自動ドアが開かない──この現象は、よくあることです。しかし、「なぜか自分だけが開けてもらえない」となると、話は変わってきます。他の人がスムーズに通り抜けているのに、自分のときだけ無反応。こんな状況が続けば、不安や恥ずかしさ、時には「自分のせい?」という疑念まで抱えてしまうかもしれません。

この記事では、そんな「自分だけ反応しない」問題に、冷静かつ丁寧に向き合います。最初にやるべきチェック項目から、センサーの動作原理、さらには人間側の行動が影響しているケースまで、ステップを踏んで解説していきます。

読み終えるころには、「なぜこの現象が起きるのか」が明確になり、「自分で確認する方法」「対応の目安」「見落としがちな選択肢」まで見えてくるはずです。


目次(このページの内容)

自動ドアが“自分だけ開かない”…どんな状況ですか?

「なぜか自分のときだけ、自動ドアが開かない」──この現象は、心理的なショックもあり、少し大げさに感じるかもしれません。しかし、実際には多くの人が一度は経験することのある、ありふれたトラブルでもあります。

手順:まずは「現象の整理」から

  • 本当に“自分だけ”なのか?
     他の人が直前に通ったから開いたように見えただけかもしれません。タイミングのズレが誤解を生むケースもあります。
  • 特定の場所・時間帯でだけ起きている?
     朝だけ、夜だけ、あるいは店舗の一部出入口だけで起きているなら、環境条件が影響しているかもしれません。
  • 他の人では問題なく開いているか?
     同じように通っている他の人がスムーズに開いているなら、自分の動きや位置に原因があるかもしれません。

根拠:心理的な「自分だけ」感覚の影響

実際、こうした現象は一度意識してしまうと、「また起きた」「また無視された」というように、過剰に気になってしまう傾向があります。
しかしその一方で、本当に“特定の人”に反応しにくい状態がセンサー側で発生することもあり、気のせいと決めつけてしまうのも危険です。


まずやるべき!現場でできる初期チェックリスト

まず、現場で自分で確認できる範囲をしっかりチェックしましょう。以下は、自動ドアが自分だけ反応しないときに、最初に見直すべきポイントです。

手順:5つのチェックポイント

  1. 電源・動作モードの確認
     → ドア自体の電源がオフ、または手動モードになっていないか?誤ってモード切替スイッチに触れている可能性もあります。
  2. センサーの汚れ・遮蔽物
     → 上部や側面にあるセンサーがホコリ、雨滴、虫の死骸などで覆われていないか。乾いた布などでそっと拭いてみましょう。
  3. センサーの角度と位置
     → 何らかの理由でセンサーがズレていると、“通るべき位置”を見逃す可能性があります。ぐらつきや傾きがないか確認を。
  4. 周囲の光・反射の影響
     → センサーが誤作動を起こしやすいのは、強い直射日光、照明の反射、鏡面ガラスなど。環境が変わったタイミングで異常が始まったなら要注意。
  5. 歩行位置・速度・姿勢・服装の影響
     → センサーの種類によっては、動きが遅すぎる・早すぎる、衣服が黒系で赤外線を吸収するなど、反応しづらい条件が存在します。

要点:この時点で「異常」が見つかればラッキー

これらのチェックで何らかの「これかも」が見つかれば、問題は軽度です。専門業者に頼む前に改善できる可能性があります。


“自分だけ反応しない”原因は大きく2つ

自動ドアが特定の人だけに反応しない──この現象には、大きく分けて「機械側の要因」と「人間側の要因」の2つがあります。

要因①:機械側の問題(センサー・制御・劣化)

  • センサーの故障や劣化
     長年使用されたセンサーは、感度が落ちることがあります。とくに、赤外線やマイクロ波のセンサーは、誤作動防止のために感度を下げる設定になっていることもあり、“ギリギリのライン”で反応しない状況が生まれやすくなります。
  • 制御基板の異常
     センサーが人を検知しても、その信号がドアの駆動部に届かなければ意味がありません。制御基板や内部の配線トラブルも、意外と多い原因です。
  • センサー角度のずれや設置ミス
     とくに設置工事のあとに不具合が起きやすいのがこのケース。わずかな角度の違いが、反応範囲をずらしてしまいます。

要因②:人間側の見え方(位置・動き・服装)

  • センサーが“人間”として認識しにくい状態
     自動ドアのセンサーは、「動く物体」や「熱源」を基準に判断しています。そのため、体の向きや通る位置、速度、衣服の素材や色によって、認識しづらくなることがあります。
  • 歩行パターンの違い
     センサーの“反応閾値”は、想定された動き方に基づいて設定されています。猫背、カバンを抱えた姿勢、斜めから接近、ゆっくり歩く・立ち止まる──こうした“パターン外”の動きは、検知されにくくなる原因に。

注意点:「他の人は開く=正常」とは限らない

他人には反応するけれど、自分にはしない。こうなると「自分だけがおかしいのでは?」と感じがちです。しかし、これは**「ギリギリの設定」「センサーの偏り」によって、“ある一定の動き方や条件”でしか反応しない状態になっている**だけかもしれません。

このような現象は、“見えにくい異常”のサインとも言えます。


センサーはどうやって“人”を認識しているの?

では、自動ドアのセンサーは一体どのように「人が来た」と判断しているのでしょうか?その仕組みを知ることで、なぜ「自分だけ反応しない」が起きるのかも理解しやすくなります。

検知方式:赤外線式とマイクロ波式

方式特徴弱点
赤外線式人体の“熱”を検知。静止していても熱源として反応黒い服やガラス越しでは反応しにくいことがある
マイクロ波式動いている物体の“動き”を検知。反応範囲が広いゆっくり歩く人や止まっている人には反応しないことも

※実際の自動ドアでは、両方式を組み合わせた「複合センサー」も使われます。

原理:反応範囲と反応閾値(しきい値)

センサーは、以下のような設定で動いています:

  • どこまでの範囲を検知するか(角度・距離・高さ)
  • どのくらいの変化量で“人が来た”と判断するか

つまり、「反応する/しない」はセンサーの“見える範囲”と“感度の設定”次第。だからこそ、

  • いつもと違う位置から近づいた
  • 靴音が静かすぎた
  • 背景と同化してセンサーに映らなかった

という、ちょっとした違いで“自分だけ開かない”現象が起きてしまうのです。


自分でやれること/業者に任せるべきライン

自動ドアが“自分だけ反応しない”とき、全てを業者に任せる前にできることがあります。しかし、やみくもに触ったり、設定をいじったりすると、かえって故障や事故の原因にもなりかねません。

ここでは、「自分でできること」と「業者に相談すべきライン」を明確に分けて解説します。

自分でできること:ここまでは試してOK

  • センサー部分の清掃(乾いた布で軽く拭く)
  • 動作モード(手動⇔自動)切り替えスイッチの確認
  • センサーの位置・角度の目視確認(ズレや破損がないか)
  • 通る位置・歩くスピード・姿勢を変えてみる

これらは、工具や専門知識を必要とせず、安全に行える範囲です。
たとえば「センサーに蜘蛛の巣がかかっていた」というケースもあり、清掃だけで解決することもあります。

やってはいけないこと:リスクが高すぎます

  • センサーの感度設定や基板への操作
  • 制御盤・分電盤の開封
  • モーター・駆動部に直接手を入れる行為
  • ドアを強引に押して動かす・こじ開ける

これらは、漏電や機械損傷、感電事故、さらにはドアの永久故障につながる危険があるため、絶対に避けるべきです。

業者に相談すべきサイン

症状相談の目安
センサー清掃・角度調整しても改善なしセンサー自体の異常・制御系トラブルの可能性
ドアが異常音を立てる・重く動く駆動部の劣化や故障の可能性
他の人にも反応しづらくなっているセンサー感度低下・全体の寿命サイン
設置環境が変わった(ガラス・照明など)センサー方式の“相性ずれ”が起きている可能性

「明らかに機械がおかしい」と断定できなくても、“以前と違う”という感覚が続く場合は、点検のサインです。
早めの相談が、事故や大きなトラブルを防ぐことにつながります。


【適ドア適所】環境とセンサーの相性がズレていませんか?

ここまでで「人の動き」や「センサーの原理」について詳しく見てきました。
最後にもう一つ、見逃されがちな“設置環境との相性”について解説します。

根拠:反応精度は「周囲環境の条件」に左右される

自動ドアが適切に動作するには、センサーが「正しく人を検知」できる環境が必要です。
しかし、以下のような要素があると、センサーの反応が極端に不安定になることがあります。

設置環境の条件センサーへの影響
直射日光が当たる出入口赤外線センサーの誤検知・無反応
鏡面仕上げ・光沢タイルの床光の反射で認識ミスを起こすことがある
スモークガラスや色付きガラス熱検知の遮断・誤反応
近接した照明器具やセンサー干渉複数の電波や光がぶつかって誤作動を誘発

これらの環境要因によって、「一部の人だけに反応しない」状態が起こる可能性が十分あります。

解決策:「ドアの仕組みそのもの」を見直すという選択

ここまでの内容を踏まえると、「電気式センサーがそもそも合っていない」場所も存在します。
そんなときに知っておきたいのが、**荷重式のような“電気に頼らない自動ドア”**の存在です。

たとえばNewtonドアでは、人が床を踏むとその荷重で開く──という原理により、センサーのような環境依存がほとんどありません。
静電気や赤外線に悩まされることもなく、「誰が通っても」「確実に」反応するという、別の安心感があります。

これは売り込みではなく、“適ドア適所”=設置環境に応じてドアの方式を選ぶ視点として非常に大切な考え方です。


よくある質問(FAQ)


Q: 自動ドアが開かないとき、すぐに業者を呼ぶべきですか?
A: センサーの汚れやモード切替ミスなど、簡単な原因であることも多いです。まずは自分で「5つのチェック項目」を確認してから判断しましょう。


Q: 他の人では開くのに、自分のときだけ開かないのはなぜ?
A: 服の色、歩き方、姿勢、センサーの反応範囲などが関係することがあります。センサーの仕組みと自分の通過方法を見直してみましょう。


Q: 黒い服を着ていると反応しにくいって本当?
A: 赤外線センサーの場合、黒色は赤外線を吸収しやすく、検知が難しくなることがあります。特に冬場は要注意です。


Q: 自動ドアのセンサーに種類があるんですか?
A: はい。主に赤外線式とマイクロ波式があり、それぞれ反応する仕組みが異なります。組み合わせた複合センサーもあります。


Q: 通るときに立ち止まると反応しないのはなぜ?
A: マイクロ波センサーは“動き”を検知します。静止状態では反応しないため、ゆっくりでもいいので動き続けることが大切です。


Q: センサーの故障かどうかを見分ける方法は?
A: 他の人にも反応しにくくなっていたり、異音・遅延・反応ムラがある場合は、センサーや制御系に不調があるサインです。


Q: 自動ドアが反応しにくくなる環境ってあるんですか?
A: 直射日光、反射の強い床材、照明干渉など、設置環境によって誤作動や無反応が起きるケースがあります。


Q: 自動ドアのセンサー感度は調整できますか?
A: 一部の機種では可能ですが、調整には専門知識が必要です。無理にいじらず、業者に依頼しましょう。


Q: 荷重式のドアってどんな仕組みですか?
A: 人が床を踏むとその重さでドアが開く方式です。センサーや電気に依存しないため、反応ミスがほとんどありません。


Q: 自動ドアが「自分だけ反応しない」ことは、よくある現象ですか?
A: 実はかなり多い相談です。珍しいことではありませんので、冷静に原因を整理して対応すれば大丈夫です。


【適ドア適所】にそった「まとめ」


自動ドアが「自分だけ反応しない」と感じたとき、
まずは冷静に、以下の流れで対処しましょう。


✅ ステップ1:現象の整理

・「本当に自分だけ?」と客観的に観察
・時間帯・位置・姿勢など条件を変えて試す

✅ ステップ2:初期チェック5項目

・センサーの汚れやズレ
・電源や動作モード
・環境光や反射など

✅ ステップ3:自分とセンサーの相性を考える

・歩行速度や姿勢・服装・体格の影響
・検知方式とのマッチング(赤外線 or マイクロ波)

✅ ステップ4:対処の線引き

・自分で対応できる範囲か
・業者に相談すべきレベルかを判断

✅ ステップ5:仕組みごとの選択肢を知る

・電気式センサーが合わない環境には
 荷重式など「別の仕組みのドア」も検討価値あり


自動ドアのトラブルは、「ドアの不具合」と決めつけず、
「場所・人・使い方・仕組み」の全体で考えることが大切です。

そして何より、自分を責めないでください。
この現象はよくあることです。
そして、誰でも安心して通れるドアを選ぶ方法は、必ずあります。


📝【出典一覧】

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