自動ドアと聞くと、「センサーで開く扉」というイメージを思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、実際の設計や施工の場では「扉」そのものだけでなく、それを支える**枠(わく)**の構造や呼び名を正確に理解することが求められます。特に、設計図や仕様書、現場でのやりとりでは、「無目(むめ)」「框(かまち)」「方立(ほうだて)」などの専門用語が飛び交い、これらをあいまいに理解していると、ちょっとした認識のズレが施工ミスや発注トラブルにつながることもあります。

この記事では、一般的な自動ドアに使われる「枠の名前」を図とセットで解説しつつ、さらに**荷重式自動ドア(Newtonドア)**においては何が違うのか、その違いがなぜ重要なのかも含めて整理していきます。読み終えるころには、「この枠、なんて呼ぶの?」という疑問にスムーズに答えられるようになり、設計や現場でのやり取りにも自信を持って臨めるようになるはずです。


どこからが「枠」?そもそも何を指しているのか

要点: 自動ドアの「枠」とは、ただの囲いではありません。設置環境や動作構造と一体となって、扉の開閉・安全性・美観を左右する重要な構成要素です。まずは、そもそも「枠」とはどこからどこまでを指すのかを明確にします。


枠は「扉を囲うだけの存在」ではない

建築現場では「枠」といえば、「開口部の端部を囲う部材全体」を指すのが一般的です。自動ドアにおいても同様で、壁からの開口をきちんと仕上げ、扉本体を取り付け、動作やガイドを確保するための機能部材の集合体が「枠」です。

具体的には、以下のような部材を含みます:

  • 上部の無目(むめ)
  • 左右の縦枠(方立や戸先枠)
  • 下部のレール部(ガイドレールや戸当たり)
  • 枠と扉本体を構成する框(かまち)

「壁と枠」と「枠と扉」の境界

混乱しやすいのが、「壁なのか枠なのか」「枠なのか扉なのか」という境界のあいまいさです。例えば、建築側が用意する「開口部」と、そこに組み込む自動ドア側の「枠」が別構造である場合、どこからが誰の範囲かを明確にしないと、納まりがチグハグになるリスクがあります。

設計者・施工者・メーカーで呼び方や範囲が違うことも多く、それが混乱の原因です。したがって、「この部分をなんと呼ぶのか」は、物理的な形状だけでなく、機能・取り合い・製品構成からも考える必要があります。


枠=「固定部材+可動扉を支える構造体」

結論として、自動ドアの枠とは:

  • 壁と製品の接続部としての仕上げ枠
  • 扉を固定・誘導するための構造部材
  • 施錠・ブレーキ・電動機構などを組み込む装置の一部

であると捉えると、誤解がなくなります。呼び名を覚えるだけでなく、それぞれの部材が何を担っているかを理解することが、次のステップへの入口です。


自動ドアに使われる枠の名前一覧(一般編)

要点: 自動ドアに使われる枠の名称には、建具業界やサッシ業界で広く使われる用語が多く含まれます。この章では、代表的な部材ごとに「どこにあって」「どんな機能を持ち」「どんな混乱が起きやすいか」を、初心者にもわかりやすく整理します。


框(かまち)とはどの部材?

Q:框(かまち)って、どこを指すの?

A:框とは、扉本体の四方を囲む枠材のことです。縦に伸びるものを「縦框」、上部を「上框」、下部を「下框」と呼びます。


機能と特徴:

  • 扉の骨格を構成する部材
  • 開閉の際の強度やねじれ防止に重要
  • 縦框には鍵や取手、引手が付くことが多い

混乱しやすい点:

「扉の枠」としての「框」と、「開口部を囲む枠(方立や無目)」が混同されやすい点に注意が必要です。框はあくまで扉そのものの構成部材です。


無目(むめ)とはどこにある?

Q:無目って、なに?上枠のこと?

A:無目は、開口部の上部に設けられる横枠の部材であり、多くの場合、自動ドアの開閉機構(オペレータ)を内蔵するスペースとして機能します。


機能と特徴:

  • 扉の吊り元や開閉装置を支える
  • 機器収納スペースにもなる(電動式の場合)

混乱しやすい点:

「上框」との違いが不明確になることが多いですが、無目は「開口部」側の枠材で、上框は「扉側」の部材です。位置ではなく、構成要素で分けると理解しやすくなります。


方立(ほうだて)と縦枠の違い

Q:方立と縦枠、何が違うの?

A:方立とは、ガラス壁や連装ドアなどの間を仕切る縦の固定枠材で、扉の開閉には関与しません。一方、縦枠は開口部の左右に取り付けられる一般的な枠材で、戸先枠や戸尻枠とも呼ばれます。


機能と特徴:

  • 方立は構造体や意匠上の仕切りに使う
  • 縦枠(戸先・戸尻)は扉の可動部との取り合いを担う

混乱しやすい点:

現場では「縦枠=全部方立」と誤認されることがあり、方立=固定/縦枠=扉まわりという区別を明確にすることが重要です。


三方枠とはどういう納まり?

Q:三方枠って、どんな構造?

A:三方枠は、上と左右の三辺に枠材が回されている納まりのことで、建具枠の基本形です。


機能と特徴:

  • 建築側の壁開口と美しく納める
  • ドアセット全体の強度を担保する

混乱しやすい点:

「三方枠=ドアセット全体」と思われがちですが、壁側と製品側の接点を表す言葉として使われることが多く、文脈によって意味が変わる点に注意が必要です。


ガイドレール枠や戸先枠との違い

Q:ガイドレール枠って、床のこと?それとも下枠?

A:ガイドレール枠は、扉の動きを制御するための床面または下枠に設ける溝状の部材です。戸先枠は、扉が閉じる側にある縦枠です。


機能と特徴:

  • ガイドレールは戸車やローラーの動きを安定させる
  • 戸先枠は扉の停止位置を明確にし、密閉性や安全性を担保

混乱しやすい点:

「床のレールも枠なのか?」という疑問が出やすいですが、機能部材でありながら「枠」として扱うケースがあるため、図面表記や仕様書での確認が必要です。


ここまでが一般的な自動ドアの「枠」の呼び方です。
次は、Newtonドア(荷重式自動ドア)において、何が変わるのかを解説します。


Newtonドアの場合、呼び方や納まりは変わる?

要点: Newtonドア(荷重式自動ドア)は、電気を使わずに扉を開閉させる構造のため、動作機構や部材構成が通常の電動式自動ドアとは異なります。その結果、枠に関する設計や呼び名にも違いが生まれます。


Newtonドアに特有な部材と役割

Q:Newtonドアって、どんな構造になってるの?

A:Newtonドアは、床下に埋め込まれた踏板と重りを使った「てこの原理」によって開閉する非電動自動ドアです。扉の上部や壁に機械を設置せず、重力と人の荷重のみで動作する点が最大の特徴です。


特有の構造部材:

  • 踏板(ふみいた): 扉前に設けられたマット状の踏板。ここに人が乗ると荷重が感知され、扉が開く。
  • 床下の重り(カウンターウエイト): 踏板からの荷重で動作し、扉を引く。
  • リンク機構: 扉と連結し、開閉動作を伝える可動アーム。
  • 点検口(てんけんこう): 駆動部へのアクセスやメンテナンス用の開口部。

枠に関する主な違い

部材一般的な電動式自動ドアNewtonドア(荷重式)
無目枠センサーや開閉機を設置基本的に不要/非搭載
ガイドレール枠下部にレールあり必要最小限、または非設置
点検口枠不要(メンテは上部)床下点検のため必須
マット枠不要踏板と床との段差を吸収

枠設計における注意点

Newtonドアでは、枠の厚み・位置・クリアランスが、踏板や重り機構の動作に直接影響します。以下のような点が特に重要です:

  • 側枠が厚すぎるとリンク機構が当たる
  • 踏板部の段差が大きいと作動不良になる
  • 点検口を確保しないと保守が不可能になる

つまり、「ただの囲い」としての枠ではなく、「動作の一部として機能する」構造部材として枠を再設計する必要があるのです。


図面や現場で「この枠、なんて呼ぶ?」と言われたときの指し方

要点: 設計図面や現場では、部材の位置や名称についての「言った・聞いた」のズレがトラブルの原因になります。特に自動ドアの枠周りは、専門用語が多く誤解されやすい領域。ここでは、正確に伝えるための呼び方と、そのときの注意点を整理します。


図面記号と用語の揺れに注意する

設計図や施工図において、同じ位置の部材であっても以下のような呼称の揺れが生じることがあります:

機能・部位呼称A(建築寄り)呼称B(建具・サッシ寄り)
上部横枠無目(むめ)上枠、上框
扉縦部縦枠框、戸先、戸尻
仕切り縦部方立(ほうだて)間仕切り
扉下の誘導部下枠、床レールガイドレール

対応方法:

  • 図面での記号(M=無目、H=方立など)を基準にする
  • 設計会議では「●●側の上部枠=無目」と位置+用語で言い換える
  • 呼称が分からないときは、「扉のこの縦の部分」とジェスチャーや図示で示す方が確実

「無目」「方立」などの誤解されやすい言葉

**無目(むめ)**は、扉の開閉機構がある上部の枠を指しますが、現場によっては「扉の上框」のことを無目と誤認しているケースがあります。

方立(ほうだて)も、単なる縦枠と混同され、「全部方立」とされることが多いですが、正確には可動扉と扉の間、または開口部とガラスとの間を仕切る固定枠です。


正しく伝えるためのポイント:

  1. 「扉側」なのか「開口部側」なのかを区別する
  2. 可動部(扉)と固定部(枠)を意識する
  3. 「この部分=●●」という定義を最初に共有する

部材名の違いが「トラブル」になる場面とは?

要点: 呼称のズレや部材の理解不足は、実際に設計ミス・施工ミス・発注ミスといった形で現場に影響を及ぼします。特にNewtonドアのような特殊構造の場合、わずかな誤解が致命的な不具合につながることもあります。


設計ミス・発注ミスの原因になる例

ケース1:無目の取り合いを間違えた例

ある案件で、設計図面に「無目なし」と記載があったため、建具メーカーは上枠不要と判断。しかし実際は開口部の上枠として無目が必要だったため、現場で「取り付けできない」事態に。
→ 「無目」が「上枠」なのか「オペレータスペース」なのか、意味の違いを理解していなかったことが原因


ケース2:方立と縦枠の発注ミス

方立と縦枠を同じ部材としてまとめて発注してしまい、現場で寸法が合わず再加工。
→ 方立は「固定部」、縦枠は「可動扉との取り合い部」であり、必要なクリアランスや強度が異なるため、別設計が必要だった


ケース3:Newtonドアで点検口を設けなかった

Newtonドアは床下に重りや駆動リンクがあるため、点検口が必須。しかし、通常のドア設計と同じ感覚で進めたため、床下構造が隠れてしまい点検不能に
→ 枠設計と機構の関係性を理解していなかったことが原因


Newtonドアで特に気をつけたい呼び方のズレ

Newtonドアでは、以下の点に注意が必要です:

  • 踏板=センサーではない。構造体そのもの
  • 点検口=ただのサービスホールではない。動作確認に必須
  • リンク機構=枠と扉の関係を制御する可動部

つまり、**一般的な自動ドアと同じ名前でも「役割が違う」**というケースが多いため、部材名を「機能とセットで理解」することが最も重要です。


【保存版】自動ドアの枠・部材名 一覧表(Newtonドア対応)

要点: ここでは、自動ドアに関する枠や部材名を、一般的な電動式とNewtonドア(荷重式)それぞれについて比較しながら整理します。用途・機能・構造の違いを意識することで、混乱を防ぎやすくなります。


一般的な自動ドア(電動式)

部材名機能設置位置注意点
無目(むめ)オペレータ収納・扉吊り元上部センサーや開閉機構と連動
框(かまち)扉構造体(四方枠)扉周囲縦框・横框で構成
方立(ほうだて)仕切り縦枠(固定)扉と扉の間、ガラスとの間可動部とは分けて設計
戸先枠・戸尻枠開閉端の縦枠開口部両端戸当たり材との納まり注意
三方枠上+左右の囲い枠壁開口部基本的な納まり
ガイドレール扉の誘導下部床面扉の揺れ止め・位置決め

Newtonドア(荷重式自動ドア)

部材名機能設置位置特有のポイント
無目通常不要上部駆動部は床下のため省略可能
框(かまち)扉構造体扉周囲軽量で荷重反応しやすく設計
点検口枠メンテナンス用開口床付近定期点検・保守に必須
マット枠(踏板枠)荷重感知部床部人の荷重で動作、段差設計要
ガイド枠開閉誘導下部・側部扉が傾かないよう誘導設計
側枠扉の稼働スペース確保左右駆動リンクが干渉しない寸法必要

この一覧表は、設計者・施工者・保守業者が「部材名称」と「役割」を一目で確認できるものとして活用できます。
また、Newtonドアのような特殊構造では、「動作」と「枠の納まり」が一体で設計されるため、用語理解=構造理解となる点も押さえておくとよいでしょう。


【適ドア適所】にそった「まとめ」

自動ドアの「枠の名前」は、単なる用語の問題ではなく、「構造・動作・安全性」に直結する重要な知識です。とくにNewtonドアのような荷重式の非電動構造では、枠=構造機能の一部として設計に深く関与します。

以下のように考えることで、正しい判断がしやすくなります:

  • 電動式自動ドアの場合:オペレータやセンサーとの取り合いがポイント。枠は動作機構の「器」としての意味が強い。
  • Newtonドアの場合:荷重やてこの動作を「阻害しない」「支える」「点検しやすい」枠であることが求められる。

そのため、「無目があるか」「点検口が取れるか」「側枠の厚みが干渉しないか」など、単に形状を見るのではなく、ドアの動作全体を支える部材として枠を見る視点が求められます。

この視点をもてば、ただ用語を暗記するのではなく、「この構造だからこの部材が必要」「この動作だからこの名称になる」という、本質的な理解が身につきます。これこそが、適ドア適所=使い分けの本質です。


出典一覧(まとめ)

  • ナブコドア公式サイト https://www.nabco-door.co.jp
  • 自動ドア修理.com https://autodoor-repair.com
  • Newtonドア(Newtonプラス社)関連資料
     └『Newtonドア.txt』『Newtonドアの安全性検証とJIS規格整合性.txt』『NドアFAQ.txt』『Nドア顧客セグメントと導入事例.txt』

【荷重式自動ドア】Newtonドアの資料請求はこちらから→https://76auto.biz/newtonplus/registp/p-offer.htm

【荷重式自動ドア】NewtonドアのYoutubeチャンネルはこちらから→https://www.youtube.com/@newton_plus

地震など長期停電でも、止まらず動く
「事故が全くおきない」国も認めた安全自動ドア
アナログの特許構造で壊れないから修理費も0円

お問い合わせ・資料請求は今すぐ
↓↓↓

関連記事一覧

  • 関連記事
TOP