自動ドアは、現代の建物において当たり前の存在となっています。特に商業施設やマンション、公共施設では、自動で開閉する便利さが当然視されていることも少なくありません。
しかし最近、「自動ドアをやめたい」「自動ドア、必要ないのでは？」という声が少しずつ増えてきています。きっかけは、故障の頻発、維持費の高さ、誤作動による不便さ、あるいは施設の使い方の変化など、さまざまです。
では、自動ドアは「やめられる」のでしょうか？やめることでどんな影響があるのでしょうか？
この記事では、自動ドアを「やめたい」と思った方が、実際にどう行動すればよいのか、どんな点に注意すべきなのかを専門的に解説します。
費用、安全性、法的観点からの注意点までを整理し、やめる前に「本当に最善なのか？」を落ち着いて考えられる情報をまとめています。
目次（このページの内容）
自動ドアは「やめられる」のか？
結論：自動ドアをやめることは可能ですが、単に「電源を切る」だけではすまないケースがほとんどです。
要点：
- 自動ドアは構造的に「自動動作を前提」として設計されている
- 電源オフ＝安全停止ではない（むしろ危険）
- やめる場合は「停止」ではなく「安全な転換」が必要
根拠：やめることができるが、「止めるだけ」はリスクあり
自動ドアには、モーター・センサー・コントローラー・安全装置が一体化されています。これらは「動く前提」で設計されており、単に電源を切って「手動で開け閉めする」ような運用は、非常に危険です。
たとえばスライド式の自動ドアを無理に手動化すると、以下のようなリスクが発生します：
- 扉が途中で引っかかる
- レール部に異物が入ってケガの原因になる
- モーター部品が負荷で破損し、破片飛散の可能性
- 緊急時にスムーズに開かない＝避難経路妨害になる
法的にはどうか？
日本国内では、自動ドアそのものの「使用義務」はないものの、**安全性確保義務（設置者責任）**と、**緊急時の避難性能確保（建築基準法・消防法）**があります。
そのため、「とりあえず止めて放置する」ことは、万が一事故が起きた場合に管理者の責任が問われる可能性があります。
結論的なポイント
「自動ドアはやめられるか？」という問いには、「やめられる。ただし、安全と法的要件を満たす『正しいやめ方』をしないと大きなリスクを生む」という答えになります。
この記事ではこの後、「なぜやめたくなるのか？」「やめるにはどうすればいいのか？」という疑問に対して、段階的にわかりやすく解説していきます。
みんななぜ「やめたい」と思うのか？
要点：多くの人が「便利なはずの自動ドアにストレスを感じている」からこそ、「やめたい」と思い始めます。その背景には、コストや故障、安全リスクなど多様な事情があります。
1. 維持費や保守コストの負担が大きい
自動ドアの導入後、見過ごされがちなのが「保守契約費」「定期点検費用」「部品交換コスト」です。
特に老朽化した機器は、年に数回の故障やメンテナンスが必要になることがあり、それが長期的なランニングコストとして重くのしかかってきます。
例：
- 年間保守契約費：3〜8万円
- モーター部品交換：5万〜10万円
- 故障時の緊急対応：別途出張費が発生
→ これらを合計すると、10年で数十万円単位の維持費になることも。
2. 誤作動や故障の頻発にストレスを感じる
高頻度で開閉する施設では、自動ドアのセンサーやモーターにかなりの負荷がかかります。
結果として、以下のようなトラブルが発生しがちです：
- 開かない／閉まらない（センサー感知不良）
- 勝手に開き続ける（感知範囲の誤認）
- 大きな音や衝撃が発生する（部品劣化）
- 通行者に接触する（安全センサー機能低下）
故障が多いと、利用者からのクレーム対応も増え、管理者の精神的な負担にもつながります。
3. 「便利さ」より「不便さ」が勝ってしまう状況
意外と多いのが、「自動ドアなのに、かえって面倒」という声です。
よくある声：
- センサーの位置が合わず、反応が遅い
- 一人しか通らないのに毎回全開する
- ちょっとの用事で近づくだけでも開く
- 手動で開け閉めした方が早いと感じる
こうした違和感が積み重なると、「わざわざ自動にする意味ってあるのかな？」という疑問につながります。
4. 建物の使い方が変わった／自動ドアが合わなくなった
導入当初は商業施設だったが、今はオフィス利用になった、あるいは住宅に用途転換したなど、施設の目的や利用者層が変わった場合にも、「もう自動ドアじゃなくてもいいのでは？」という発想が生まれます。
また、リフォームや改修工事のタイミングで、デザイン的に合わなくなった、扉周辺の構造に合わないというケースも。
まとめ：やめたくなる理由は「不一致」にある
自動ドアが「使われ方」「人の動き」「空間の設計」と一致しなくなったとき、人は“やめたくなる”。
こうした理由を明確に言語化することで、次に進むべき判断が見えてきます。
やめるときに必要な作業・工程とは？
要点：自動ドアをやめるには、電源を切るだけでは済まず、構造上・安全上・法規制上の多面的な手続きが必要です。
1. 電源を切るだけでは危険｜適切な「機能停止」の方法
よくある誤解が、「ブレーカーを落とせば済む」というもの。
実際には、モーターやコントローラー部に通電がない状態での物理操作は、ドアを破損させるリスクが高いのです。
正しい停止方法の一例：
- コントローラーの設定で「フリー開放モード」などに変更（対応機種のみ）
- 制御盤内部で「自動⇔手動」の切り替えを行う
- センサーをオフにして開きっぱなしにする設計
※これらの作業は、必ず専門業者に相談する必要があります。
2. 自動ドアから手動ドアへの物理的転換
やめる際に多くの人が検討するのが、「手動ドア化」です。
しかしこれは「構造の作り替え」に近い作業になります。
可能なパターン：
| 現在のドア | 変更可能な形態 | 特記事項 |
|---|---|---|
| スライド式自動ドア | 手動スライド式 | レールの調整、モーター撤去が必要 |
| スライド式自動ドア | 開き戸 | 枠ごと入れ替えるケースが多い |
| 引き戸（非自動） | 常時開放化 | 開けっぱなし固定対応も可 |
こうした変更は「ドア枠の強度」や「壁面との一体構造」によって可否が分かれるため、現場調査が不可欠です。
3. 安全性と避難ルートの確認
建築基準法や消防法では、「建物の出入り口」に対して避難経路や非常時の開放性が求められています。
そのため、単に自動機能を止めた結果、避難時にドアが開かなくなる構造になってしまっては違反となります。
対応策：
- 扉に「脱出バー」などの避難開放機構を設置
- 停電時・火災時でも開放される構造（非常開放装置）を残す
- 自動ドアの一部を「手動開閉可」として改造する
特に高齢者施設や商業施設では、「やめる＝リスクになる」こともあるため、停止と同時に安全強化が必要です。
4. やめた後の運用・注意点
完全に自動機能をなくした後でも、以下のような運用上の注意が残ります：
- 元自動ドア部分の表示（利用者が戸惑わないようにする）
- 「開かない」ことによる事故リスク（ガラス扉の場合、目立たせる）
- 定期的なチェック（閉じっぱなしになっていないか）
結論：やめるには「設計変更と安全管理」が不可欠
「自動ドアをやめる」とは、単なる装置の撤去ではなく、「人と空間の動線設計を見直す」行為なのです。
安易な停止ではなく、構造・安全・使い勝手をすべて見直した上で進めることが大切です。
自動ドアをやめるときの法的・安全的な注意点
要点：「やめること自体」は違法ではないが、法的責任・安全義務・管理責任を伴うため、自己判断での停止・撤去には大きなリスクがある。
1. 自動ドアにはJIS規格が存在する
まず、自動ドアにはJIS規格（日本産業規格）として以下が定められています：
- JIS A 4722：自動ドア装置の安全性に関する要求事項
- JIS A 4721：建築用引戸装置の試験方法と性能基準
これらは「製品として使用される間の安全性」を担保するもので、「使わないときの扱い方」については、実は明確な基準が少ないのが実情です。
2. 「止めた状態」で放置＝管理責任が発生
たとえば、次のようなケースが考えられます：
- 自動ドアを勝手に止めた結果、扉が途中で止まり、通行人が転倒
- センサーを無効にしたため、扉が閉じる際に人と接触してケガを負わせた
- 避難時に扉が開かず、消防法違反と指摘された
このような事故が起きた場合、施設管理者・オーナーが「予見可能な危険を放置した」と見なされ、損害賠償責任が生じる可能性があります。
3. 建築基準法やバリアフリー法の対象になることも
特に以下の施設では、自動ドアをやめることで法的な要件を満たさなくなるケースがあります：
- 高齢者施設：バリアフリー法の適合条件を満たせない
- 商業施設：多客施設としての避難経路義務違反
- 公共施設：建築確認申請との整合性に影響
こうした施設で自動ドアをやめるには、設計変更の申請や検査の再実施が必要になることも。
4. 「見た目はそのまま」でも、非稼働はリスク
一見すると自動ドアのままで、実際は機能していない（故障中・電源オフなど）場合、利用者が“開くはず”と期待して近づいた結果の事故に繋がります。
→ このような場合、管理者の「表示義務・注意義務」が問われる可能性があります。
5. 「やめる＝ゼロにする」ではない選択肢もある
完全にやめるのではなく、以下のような「安全を確保したままの部分停止」も選択肢として現実的です：
- センサー感知範囲の調整（誤作動防止）
- 開きっぱなしモードの導入（空調対策を伴う）
- タイマーによる夜間オフモード（セキュリティと併用）
これらは、自動ドアの安全性・利便性を残しながら、ストレスを軽減する方法として有効です。
結論：法的な観点で「やめる」は慎重な判断が必要
自動ドアの「やめ方」を誤ると、事故・違反・損害賠償など、思わぬリスクが待っています。
だからこそ、「やめたい」という感情の前に、安全と法の目線で冷静に見直すことが重要です。
本当にやめる？残す？判断の基準
要点：「やめたい」と思ったときこそ、“その自動ドアが本当に合っているのか”を見直す絶好の機会です。「適ドア適所」という視点で考えることで、“やめる以外の最適解”が見えてくることも。
1. 使わないからといって、やめるのが正解とは限らない
「開閉回数が少ない」「一日に数人しか通らない」など、使用頻度の低さを理由に自動ドアの撤去を検討する人も少なくありません。
しかし、これは一面的な判断です。
重要なのは「使用頻度」ではなく「使用者の状況」
- 高齢者や障がいのある方の利用がある
- 両手がふさがった状態で出入りするケースが多い
- 施設の性質上、非接触での開閉が求められる
こうしたケースでは、たとえ1日数回の使用でも、**“なくてはならない存在”**であることもあります。
2. 維持コストと将来的な資産価値も考慮する
自動ドアを撤去・変更するには、初期費用がかかります。
さらに、建物の資産価値や入居者への印象にも影響を与える場合があります。
コスト比較イメージ：
| 選択肢 | 初期費用 | 年間維持費 | 資産評価への影響 |
|---|---|---|---|
| 継続（修理＋保守） | △10〜30万円 | △5万円〜 | ◯（プラス要因） |
| 撤去・手動化 | ◯20〜50万円 | ◎ほぼゼロ | △（マイナスもあり） |
| リニューアル交換 | ◎40〜80万円 | ◯2〜3万円 | ◎（資産維持） |
3. 「やめたくなる」自動ドアには理由がある
ここで、少しだけ本質的な問いを投げかけてみましょう。
その自動ドア、「本当にあなたの施設に合っているドア」でしょうか？
- オーバースペックな高速スライドドアでは？
- 設置環境に合わないセンサー感知エリアでは？
- メンテナンス不能な輸入品や旧型製品では？
このように、「やめたい」の原因は、そのドアが“適していなかった”ことにある場合が多いのです。
4. 「適ドア適所」で再評価する
Newtonドアの考え方でもある「適ドア適所」とは、「空間・人の流れ・用途」に最も適したドアを選ぶ、という考え方です。
- 荷物を持った高齢者が多い → 荷重式ドア
- 衝突の危険がある狭い出入り口 → 低速度・安全設計のドア
- 小規模施設 → 手動併用型の自動ドア
このように、やめる前に“見直す”ことで、より適した選択肢が見えてくることも多いのです。
5. 関連記事のご紹介（売り込みではなく知的好奇心への応答）
もし「自動ドアを見直すとしたら、どんな選択肢があるのか？」と感じた方は、以下の記事も参考になるかもしれません：
結論：「やめたい」気持ちは、“適していないドア”がもたらしたものかもしれない
「やめる」という行動の前に、まず「なぜそう思ったのか？」を言語化することが、自分にとって本当に最適なドアを見つける第一歩です。
実際に「やめた」事例から学ぶ
要点：自動ドアを“やめた”ことで得られたメリットもあれば、逆に後悔につながったケースもあります。「やめた人たちの声」から、判断のリアルを学ぶことができます。
事例1：小規模事務所で自動ドアを完全撤去
概要：
- 場所：郊外の不動産会社事務所（10名規模）
- 以前のドア：赤外線センサー式スライド自動ドア
- 撤去理由：頻繁な誤作動と、冬季の暖気流出による空調コスト増
- 変更後：開き戸の手動ドアに交換
結果：
- 電気代・保守費用は大幅に削減
- 来訪者の一部が「閉め忘れ」「開けられない」など戸惑う
- 「ちゃんと閉める」運用ルールを周知する手間が発生
▶ 教訓：コストは下がったが、“使う人”への配慮が課題に。
事例2：手動ドアに戻したが、再導入を検討中
概要：
- 場所：地域密着型クリニック
- 以前のドア：静音スライド自動ドア
- 撤去理由：経年劣化と維持コスト削減のため手動化へ
- 変更後：片開きドアに変更
結果：
- 高齢者・車いす利用者からの不満が急増
- 扉の開閉時に転倒しかけたケースも
- 一年後、「負担が増した」として再度自動ドア化を検討中
▶ 教訓：「なくして気づく価値」もある。使用者視点は不可欠。
事例3：施設運用を見直し、「やめない」判断をしたケース
概要：
- 場所：高齢者施設の共用出入口
- 当初の検討：修理コストの高さから「手動化」を検討
- 検討内容：適ドア適所の観点で使用者の行動と動線を再分析
- 結果：Newtonドアへの切り替えを選択（荷重式で省電力）
成果：
- 高齢者でも「押すだけ」で開く設計に満足度向上
- 保守契約が不要でコストを抑制
- 非常時の脱出性能もJIS対応済で、安全性を維持
▶ 教訓：「やめる」以外の選択肢にこそ、最適な答えがある場合も。
まとめ：経験者の声に共通する3つのポイント
- 「やめた後」の現場の変化まで想定できていなかった
- コスト削減と引き換えに「快適さ・安全」を失うリスクがある
- 「やめるか」だけでなく、「適した形に変えるか」という視点が有効
【まとめ】「やめる前に」確認したい判断フレーム
要点：やめるかどうかを決める前に、冷静に整理しておくべきポイントがあります。ここでは、チェックリストと判断マトリクスを通じて、迷いの中にある方が納得のいく結論にたどり着けるようサポートします。
チェックリスト：やめる前に確認したい15項目
以下に該当するものが多い場合、やめる前に「適正化」や「リニューアル」の検討も価値があります。
| 質問項目 | チェック |
|---|---|
| 1. 故障や誤作動の頻度が月1回以上ある | □ |
| 2. 保守費用が年間5万円以上かかっている | □ |
| 3. 扉の反応が遅い・不自然に感じる | □ |
| 4. 空調効率が悪い原因になっている | □ |
| 5. 来訪者からクレームや戸惑いがあった | □ |
| 6. 通行者が一人でもドアが全開する | □ |
| 7. 出入口の幅が広く、ドアが合っていない | □ |
| 8. 利用者に高齢者や子どもが多い | □ |
| 9. 使用者の手がふさがっていることが多い | □ |
| 10. ドアの停止が避難経路に影響しそう | □ |
| 11. 自動ドアのままだと法的要件を満たす | □ |
| 12. 逆に撤去でバリアフリーが崩れる可能性がある | □ |
| 13. 今後、施設用途が変わる可能性がある | □ |
| 14. 今のドアが現場に合っていないと感じている | □ |
| 15. 代替手段や別のタイプのドアを知らない | □ |
判断マトリクス：やめる？残す？の4象限での整理
以下のように、「利用頻度」と「使用者の多様性」で整理すると、自動ドアをやめる／残すの判断が明確になります。
| 利用者に多様性がない（成人中心） | 利用者に多様性がある（高齢者・障がい者等） | |
|---|---|---|
| 利用頻度が低い | ◯ 撤去・手動化の検討可 | △ 要検討（代替案の準備要） |
| 利用頻度が高い | △ 維持または適正化を推奨 | ◎ 維持またはリニューアルを強く推奨 |
最後の判断基準：「誰のためのドアか？」
自動ドアは“モノ”ですが、その本質は「人のための動線設計」です。
「やめたい」と感じたとき、あなたが本当に向き合うべきは、「今あるドアの機能」ではなく、そこを通る“人”の安全と快適さかもしれません。
よくある質問（FAQ）
Q: 自動ドアの電源を切って放置しても問題ありませんか？
A: 基本的にはおすすめできません。自動ドアは「動く前提」で設計されており、電源を切った状態で手動操作すると、故障や事故の原因になります。また、法的には「安全管理責任」が残るため、放置はリスクです。
Q: 自動ドアを手動に戻すと、バリアフリー法違反になりますか？
A: 建物の用途や対象利用者によります。高齢者施設や公共性の高い施設では、バリアフリーの観点から「自動開閉機構」が必要とされることがあり、手動化は不適切になる場合があります。
Q: 自動ドアを使わない状態が続くと、資産価値に影響しますか？
A: はい。特にマンションやテナントビルでは、自動ドアの有無が「利便性」「安全性」の指標として評価され、資産価値や入居率に影響を与える可能性があります。
Q: 停止後に扉が開かなかった場合、管理者の責任になりますか？
A: 状況によりますが、予見可能なリスクを放置した場合、施設管理者に責任が問われる可能性があります。特に「開くはず」と認識されている場所では、明示的な表示や安全対策が必須です。
Q: センサーだけをオフにすることはできますか？
A: 多くの自動ドアでは可能ですが、機種によって操作方法や対応の可否が異なります。また、センサーを無効にすることで安全装置が働かなくなる場合もあるため、専門業者による確認が必要です。
Q: 自動ドアのモーターだけ取り外すことはできますか？
A: 物理的には可能ですが、扉のバランスや動作性、安全基準に影響が出るため、専門的な設計変更と工事が必要です。安易に撤去すると事故や故障を招く可能性があります。
Q: 自動ドアを完全に「やめた人」は多いですか？
A: 実際には少数派です。やめたことで不便さに気づき、再導入した例もあります。「やめる」のではなく「見直す（適正化・リニューアル）」が多くの現場で選ばれています。
Q: 非接触・電源不要で運用できる選択肢はありますか？
A: はい。たとえば「荷重式自動ドア」のように、電源を使わず人の体重で動くタイプのドアも存在します。高齢者施設や小規模施設での導入例があります（関連記事をご参照ください）。
Q: 「適ドア適所」とは何ですか？
A: 「使う人」「使われ方」「空間の特性」に合わせて、最もふさわしいドアの種類・機構を選ぶという考え方です。やめる・導入するという二択ではなく、“合っているかどうか”を見直すための判断軸です。
【適ドア適所】にそった「まとめ」
「自動ドアをやめる」という選択は、一見シンプルなようで実は非常に多くの判断要素が絡んでいます。この記事では以下の点をお伝えしました：
- やめること自体は可能だが、安全や法規の観点からは注意が必要
- やめたい理由の多くは「そのドアが合っていない」ことに起因する
- 「適ドア適所」という視点で見直すことで、撤去以外の選択肢が見えてくる
- 利用者、施設の目的、動線、将来性を踏まえた設計見直しが最重要
自動ドアを「やめるかどうか」ではなく、「このドアはここにふさわしいのか？」と問い直すことが、本当の意味での最適解につながります。
【出典・参考資料】
- JIS A 4722「自動ドア装置の安全性」
- JADA 一般社団法人日本自動ドア協会 公式サイト
- 消防法・建築基準法・バリアフリー法に関するガイドライン
- 自社調査データ（Newtonドア利用者の声）
- 事例出典：「Nドア顧客セグメントと導入事例.txt」
- 安全規格の整合性資料：「Newtonドアの安全性検証とJIS規格整合性.txt」