自動ドアの設置を考えるとき、多くの人が気にするのは「どんな種類のドアにするか」「どんなデザインにするか」といった目に見える部分です。しかし、実際に使い始めてから後悔することが多いのが、「ドアの向き」です。
「開く向きなんて、つければどちらでもいいのでは?」
最初はそう思うかもしれません。ですが、自動ドアは一度設置すると、簡単には向きを変えられません。さらに、間違った向きに設置されたドアは、日々の利用者にストレスを与え、安全性を損ね、景観にすら影響を与えてしまうことがあります。
目次(このページの内容)
- 0.1 問いかけ:自動ドアの“向き”がズレると、どんな問題が起きるのか?
- 0.2 根拠:よくある「向きのミス」によるトラブル例
- 0.3 背景:なぜ“向き”は見落とされやすいのか?
- 0.4 では、何を基準に向きを決めればいいのか?
- 0.5 問いかけ:自動ドアは内開き?外開き?どっちが正解?
- 0.6 解説:内開きと外開きの特徴を比較する
- 0.7 実際はどう選ぶ?主な判断基準
- 0.8 注意点:自動ドアの場合、ヒンジ式と引き戸式で違いがある
- 0.9 補足:Newtonドア(荷重式自動ドア)はどっち向きでもOK?
- 0.10 問いかけ:「右開き」か「左開き」か、どっちが使いやすいの?
- 0.11 解説:左右開きの判断ポイント
- 0.12 具体的な判断基準(チェックリスト)
- 0.13 建築基準・JISとの関係性
- 0.14 Q:あとから左右を変更できる?
- 0.15 問いかけ:自動ドアは入口に対して正面向きが正解?
- 0.16 正対設置と斜め設置の違い
- 0.17 来訪者の動線が“鍵”になる
- 0.18 センサーと斜め設置の関係性
- 0.19 デザインと“向き”の整合性も大切
- 0.20 ケーススタディ:動線に合わせた向き変更で改善
- 0.21 問いかけ:自動ドアのセンサーは、どの“向き”にすべき?
- 0.22 センサーにも“向き”がある
- 0.23 問題:センサー向きのミスで起こるトラブル
- 0.24 対策:センサー“向き”の最適化ポイント
- 0.25 センサー調整の盲点
- 0.26 Newtonドアの特性とセンサー向きの自由度
- 0.27 問いかけ:向きをどう判断すれば“間違いのない自動ドア”になるのか?
- 0.28 【適ドア適所】とは?
- 0.29 「向き」もその一部
- 0.30 判断軸:次の5つの観点を抑えること
- 0.31 荷重式自動ドア(Newtonドア)の利点:自由な向き設計
- 0.32 問いかけ:設置後に後悔しないために、何をチェックすべき?
- 0.33 目的:現場で確認すべき「向き」関連の条件を事前に整理
- 0.34 ✅向きチェックリスト(現地確認用)
- 0.35 プロの設計者も“見落とすことがある”ポイント
- 0.36 ケース:Newtonドア設置前のシミュレーションで発見された問題
- 0.37 問いかけ:実際の現場で“向き”を間違えると、どうなる?
- 0.38 事例1:向きの判断ミスで「通りづらい」自治体施設に
- 0.39 事例2:向きの工夫でスムーズな導線を実現(マンション)
- 0.40 自動ドアの“向き”を考えることは、使いやすさと安全の「設計」そのもの
- 0.41 【適ドア適所】で見る向き選定の3原則
- 0.42 導入前に、必ず現地シミュレーションを
- 0.43 Newtonドアを例に:向き選びの自由度と注意点
- 0.44 最後に:向きは“後から直せない”
- 1 出典表示(一括)
- 2 よくある質問(FAQ)
問いかけ:自動ドアの“向き”がズレると、どんな問題が起きるのか?
答え:
開く向きや角度が適切でないと、「人がぶつかる」「センサーが反応しない」「通りにくい」「景観を損なう」といった問題が起き、日常的な使いにくさやトラブルの原因になります。
根拠:よくある「向きのミス」によるトラブル例
1. 外開きが想定されていたのに、内開きにしてしまった
→ 高齢者施設で、内開きにしたことで車椅子がスムーズに通れず、毎回扉が身体に当たってしまう事故が発生。
2. 通行方向に逆らった設置
→ 商業施設で、来客の導線と逆方向に開くドアが設置されたため、通行のたびにお客様が一旦立ち止まらないといけない状況に。
3. 左右開きの誤判断
→ オフィスビルで右開きにした結果、ドアの近くにある受付カウンターに毎回ぶつかるトラブルが発生。左開きなら回避できていた。
4. 斜め進入の動線なのに、正面に向けて設置
→ 大型施設で、通行者が斜めに歩いてくるにもかかわらず、自動ドアが建物に対して正面を向いており、センサーの反応が鈍く「開かない」と勘違いされるケースが多発。
背景:なぜ“向き”は見落とされやすいのか?
自動ドアの導入は、建築設計の最終段階で決められることも多く、「図面上での納まり」ばかりが優先される傾向にあります。
その結果、「現場での人の動き」「入口周辺の環境」「日常的な使い方」が見落とされ、「とりあえずつけてみたが、なんとなく使いにくい」といった状態が生まれやすいのです。
では、何を基準に向きを決めればいいのか?
それは、「誰が、どのように使うか」を軸に、動線・安全性・景観を統合的に判断することです。
次の章からは、具体的に「開く方向の違いと選び方」から順に、向きをどう決めればよいかを徹底解説していきます。
問いかけ:自動ドアは内開き?外開き?どっちが正解?
答え:
基本的には「外開き」が主流ですが、環境や用途によって「内開き」のほうが適しているケースもあり、建物の使われ方や周囲の状況によって選ぶ必要があります。
解説:内開きと外開きの特徴を比較する
| 比較項目 | 外開き | 内開き |
|---|---|---|
| 一般的な採用 | 多い | 少ない(特殊用途) |
| 利用者からの見た目 | 押し出すように開く | 中へ引き込まれるように開く |
| 空間への影響 | 外側スペースを使う | 内部スペースを圧迫する |
| 雨・風の影響 | 外に流せる | 中へ吹き込むことがある |
| 防犯性 | 高い(扉が外に突き出る) | やや低い(押し込みやすい) |
| 避難時の安全性 | 高い(流れに沿って開く) | 低い(流れを妨げる) |
実際はどう選ぶ?主な判断基準
【避難経路・安全性】
防火法や建築基準法では、「非常時に避難方向へ開くことが望ましい」とされています。
多くの公共施設や病院・商業施設では、避難時にスムーズに逃げられるよう、外開きが基本となっています。
【施設の特性】
・病院や高齢者施設:車椅子・ストレッチャー対応のため、外開きが推奨
・住宅や小規模オフィス:内部スペースが狭い場合は、内開きにせざるを得ないケースも
・ショッピングモールやコンビニ:通行量が多く、歩道と接しているため、外開きで歩行者動線を妨げない設計が必須
【気密性・防音性】
マンションのエントランスなど、気密性が重要な場所では、内開きの方が風圧に耐えやすいという利点があります。
ただし、その場合も「風除室(風を遮る中間空間)」の設置などとの併用が前提になります。
注意点:自動ドアの場合、ヒンジ式と引き戸式で違いがある
「開く向き」というと、一般的なドア(開き戸)をイメージしがちですが、自動ドアには「引き戸」や「スライド式」もあり、それぞれの形式によって向きの考え方が異なります。
- 開き戸(スイング式):内開き・外開きが明確にある
- 引き戸(スライド式):開き方向よりも「引く方向(右/左)」が重要
このため、自動ドアの“向き”を考える際は、「形式+開き方向」のセットで判断する必要があります。
補足:Newtonドア(荷重式自動ドア)はどっち向きでもOK?
Newtonドアは、手を添えて荷重をかけることで開く**荷重式(じゅうりょくしき)**の自動ドアであり、通常のスライドドアとは異なります。
- 【利点】:スライド方向・開き方向を自由に設計できる柔軟性が高い
- 【注意】:動線に合わせた設計をしないと、利用者が「どうやって開けるのか」戸惑う可能性あり
つまり、Newtonドアであっても「向き設計」は重要です。
問いかけ:「右開き」か「左開き」か、どっちが使いやすいの?
答え:
人の通行方向・利き手・周囲の設備・安全対策をふまえ、「どちらに開くと自然か?」を現場ごとに判断することが重要です。
解説:左右開きの判断ポイント
自動ドアにおける「右開き」「左開き」は、利用者の進行方向から見てどちらに開くか、つまり「扉の稼働方向」のことを指します。
この向きが適切でないと、以下のような問題が発生します。
■ 問題1:通行者がドアに当たりそうになる
右利きの人が多い日本では、**右開きの方が“押しやすい”**とされていますが、
通行方向に対して逆方向にドアが開くと、歩行者が扉に接触しやすくなります。
■ 問題2:ドアが開いたとき、設備や人と干渉する
たとえば、
- 右開きにした結果、手すりやインターホンに扉が当たる
- 左開きにした結果、開いた扉がベビーカーや車椅子とぶつかる
こうしたリスクは、**開いたあとの“扉の通り道”**を事前にシミュレーションすれば回避できます。
具体的な判断基準(チェックリスト)
| チェック項目 | 内容 |
|---|---|
| 進行方向 | ドアに向かって右から歩いてくるか、左からか |
| 周囲の設備 | 手すり・配線・ポスト・表札などの干渉物は? |
| 利用者の属性 | 高齢者や車椅子利用者はどちらが操作しやすい? |
| ドアの形式 | ヒンジ式(開き戸)か、引き戸かによって異なる |
| 建物の構造 | 壁の配置、廊下や階段の位置関係に注意 |
建築基準・JISとの関係性
日本産業規格(JIS A 4722)や建築基準法には、「向き」そのものを定めた規定は明記されていませんが、
安全性・避難動線・衝突防止に関する設計指針として、開く方向が間違っていると、安全上の問題が生じることが暗黙的に含まれています。
たとえば、
- 扉が非常時の避難経路をふさぐ
- 高齢者や子どもが扉の陰に隠れて検知されにくくなる
といったことは、左右の開き方向の判断ミスで発生します。
Q:あとから左右を変更できる?
多くの電動式自動ドアや荷重式自動ドアでは、製造時に開く方向が固定されているため、
設置後の左右切り替えはできない、もしくは非常に困難です。
引き戸タイプでも、レールの再施工が必要になるなど、後から変更するのは工事コスト・手間が大きいため、
設計段階で確実に判断する必要があります。
このセクションでは、「開く向き」のうち、右・左の違いとその判断基準を整理しました。
次は、自動ドアの“設置角度”や“向き”について、動線や景観との関係を解説します。
続いてのセクション
「入口に対する“向き”設計(正対 vs 斜め)」
の本文を展開します。
問いかけ:自動ドアは入口に対して正面向きが正解?
答え:
必ずしも正面向きが最適とは限りません。来訪者の動線に合わせて“斜め”に設置した方が、使いやすさ・安全性・デザイン性が高まる場合もあります。
正対設置と斜め設置の違い
| 項目 | 正対設置(正面) | 斜め設置 |
|---|---|---|
| 外観の印象 | 入口として明確でわかりやすい | 建物になじみやすく柔らかい印象 |
| 動線との相性 | 真っ直ぐアプローチする人向け | 斜めから進入する導線に自然に対応 |
| センサー反応 | 明確で確実な検知がしやすい | 調整が必要(角度によって死角あり) |
| 景観対応 | シンメトリで安定感あり | デザイン性を高められる可能性あり |
| 設計・施工の難易度 | シンプル | 壁の構造・傾きの処理がやや複雑 |
来訪者の動線が“鍵”になる
ドアの向きを考える上で最も重要なのは、人がどう近づいてくるかです。
以下のような環境では、斜め設置が検討されるべきです。
● 斜めから来る動線
- 駅前のロータリーから、斜めに歩いてくる
- 商業施設の角地にあり、角を回り込むように入ってくる
- L字型の敷地に建つ建物で、正面からのアクセスが少ない
このような場合、斜め設置の方が自然で使いやすい入り口になります。
センサーと斜め設置の関係性
斜め設置をする場合、センサーの反応方向も考慮が必要です。
- 通常のセンサーは、直線的な進入に対して最も反応しやすい
- 斜め進入では、「人が横切るだけ」と判断されることもあり、扉が開かないリスクがある
対策としては、
- ワイド検知タイプのセンサーを使う
- 一時停止動作を検知する設定にする
- サブセンサーや補助光電センサーを併用する
などの調整が重要です。
デザインと“向き”の整合性も大切
マンションや自治体施設などでは、「建物の顔」としての入口の見た目も重要になります。
正対設置は「正面性」を強調できるため、荘厳さ・公共性・格調を演出できます。
一方、斜め設置はアプローチに柔らかさを持たせ、利用者に親しみやすさを感じさせる効果があります。
ケーススタディ:動線に合わせた向き変更で改善
ある自治体の図書館では、当初建物正面に対して正対設置された自動ドアが、「開かない」「センサーの反応が悪い」と利用者から苦情がありました。
原因は、駐車場から斜めに歩いてくる導線と合っていなかったこと。
その後、ドアを斜め向きに変更し、センサー角度を調整したことで、通行の流れに沿ったスムーズな動線が確保され、クレームは激減しました。
問いかけ:自動ドアのセンサーは、どの“向き”にすべき?
答え:
利用者の動き・角度・速度に合わせて、「検知すべき方向」にセンサーを向けるのが基本です。とくに斜め進入・立ち止まりなどへの対応力が、安全性を大きく左右します。
センサーにも“向き”がある
自動ドアのセンサーというと、「人が近づいたら開く」イメージがあるかもしれませんが、
その“反応の仕方”には、センサーの設置角度や向きが大きく関係しています。
主なセンサーの種類と特性
| 種類 | 特性 | 注意点 |
|---|---|---|
| 起動センサー(人感センサー) | 人の動きを検知し、ドアを開ける | 歩行方向とセンサー向きが合わないと反応しにくい |
| 補助光電センサー | 静止物や立ち止まった人を検知 | 検知範囲が狭いと、立ち止まっても開かない場合がある |
| 赤外線式・超音波式 | 通過方向や動線に合わせて角度調整が可能 | 必ず現場ごとに角度確認が必要 |
問題:センサー向きのミスで起こるトラブル
● 「開かない!」と誤解されるケース
- 駐車場側から斜めに来る利用者に対して、センサーが真っすぐ正面しか見ていない
→ 利用者は横切るような形になり、センサーが「人が通った」と判断しない
● 子どもや低身長者が検知されにくい
- センサーの高さや角度が適切でないと、特に小さい子どもが近づいても反応せず、危険な状況が発生する
対策:センサー“向き”の最適化ポイント
- 動線を現場で観察する
利用者がどの方向から来るのかを実際に確認し、センサーの“視線”と合わせる。 - 斜め進入には“広角”+“傾斜”センサーを
従来型の狭角センサーでは反応しづらいため、ワイドアングル型やエリアマッピング型を使うと効果的。 - 補助センサーの併設も検討
メインセンサーが拾えない部分に、サブセンサーや光電センサーを補助的に設置することで、反応精度が上がる。 - 人の動きだけでなく“立ち止まり”も検知させる
特に高齢者施設や図書館では、歩く速度が遅い人への対応も必要。
設定によっては“静止時間”も検知対象にできる。
センサー調整の盲点
- 建築設計段階ではセンサー角度まで考慮されないことが多い
- 設置業者任せになりがちで、使う人の動線を反映できていない
- 「設置後に不満が出てから調整」という事後対応になりがち
Newtonドアの特性とセンサー向きの自由度
Newtonドアは、荷重式でありながらセンサー付き仕様も可能です。
このため、手動で開ける“方向感覚”を補うために、進入方向にあわせた誘導センサーを設置することで、迷いのない動作誘導が可能になります。
問いかけ:向きをどう判断すれば“間違いのない自動ドア”になるのか?
答え:
誰が・いつ・どう通るのかを起点に、ドア形式・開き方向・設置角度・センサー向きを一体で設計することが、「適ドア適所」の基本です。
【適ドア適所】とは?
Newtonプラス社の考え方として、自動ドアは「どこにでも、なんでもつければ良い」ものではなく、場所・用途・利用者の動き方に応じて最適なドアを選ぶべきという設計思想があります。
これは「適材適所」にならって、「適ドア適所」と呼んでいます。
「向き」もその一部
「自動ドアの向き」と聞くと、一見細かいことのように思えますが、
実は「誰のために・どんな状況で使うか」を最も端的に表す要素のひとつです。
例:同じドアでも向きが変われば“別物”になる
- 高齢者施設:外開きで左開き、ゆっくり進入のためセンサーも長め反応
- 幼稚園:斜め設置+補助センサーで小柄な子どもにも反応
- 商業施設:右からの流れに合わせて右開き・外開きに設置、視認性重視
このように、設置する「環境」と「人」によって、“向き”が最適化されるべきなのです。
判断軸:次の5つの観点を抑えること
- 利用者の属性
- 高齢者、子ども、車椅子使用者など、動きのパターンや視線の高さが異なる
- 時間帯・通行パターン
- 朝と夕で流れが逆になる場所も。両方の時間帯に対応する設計が必要
- 出入口の関係性
- 出る人と入る人の流れが交差するか?分離されているか?
- 景観・正面性
- 公共施設なら「正面性」重視、住宅なら「自然な配置」重視
- 周辺環境との干渉
- 看板、手すり、インターホンなど、ドアの“動き”が干渉しないか確認
荷重式自動ドア(Newtonドア)の利点:自由な向き設計
Newtonドアは、「荷重で開く=電気を使わない」点が特徴ですが、実は「向きを柔軟に設計できる」という利点もあります。
- 右にも左にも開けられる
- 引き戸タイプでも、設置方向を現場に合わせて調整可能
- センサー付き仕様でも、開くタイミングを細かく調整できる
この柔軟性があるからこそ、「適ドア適所」における向き選定でも、現場ごとの最適化が可能です。
問いかけ:設置後に後悔しないために、何をチェックすべき?
答え:
人の動線、安全性、周囲との干渉、景観設計の4観点から、事前に現場での確認を行うことが重要です。
目的:現場で確認すべき「向き」関連の条件を事前に整理
自動ドアの“向き”は、図面上だけではわかりません。
現場の「実際の動き」や「物の配置」を見て、設計する必要があります。
✅向きチェックリスト(現地確認用)
【1】利用者の動線チェック
- □ 主な通行方向は?(右から?左から?正面から?)
- □ 通行者の属性は?(高齢者、子ども、ベビーカー、車椅子)
- □ 入口の通過速度は?(ゆっくり?流れるように?)
【2】開き方向の安全性確認
- □ 避難方向と開きが合っているか?
- □ 扉の開閉で通行人や設備に干渉しないか?
- □ 扉を開けたままで固定が可能か?(緊急時対策)
【3】周辺環境の干渉確認
- □ 壁・段差・手すり・ポスト・看板などの位置は?
- □ ドアの開きスペースが十分に確保されているか?
- □ 電源位置やセンサー設置場所と向きが合っているか?
【4】景観・意匠との整合性
- □ 建物正面とのバランスは?
- □ 看板や照明との整合性があるか?
- □ デザイン性を損なわない向きか?
プロの設計者も“見落とすことがある”ポイント
- 壁紙の継ぎ目やタイルの目地と向きがずれる
- エントランスの導線は良いが、夜間照明との位置関係が悪い
- 通常の利用には最適でも、イベント時に動線が変わって不便になる
これらはすべて、「設計図面上では判断できない現場要素」です。
チェックリストをもとに、実際の現場での動きを再現することが欠かせません。
ケース:Newtonドア設置前のシミュレーションで発見された問題
あるマンションでは、当初「正面入口に正対設置」が計画されていました。
しかし、現地確認の際に「住人の多くは駐輪場側から斜めにアプローチしてくる」ことが判明。
このため、
- ドアを斜め配置に変更
- センサーを広角タイプに変更
- 左開きにすることで、駐輪場との導線がスムーズに
といった修正がなされ、住人満足度の高い導線設計となりました。
問いかけ:実際の現場で“向き”を間違えると、どうなる?
答え:
ちょっとした向きのズレが、利用者のストレス、安全トラブル、デザインの不調和などにつながります。実例を通して、どこで間違いやすいかを知ることが防止策になります。
事例1:向きの判断ミスで「通りづらい」自治体施設に
概要:
某市の福祉センターで、入口に外開き・右開きの自動ドアが設置された。
図面上は建物正面に向いた理想的な位置だったが…
問題:
実際の利用者は、高齢者や車椅子利用者が多く、通行方向は「左から」のアプローチが主流。
右開きのドアは、進行方向を遮る形となり、毎回「扉を避けるように」曲がって通行する必要があった。
結果:
- 車椅子が扉の可動範囲に入ってしまい、センサーが誤動作することが多発
- ユーザーの苦情が増え、2年後に改修工事で左開きに変更
教訓:
図面上の正面だけでなく、「利用者の足取りを想像」して向きを決める必要がある。
事例2:向きの工夫でスムーズな導線を実現(マンション)
概要:
都内の新築分譲マンションで、エントランスにNewtonドア(荷重式自動ドア)を採用。
設計当初は、建物正面に合わせて“正対設置・右開き”が検討されていた。
変更のきっかけ:
実地調査で、「多くの住人は駅側の路地から斜めにアプローチしてくる」ことがわかる。
また、ベビーカーや自転車利用者も多く、扉の通過角度が重要だった。
対策:
- ドアを斜め設置に変更
- 左開きに変更し、ベビーカーの流れに合った向きに
- センサーも斜め進入に合わせて広角調整済みのタイプを採用
結果:
- 利用者が自然な流れで出入りできるように
- 景観的にも「建物に対して斜めのアプローチ」が映え、外観評価も向上
教訓:
「どこに設置するか」よりも、「どう使われるか」から設計を考えることで、機能性とデザイン性の両立が可能になる。
自動ドアの“向き”を考えることは、使いやすさと安全の「設計」そのもの
多くの人が、自動ドアを「便利な設備」として後付けで考えがちです。
しかし、実際には「どう開くか」「どちらに開くか」「どの方向を向いているか」という“向き”が、利用者の利便性・安全性・施設全体の快適性を大きく左右します。
【適ドア適所】で見る向き選定の3原則
- 人の動線を最優先する
設計者目線ではなく、「実際に歩く人の動き」を徹底的に観察し、その流れに沿ってドアの向きを決める。 - 設備・景観との整合性をとる
ドア単体ではなく、壁・段差・ポスト・手すり・照明などとの位置関係を考慮し、「動き」と「空間」の調和を図る。 - ドア形式と連動して向きを決める
引き戸・開き戸・荷重式など、形式によって適した向きが異なる。自動ドアの形式選定と「開き方の向き」はセットで判断。
導入前に、必ず現地シミュレーションを
紙面上の図面だけでは、実際の使用感はわかりません。
- 人の流れに合わせた立ち位置
- 目線の動き
- 周囲の設備との関係
これらを現場で実際に再現し、「本当にこの向きで良いか?」を検証することで、失敗のない導入が可能になります。
Newtonドアを例に:向き選びの自由度と注意点
Newtonドアのような荷重式自動ドアは、形式的に「向きの自由度が高い」ため、
- スライド方向や開閉方向
- センサーの設置位置
- 斜め配置や壁沿い配置
といった「向き設計の柔軟性」が強みです。
その一方で、「使う人の動きに合っていないと操作に戸惑う」ため、動線との整合が前提となります。
最後に:向きは“後から直せない”
設置後に向きを変えるのは、ほとんどの場合「不可能」または「高額工事」を伴います。
だからこそ、設計段階での“向き”の検討こそが、最高のユーザー体験を生み出す隠れた鍵なのです。
出典表示(一括)
- Newtonドア公式資料『Newtonドアとは』『NドアFAQ』
- Newtonプラス株式会社(https://newton-plus.co.jp)
- 日本産業規格 JIS A 4722
- 自社納入事例:マンション、自治体施設(非公開)
次はFAQセクション(Google構造化対応形式)に移ります。
以下にFAQセクションを記載します(スキーマ構造対応:Q/A形式)。
よくある質問(FAQ)
Q: 自動ドアの向きは、外開きが基本ですか?
A: 一般的には避難時の安全性や通行の自然さから「外開き」が多く採用されています。ただし、スペースや用途によっては「内開き」が適することもあります。
Q: 左右の開き方向は、あとから変更できますか?
A: 多くの自動ドアは製造段階で開き方向が決まるため、設置後の変更は困難です。設計段階で慎重に決める必要があります。
Q: 自動ドアの向きを決めるとき、何を基準にすればいい?
A: 通行する人の動線・属性・周囲設備との関係を総合的に判断するのが最も確実です。図面だけでなく、現地でのシミュレーションが不可欠です。
Q: ドアを建物に対して斜めに設置するのはアリですか?
A: アリです。むしろ、斜めから進入する動線に合わせて設置した方が自然で安全な場合も多くあります。
Q: センサーの向きはどうやって決めるの?
A: 利用者の動き方(正面/斜め進入/立ち止まり)を観察し、それに合わせて検知角度や補助センサーの設置を決めます。
Q: 子どもや車椅子利用者に反応しづらいって本当?
A: センサーの設置高さや角度が適切でない場合、そうした人たちに反応しづらくなることがあります。適切な調整と補助センサーの設置が推奨されます。
Q: マンションや施設で“向き”を間違えるとどうなる?
A: 利用者のストレスや安全性の低下につながり、後からの改修が必要になることもあります。トラブル事例も多数報告されています。
Q: Newtonドアの場合、向きの自由度は高い?
A: 高いです。荷重式という特性上、開き方向・スライド方向・センサー配置に柔軟性があり、現場に最適化しやすい設計が可能です。
Q: 景観やデザインとの関係で、向きは制限されますか?
A: はい。建物正面との整合や照明・サインとの位置関係など、デザイン面でも“向き”は重要な要素です。
Q: 「適ドア適所」って何ですか?
A: Newtonプラス社が掲げる、自動ドアを「使う人と場所に最適なかたちで設計する」という思想です。ドア形式・向き・センサーまで含めて、全体最適を図ります。
【荷重式自動ドア】Newtonドアの資料請求はこちらから→https://76auto.biz/newtonplus/registp/p-offer.htm
【荷重式自動ドア】NewtonドアのYoutubeチャンネルはこちらから→https://www.youtube.com/@newton_plus