自分のお店を持つ——それは多くの人にとって夢のある挑戦です。
そして、その第一歩となるのが「店舗設計」です。ですが、「店舗設計」と聞くと、多くの方が真っ先に思い浮かべるのは、おしゃれな内装やレイアウトではないでしょうか?

しかし、実際の店舗設計には、それだけでは済まされない「建築」としての視点が欠かせません。
知らずに進めてしまうと、後から大きな制約や追加費用、工期の遅れに繋がる可能性もあります。

本記事では、店舗設計における「建築知識」の必要性と、出店前に知っておくべき判断ポイントについて、わかりやすく解説します。
あなたが出店で後悔しないために、今、この記事を通して「正しいスタート地点」に立ちましょう。


目次(このページの内容)

店舗設計とは?「内装デザイン」と「建築設計」の違いから始めよう

要点:

「内装だけの設計」と「建築としての設計」は、根本的に視点が異なります。
見た目だけでなく、法的制約や構造的な判断を含む設計が必要かどうか、まず確認することが重要です。


設計には「ふたつの階層」がある

店舗を設計するとき、多くの人は「どんな内装にしようか」「カフェっぽい雰囲気にしたいな」「レジはここに」など、見た目や配置を中心に考え始めます。これはまさに「内装設計」です。

一方、「建築設計」はもう一段深いレベルで、建物そのものに関わる構造・法令・安全性を含めた計画を行うものです。
具体的には:

項目内装設計建築設計
内容レイアウト、家具、照明、仕上げなど構造、用途変更、避難経路、空調や電気の容量など
必要な資格デザイナー、インテリアコーディネーター一級・二級建築士など
許認可不要なことが多い建築確認申請、用途変更届出などが必要

つまり、設計の範囲がどこまで及ぶかで、誰に相談すべきか、どんな費用や期間がかかるかが大きく変わってくるのです。


こんなときは「建築設計」が必要になる

  • 用途変更がある(例:元は事務所→店舗にする場合)
  • 排煙・換気設備を大幅に変更する
  • 構造的に壁や床を壊す、間取りを変える
  • 延べ床面積が変わる
  • 電動設備(自動ドア・厨房機器等)の設置で電力供給を変更する

このような場合、建築基準法消防法に基づく対応が求められ、建築士による設計と申請が必須になります。


テナントであっても油断は禁物

たとえばショッピングモールやビル内の区画を借りる場合、「居抜き物件だからそのまま使える」と思っても、用途が異なれば申請が必要になることも。

さらに、**共用部との接点(入口・通路・避難経路)**に関わる場合、モール全体の管理者との調整も必要になります。


内装設計だけでは対応できない「リスク」

もし、建築的な判断が必要な場面で内装業者にしか相談していなかった場合、次のようなトラブルが起こりがちです:

  • 工事が始まったあとに「建築確認が必要」と発覚してストップ
  • 計画したレイアウトが消防法やバリアフリー法に適合しない
  • 電力容量不足で機器が使えない
  • 法的に出店できない業態だった

これらはすべて、設計初期の段階で「建築的な視点」がなかったことが原因です。


はじめの一歩は「自分の計画に建築的要素があるか」を確認すること

出店の計画を立てたとき、最初にすべきことは「建築が関係しそうな内容があるか?」をチェックすることです。

  • 新築 or 改装か?
  • 元の用途と変わるか?
  • 電気・水道・排煙など設備を変更するか?
  • お客様の出入り口や避難経路に変更があるか?

この確認をするだけで、「内装設計だけで済む」のか、「建築設計が必要」なのかが見えてきます。


建築設計と内装設計、どこまでが誰の担当?

要点:

「誰に何を頼めばいいのか」がわからないと、設計初期で迷走します。
設計者・施工者・デザイナーの役割分担を明確に理解しておきましょう。


建築設計と内装設計、どこまでが誰の担当?

要点:

「誰に何を頼めばいいのか」がわからないと、設計初期で迷走します。
設計者・施工者・デザイナーの役割分担を明確に理解しておきましょう。


設計を進めるうえで、関わる人たち

店舗設計にはさまざまなプロが関わりますが、それぞれの役割がはっきりしないと、重複したり、漏れたりするリスクが生じます。

専門家主な役割関与のタイミング
建築士(設計事務所)構造設計、法令対応、建築確認申請など物件契約前〜工事前
内装設計士/デザイナー空間デザイン、動線、什器配置、素材選定など初期〜工事完了まで
施工業者(工務店・内装会社)実際の工事の管理、設備施工、現場調整着工〜完成
コンサルタント(出店支援など)設計全体の調整、行政手続きのサポート初期から随時

よくある勘違い:「全部やってくれると思っていた」

実際には、ひとつの会社がすべてを担うことは少なく、それぞれの専門家が連携する形で進行します。
ですが、出店者側がそれを把握していないと、以下のようなトラブルが生まれます。

  • 内装会社に任せたが、建築確認が必要と後から判明
  • デザイナーが描いた図面が、建築基準法に適合していない
  • 建築士に頼んだけど、内装の仕上げデザインまでは対応してくれなかった

これらの問題は、「誰がどこまでの責任を持っているのか」を最初に確認していなかったことに起因します。


自分が依頼する「設計者」の確認ポイント

  1. その設計者は建築士の資格を持っているか?
     → 用途変更や構造変更がある場合、必須となります。
  2. 内装デザインも対応可能か?
     → 空間の見た目まで任せたい場合は、内装設計士やデザイナーが必要です。
  3. 施工管理まで一貫対応してくれるか?
     → 設計と工事が分離していると、伝言ミスや認識ズレが生じがちです。
  4. 行政手続きや法令対応もサポートしてくれるか?
     → 自治体ごとのルールに対応できる経験があるか確認しましょう。

ワンストップ型と分離発注型の違い

発注形態特徴向いている人
ワンストップ型設計・施工・申請が一体でスムーズ手間を減らしたい人、経験がない人
分離発注型設計と施工を別々に依頼する内容にこだわりたい人、調整に自信のある人

どちらが良いかは、あなたの知識量・時間の余裕・予算次第です。


「誰に、どこまでを」決めることが最初の設計

設計というと「図面を描くこと」だと思われがちですが、本質的には「どの範囲を、誰に頼むか」を決めることが最初の設計なのです。

特に、建築が関わるかどうかで、費用・期間・リスクが大きく変わってきます。
まずは、建築的な要素が必要かを判別し、そのうえで専門家に相談する。
これが店舗づくりの最初にやるべきことです。


店舗設計で失敗しやすい「動線」「換気」「法規」の落とし穴

要点:

設計の初期段階で軽視されがちな「動線設計」「換気計画」「法的要件」は、後戻りが難しい失敗につながります。
特に、建築の視点から見た制約を理解しておくことが重要です。


店舗設計で失敗しやすい「動線」「換気」「法規」の落とし穴

要点:

設計の初期段階で軽視されがちな「動線設計」「換気計画」「法的要件」は、後戻りが難しい失敗につながります。
特に、建築の視点から見た制約を理解しておくことが重要です。


1.「おしゃれな店」なのに、お客様が流れてこない?

「理想の内装」を実現したはずなのに、いざオープンすると——
「なんか、お客様が奥まで入ってこない…」
「スタッフ同士が動きづらくて、厨房が混雑する…」

このようなケースは、「動線設計」が不十分だった可能性が高いです。


手順:動線設計で検討すべき3つの視点

  1. 来客導線(エントランス〜商品〜レジ)
     → 人の流れが自然に移動できるか?手前に人気商品、奥に滞在ゾーンなど戦略的に配置
  2. スタッフ動線(バックヤード〜客席〜厨房)
     → 交差・往復が少ないルートで設計されているか?
  3. 避難動線・非常経路
     → 建築基準法に適合した幅・距離・ルートが確保されているか?

根拠:建築法規と実務の違いを見落としがち

たとえば「非常口の距離」や「通路幅」には明確な基準があります。

  • 避難距離(出口までの距離):最大35m(用途により異なる)
  • 廊下の幅:原則1.2m以上が望ましい
  • ドアの開き方向:避難方向に対して押し開けが原則

これらを知らずに設計すると、後から指摘されて「やり直し」が発生します。
しかも、建物構造や既存設備の制約があると、簡単には修正できません。


2. 換気・排煙・空調の設計、見た目重視で後悔?

「照明を天井に埋め込んでスッキリしたデザインにしたい」
「厨房に大型フードを設置したい」

——このような希望も、換気と空調の設計を先にしていないと実現できないことがあります。


注意点:換気は「管の通り道」が命

空調・換気設備のダクトは、天井や壁の中を通ります。
それらが通らない設計になっていた場合、希望した設備が設置できず、以下のような事態になります:

  • 冷房が効かない・ニオイがこもる
  • 音が漏れる/響く(防音設計が不足)
  • 建築物環境衛生管理基準(いわゆる「ビル管理法」)に違反する

これらはすべて、建築設計段階での確認が必要です。内装のデザインだけでは判断できません。


3. 消防法・建築基準法への適合、誰が見る?

デザインは素晴らしい。でも、そのまま工事をしてしまったら——

  • 消防署の立入検査でNG
  • 建築確認が通らず着工できない
  • 保健所の許可が下りず、オープンできない

こうした事態は、法的要件を事前にチェックしていなかったために起きます。


手順:設計時に確認すべき法的チェックポイント

  1. 建築基準法
     - 用途地域の確認(その場所でその業態ができるか)
     - 延床面積、構造、防火区画の要件
  2. 消防法
     - 消火器、誘導灯、排煙設備の設置基準
     - 可燃性素材の使用制限
  3. 食品衛生法・風営法など(業態ごとに)
     - 厨房の区画、手洗い設備、換気回数の基準など

要点:法令適合は「デザインの自由度」と背中合わせ

これらの制限は、見た目や動線に大きく影響します。
逆に言えば、法令に適合するように設計できれば、リスクの少ない店舗運営が可能になります。


自分の店舗に必要な設計領域をどう判断する?

要点:

新築・居抜き・テナントかによって、設計に必要な範囲や関わる専門家が大きく変わります。
「建築的な設計が必要な境界線」を見極めましょう。


自分の店舗に必要な設計領域をどう判断する?

要点:

新築・居抜き・テナントかによって、設計に必要な範囲や関わる専門家が大きく変わります。
「建築的な設計が必要な境界線」を見極めましょう。


設計範囲の違いは「物件の状態」によって決まる

店舗設計の難しさは、「自分のケースが、どこまでの設計を必要とするのか」がはっきりしにくい点にあります。
以下のように、物件の状態と出店形態によって、設計範囲がまったく変わります。


出店形態状態必要な設計領域必須となる専門家
新築店舗更地から建設建築設計+内装設計建築士、設計事務所、施工管理者
スケルトン物件内装が完全に撤去された状態基本設計から全体内装設計士、設備設計者、場合により建築士
居抜き物件前の店舗が残った状態軽微な改修中心だが、用途変更には注意デザイナー、内装業者、一部建築士
テナント(ビル内)区画貸し設備条件により制限あり管理会社と連携、建築士が必要な場合あり

手順:判断基準となる3つの観点

  1. 構造に手を加えるか?
     → 壁や床を壊す、間取りを変更する場合は「建築士」が必要です。
  2. 用途変更があるか?
     → 例:事務所→飲食店など。建築確認申請が必要になることがあります。
  3. 設備(電気・水・排気)を大幅に変えるか?
     → 厨房や大型機器の設置があるなら、設計段階で確認を。

よくある誤解:「居抜きなら何もしなくていい?」

居抜き物件は、一見「そのまま使える」と思われがちですが、

  • 厨房の排煙設備が基準に合っていない
  • 客席数が変わると避難経路が不足する
  • 内装材が防火性能を満たしていない

などのケースで、後から追加工事や申請が必要になることがあります。


建築知識が必要になる「4つの分岐点」

あなたの出店計画に以下の要素がある場合は、建築士の関与を視野に入れましょう。

  1. 構造の変更(壁の撤去、増築など)
  2. 用途の変更(業種が大きく異なる)
  3. 設備容量の変更(電気・排水・空調)
  4. 法律への適合(消防法・建築基準法)

判断できないときは「早めの相談」が最善策

「この計画、建築士が必要?」と迷ったときは、設計事務所や専門の施工会社に事前相談することをおすすめします。
多くの会社は、初期段階での相談を無料で受けてくれることもあります。

この相談だけでも、工期・予算・申請の有無などの全体像が見えてきます。


建築としての「自動ドア選び」が設計に与える影響とは?

要点:

自動ドアは、ただの“入口”ではありません。
建築計画そのものに深く関わる設備機器であり、電源・非常時対応・構造制限に大きく影響を与えます。


建築としての「自動ドア選び」が設計に与える影響とは?

要点:

自動ドアは、ただの“入口”ではありません。
建築計画そのものに深く関わる設備機器であり、電源・非常時対応・構造制限に大きく影響を与えます。


自動ドアは「動線」と「法令」の交点にある設備

多くの出店者が「入口のドアはあとで決めればいい」と考えがちです。
しかし実際には、自動ドアは建築設計の段階で早期に計画しておくべき**構造と設備の“結節点”**です。


根拠:自動ドアが関係する主な建築項目

項目関連する設計領域注意点
電源・電気配線設備設計専用回路が必要/停電時の挙動も考慮
避難経路/非常時動作法規対応非常解放機能・無停電開放の有無
ドア開口部の構造建築構造設計壁厚・レール埋設・躯体干渉
空調設計熱環境設計開閉頻度が空調効率に影響
防犯・バリアフリー対応施設設計鍵・センサー・段差対策

ケース比較:「電動式」と「荷重式(電気不要)」の違い

ここでは、Newtonドアなどで採用されている「荷重式自動ドア」と、一般的な「電動式自動ドア」の違いを簡単に整理してみましょう。

項目電動式自動ドア荷重式自動ドア(Newtonドア)
電源必要(AC100V)不要(完全非電動)
停電時開かない or 非常解放が必要常時開閉可能
設置コスト高(電気工事含む)低(電気工事不要)
設計自由度配線・電源の位置に制約あり躯体干渉なし、自由度高
メンテナンス必要(モーター・センサー等)ほぼ不要(機械式)

「停電時に開かない」ことの重大さ

特に設計者や出店者が見落としがちなのが、「非常時に開くかどうか」です。

電動式自動ドアの多くは、停電時に自動では開かないため、バッテリーや非常解放装置の設置が義務付けられるケースがあります(消防法・建築基準法の避難要件により)。

この点で、電源を使わず、常時開閉可能な荷重式は、設計と安全の両面で有利です。


設計段階から考えるべき「入口の哲学」

自動ドアは見た目の印象を左右するだけでなく、「誰が、どのように出入りするか」「トラブル時にどう動くか」という運用の中核です。

だからこそ、設計初期から入口の在り方をどうするか、建築的・機能的に考えるべきなのです。


【適ドア適所】店舗設計における入口設計の再確認

要点:

入口は店舗設計の中でも最も“軽視されやすく”、かつ集客・安全・設計自由度に最も影響を与えるポイントです。
「適ドア適所」の考え方をもとに、自店にとって最適なドア選びを振り返ってみましょう。


【適ドア適所】店舗設計における入口設計の再確認

要点:

入口は店舗設計の中でも最も“軽視されやすく”、かつ集客・安全・設計自由度に最も影響を与えるポイントです。
「適ドア適所」の考え方をもとに、自店にとって最適なドア選びを振り返ってみましょう。


なぜ入口は“最後に決める”のが間違いなのか

「レイアウトやデザインが決まった後に、最後にドアを選べばいい」
この考え方は、多くの出店者が持っています。しかし、入口設計には以下のような要素が関わります。

  • 避難経路としての法的機能
  • 客導線のスタート地点
  • 空調効率に直結する開閉頻度
  • 防犯・見せ方(ファサード)の要

つまり、入口こそが「設計と運用」をつなぐ交差点であり、建築の初期段階から最優先で検討すべき項目なのです。


【適ドア適所】という視点とは?

Newtonドアを開発するNewtonプラス社では、「どこに、どんなドアを使うのが最適か」を判断するための独自の考え方として【適ドア適所】を提唱しています。

これは「コスト」や「機能性」だけでなく、以下のような軸で最適解を導くものです。

判断軸具体的な視点
利用者の属性高齢者・子どもが使う/荷物を持って出入りする など
環境条件屋外か屋内か/温度差・湿度・風雨の影響 など
電源の有無電源の供給が難しい場所かどうか
非常時対応停電時でも開く必要があるか/避難経路か
建築制約躯体や床構造との干渉がないか

店舗タイプ別に考える「入口設計の適ドア選び」

店舗タイプ適ドア選択のポイント荷重式が有効なケース
飲食店空調効率と印象重視、かつ出入り頻度が高い常時出入りがあるが電源が確保しづらい屋外店舗
美容室雨風の遮断と防犯性が重要片手開閉やベビーカー利用が多い立地
物販店カゴ・カート使用と自動性の両立が必要小規模な路面店、電気配線不要の省コスト化
医療・介護施設バリアフリー・安全性が最優先電源障害リスクを回避したい通用口や裏口

設計に反映すべきは「最終形」ではなく「運用のリアル」

設計者は図面で全体のバランスを考えます。
しかし、実際に店舗を運営するのは出店者であり、日々その入口を使うのは来店客とスタッフです。

だからこそ、入口選びには次のような問いが欠かせません。

  • 誰が、どんなタイミングでこのドアを使うか?
  • 停電時・災害時にどう動作すべきか?
  • 1日何回開閉され、どんな影響を与えるか?

その答えが、「適ドア適所」の判断を支えるのです。


建築士や設計者との打ち合わせで見落とされがちな確認ポイント

要点:

打ち合わせでは「伝えたつもり・聞いたつもり」がトラブルの元。
特に入口まわりや非常時対応、電源の位置などは図面に反映されにくいため、出店者側が意識的に確認すべき重要ポイントです。


建築士や設計者との打ち合わせで見落とされがちな確認ポイント

要点:

打ち合わせでは「伝えたつもり・聞いたつもり」がトラブルの元。
特に入口まわりや非常時対応、電源の位置などは図面に反映されにくいため、出店者側が意識的に確認すべき重要ポイントです。


「図面に描かれないもの」ほど後から困る

設計打ち合わせの段階では、誰もが「デザイン」や「レイアウト」に集中します。
しかし、本当に問題になるのは「図面に描かれない情報」が共有されていなかったとき。

以下のような項目は、打ち合わせ時点で明示的に確認しておかないと、あとから大きな設計変更やコスト追加が発生します


手順:出店者が確認すべき重要チェック項目

  1. 入口ドアの非常時対応
     → 停電時でも開くのか?自動復旧機能はあるか?
  2. 電源の位置と回路数
     → 自動ドアや厨房機器用に専用回路が必要か?
     → ブレーカーの容量は足りているか?
  3. 共用部との取り合い(テナントの場合)
     → 段差、ドアの開き方向、手すりの干渉など
     → 管理組合やビル管理者との調整が必要か?
  4. 自動ドアの機種と開口幅の確認
     → 荷物の搬入、車椅子、ベビーカーなど通行に支障がないか?
  5. 消防・避難経路とドアの連動性
     → 誘導灯と連動して開放する仕組みがあるか?
     → 排煙設備との兼ね合いは?(ドアを閉める位置に注意)

設計図面に「〇〇任せ」と書かれていたら要注意

建築や内装の図面に、以下のような記載がある場合は、出店者側の選択に委ねられている可能性が高く、要確認です

  • 「建具選定は施主指示」
  • 「機種未定」
  • 「現場調整」
  • 「別途打ち合わせ」

これらは設計者に悪気があるわけではなく、「まだ決まっていない項目」「自由度を残してある項目」という意味です。
だからこそ、出店者側が積極的に意図を伝える必要があります


打ち合わせは「図面だけでなく、使い方の話」をする場に

設計の打ち合わせでは、単に「図面を確認する」だけでなく、

  • 自動ドアの使われ方(人の流れ、時間帯、非常時)
  • メンテナンスや清掃のしやすさ
  • スタッフの動きと設備の関係

といった、「使い方にまつわるリアルな話」を共有することで、設計の精度が格段に上がります。


【適ドア適所】にそった「まとめ」

要点:

この記事全体で学んだことを、建築的な視点+運用目線の両面から総括し、「入口」という一点に絞った判断の大切さを再確認します。


【適ドア適所】にそった「まとめ」

店舗設計を考えるとき、「入口」はどうしても後回しにされがちです。
しかしこの記事を通して見えてきたように、入口は法令・動線・空調・安全性・印象に大きく影響し、最終的には店舗の収益性や使いやすさに直結する設計の要です。


設計とは「運用の翻訳」である

設計とは、図面を描くことではありません。
日々の運営でどう使われるかを先回りして想定し、それを建築的・機能的に“翻訳”することです。

その翻訳が正しくなされていないと…

  • 「人がうまく流れない」
  • 「ドアが重い・うるさい・壊れやすい」
  • 「災害時に開かない」

といった、日々の運用トラブルが現場で発生し、スタッフの負担や売上の機会損失につながります。


適ドア適所とは、設計の精度を上げる“考え方”である

Newtonドアを例にとると、その製品は単に「電気を使わないドア」ではなく、どこにどう使えば最大限に活かせるかを重視した哲学に基づいています。
それが【適ドア適所】です。

  • 電源が不要な場所で荷重式を使えば、停電対応や施工の手間がなくなります
  • バリアフリーが求められる場所に適切な自動開閉機能を選べば、使いやすさが向上します
  • 外部からの視線や空調制御を考えれば、片開きか引き戸かも変わります

つまり、入口とは「何を優先すべきか」を表す“鏡”のような存在であり、そこに自店の価値観や運営方針が現れるのです。


出店前に考えるべき最後の問いかけ

  • 自分の店舗で一番最初にお客様と接するのは「誰」か?
  • その「誰」にとって、その入口は最適な設計になっているか?
  • 停電時、災害時、トラブル時、その入口はどう機能するか?

この問いへの答えが、【適ドア適所】を実践する鍵となります。


これから店舗設計を進めるすべての方へ。
入口は、ただのドアではありません。
あなたの店舗の“哲学”を象徴する、最初の設計判断です。

どうか一度立ち止まり、「この入口は本当に、最適な場所に、最適なドアが選ばれているか?」と問い直してみてください。


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