自動ドアは私たちの暮らしのあらゆる場面で使われていますが、いざ災害が起きたとき、「本当に避難の妨げにならないのか?」と不安になる方も少なくありません。とくに公共施設や商業施設、マンションなどで自動ドアを避難経路の一部として使っている場合、その安全性は命に関わる重要なテーマです。

実際、地震や火災、停電といった非常時に「ドアが開かなかった」「人が殺到して通れなかった」というトラブルが過去に何度も発生しています。その一方で、きちんと設計・管理されていれば、自動ドアでも十分に安全な避難経路として機能することも事実です。

この記事では、「避難経路に自動ドアを使っても安全なのか?」という根本的な疑問に対して、制度面、仕組み、設計判断、実際のリスクと対策まで、徹底的に掘り下げて解説します。

最終的には、自動ドアを含む避難経路の設計・点検・見直しを検討している方が、以下のような力を手に入れることを目指しています:

  • 自動ドアの安全性を正しく判断できる
  • 災害時のリスクに備えた選定と設計ができる
  • 関係者(設計士、施工者、消防)との適切な会話ができる

「安全だと思っていた自動ドアが、実はリスクだった」
そんな後悔をしないためにも、今ここで“正しい知識”を確認しておきましょう。


H2-0. 自動ドアを避難経路に使う前に知っておきたい3つの基本


要点:
避難経路に自動ドアを使えるかどうかを考える前に、そもそも「避難経路とは何か」「どんな条件を満たさなければならないか」を把握しておくことが重要です。以下では、その判断に必要な3つの基本視点を整理します。


目次(このページの内容)

手順1:避難動線全体における自動ドアの位置づけを把握する

避難経路とは、建物内の人が災害時に安全な場所へ逃げるための通路を意味します。具体的には、室内から廊下、階段、出入口、屋外の避難場所までの一連の連続したルートです。

この中に自動ドアが組み込まれるケースでは、「避難の途中で通過するべき通路・出入口」として位置づけられることになります。つまり、自動ドアが機能停止して通れなくなる=避難経路が途絶えるということを意味します。

そのため、以下のような点を事前に確認する必要があります:

  • 自動ドアの先に避難階段や避難広場があるか
  • 建物内に自動ドア以外の出口が確保されているか
  • 非常時に自動ドアが確実に開くようになっているか

この視点を持つだけでも、「自動ドアの設置が避難上のボトルネックになっていないか」が客観的に見えてきます。


手順2:法令・ガイドライン・条例との整合性を確認する

次に重要なのが、法制度との整合性です。自動ドアが関係する法令は主に以下の3つです:

  • 建築基準法(施行令第126条等):避難階への出口、避難上支障がない構造
  • 消防法(施行令第5条の2等):火災時の自動ドア開放、非常電源の設置
  • バリアフリー法・条例:高齢者等配慮施設での誘導性・自動開閉装置

これらの法令・基準は全国共通ですが、実際には各自治体の条例や指導要領が上乗せされるケースもあります。

たとえば、「避難経路に使う出入口は常時解放状態または非常時に必ず解放される仕組みを持つこと」などの具体的要件が加えられていることも。設計や改修を行う場合には、必ず地元の消防署や建築指導課に事前確認を取ることが必要です。


手順3:ドアの構造と動作を知らないと設計ミスが起きる

自動ドアには多くの種類があり、見た目が似ていても動作や制御方式が異なります。これを正しく理解していないと、意図せず「災害時に開かないドア」「停電時に閉まったままのドア」を避難経路に採用してしまうことも。

たとえば、以下のような設計ミスが実際に起こっています:

  • 電気錠付き自動ドアを設置したが、非常電源と連動しておらず停電で開かない
  • 防犯目的で閉鎖設定されており、火災時に手動開放できなかった
  • 避難誘導灯の照度で開閉する光電式のセンサーが火災煙で誤作動し開かなくなった

これらのリスクは、「非常時の挙動を想定して設計・選定」すれば、未然に防げます。


まとめ:
避難経路に自動ドアを設置する前に、以下の3点を必ず押さえましょう:

  1. 自動ドアが避難ルートのどこに位置するのか(動線上の重要性)
  2. 関係する法令・条例との整合性(自治体ごとの確認が不可欠)
  3. 採用するドアの種類と非常時の動作仕様(見た目では判断できない)

H2-1. 自動ドアは避難経路に使っていいのか?


要点:
結論から言えば、「一定の条件を満たせば、自動ドアを避難経路として使用することは可能」です。しかし、すべての自動ドアが安全に避難できるわけではなく、法令上も明確な要件があります。この章では、その制度的な基準と実際の設計・運用上の注意点を整理します。


根拠1:建築基準法における規定

建築基準法では、建物の「出入口」や「通路」が避難上有効であることが求められています。特に次の2点が重要です:

  • 建築基準法施行令第126条の5(非常用の出口)
     → 避難階への出口として、常時開放されているか、容易に開放できる構造であること
  • 同第128条の2(自動ドアの附属設備)
     → 電気により作動する扉は、停電時にも開放される構造であること、または手動で容易に開放できること

このように、**「非常時でも必ず開放できるかどうか」**が最大のポイントです。


根拠2:消防法における指導

消防法でも「防火戸」や「防煙区画」の考え方とともに、自動ドアの設置について指導が入るケースがあります。特に重要なのが次の点です:

  • **火災時に自動で開く機能(パニックオープン)や、逆に閉まる機能(パニッククローズ)**が必要かどうかは、その施設の用途や設計によって異なる
  • 電気錠や自動ロックと連動する場合は、必ず非常時に解錠されること

各地域の消防署によっては「自動ドアを設置する場合は、非常開放スイッチの設置」や「バッテリーによるバックアップ」の指導がなされることもあります。


判断基準1:「常時開放」か「非常時開放」か?

避難経路にあるドアが「常に開いている(常時開放)」場合と「閉まっているが、非常時には開く(非常時開放)」場合では、設計の自由度と安全性が大きく異なります。

種類メリットデメリット
常時開放通行がスムーズ、安全性高い空調効率低下、防犯対策が必要
非常時開放平常時は防犯・空調に有利非常時に確実に作動する設計が必須

「常時開放」ならリスクは少ないですが、実際の建物では「普段は閉まっているが、災害時は開く」構成が主流です。その場合は、設計・施工・点検のすべてでミスが許されません。


判断基準2:視認性と操作性の確保

特に高齢者や子どもなど、避難に不安のある人が利用する施設では、自動ドアの**視認性(どこにドアがあるか分かる)操作性(押せば開く、誰でも開けられる)**が重視されます。

  • ガラス面への視認表示(マークや色付け)
  • 非常時開放ボタンの位置と高さ
  • 停電時に「押すだけ」で開く仕組み

こうした配慮がなければ、「そこにドアがあることに気づかず避難できなかった」「開け方が分からず立ち往生した」といった深刻な事故につながる可能性があります。


まとめ:
自動ドアを避難経路として使う場合、以下のチェックを必ず行いましょう:

  1. 法令に適合しているか(建築基準法・消防法)
  2. 停電・火災時に必ず開く構造になっているか
  3. 非常解錠の方法が明確で、誰でも操作できるか
  4. 自治体や消防署に事前確認を取っているか

H2-2. 「災害時、ドアはどう動くのか?」を知る


要点:
避難時に自動ドアが開くかどうかは、「どの方式の自動ドアか」によって大きく異なります。この章では、災害時に自動ドアがどのように作動するかを、代表的なケースとあわせて解説します。


ケース1:パニックオープン機能のある自動ドア

「パニックオープン」とは?
火災や地震などの非常時に、自動ドアが自動的に「開いた状態」で停止する機能です。これにより、人が安全に素早く通り抜けることができます。

代表的な制御方法:

  • 火災報知器や地震感知センサーと連動
  • 非常ボタンを押すことで即時開放
  • 電源喪失時でもバッテリーまたはスプリングで開放維持

パニックオープンが有効な場面:

  • 多くの人が一度に避難する必要がある商業施設・公共施設
  • 高齢者・子どもなど、迅速な操作が難しい利用者が多い環境
  • 火災時に煙や炎の遮断より、迅速な避難を優先する場面

ケース2:パニッククローズ機能のある自動ドア

「パニッククローズ」とは?
非常時に自動ドアが自動的に「閉じた状態」で停止する機能です。一見すると避難には不利のように見えますが、防火区画や煙の遮断、侵入防止などが主目的です。

利用される主な場面:

  • 防火区画の形成(火や煙の拡散防止)
  • 夜間の防犯強化(侵入防止)
  • オフィスビルなどで、避難通路とセキュリティを両立させたい場所

注意点:
パニッククローズを採用する場合でも、手動開放可能な構造であることが義務付けられています。また、消防との調整が非常に重要です。


ケース3:荷重式(無電源)自動ドアの作動

荷重式とは?
人がドアの足元にある踏み板を踏むことで機械的に開く方式。電気を一切使わないため、停電時でも100%開閉可能です。

特長:

  • 通常時でも停電時でも同じ動作
  • 故障のリスクが低く、メンテナンスが簡単
  • 火災・地震時も「確実に開く」ことが保証される

活用される場面:

  • マンションの通用口やエントランス
  • 福祉施設や高齢者施設(動作が単純で操作ミスが起きにくい)
  • 非常用の出口(避難階段の直前など)

停電・火災・地震時の「自動ドア作動シナリオ」

災害種別想定される状態推奨されるドア構成
停電電源喪失による作動停止荷重式/バッテリー搭載式/非常開放機能付
火災煙・熱による誤作動/避難の混乱パニックオープン+視認性確保/防煙機能併設
地震建物の歪み/センサー誤作動手動開放可能な引戸型/扉変形耐性のある構造

まとめ:

避難経路に使う自動ドアでは、「非常時にどう動くか」を想定した設計が必要です。下記が最低限の確認ポイントです:

  • 災害時の電源状況とドアの動作確認
  • 感知器連動・バッテリー搭載の有無
  • 荷重式など、確実に開く“無電源”型の活用
  • 開いた後、その状態を維持できるか(開きっぱなし)

H2-3. 避難の妨げになる?自動ドアのリスクとその対策


要点:
普段は便利な自動ドアも、災害時には避難の妨げになるリスクをはらんでいます。この章では、実際に起きうるリスクと、設計・運用の段階でできる対策を詳しく見ていきます。


リスク1:停電・故障による「開かない」事態

もっとも大きなリスクは、「停電時に開かない自動ドア」です。

  • 電気制御でしか開かないドアは、電源が喪失すると作動不能に。
  • 内部バッテリーが劣化・未搭載だと開放ができない。
  • 非常開放ボタンの場所がわかりにくく、操作できないケースも。

【実例】

ある公共施設では、火災による停電時に自動ドアが反応せず、屋外への避難が遅れた。最終的にガラスを破って脱出したが、数名が負傷(出典:消防庁 災害事例報告 2020年)。


リスク2:煙・熱によるセンサー誤作動

赤外線・光電センサーを使用している自動ドアでは、以下の誤作動が起こる可能性があります:

  • 煙がセンサーを妨げて「人がいるのに反応しない」
  • 過熱による誤感知で「ドアが閉まったまま動かない」
  • センサー自体が破損して作動不能になる

→ このような事態では、「人が立ち尽くしてしまい避難が遅れる」リスクが発生します。


リスク3:大量避難時の詰まり・通行制限

自動ドアは、基本的に一度に数人しか通れない構造であり、構造上の開口幅が限られています。特に避難時には以下のような状況が起こりやすくなります:

  • 多人数が殺到して、扉前に人が密集 → 転倒・将棋倒しの危険
  • 両開きのうち片側しか開かない → 通行スピードの低下
  • 押す・引く・センサーに頼る操作の混乱 → 混乱を増幅

対策1:非常時の「動作保証」が取れているかチェック

避難経路にある自動ドアは、災害時にも「確実に開く」ことが絶対条件です。以下の要素が設計・施工・点検時に確認されているか、運用側も把握すべきです。

確認項目内容
非常電源通常の電源が喪失しても、バックアップで作動するか
開放維持機能非常時に開いた状態を保てる機能(パニックオープン)
荷重式の採用電源不要で確実に開く構造が選定されているか
非常開放ボタン誰でも即時に作動できる位置・操作性が確保されているか

対策2:非常時の「マニュアル動作」対応の確認

  • 停電やシステム故障時でも**「手で開けられる構造」**かどうか
  • 緊急時に使える解除レバーや手動モード切り替えスイッチが設置されているか
  • その位置と操作方法が「誰でもすぐに理解できる」形で提示されているか

対策3:誘導・動線全体でのリスク低減

自動ドアだけに着目せず、避難動線全体を見て以下の工夫も重要です:

  • 複数の避難口を確保する(自動ドアに依存しない)
  • ドア前の空間を広くとる(滞留を避ける)
  • 誘導灯や音声ガイドなどで「避難ルートを明示」する

まとめ:

避難経路に自動ドアを使う場合、「開くかどうか」のみならず、「開いた先の通行がスムーズか」「使い方が直感的か」まで含めた設計が不可欠です。特に以下の点は施設側が責任を持って確認する必要があります:

  • 非常時でも確実に作動する構造と運用
  • 手動開放ができるか、誰でも扱えるか
  • 動線全体での詰まりや混乱を防ぐ設計

H2-4. パニックオープンとパニッククローズ、どう選ぶ?


要点:
非常時の自動ドアの動作方式として、「パニックオープン」「パニッククローズ」の2種類があります。どちらを選ぶべきかは、単に安全性だけでなく「施設の用途」「利用者の特性」「防犯性とのバランス」などを考慮して判断する必要があります。


比較1:パニックオープンとは?その特徴とメリット

定義:
災害時に自動ドアが自動的に「開きっぱなしになる」機能。多くの場合、火災報知器や地震センサーなど非常システムと連動して動作します。

メリット:

  • 避難の妨げにならず、スムーズに脱出できる
  • 誘導灯や非常口表示と組み合わせて、安全なルートを形成できる
  • 操作なしで開くため、高齢者・子どもなども安心

デメリット:

  • 開いたままになるため、火災時に煙の流入を防げない場合がある
  • 防犯性が低下(外部から侵入されるリスク)

比較2:パニッククローズとは?その目的と設計意図

定義:
非常時に自動ドアが自動的に「閉じた状態でロックされる」機能。主に防火・防煙・防犯を目的として設計されます。

メリット:

  • 火災時に煙や火の広がりを抑えられる(防煙区画として機能)
  • 避難ルートを限定して誘導しやすい
  • 不審者の侵入防止にも有効(特に夜間運用)

デメリット:

  • ドアが閉まることで、避難を妨げる可能性がある
  • 操作ミスや説明不足で開けられずパニックを起こす可能性も

判断軸1:施設の用途と特性で選ぶ

施設タイプ選定傾向理由
商業施設・駅パニックオープン人数が多く、迅速な避難が必要
病院・高齢者施設パニックオープン操作不要で開くことが安全
オフィスビルパニッククローズ+手動開放防犯と避難を両立させる
倉庫・工場クローズ傾向(火気管理)炎や煙の拡散を防ぎたい
住宅(集合)荷重式やフリー開放併用通常時の利便性と非常時対応の両立

判断軸2:利用者層の特性

  • 高齢者や障害のある方が多い施設 → 操作不要な「パニックオープン」
  • 深夜・無人時間帯のある施設 → 「パニッククローズ」+非常開放スイッチ併設
  • 保育施設や学習塾 → 大人が誘導しやすく、混乱が起きにくい方式(オープン推奨)

判断軸3:防犯性とのバランスをどう取るか

安全性と防犯性は時にトレードオフの関係になります。

  • 通常時はロックしておきたい → 電気錠+非常時開放
  • 不特定多数が出入りする → **自動解錠方式(センサー付き)**の設定
  • 外からの侵入を完全に防ぎたい → パニッククローズ+セキュリティ連動

ただし、防犯を優先しすぎて「非常時に開かない」設計になると本末転倒です。設計段階で消防署との事前協議が必須になります。


まとめ:

パニックオープンとパニッククローズは、「どちらが安全か?」という二択ではなく、「どちらがその施設にとって適切か?」という判断が求められます。以下のチェックリストを参考にしてみてください:

  • 施設にどんな人が出入りしているか?
  • 災害時にどんな避難行動が想定されるか?
  • 防火・防犯との兼ね合いで何を優先すべきか?

H2-5. 避難経路としての「最適なドア」を選ぶステップ


要点:
避難経路にふさわしい自動ドアを選ぶには、「非常時にどう動くか」だけでなく、「設置場所」「動線」「法令」「利用者層」など複数の要素を統合して判断する必要があります。この章では、避難経路における“最適なドア選定”のためのステップを4つに整理して解説します。


ステップ1:避難動線と自動ドアの「位置関係」を整理する

自動ドアが避難動線の「どこにあるか」によって、その役割は大きく変わります。

  • 【建物出入口(エントランス)】→ 避難の出発点、利用頻度が高い
  • 【通用口・裏口】→ 補助ルート、夜間避難などで重要
  • 【建物内部の区画出入口】→ 防火・防煙の意味を持つケースも

避難時にそのドアを通る必要があるかどうか、主要ルートか補助ルートか、を明確にした上で、設置するドアの安全性を検証する必要があります。


ステップ2:非常時の電源喪失を想定し、「確実に開くか」を確認する

停電は、火災や地震と同様に高い確率で起きる災害要因です。電気に依存する自動ドアにおいて、以下の対応が設計上必須になります:

  • バッテリーでの非常駆動(〇分間開放を維持)
  • 感知器連動での自動開放(火災・地震時)
  • 手動開放レバーの設置
  • 電源を一切使わない荷重式ドアの採用(確実な開放保障)

特に「避難の最初のドア」や「多数が通るドア」では、100%の動作保証が求められます。この視点からドアを選ぶことが、設計上の生命線となります。


ステップ3:関係法令・条例との整合性を確認する

前章でも触れましたが、法令や条例との整合性はドア選定において絶対に外せません。

要件関連する法制度
避難経路としての有効性建築基準法 施行令第126条の5
非常時の開放性同 第128条の2(自動ドア附属設備)
火災時対応消防法・自治体の防火条例
利用者配慮バリアフリー法・福祉施設基準

さらに、自治体によっては「常時開放が望ましい」「センサーによる自動復帰禁止」など独自の指導が加えられていることもあるため、必ず事前に所管消防・建築指導課と協議することが必要です。


ステップ4:関係者との設計連携でミスを防ぐ

実際にドアを選定・設置する際には、複数の関係者との連携が重要です:

  • 建築設計者:避難動線と建築計画全体との整合を取る
  • 自動ドアメーカー:非常時動作や設置条件の確認
  • 施工業者(電気・建具):配線・施工方法との整合性確認
  • 消防・行政:防火区画・条例適合性の確認

この中で特に見落とされがちなのが、「非常時動作のシミュレーションをしていない」こと。建物完成前の動作テスト・避難訓練によって、実際に“開くか”“通れるか”を検証するステップを入れておくと、想定外のトラブルを防ぐことができます。


まとめ:

自動ドアを避難経路に使う際の選定ステップは、次の4点に集約されます:

  1. 自動ドアが避難ルート上のどこにあるかを確認する
  2. 非常時にも確実に開く仕組みが備わっているかを確認する
  3. 関係法令・条例に適合しているかを確認する
  4. 設計者・施工者・メーカー・消防と連携し、動作確認を含めた設計を行う

次は、「H2-6. 【適ドア適所】避難経路とドアの最適な組み合わせとは?」に進みます。

それでは、記事本文の最後のセクションである
「H2-6. 【適ドア適所】避難経路とドアの最適な組み合わせとは?」
を展開していきます。しばらくお待ちください。


H2-6. 【適ドア適所】避難経路とドアの最適な組み合わせとは?


要点:
「どのドアを使えばいいのか?」という問いに、唯一の正解はありません。建物の用途や利用者層、設置場所によって、求められる機能が大きく異なるからです。この章では、【適ドア適所】の考え方に基づき、避難経路における「最適なドアの使い分け」を施設別に整理して解説します。


【比較表】施設別に見る「避難経路で使うべきドア構成」

施設種別推奨構成主な理由
商業施設(ショッピングモール・スーパーなど)パニックオープン式自動ドア+非常開放スイッチ人数が多く、迅速な避難が必要。停電時対応+視認性重視
マンション(集合住宅)荷重式自動ドア or 自由開放式ドア停電対策が重要。構造がシンプルで保守も容易
病院・福祉施設無電源対応式(荷重式)+視認性確保+自動開閉補助高齢者・障害者に配慮。機械操作が不要で確実に開く
オフィスビルパニッククローズ式自動ドア+非常開放装置(防犯連動)セキュリティ確保が重要。緊急時のみ開放する構成
学校・保育園フリースイングドア(常時開放/自閉)+軽操作開放教職員の誘導が前提。安全性・防火性・操作性のバランス重視
工場・倉庫引戸式(手動または自動)+避難誘導装置付きドア周辺に障害物が多く、開閉方向を工夫しやすい

【選定のヒント】こんな時は、この方式を検討

状況検討すべき構成
停電でも100%開放させたい荷重式(無電源) or バッテリー内蔵タイプ
高齢者・障害者の多い施設操作不要なパニックオープン or 荷重式
夜間・無人時の防犯も必要パニッククローズ+非常開放スイッチ併用
施工後のトラブルを減らしたい構造が単純で点検が容易な機械式(例:Newtonドア)
複数の避難口を設けたいメイン→自動ドア/サブ→自由開放 or 荷重式の併用設計

【荷重式ドア】避難経路で特に適している場面とは?

荷重式ドアは、以下の特性から避難経路に強く適しています:

  • 電気を一切使わない → 停電時も常に作動
  • 構造が単純で壊れにくい → 動作不良が起きにくい
  • 誰が踏んでも開く → 高齢者・子どもにも対応
  • 法令への整合性を満たしやすい(JIS規格対応モデルもあり)

特に「災害時に必ず開くことが求められる」場所には、荷重式ドアを検討する価値が高いと言えます。


【Newtonドアの活用例(紹介リンク形式で)】

※ここでは売り込みを避け、知的好奇心に応じた関連記事として紹介します。

  • 関連記事:避難経路に最適な「荷重式自動ドア」とは?(Newtonドアの特性と設置事例)
  • 関連記事:マンション・福祉施設で導入が進む「無電源自動ドア」の安全性

まとめ:

避難経路のドア選定は、施設ごと・状況ごとに「最適な答え」が異なります。

大切なのは、「一般論で決めないこと」。
そのドアが、災害時に“確実に開く”かどうか。
そして、それが“誰にとっても扱いやすいか”を軸に選定することです。

それこそが、私たちが提唱する【適ドア適所】という視点です。

【適ドア適所】にそった「まとめ」


避難経路に自動ドアを使う際に大切なことは、「何が使えるか」ではなく、「どんな条件でなら安全に使えるか」を見極めることです。

この記事では以下のポイントを詳しく解説してきました:

  • 法令・条例が求める安全要件(常時開放、非常時開放、手動操作)
  • 災害時の動作保証(パニックオープン/クローズ、停電対応)
  • 実際に起こりうるリスクと、構造的・運用的な対策
  • パニック機能の選定基準と、利用者・施設特性との関係
  • 施設別の最適なドア構成(荷重式、電気式、自動開閉の選び方)

特に重要なのは、「避難時にドアが開かないリスク」は設計段階から予防できる、ということです。動作の仕組み、非常時の対応、施設の特性までをきちんと把握し、適ドア適所の視点で最適なドアを選ぶことが、安全な避難経路を実現する第一歩となります。


出典・参考資料(主な技術情報・制度)

  • 建築基準法 施行令第126条の5、第128条の2
  • 消防法施行令第5条の2
  • 各自治体の避難安全指導要領・防火条例
  • 『自動ドア協会』技術コラム・事故報告


FAQ:避難経路 × 自動ドアに関するよくある質問


Q1: 自動ドアは避難経路として認められるの?
A: はい、一定の条件を満たせば認められます。非常時に確実に開放される構造であることが条件です。詳しくは建築基準法施行令第126条の5をご確認ください。


Q2: 停電時でも自動ドアは開くの?
A: 一部のドアは開きません。電源喪失時にも作動するよう、バッテリー搭載型や荷重式(無電源型)の自動ドアを選定する必要があります。


Q3: パニックオープンとクローズ、どっちが安全?
A: 施設の用途によります。多数の人が避難する場所ではパニックオープン、安全性と防犯を両立させる場所ではパニッククローズが選ばれます。


Q4: 自動ドアが「避難できないリスク」になることはある?
A: はい、停電・機械故障・操作ミスなどにより開かない事例があります。設計・選定・点検を通じて防止が可能です。


Q5: 非常時に自動ドアが開かなかった場合、手で開けられる?
A: 多くの自動ドアには手動解放装置があります。ただし、操作が複雑な場合もあるため、設置時の説明・訓練が必要です。


Q6: 荷重式自動ドアとは何ですか?
A: 踏み板を踏むと機械的に開く方式で、電気を使わず、停電時でも100%開閉できます。特に避難口に適しています。


Q7: マンションの出入口に最適な自動ドアは?
A: 停電時でも確実に開く荷重式や自由開放式が推奨されます。安全性と維持管理のしやすさが理由です。


Q8: 自動ドアを防火区画に使う場合の注意点は?
A: パニッククローズで閉鎖する構造が推奨されます。ただし、手動開放機能や消防指導との整合が必要です。


Q9: 自動ドアと防犯性は両立できるの?
A: 可能です。通常時は電気錠などで施錠し、非常時には解放される設計が一般的です。制御システムの設定が重要です。


Q10: ドアの安全性をどう確認すればよい?
A: JIS A 4722などの規格に準拠しているか、設置後に非常時動作テストを行っているか、定期点検がされているかを確認しましょう。

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