自動ドアと聞くと、「開けっぱなし」「いつでも誰でも入れる」というイメージを持つ方も多いかもしれません。しかし実際には、自動ドアにも施錠(ロック)を加えることが可能です。とはいえ、自動ドアは常に電動で動く構造であるため、「どうやってロックを実現するのか」「安全性に問題はないのか」「停電したらどうなるのか」といった不安の声も少なくありません。

この記事では、自動ドアへのロック機構の導入を検討している方に向けて、ロックの種類から設置の可否、安全設計や運用時の注意点までを網羅的に解説します。


目次(このページの内容)

自動ドアに「ロック機能」はつけられるのか?

答え:基本的に可能ですが、「方式と条件」の選定が極めて重要です。


ロックは「物理」か「電気」か、「手動」か「自動」か?

自動ドアにロックを加える場合、まずはロック方式を大別する必要があります。主な分類は以下の通りです:

分類軸方式特徴
動力源機械式(物理ロック)手動でかける錠前(南京錠・フックなど)
電気式(電磁錠・電気錠)電気信号でロックのON/OFFが可能
動作方式手動ロック利用者または管理者が操作
自動ロックドアが閉まると自動で施錠、開錠には信号が必要

ポイントは、自動ドアは「自動で開く=何かしらのセンサーで動作する」構造なので、常時解錠状態に近く、通常のドア用ロックがそのまま使えないことです。


スマートロックと自動ドアの違い

「スマートロック」と聞いて思い浮かべるのは、たとえば手動の開き戸に後付けで付けるBluetooth型のロックでしょう。しかし、これらの多くはドアノブやサムターンがある前提で作られており、そもそも自動ドアに取り付けられる前提では設計されていません。

一方で、自動ドアに対応したスマート制御(カードキーや遠隔開錠など)を実現するには、電磁錠や電気錠を使った設計が基本となります。


まとめ

  • 自動ドアへのロックは「できる」が、「選び方と設計次第」で大きく異なる
  • 単純な後付けではトラブルになる可能性もあるため、ドアの種類・構造・配線条件などとの整合性が重要


どんな自動ドアにロックをつけられる?タイプ別に解説

答え:ロックの取り付け可否は、「自動ドアの種類」と「動作方式」によって異なります。


自動ドアの基本タイプをおさらい

自動ドアには、外観や開閉方式によっていくつかのタイプがあります。主な分類は以下の通りです。

種類説明ロック導入のしやすさ
引戸タイプ(スライドドア)多くのビル・商業施設で使われている◎(対応製品多数)
開き戸タイプ(スイングドア)病院や介護施設に多い◯(一部制限あり)
荷重式(Newtonドアなど)足元の踏力で開く非電動型△(設計次第)
電動センサー式赤外線やマイクロ波で開く◎(電源連動しやすい)

ロック取り付けの可否を分ける条件とは?

ロックを設置できるかどうかは、以下のような条件に左右されます:

  • 電源の有無(電気錠・電磁錠は電力が必要)
  • ドアの可動方式(左右にスライド vs 前後に開閉)
  • ドアフレームや隙間の構造(ロック取り付けスペースの確保が必要)
  • 既存の制御装置(センサーやタイマーなど)との干渉の有無

特に、後付けで導入する場合は既存配線やセンサーとの相性が大きなハードルになります。


設置済みドアに後付けできるか?チェックリスト

以下に、既存の自動ドアにロックを後付けする際のチェックポイントをまとめます:

  1. ドアの種類と可動方向の確認(引戸 or 開き戸か)
  2. 電源・配線の可否(制御盤やAC電源が確保できるか)
  3. ロック機構を取り付けるスペースの有無
  4. 非常時に安全に開放される構造か
  5. ロック制御と自動ドア開閉制御の連動設計が可能か

荷重式ドアはロックが難しい?

たとえばNewtonドアのような荷重式(非電動型)ドアは、構造上センサーも電源も不要で開閉できるため、電気錠のような連動制御は設計が必要です。

その一方で、「停電時にも確実に動く」など、防災面での強みもあるため、ロック設計と合わせて「適ドア適所」での検討が必要です。


このように、自動ドアにロックを付けるためには、**「ドアの物理構造」と「動作環境」**を深く理解する必要があります。

「安全なロック」のために押さえるべき5つの視点

答え:ロックの設置は安全面とセットで考えるべきです。事故や閉じ込めを防ぐ設計が不可欠です。


視点1:非常時・火災時の「閉じ込め防止」

ロック付きの自動ドアでは、万が一の火災や停電時に人が閉じ込められないようにする仕組みが必要です。

  • 電磁錠(通電時ロック型)では、**停電時は解錠される(Fail Safe)**設計が主流
  • 電気錠(無通電時ロック型)では、**停電時にロック状態を維持(Fail Secure)**となるケースも
  • ⇒ 非常口や避難経路に設置する場合、必ず非常開放機構(手動解除ボタンなど)を併設する必要あり

視点2:停電時の動作と安全性

「ロックをかける=安全」と思いがちですが、停電によってロック状態が変化することで、新たなリスクが生まれることがあります。

錠の種類通常状態停電時の状態備考
電磁錠通電でロック停電で解錠火災時など安全設計に有利
電気錠通電で解錠停電でロック防犯性に有利だが、閉じ込めリスク

視点3:自動開閉機構との干渉リスク

ロックとセンサー制御の連携が不十分な場合、ロックがかかっているのに自動ドアが無理やり動こうとして故障するといったトラブルが起きます。

  • ロック信号と開閉制御信号の同期制御設計が重要
  • 専用コントローラやI/Oインターフェースが必要になることも

視点4:ロック状態の可視化と通知

施設管理者の立場から見ると、「今ドアがロックされているのか?解錠されているのか?」が一目でわかる表示や遠隔監視の有無は非常に重要です。

  • ロック状態をLEDなどで表示する機能
  • 遠隔監視(クラウド連携)による一括管理
  • 誰が、いつ、どのように開錠したかのログ記録

視点5:ユーザーが操作を理解できる設計

特に高齢者施設や公共施設では、ロック機能の有無や解除方法が直感的にわかる設計が求められます。

  • ピクトグラムや色分け表示でわかりやすく
  • 解除方法はシンプルに、物理的な手段も用意する
  • 操作ミスによる不具合を未然に防止

ロックは単に「鍵をかける」だけの機能ではなく、安全設計そのものの一部です。

次は、実際に使われている「ロック方式の種類と特徴」を詳しく解説します。


ロック方式の種類と特徴を知る:何をどう選ぶ?

答え:ロックには複数の方式があり、それぞれの特性と利用環境に応じた選定が不可欠です。


ロック機構の主要タイプとその特徴

種類特徴利点注意点
電磁錠(マグネットロック)通電中に吸着しロックされる停電時に解錠(安全設計)強力な保持力が必要/設置場所に制限あり
電気錠(ソレノイド式)通電でロック/解錠動作高い防犯性/種類が豊富通電状態に注意/停電対策が必要
電気ストライク錠受け金(ストライク)側に動作機構既存のドアに後付けしやすいドア構造により使用制限あり
機械式錠(手動)手動で施錠/解錠シンプル/停電に影響されない自動化できない/施錠忘れのリスク
スマートロック(非接触型)カード・スマホで解錠遠隔制御/履歴管理が可能自動ドアには非対応のものが多い

制御方式の違い:どうやって施錠・解錠する?

ロックの動作をどう制御するかによって、導入時の配線・機器構成が大きく変わります。

制御方法概要適合度(自動ドア)
タイマー式時間帯で自動施錠/解錠◎(夜間閉館など)
スイッチ式手動で操作パネルから切り替え◯(管理室からの操作)
カードリーダーICカードで解錠◎(オフィス・施設)
生体認証指紋・顔認証など△(高コスト・設置制限)
クラウド連携遠隔操作・履歴管理◎(複数拠点の集中管理に有効)

運用を想定した「選定フロー」例

ロック方式の選定に悩んだときは、以下のフローで整理してみてください:

  1. 自動ドアの種類を確認(引戸/開き戸、電動/非電動)
  2. ロックに求める目的を明確にする(防犯/安全/時間管理)
  3. 設置場所の制限を洗い出す(配線経路、電源の有無、開口部)
  4. 停電・災害時の対応方針を決める
  5. 運用者の操作性や利用者の理解度も考慮する

ここまでで、ロックの種類と選定軸を理解できたと思います。次は、導入前に必ず押さえておくべき「設計・施工のチェックポイント」を解説します。


導入の前に確認したい設計と施工のチェックポイント

答え:ロックの設置は、「設計段階の確認」と「現地環境の把握」が成功のカギを握ります。


設計時に押さえるべき基本ポイント

自動ドアにロックを取り付ける際は、以下の設計要素を事前に確認しておく必要があります:

チェック項目内容
電源の供給電気錠・電磁錠を使用するならACまたはDC電源が必須
配線経路の確保センサーやロック機器をつなぐ線の通し方と距離を検討
制御装置の位置開閉制御と連動させるなら制御盤の場所も重要
施錠・解錠の操作方式手動?タイマー?遠隔?使用シーンに合わせる必要あり
非常開放の設計停電・災害時の脱出方法を確保(非常用ボタンなど)

現地調査で見落とされやすいポイント

  • ドア周囲の構造材の強度:ロック機器を固定するための厚みや素材
  • 開閉速度とロックタイミングの調整余地:閉まりきる前に施錠が始まると誤作動のもと
  • センサー干渉の有無:開閉センサーや人感センサーと電波が干渉するケースあり
  • 通行動線との兼ね合い:施錠時の通行制限のタイミング

導入後によくあるトラブルとその回避策

トラブル例原因回避策
ロックが反応しない配線不良/信号遅延事前の動作テストと電源容量確認
自動ドアとロックが非同期で動作制御盤の設計ミス連動制御回路の事前設計
開けられなくなる非常時対応未設計非常開放スイッチの併設必須
鍵の操作がわかりにくい表示や説明不足サイン表示・説明書きの設置

工事時に必要な体制と準備

  • 鍵とドア双方の専門知識を持つ施工会社の選定
  • 制御系統の図面を用意する
  • 緊急対応(トラブル時対応)の連絡体制構築

導入前の「確認」と「準備」が、トラブルの9割を防ぎます。

次は、最後のセクションとして「【適ドア適所】から見た、最適なロック方式と安全設計」を紹介します。


【適ドア適所】から見た、最適なロック方式の選び方と安全設計

答え:自動ドアにロックを導入する際は、「すべてに付けられる」ではなく、「使い方に合った設計」が必要です。


利用環境別に異なる「最適なロックの形」

「何にでもロックをつければ安心」という考え方では、現場でうまく機能しないことがあります。以下に代表的な設置環境別のポイントを整理します。

利用場所優先事項おすすめロック方式
商業施設(夜間閉店)時間制御・自動化タイマー+電磁錠
マンションエントランス居住者認証・防犯ICカードリーダー+電気錠
医療・介護施設利用者の安全/非常時開放電磁錠+非常解錠機能付き
公共施設(役所・図書館)閉館時のセキュリティタイマー制御+監視機能付き錠前

荷重式自動ドア(Newtonドア)の場合は?

Newtonドアのような「荷重式」自動ドアは、電源を使わずに開閉できる構造のため、電気錠・電磁錠の導入には設計上の工夫が必要です。

しかし、荷重式ならではの利点もあります:

  • 停電でも常時開閉できる=災害時も安心
  • 機構がシンプル=誤作動が少なく、施錠忘れ対策が明確

たとえばNewtonドアでは、時間帯や利用者に応じた開閉制限の設定や、非常時の脱出機能を組み込んだロック設計が実現されており、安全性と利便性を両立させる提案が可能です。


「適ドア適所」とは?

Newtonプラス社が掲げる哲学「適ドア適所」は、「その施設の使われ方に最も合ったドアを選ぶ」ことが本当の安全と快適につながるという考え方です。

つまり、

  • 「防犯が優先される場所」には、防犯性の高いロックを
  • 「安全に避難できることが最重要の場所」には、確実に開放される機構を

といった用途ベースでの選定が重要になります。


判断に迷ったら?

ロック選定は、単なる鍵選びではなく「人の動き」「緊急時の対応」「施設全体の運用」と密接に関係します。

だからこそ、

  • 「ドア+ロックの設計をセットで考えられる専門家の意見」
  • 「導入実績や事例に基づく選定判断」

が求められます。


【適ドア適所】にそった「まとめ」


自動ドアにロックをつけることは可能です。しかし、それは単なる「鍵の追加」ではなく、**安全性・運用性・非常時対応をすべて含んだ“システム設計”**です。

適ドア適所の観点からいえば、「全ての自動ドアにロックをつけるべき」ではなく、「その施設、その場所、その目的に合ったロック機構を」選ぶべきなのです。


【出典一覧】

  • Newtonドア技術資料・FAQ・事例ファイル各種
  • RemoteLock / Akerun / SwitchBot 製品解説ページ(2025年10月時点)
  • JIS A4722:2021 自動ドア関連規格
  • Newtonプラス社「適ドア適所」設計理念資料

【荷重式自動ドア】Newtonドアの資料請求はこちらから→https://76auto.biz/newtonplus/registp/p-offer.htm

【荷重式自動ドア】NewtonドアのYoutubeチャンネルはこちらから→https://www.youtube.com/@newton_plus

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