目次(このページの内容)
- 1 自動ドアの「保守点検業務」とは何か?
- 2 保守点検の目的とは?
- 3 「保守」「点検」「修理」の違い
- 4 保守点検業務の基本構成
- 5 業務の対象となる主なドアの種類
- 6 自動ドアの点検項目と作業内容は?
- 7 主な点検項目とは?
- 8 点検作業の流れと所要時間
- 9 使用年数や設置場所によって変わる点検の重点
- 10 保守点検記録は「財産」になる
- 11 点検の頻度と妥当なスケジュールとは?
- 12 点検頻度の目安とは?
- 13 「年1回で足りる」とは限らない
- 14 頻度の設定で迷ったら「使用回数」を目安に
- 15 保守契約では「定期スケジュール」が組まれる
- 16 保守契約とスポット点検の違いは?
- 17 保守契約とは?
- 18 スポット点検とは?
- 19 保守契約とスポットの比較表
- 20 選び方のヒント
- 21 長期的なコストパフォーマンス
- 22 保守点検を怠った場合のリスクと責任
- 23 法的な義務はあるのか?
- 24 実際に起きている事故と訴訟リスク
- 25 管理責任としての点検履歴の重要性
- 26 管理者・オーナーにとっての責任の切り分け
- 27 点検履歴の提示が求められるケース
- 28 専門業者の選び方と「適ドア適所」という考え方
- 29 専門業者の選び方の基準
- 30 「とりあえず契約」のリスク
- 31 【適ドア適所】という視点で考える
- 32 荷重式自動ドアという選択肢
- 33 保守点検にかかる手間とコストを「ゼロに近づける設計」へ
- 34 提案ではなく視野を広げる情報として
- 35 【適ドア適所】にそった「まとめ」
- 36 ✍ ここまでの要点まとめ
- 37 🧭 適ドア適所という考え方
- 38 ✅ 出典・参考文献(抜粋)
自動ドアの「保守点検業務」とは何か?
要点:
自動ドアの「保守点検業務」は、日常的に安全でスムーズに開閉する状態を保つための一連の作業です。ここでは、保守・点検・修理の違いや、業務の目的と構成を詳しく見ていきます。
保守点検の目的とは?
自動ドアの保守点検は、以下の2つの目的を満たすために行われます:
- 安全の確保
センサーの誤作動や戸袋内の障害物などが原因で事故につながるのを未然に防ぐ。 - 故障予防と長寿命化
摩耗部品の早期発見や動作異常の修正によって、機器の寿命を延ばし、突発的なトラブルを防ぐ。
これらの目的は、特に不特定多数の人が利用する施設(例:商業施設、病院、学校、マンション)において非常に重要とされています。
「保守」「点検」「修理」の違い
保守点検業務は、一般に「点検+調整+軽整備」のセットで構成されますが、用語の違いも押さえておきましょう。
| 用語 | 意味 | 具体内容の例 |
|---|---|---|
| 点検 | 異常の有無を調べる | 開閉スピード、センサーの反応、ドアの傾きなど |
| 調整 | 小さな不具合を整える | 速度調整、隙間調整、センサー範囲の変更など |
| 修理 | 故障した部品の交換や修復 | 開閉装置の交換、センサーの修理など(別費用が多い) |
多くの保守契約では「点検・調整」は基本料金に含まれていますが、「修理」は別料金になるケースが多く、契約内容によって変わります。
保守点検業務の基本構成
実際の保守点検業務は、以下のような工程で構成されるのが一般的です。
- 事前チェック
動作確認、設置環境の確認、異常音・動きの確認など。 - 点検作業
センサー、駆動部、ドア本体、ストッパー、開閉レール、ゴム類などの点検。 - 調整作業
開閉速度、センサー感度、ストローク調整、傾き補正など。 - 記録と報告
点検報告書の作成と提出。異常があれば改善提案を含むことも。
業務の対象となる主なドアの種類
- 自動スライドドア(開戸式/引戸式)
- 自動回転ドア
- 自動引戸(観音開き型)
- 荷重式自動ドア(※特殊:後述)
それぞれ構造が異なるため、点検内容や頻度も多少異なります。
次に「点検項目と作業内容」について詳しく解説します(H2-2)。続きます。
自動ドアの点検項目と作業内容は?
要点:
点検業務では「壊れていないか」ではなく、「壊れそうな箇所がないか」を見るのが基本です。具体的な作業内容を知ることで、保守点検業務が“何に対する予防”なのかが見えてきます。
主な点検項目とは?
保守点検でチェックされる主な項目は以下のとおりです。これはJADA(全国自動ドア協会)や各メーカーでほぼ共通しています。
| 点検部位 | チェック内容 | 目的 |
|---|---|---|
| 開閉部 | 扉の開閉速度・動作音・停止位置 | スムーズな動作・異音防止 |
| センサー | 反応速度・感知範囲・誤検知の有無 | 安全性の確保(人との接触防止) |
| 制御装置 | 設定内容、異常ランプの確認 | 故障予兆の把握 |
| ガイドレール・戸車 | 摩耗・破損・異物の有無 | 引っかかりや落扉の防止 |
| 電源・配線 | 緩み、断線、絶縁不良など | 安全確保と誤作動防止 |
| 非常開放装置 | 非常時に正常に開放されるか | 災害時の安全対策 |
| サイン・表示類 | 見やすさ、破損・消えなど | 利用者への注意喚起機能 |
点検作業の流れと所要時間
点検作業は通常1台あたり30分〜1時間程度で終了します(状態・種類により変動)。
作業員は基本的に2名体制で、1人が動作確認、もう1人が内部部品の点検と調整を行うケースが一般的です。
使用年数や設置場所によって変わる点検の重点
- 使用年数が10年以上の機器
→ 摩耗・劣化による部品の交換提案が増える傾向あり - マンション・病院など人の出入りが多い場所
→ センサー・扉開閉回数が多いため、駆動部の摩耗が進みやすい - 出入口が風雨にさらされる店舗
→ ゴミ・砂・水分の侵入で、レール・戸車への影響が大きくなる
このように、「何をどれだけ点検すべきか」は、使い方と設置環境で大きく変わります。
保守点検記録は「財産」になる
点検報告書は、単なる業務記録ではなく、施設の安全管理履歴として資産的価値を持つものです。
特にマンションや公共施設では、「しっかり点検してきた記録」があることで:
- 賠償責任リスクを軽減
- 売却・引継ぎ時の信頼性向上
- 自治体からの指導対応の証拠
にもつながります。
点検の頻度と妥当なスケジュールとは?
要点:
「年1回で大丈夫か?」という疑問は、使用環境と目的によって答えが変わります。推奨される頻度と、その根拠について解説します。
点検頻度の目安とは?
JADA(全国自動ドア協会)および多くのメーカーが推奨する点検頻度の目安は以下の通りです:
| 使用環境 | 推奨点検頻度 | 理由 |
|---|---|---|
| 商業施設・病院など(高頻度使用) | 年4回(3ヶ月ごと) | 利用者が多く、安全性が最優先 |
| 事務所ビル・学校など(中程度使用) | 年2回(6ヶ月ごと) | 故障予防と安全配慮のバランス |
| 一般住宅・小規模施設など | 年1回 | 稼働頻度が低く、軽微な点検で十分 |
※特別な要因がある場合(例えば、大型扉や風の強い地域など)は、より頻繁な点検が推奨されることもあります。
「年1回で足りる」とは限らない
自動ドアは、1日数百回〜数千回開閉する場所もあります。使用頻度が高い環境では、月1回の点検が望ましいとする業者も存在します。
特に以下のような状況では、年1回ではトラブルの早期発見が困難になる可能性があります:
- ドアの開閉速度が急に変わった
- センサーの反応にムラがある
- 異音や振動が増えてきた
これらは、故障の前兆として見逃してはならないサインです。
頻度の設定で迷ったら「使用回数」を目安に
点検の頻度は、「1日の平均開閉回数」が非常に有効な判断基準となります。
| 開閉回数/日 | 推奨点検回数/年 |
|---|---|
| 〜100回程度 | 年1回 |
| 100〜300回 | 年2回 |
| 300回以上 | 年4回以上 |
※この基準は、機種や設置条件により変動があります。
保守契約では「定期スケジュール」が組まれる
契約形態によっては、自動的にスケジュール化されることもあります。管理側での煩雑な手配が不要となるメリットがありますが、逆に「実際は必要ない回数」になってしまうこともあるため、使用実態にあわせた見直しが重要です。
保守契約とスポット点検の違いは?
要点:
定期契約(保守契約)とスポット点検は、どちらが優れているというものではありません。利用環境と管理体制に応じて最適な選択肢が変わります。
保守契約とは?
保守契約とは、年1回〜年4回の定期点検と軽微な調整・清掃作業をあらかじめ契約し、一定の金額で実施してもらう仕組みです。
契約内容の一例:
- 年4回の定期点検
- 作業報告書の提出
- 緊急時の優先対応(24時間体制など)
- 軽微な部品交換(ベルト・戸車など)無料
- 技術料の割引
スポット点検とは?
スポット点検は、必要に応じて1回ごとに都度依頼を行う方式です。
特徴:
- 費用は都度発生(基本出張費+作業費+部品代)
- 定期的なスケジュールは組まれない
- 急なトラブル対応が遅れる可能性あり
保守契約とスポットの比較表
| 比較項目 | 保守契約 | スポット点検 |
|---|---|---|
| 点検頻度 | 定期(自動設定) | 必要時に個別依頼 |
| 費用形態 | 年間契約で定額 | 都度払い(変動) |
| トラブル対応 | 優先対応あり(契約内容による) | 対応に時間がかかる可能性 |
| 故障リスク | 早期発見しやすい | 発見が遅れる可能性 |
| 管理負担 | 業者が定期実施 | 管理側で日程調整が必要 |
選び方のヒント
保守契約が向いているケース:
- 人通りが多い施設(商業施設・病院・公共施設)
- 管理者が複数の設備を同時に扱っている場合(負担軽減)
- 管理履歴の整備が必要な場合(マンション・自治体)
スポット点検が向いているケース:
- 使用頻度が非常に少ない(倉庫など)
- 簡易な構造で故障リスクが小さい
- 費用重視で最低限の点検だけを望む
長期的なコストパフォーマンス
単年だけで見るとスポット対応の方が安く見えることがありますが、年を重ねると「修理費がかさみ逆転する」ケースも少なくありません。
以下のような点に注意しましょう:
- 緊急対応の技術料が高額になりがち
- 故障箇所が広がって、複数部品を同時交換する必要が出てくる
- 予防的な調整を怠ることで、早期劣化が進む
保守点検を怠った場合のリスクと責任
要点:
自動ドアの保守点検は、法的義務ではないものの、「施設管理者の責任」として見なされる場面が年々増えています。点検を怠ったことで生じるリスクを明確に整理します。
法的な義務はあるのか?
結論から言えば、自動ドアの保守点検には直接的な法的義務は存在しません。
ただし、以下のような法的・社会的責任が問われる可能性があります:
- 民法709条:不法行為による損害賠償責任
- 民法415条:契約不履行(安全管理義務違反)
- 製造物責任法(PL法):メーカー責任との混在
実際に起きている事故と訴訟リスク
実際に、点検を怠ったことに起因する事故は毎年一定数報告されており、損害賠償請求が発生した事例もあります。
事例の例:
- 高齢者がセンサー誤作動により転倒 → 病院に損害賠償請求
- 子どもが手を挟まれ骨折 → 店舗側が賠償
これらは、安全装置が適切に作動していなかったことが原因となり、点検履歴の有無が「過失の有無」の判断材料として問われました。
管理責任としての点検履歴の重要性
事故が起きた際に「定期的に点検していた」という記録があるかどうかで、法的な判断は大きく変わります。
記録がある場合:
- 「予見可能なリスクに対して適切な管理をしていた」と主張可能
- 賠償責任の軽減、または免責の可能性も
記録がない場合:
- 「安全管理の怠慢」と見なされるリスク
- 管理者が個人で責任を負う可能性も
管理者・オーナーにとっての責任の切り分け
| 立場 | 責任の範囲 | リスク管理としての点検義務 |
|---|---|---|
| 施設オーナー | 所有物の安全性維持 | 契約者として保守管理の必要あり |
| 管理会社 | 日常点検と報告義務 | オーナーへの定期報告と是正勧告 |
| 利用者(テナント等) | 通常使用の範囲内での注意義務 | 異常時の報告義務あり |
どの立場であっても、「知っていて放置した」場合は重い過失とされることがあります。
点検履歴の提示が求められるケース
- 自治体補助金の申請時(バリアフリー設備として)
- マンション売却・査定時(共用部の保守履歴として)
- 店舗の保険加入・更新時(設備点検の証拠書類として)
専門業者の選び方と「適ドア適所」という考え方
要点:
「費用が安いから」という理由で業者を選んでしまうと、結果的に高くつくこともあります。ここでは、業者選定の基準と、根本的に保守負担を減らす“設計の見直し”という視点を紹介します。
専門業者の選び方の基準
多くの管理者が「価格比較」で業者を選びがちですが、以下のような視点を取り入れることで、より長期的に安定した保守が可能になります。
| 判断軸 | チェックポイント | 理由 |
|---|---|---|
| 対応スピード | 緊急対応体制・エリア対応力 | トラブル時に差が出る |
| 点検内容の明示性 | 点検項目が公開されているか | 作業品質の透明性 |
| 報告書の質 | 写真付き・詳細な記録があるか | 説明責任・訴訟リスク軽減 |
| アフターフォロー | 再調整・無料点検などがあるか | トラブル後の安心感 |
| 技術力・資格者数 | 有資格者の点検か/経験年数 | 調整精度と故障予防に直結 |
「とりあえず契約」のリスク
見積もりだけを見て契約を決めてしまうと、「点検しただけ」「調整されていなかった」「報告が不十分」などのトラブルも。
特に多いのが:
- 異常に安い点検費用で契約 → 実際には点検内容が簡素
- 部品交換を繰り返し請求される → 年間で見ると高額に
【適ドア適所】という視点で考える
ここまで「保守点検業務」の最適化について見てきましたが、そもそも:
「保守点検が必要にならない構造のドアだったら?」
という発想も存在します。これが、我々が提唱する「適ドア適所」という考え方です。
荷重式自動ドアという選択肢
例えば Newtonプラスが開発した 荷重式自動ドア(Nドア) は、「電気を使わない完全非電動構造」であり、以下のような特徴があります:
| 一般的な自動ドア | Newtonドア(荷重式) |
|---|---|
| 電気・センサー使用 → 定期点検が必要 | 電気・センサー不使用 → 点検不要(または最小限) |
| モーターや基板の交換が必要 | 可動部品のみの交換で済む |
| 技術者による点検が必須 | 一般管理者でもチェック可能 |
保守点検にかかる手間とコストを「ゼロに近づける設計」へ
保守点検は、あくまで「電動機器を安全に使うための手段」です。
ならば、そもそも保守が要らない構造にすることで、
- 点検契約不要
- 修理・交換の回数激減
- 緊急対応が不要になる
というメリットが得られます。
これは、「今ある設備を見直す」という発想につながります。
提案ではなく視野を広げる情報として
この記事ではあくまで「売り気ゼロ」を貫きますが、
もし「保守点検に疲れてきた」「手間もコストも減らしたい」という方は、
Newtonドアの仕組みや導入事例を見てみるのも一つの知的探求としておすすめです。
(関連記事へのリンクで対応)
【適ドア適所】にそった「まとめ」
本記事では、自動ドアの保守点検業務について、初心者から管理実務者まで納得できるよう、その全体像・具体内容・頻度・契約判断までを丁寧に解説しました。
✍ ここまでの要点まとめ
- 保守点検の目的は「安全の確保」と「故障の予防」。
- 点検項目は多岐にわたり、定期的なチェックが事故防止につながる。
- 頻度は使用環境に応じて「年1〜4回」が目安。
- 保守契約とスポット対応は、管理体制によって最適解が異なる。
- 点検を怠ると、事故時に管理責任が問われる可能性がある。
- 業者選びは「金額」ではなく「対応力・技術力・記録力」で判断する。
- 保守そのものが不要に近づく「荷重式自動ドア」という選択肢も存在する。
🧭 適ドア適所という考え方
自動ドアの点検業務や保守契約は「選んだドアの構造」によって大きく変わります。
- 電気式の自動ドアなら → 定期的な専門点検が必要(コストも一定)
- 荷重式の自動ドアなら → 電気がないから点検の手間が最小限
つまり、設備導入時に“将来の点検コスト”まで設計に織り込むことが、真の意味での「賢い設備管理」なのです。
✅ 出典・参考文献(抜粋)
- 一般社団法人 全国自動ドア協会(JADA)公式サイト
- 株式会社ナブコシステム 保守サービス内容
- システムクリエーション株式会社 自動ドア点検コラム
- Newtonドア技術資料(Newtonプラス社 提供)
- NドアFAQ、導入事例資料、チャネル資料(Newtonプラス社)
【荷重式自動ドア】Newtonドアの資料請求はこちらから→https://76auto.biz/newtonplus/registp/p-offer.htm
【荷重式自動ドア】NewtonドアのYoutubeチャンネルはこちらから→https://www.youtube.com/@newton_plus