自動ドアというと、「センサーに反応して電動で開くもの」というイメージを持つ方がほとんどでしょう。特に商業施設や病院、マンションのエントランスなどでは、電動式の引き戸タイプが一般的です。その中でも「V-85SLシリーズ」は、国内大手のナブコ(NABCO)社による定番機種のひとつとして広く採用されています。

ところが、現場の図面や既設機器の銘板に「V-85SL-N」と記載されているのを見て、「この“N”って何だ?」と疑問に思った経験はないでしょうか。いざネットで調べてみても、「V-85SL」についての情報はあるものの、「V-85SL-N」という型番に関する説明は見当たらない——。そんな情報の空白地帯に、困り果ててしまう現場担当者や設計者が少なくないのです。

この記事では、そうした悩みを抱える方向けに、「V-85SL-N」とは何か? その意味と違い、導入時・選定時・交換時に注意すべき点を徹底的に整理します。そして、単なる型番解説にとどまらず、他のバリエーションとの比較や、電気を使わない“荷重式ドア”という選択肢まで視野を広げて、適切な判断ができるよう構成しています。


V-85SL-Nとは何か?“-N”の意味を確認する

一言で言うと:
「V-85SL-N」は、ナブコ製自動ドア「V-85SL」のバリエーションのひとつであり、“-N”は納まり仕様・地域対応型・特定施設向けなどを示す内部コードである可能性が高いが、公開情報が少ないため注意が必要です。

背景:なぜ“N”の意味が不明瞭なのか

ナブコ社が提供する自動ドア製品は、基本型番のほかに末尾にアルファベットを付けたバリエーションが多数存在します。たとえば以下のような例があります。

型番意味(例)
V-85SL標準タイプ
V-85SVサイレント・防振仕様
V-85SL-F特殊納まり対応(例:フラットタイプ)
V-85SL-N情報非公開(代理店向け地域型、特定仕様の可能性)

“N”という末尾がつく理由は明示されていませんが、以下のようなケースが想定されます。

  • 地域代理店(神奈川ナブコ、関西ナブコなど)専用の納まり
  • 特定施設(マンション、病院など)向けの寸法・仕様対応品
  • 電気配線やセンサーパターンのカスタマイズ対応機

したがって、「標準型のV-85SLと同じもの」と思い込んで選定・手配するのは非常に危険です。


手順:型番の正確な確認方法

以下のような方法で、現場機器の型番と仕様を確認することが可能です。

  1. 既設機器の銘板(シール)を直接確認
    • ドア上部のモーター機構部などに貼付されている
    • 「V-85SL-N」などの型番が明記されている
  2. 施工図・仕様書との照合
    • 建物の設計図面に記載されている型番が一致するか確認
  3. ナブコの代理店・販売店に問い合わせ
    • 型番とともに「どういったバリエーションか」「代替機は可能か」を確認
  4. 図面・CADデータのダウンロードページでの照合
    • NABCO公式サイトに一部の製品図面が公開されている

注意点:同じV-85SLでも中身が違うことがある

現場で「これV-85SLですよ」と言われたとしても、実際に使われているのが“V-85SL-N”だった場合、以下のような違いがあるかもしれません:

  • 扉の厚み・レール幅・見込み寸法が違う
  • 電源接続の仕様が異なる(例:ネットワーク接続型)
  • センサーや補助装置が初期搭載されていない
  • 防火認定や気密性能が異なる

→ 同一シリーズと思って安易に代替・交換すると、施工ミス・寸法不適合・安全基準未満になる恐れがあります。


V-85SL-Nを使うべき現場とは?用途別の判断基準

一言で言うと:
「V-85SL-N」は、中量クラスの引き戸が必要な現場に向いており、特に納まりや電源構成に制約がある特殊な現場で選定されることが多い機種です。ただし、非電動ドア(荷重式)などの代替手段の方が適するケースもあるため、“適ドア適所”の視点が重要です。


要点:V-85SL-Nが適している現場例

以下のような現場では、V-85SL-Nが選定されているケースが確認されています:

利用施設想定される適合理由
病院・クリニック静音・清潔性が求められ、特注納まり対応が必要
既築マンション電源・納まり制限があり、配線制約に対応する必要がある
公共施設(役所・学校)部材標準化、既存仕様との整合のためN型番が使われる
地域仕様(寒冷地/高湿地)特定代理店仕様として“-N”が割り当てられている場合

これらは、標準仕様のV-85SLでは対応しづらい“設計条件・納まり条件”に対応するために選ばれていると推測されます。


“適ドア適所”の考え方:電動ドアがベストとは限らない

ここで大事なのが「電動ドア=最適」という思い込みから一歩引いて、「その場所に最も適したドアの仕組みは何か?」を見直す視点です。

たとえば、以下のような場面では**電動ではなく“荷重式(非電動)”自動ドア(Newtonドアなど)**の方が適するケースがあります。

シチュエーション電動ドアの弱点荷重式の優位点
停電時の非常口電動では開かない可能性あり荷重式は電源不要で常時動作
共用部(マンション・自治体施設)電気代・センサー誤作動のリスク常時開閉/省メンテナンス
小規模施設(診療所・公民館)導入コスト・電源工事の負担配線不要・簡易施工で導入しやすい

→ 結論:V-85SL-Nが最適か、それとも別機種か?は「開閉頻度・電源環境・非常時対応」の3軸で判断するのがベストです。


判断軸としての3つの質問

自動ドアの型番を選ぶ前に、以下の3点をチーム内で確認してみてください:

  1. 停電時に開放できる必要があるか?
  2. 電源供給やセンサー設置が現場条件的に問題ないか?
  3. 定期的なメンテナンスコストや動作音が問題にならないか?

これらに「YES」が多いなら電動型(V-85SLシリーズ)でOKですが、1つでも「NO」があれば、荷重式ドアや他機構との比較検討が必要になります。


設計・施工時に確認すべきポイント

一言で言うと:
V-85SL-Nの設置では、「納まり」「電源配線」「開口寸法」など、現場に合わせた細かい仕様確認が極めて重要です。特に“N型番”である場合、一般的なV-85SLと異なる仕様が含まれている可能性があるため、**“見た目で判断しない”**が鉄則です。


手順:設計段階で必ず確認すべきチェックポイント

設計・選定時には、以下の点を明確にしてから型番決定・手配を行う必要があります。

  1. 納まり寸法(見込み・高さ・開口幅)
    • 型番末尾の違いにより、レールサイズや開口高さが変わることがある
    • 既設建物で交換の場合、旧型番との互換性要確認
  2. 電源仕様と配線取り回し
    • AC100Vが使えるか、専用回路が必要か
    • 壁内/天井内の配線ルートの確保が可能かどうか
  3. センサー・補助装置の仕様
    • 初期装備にセンサーが含まれているか?
    • 非接触スイッチ、ワンタッチ開閉など追加機能の有無
  4. 通信機能(CAN対応かどうか)
    • V-85SLはCAN通信機能を搭載しており、ビル集中管理などとの連携が可能
    • “N”がつくモデルでは、通信機能が省略/変更されていることもあり得る
  5. 安全・非常時対応
    • 自動開放機能の有無(停電時対応)
    • 感知式・自動復帰の誤作動リスクと対策

注意点:V-85SL-NとV-85SVなどの混同リスク

実務上よくあるのが、V-85SL-NとV-85SVの混同です。見た目や基本性能が似ているため、次のような“思い込み”による選定ミスが起こります:

誤解実際の違い
「-Nって静音仕様だよね?」→ 静音仕様は“-SV”であり、-Nは納まりや施設仕様の違い
「SLなら全部同じでしょ」→ “見込み寸法”や“補助部品”が異なることがある
「N付きの方が上位モデルでは?」→ 必ずしも上位ではなく、むしろ施設対応用の派生型であることが多い

失敗事例:選定ミスによる施工トラブル

  • 例1:「V-85SL-N」と同じだと思って「V-85SL」を手配 → ドアが枠に収まらず、現場加工が必要に…
  • 例2:“静音型”と思ってV-85SL-Nを手配 → 開閉音が大きく、医療施設でクレームに
  • **例3:**センサー未搭載仕様を見落とし → 後付けセンサー工事でコスト超過

→ 対策まとめ:

  • 図面・銘板で“型番の完全一致”を確認
  • “-N”はバリエーションであることを意識し、標準仕様と照合
  • 必要なら、施工代理店・ナブコ販売店に「現場写真+型番」で相談を推奨

既存現場の交換対応時のチェックリスト

一言で言うと:
既設の「V-85SL-N」が設置されている現場での更新・交換作業では、「見た目で判断せず、銘板・仕様確認を徹底すること」が最重要です。交換対象の正確な同定と、代替品の仕様適合確認が、現場トラブルを回避するカギです。


手順:交換判断の基本フロー

以下は、既存現場で交換検討をする際に踏むべき手順です。

  1. 現場確認:銘板・仕様プレートを確認
    • ドア上部ユニットに貼付されている銘板で型番を確認(例:「V-85SL-N」など)
  2. 機器図面・納まり図を確保
    • 初回施工時の図面が残っていれば、納まり寸法・電源情報などが確認可能
  3. 劣化・損傷箇所の特定
    • モーター部/センサー部/開閉レールなどのどの部分に不具合があるかを把握
  4. メーカー・販売店への照会
    • 「このV-85SL-Nは、どの代替品が適合しますか?」と図面・写真付きで照会
    • 同一品でなくても、後継機種・代替機の提案が受けられることが多い
  5. 取付制限の再チェック
    • 新機種で開口寸法、電源仕様が変わる場合、現場加工の要否を確認

注意点:更新で起きやすいミス例

ミス例原因対策
同型番と思い「SL」手配→納まらない“-N”の仕様差を無視銘板で“-N”を確認、販売店に確認
ドアのみ更新→センサー未対応新型にセンサー未搭載センサー仕様を事前確認
対応機種選定ミスで工期遅延CAN対応/非対応の混同通信仕様も含めて図面確認

交換時の判断に迷ったら:プロの力を借りる基準

以下のような場合は、自力判断を避け、設計事務所、施工業者、またはナブコの販売店など専門家の助力を得ましょう。

  • 銘板が読み取れない・劣化している
  • 図面や仕様書が現場に残っていない
  • 特注対応(バリアフリー、耐火、気密など)が想定される

→ 交換作業は「適合性確認→手配→施工」の流れがスムーズに進まなければ、住民・施設利用者への影響が大きいため、慎重を要します。


よくある質問(FAQ)


Q: V-85SL-NとV-85SLの違いは何ですか?
A: 「-N」は納まり仕様や地域仕様、特定施設向けのカスタム型番である可能性があります。見た目が同じでも寸法・電源・補助機能が異なる場合があるため、必ず銘板と図面で確認してください。


Q: V-85SL-NとV-85SVの違いは?
A: V-85SVは静音・防振仕様の明確なモデルです。一方でV-85SL-Nは特殊納まりや地域別仕様などを示すバリエーションであり、静音性を保証する型番ではありません。


Q: “-N”の意味はネットワーク機能ということでしょうか?
A: 一部のケースではCAN通信対応を意味することもありますが、確定ではありません。販売店・メーカーに型番で直接確認することが最も確実です。


Q: 自分の施設のドアがV-85SL-Nかどうか、どう確認すればいいですか?
A: ドア上部にある銘板(製品ラベル)に型番が記載されています。そこを確認し、「V-85SL-N」のように記載があれば該当機種です。


Q: V-85SL-Nの後継機種はありますか?
A: 公開情報では明示されていませんが、機能・寸法が同等であればV-85SL(標準)やV-85SV(静音型)などが代替候補となる場合があります。詳細は図面・仕様の照合が必要です。


Q: 既設のV-85SL-Nが故障しました。同じ型で交換するしかありませんか?
A: 代替可能な後継機種があることもありますが、寸法や機能の違いで再施工が必要な場合もあります。現場の納まりや電源条件を確認のうえ、代理店へご相談を。


Q: 停電時にV-85SL-Nは動きますか?
A: 電動型のため、停電時には開閉できなくなる可能性があります。非常時開放機構が付いているかどうかは個体差があるため、事前確認が必要です。


Q: 荷重式ドア(Newtonドア)との違いは何ですか?
A: 荷重式ドアは電源不要で常時開閉が可能。停電時対応や省エネ重視ならNewtonドアが優れる場合もあります。導入コストや用途によって選定基準が異なります。


【適ドア適所】にそった「まとめ」


「自動ドア」とひとことで言っても、その選定には多くの要素が絡みます。
V-85SL-Nのように型番に「-N」が付いている場合、ただの“枝番”と思って見過ごしてしまうと、納まり不適合・仕様不一致・安全性の欠如といった重大な施工ミスにつながりかねません。

だからこそ、“見た目で選ばない”こと、そして“機能で決めつけない”ことが、適切な自動ドア選定の第一歩になります。

この記事では、V-85SLシリーズの中でも曖昧になりがちな「-N」の意味や仕様の違いを丁寧に解説してきました。同時に、電動ドアに代わる選択肢として「荷重式自動ドア(Newtonドア)」のような“電源不要”な仕組みも、場面によっては有効であることも紹介しました。

つまり、最も大事なのは「高機能かどうか」ではなく、「その場所・その使い方に本当に合っているかどうか」。


✔ あなたの現場にとっての「適ドア」とは?

  • 非常時の安全性を最優先するなら?
  • 電源が確保しづらい場所なら?
  • メンテナンスの手間とコストを減らしたいなら?

こうした問いに向き合いながら、「適ドア適所」の視点で選ぶことが、最も後悔のない選定につながります。


出典・参照情報は以下に一括で掲載します。次で表示いたします。

出典・参考情報一覧

以下の情報は、記事執筆にあたり確認・参照した出典元です。


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【荷重式自動ドア】NewtonドアのYoutubeチャンネルはこちらから→https://www.youtube.com/@newton_plus

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