「設計職」と聞くと、住宅設計やマンション設計をイメージする方が多いかもしれません。しかし、商業施設や飲食店、小売店舗などの空間を手がける「店舗設計」という道も、建築・空間デザインに関心のある方にとって魅力的な選択肢の一つです。

本記事では、「東京で店舗設計の求人を探しているけれど、自分に合っているのか判断に迷っている」という方をメインの読者とし、以下の視点で解説していきます:

  • 店舗設計の仕事内容と他設計職との違い
  • 向いている人/向いていない人の特徴
  • 求人の探し方と会社の見極めポイント
  • 働き方のリアル(労働時間、納期、社風)
  • 東京における求人傾向と職場の種類
  • 未経験者が準備しておくべきこと

求人票だけでは見えてこない、店舗設計という仕事の“中身”を理解し、自分に合うかどうか判断するためのヒントを提供します。


目次(このページの内容)

店舗設計の仕事って、どんなことをするの?

一言でいうと?
→ 店舗設計とは、「集客を目的とした空間をデザインし、事業成果につなげる」仕事です。


手がけるのは「人が集まる空間」

住宅設計では、住む人の暮らしやライフスタイルに寄り添った設計が求められます。一方、店舗設計の対象は飲食店やアパレルショップ、美容室、商業施設など「不特定多数の人が利用する空間」。
単なる“おしゃれ”な空間ではなく、「誰が・何の目的で来て・どう動くか」を想定した“導線設計”や“売上に貢献する設計”が求められます。

スピード感と柔軟性が求められる

商業空間はオープン日が決まっていることが多く、「納期」が絶対です。
住宅設計のように何ヶ月もかけて施主とじっくり詰めるより、短期間で図面を仕上げ、設計変更に即応する“スピード感”が必要になります。

また、ブランドごとに求めるテイストが異なるため、「自分の作風を出す」というよりも、「相手の世界観を形にする」柔軟な感性が求められます。

デザインだけでは終わらない

店舗設計者は「デザイン」だけをしているわけではありません。実際には以下のような業務も含まれます:

  • クライアントとの打ち合わせ
  • 平面・立面図、パース、仕様書の作成
  • 各業者との調整(施工会社、設備、照明、看板など)
  • 現場確認や引き渡し対応

つまり、空間全体を「プロデュース」するような感覚が必要になります。


店舗設計はどんな人に向いてる?向いていない人は?

一言でいうと?
→ 店舗設計に向いているのは「スピード対応が得意で、他者の世界観に寄り添える人」。一方で「自分の作風に強いこだわりがある人」はギャップを感じるかも。


向いている人の特徴とは?

店舗設計で活躍している人には、以下のような特徴があります:

  • 人の動きや心理を想像するのが得意
     例:レジの位置、陳列の見せ方、座席の配置などを“お客さんの目線”で考えられる
  • 柔軟に対応できる人
     店舗はクライアントのブランドや世界観を形にする仕事。「自分らしさ」を出すというよりは「相手の意図を汲み取って設計する」力が求められます
  • 納期を守る力がある人
     開店日は固定されていることが多く、「絶対に間に合わせる」意識が不可欠です
  • 社交的で、打ち合わせが苦にならない人
     クライアント・施工業者・行政など、関わる人は多岐にわたります。相手との信頼関係が成果を左右します

向いていないかもしれない人の傾向

  • 設計やデザインに強いこだわりがあり、妥協できない人
     店舗設計では「ビジネスの制約」や「コストの制限」が常にあります。理想通りにいかない場面にストレスを感じやすい人は苦戦するかも
  • 一人で黙々と作業したいタイプの人
     現場や打ち合わせなど「外に出る仕事」も多く、人との関わりを避けたい人には不向きです
  • 作業のペースを自分で決めたい人
     「納期ありき」の仕事なので、残業や突発対応も避けられません

自己診断:あなたはどっち?

以下の5項目に「はい」が多ければ、店舗設計に向いている可能性大です:

  1. クライアントの話を聞くのが好き
  2. ブランドや商品の背景を知るのが楽しい
  3. 複数の業務を並行して進めるのが苦じゃない
  4. 図面よりも現場が好き
  5. どちらかといえば“プレイヤー”より“サポーター”気質だ

東京で店舗設計に関われる“入り口”は複数ある

一言でいうと?
→ 設計事務所だけが店舗設計の入り口ではありません。「内装会社」「施工会社」「ディスプレイ系企業」など、様々なスタート地点があります。


「設計=設計事務所」とは限らない

東京では多様な企業が店舗設計に関わっています。中途・未経験で入る際も、必ずしも“設計事務所”を選ばなければならないわけではありません。

代表的な入り口には以下があります:

分類特徴向いている人
設計事務所(商業特化)ブランドとの直接取引が多く、企画段階から関与コンセプト作成やデザインに強みがある人
内装施工会社実施設計+現場管理が中心。スピード重視現場感覚がある、または現場経験がある人
インテリア会社/什器制作会社家具・陳列什器などの専門分野から店舗全体へ広げるパターンディテールや素材が好きな人
ディスプレイ会社展示会・イベント空間などの設計が入り口になることも短期案件・空間演出に強い興味がある人

職種の名前が違っても、設計につながるケースもある

「設計アシスタント」「内装営業」「ディレクター職」といった名称で募集されていても、実質的に店舗設計に関与できるケースもあります。

  • 内装営業 → 設計へのステップアップ
  • 施工管理 → 設計にフィードバックを返すポジションから移行
  • デザインアシスタント → 図面スキルを磨いて実務設計へ昇格

未経験者が最初に関わるためには、あえて“設計以外”から入ることも一つの方法です。

POINT:求人票の“職種名”にとらわれすぎない

「設計」と書いてあるからといって設計を主にやれるとは限らず、「設計」と書いてなくてもチャンスがある場合もあります。
重要なのは「どのフェーズに関わるか」「先輩がどうキャリアを進めているか」を面接や企業情報で確認することです。


東京の店舗設計求人は、どう探せば見つかる?

一言でいうと?
→ 「設計」と書いてあるから安心、ではなく、企業の実績・ポジション・関わり方をよく見極めることが大切です。


「店舗設計」の求人が出ている場所

東京は日本の中でも圧倒的に店舗設計案件が多い地域です。そのため、求人サイトにも様々な切り口で掲載されています。

  • 大手求人サイト:Indeed/求人ボックス/リクナビNEXTなど
  • 専門系エージェント:建築業界専門(アーキテクト・エージェンシーなど)
  • 企業HPやInstagramでの採用ページ:デザイン事務所や設計事務所ではSNSでの求人も一般的
  • 展示会やイベント経由:東京ビッグサイトなどでのイベントを通じた採用もあり

キーワードの違いに注意

店舗設計の求人でも、求人票には様々な表現が使われています:

表現含まれる可能性のある業務注意点
空間デザイナー店舗、イベント、ショールームなど広範囲インテリア中心の業務もあり、施工寄りかも
インテリアデザイナー住宅、オフィス中心のケースあり必ずしも商業施設とは限らない
内装設計実施設計に強み。施工会社が多いデザインよりも施工連携中心のことも
店舗設計士実務経験者を前提にしている求人が多い未経験者は応募要件をよく確認

検索時は、複数のキーワードを試しながら「仕事内容」欄を必ず読むことがポイントです。

求人票で見るべきポイント

  1. 関わるフェーズ:企画から?実施設計から?現場同行あり?
  2. 社内構成:デザイナー何人在籍?施工部門あり?営業と連携?
  3. 担当ブランド・ジャンル:飲食?アパレル?多業種?
  4. キャリアパス:設計一筋?ディレクションへ?現場へ?
  5. 勤務時間・休日:オープン前対応があるため繁忙期は注意

求人の数が多い東京だからこそ、“なんとなく”で選ばず、企業調査を丁寧に行うことで後悔のない選択ができます。


どんな職場が合う?設計事務所の種類と雰囲気の違い

一言でいうと?
→ 「設計事務所」とひとくくりにしても、その文化・仕事の進め方・働く人の価値観は大きく異なります。


設計事務所にも「専門」がある

東京には多種多様な設計事務所がありますが、店舗設計を行う事務所にはいくつかのタイプがあります。

タイプ主な特徴向いている人
ブランディング系設計事務所コンセプト設計重視。グラフィック・サイン計画も一体で提案世界観づくりが好きな人
商業施設・チェーン店特化系多店舗展開企業との取引が多く、スピード&再現性重視論理的に整えるのが得意な人
ゼネコン/内装会社の設計部門現場に近く、施工とのやりとりが多い現場や収まりに強い関心がある人
個人系デザイン事務所少数精鋭でユニークな案件を手がける裁量大きく自由に働きたい人

働く人のキャラクターも違う

設計職=静かに作業、というイメージがあるかもしれませんが、店舗設計では「会話」「調整」「プレゼン」などコミュニケーション力が重要です。
特にブランディング系では、アートディレクターやマーケターと一緒に進めることもあり、横断的な思考が求められます。

一方で、施工系設計部門では「正確・実務重視」で、職人との連携も多く、現場での信頼関係が重要視されます。

ポートフォリオや志望動機にも影響する

どんな事務所に応募するかによって、ポートフォリオの構成も変わります。

  • ブランディング系:コンセプトボード/イメージスケッチ重視
  • 商業施設系:図面精度・過去のロールアウト実績重視
  • 内装施工系:納まり図・工程理解なども加味
  • 個人事務所系:自由な発想と“共鳴”する姿勢を重視

「どこに行きたいか」ではなく「どこが自分に合っているか」で職場を選ぶことが、長く働くための重要な判断軸になります。


「実際の働き方」は?きついってほんと?

一言でいうと?
→ はい、“きつい”側面はあります。ただし「好きかどうか」が、それを越えるかどうかのカギになります。


なぜ「きつい」と言われるのか?

店舗設計の現場では、以下のような事情が「大変」と言われる背景にあります:

  1. 納期が絶対
     → 開店日が決まっているため、後ろ倒しができない。突発対応が日常。
  2. 残業・休日出勤の発生
     → 施工が夜間〜朝方になる場合もあり、設計者が立ち会うこともある
  3. トラブル対応が必要
     → 現場での変更、発注ミス、予算調整など、設計だけに集中できない
  4. 精神的なプレッシャー
     → ブランドやクライアントの期待が高く、プロジェクトを任される責任感が重い

それでも続ける人が多いのはなぜ?

  • 「自分がデザインした空間が、目の前に“形”としてできる」喜び
  • 店がオープンした瞬間の“空気”を感じられる
  • 「かっこいい」「使いやすい」「売上が上がった」といった声が届く

これらの喜びが、困難を乗り越える大きなモチベーションになります。


自分がどの程度の「しんどさ」に耐えられるか

正直、どの業界・職種にも“きつさ”はあります。店舗設計のしんどさは、「働き方が不規則になる」「自分の理想通りにならない」ことへの耐性が問われます。

「誰かの理想を実現することに喜びを感じる」
「大変でも、形になることに達成感を覚える」
という方には、それがむしろ“やりがい”になることも多いです。


就職前にやっておいてよかったこと・後悔したこと

一言でいうと?
→ ソフトの習得や現場経験も大事ですが、それ以上に「業務全体の流れを理解しておく」ことが最も役立つ準備になります。


「やっておいてよかった!」と聞くことが多い準備

  1. Vectorworks/Illustrator/Photoshopの操作に慣れておく
     → ほぼ全ての設計事務所で使われており、最低限の操作は必須です
  2. 施工現場を見ておく/アルバイトで関わる
     → 図面だけでなく「現場ではどう納まっているか」を知ることが即戦力に直結
  3. プレゼンボードやポートフォリオの構成練習
     → 設計だけでなく「伝える」力が選考で問われます
  4. 複数職種(営業・施工・発注)の流れを理解しておく
     → 店舗設計は一人では完結しません。他職種との連携が非常に多いです

「やっておけばよかった…」と感じる後悔

  • 「CAD操作はできると思っていたが、スピードが全然足りなかった」
  • 「現場での納まりを知らず、実現不可能なデザインを提案してしまった」
  • 「クライアントとの会話に緊張して、何も聞き返せずに帰ってきた」
  • 「求人を見て“かっこいい”だけで選び、社風が合わず早期退職した」

特に最後のように、“自分に合うかどうか”を見極めるには、事前の情報収集と自己理解が重要です。


【適ドア適所】にそった「まとめ」

「店舗設計 求人 東京」というキーワードで検索している人は、ただ仕事を探しているのではなく、「自分に合う道を探している」状態です。

Newtonドアの哲学「適ドア適所」は、自動ドアだけでなく、働く場所や設計職としての自分の“居場所”をどう見つけるかという視点にも通じます。

  • どんな環境なら、あなたの力が活きるか?
  • どんな仕事内容なら、あなたがやりがいを感じるか?
  • どんな職場なら、長く続けていけそうか?

店舗設計という世界は、ただ「おしゃれ」や「デザイン」だけでは語れません。
その奥にある、“商業と人間の動き”をどう読み取り、形にしていくかという深い仕事です。

本記事が、その一歩を踏み出すヒントになれば幸いです。

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