日再訪での交換になります。

交換の目安:どのくらいでベルトは交換すべき?

利用状況交換の推奨時期
通常のオフィス・店舗3〜5年
商業施設(高頻度)2〜3年
医療機関・公共施設年次点検で状態次第(早期交換多め)

ベルトはゴム素材であるため、使用頻度が高い場所では想定よりも早く劣化します。逆に低頻度の場所でも「経年劣化」でひび割れ・硬化が進むため、使用頻度と年数の両方で評価することが重要です。


費用感:ベルト交換の費用目安

  • ベルト調整のみ:1〜2万円前後(出張費含む)
  • ベルト交換(一般タイプ):3〜5万円前後(作業・部品込み)
  • 高耐久仕様・特殊部品:5万円以上の場合もあり

※契約内容やメーカーによって異なります。保守契約内で無償対応される場合もあります。


【用途別】異音対応の優先順位と判断ポイント

結論:自動ドアの異音対応は、「用途」と「安全性の影響度」によって優先順位が変わります。人の流れや安全性が最優先される場所では、異音が小さくても即点検が基本です。

「ちょっと音がするだけだから、急がなくてもいいか…」
そう思っていると、施設の性質によっては思わぬトラブルを引き起こしかねません。

ここでは、施設の用途ごとに「異音対応の優先度と判断軸」を整理します。


比較表:施設別の対応優先度

施設タイプ対応の優先度理由・判断軸
医療機関・福祉施設◎ 最優先緊急搬送・高齢者対応。安全確保が最重要
商業施設(スーパー等)○ 高混雑時の安全、顧客満足、クレーム防止
教育施設(学校等)○ 高子どもの安全配慮。保護者対応も必要
オフィスビル△ 中従業員の安全+日常業務への影響
集合住宅(マンション)△〜○居住者の日常利用の信頼性維持
倉庫・バックヤード△ 低業務上支障が出なければ緊急性はやや低い

解説:なぜ施設ごとに優先度が違うのか?

自動ドアは「人が出入りする境界」を管理する設備です。
その役割が単に「出入り口」で済む場所と、「命を守るインフラ」として求められる場所とでは、信頼性に求められる水準がまったく異なります。

とくに医療施設では、救急搬送や車椅子の通行など、ドアの1秒の遅れが命取りになる場面があります。異音が少しでもあるなら、即点検・記録という対応が求められます。


要点まとめ:優先順位と対応タイミングの目安

  1. 「人命に直結する場面」があるか?
  2. 「利用者の年齢や特性」に配慮が必要か?
  3. 「混雑や滞留」が想定されるか?
  4. 「トラブル時の代替手段」があるか?

これらを基準に、異音がした時点で即点検すべきか/経過観察でよいかを判断できます。


【適ドア適所】にそった「まとめ」

自動ドアの異音、それも「キュルキュル」「ヒュルヒュル」といったベルト由来かもしれない音に気づいたとき、私たちがまずすべきことは、「それを放置していいのか、確認すべきなのか」を冷静に判断することです。

この記事でお伝えしたように、

  • 異音の種類と発生箇所を観察することで、おおよその原因を予測でき、
  • ベルトの異常は、摩耗や張力の不具合によって現れることが多く、
  • 放置すれば停止や安全装置の誤作動など、深刻な影響をもたらす可能性があります。

しかし、重要なのは**「施設の役割」や「利用者の特性」に応じて、どの程度の緊急性をもって対応すべきかを判断すること**です。

これは、Newtonドアの哲学である「適ドア適所」の視点そのものです。
つまり、「すべてのドアに同じ対応をすればいい」のではなく、「その場所・その利用者にふさわしいドア管理とは何か?」を問い直すことが、本質的な安全と安心につながるのです。


出典一覧(参考文献・基準)

  • 一般社団法人 日本自動ドア協会「自動ドア保守ガイドライン」
  • Newtonプラス社「NドアFAQ」「Nドア導入事例と顧客セグメント資料」
  • メーカー各社の自動ドアメンテナンス資料(ベルト部品の交換周期等)
  • 現場技術者インタビュー・報告書(異音事例と保守履歴)

【荷重式自動ドア】Newtonドアの資料請求はこちらから→https://76auto.biz/newtonplus/registp/p-offer.htm

【荷重式自動ドア】NewtonドアのYoutubeチャンネルはこちらから→https://www.youtube.com/@newton_plus

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