自動ドアにおける「両引き」という言葉、実は少し誤解されやすい表現です。多くの方が「両開き」と混同しがちですが、この2つはまったく異なる構造を指しています。ここでは、自動ドアの基本的な動作方式のうち、「両引き(引分け)」と呼ばれるタイプについて、用語の整理と構造的な違いを明確にしていきましょう。

目次(このページの内容)

要点:両開きではなく「両引き」=左右へスライドする構造

まず、一般的に「両開き」と聞くと、観音開きのように2枚のドアが中心から外側に向かって回転して開くイメージを持つ方が多いかもしれません。しかし、自動ドアで「両引き(引分け)」とは、2枚の引き戸が中央から左右にスライドして開く構造のことを指します。つまり「開き戸」ではなく、「引き戸」のバリエーションのひとつです。

手順:呼び方のバリエーションと混同されやすい言葉

自動ドアの業界では、「両引き」という言い方のほかに、「引分け(ひきわけ)」や「引き分け」という表記もよく使われます。これらはいずれも同じ構造を指しており、

  • 引分け(引き分け)=両側に開く引き戸
  • 片引き=一方向のみにスライドする引き戸
  • 両開き=観音開き(回転式)ドア

という分類になります。これを混同してしまうと、設計図面の読み違いや発注ミスにつながりかねません。

根拠:JISの分類でも「引分け」が標準表記

日本産業規格(JIS A 4722)では、自動ドアの開閉方式として以下のような分類がなされています:

  • 引戸型(スライド式)
    • 片引き戸
    • 引分け戸(両引き)
  • 開き戸型(スイング式)
    • 片開き
    • 両開き
  • その他(回転扉、折戸など)

つまり、「両引き」は正式には「引分け戸」とされており、これはスライド式引戸の一種ということです。

詳細:構造のイメージ

両引き自動ドアは、左右に1枚ずつのドアパネル(扉体)があり、それぞれが中央から左右へスライドして開きます。中央が開口部となり、左右には戸袋(引き込まれるスペース)が必要です。

項目両引き(引分け)両開き(観音開き)
開閉方式左右にスライド(引戸)内外に回転(開戸)
必要スペース両側に戸袋が必要扉の回転半径が必要
安全性動作が直線的で制御しやすい閉じる力に注意が必要
適用施設例商業施設、病院、駅など住宅、オフィス、会議室など

このように、構造も設置条件も大きく異なるため、「両引き=両開きではない」ことをしっかり認識しておく必要があります。

注意点:誤認識による設計・施工トラブル

実務上、「両引き」と「両開き」を混同することで、以下のようなミスが起こることがあります:

  1. 開口寸法の誤計算:必要な戸袋スペースが確保されず、ドアが完全に開かない
  2. 納品製品の誤発注:スライド式が必要な場面で、開戸型が届いてしまう
  3. 安全対策の不一致:センサー配置や非常開放機構が適合しない

これらを避けるためにも、用語と構造を正しく理解しておくことが重要です。

まとめ

「両引き自動ドア」とは、中央から左右にスライドして開く引戸型のドアです。「引分け」や「引き分け」とも呼ばれ、両開きとはまったく異なる構造を持っています。自動ドアの種類を正しく理解することは、最適な設置・安全対策・運用計画につながる第一歩となります。


片引きと両引き、自動ドアの違いは?

自動ドアを設計・選定する際に、多くの現場担当者や設計士が直面するのが、「片引きにするか、両引きにするか」という判断です。どちらも引戸タイプの自動ドアでありながら、構造的にも機能的にも違いが多く、「単純に広く開けばいい」といった考え方では失敗することもあります。ここでは、片引きと両引きの違いを整理し、導入時の判断軸を提示します。

要点:構造・スペース・費用の違いがポイント

片引きと両引きの最大の違いは、「ドアの枚数」と「開口幅の取り方」にあります。片引きは1枚の引戸を一方向にスライドさせるのに対し、両引き(引分け)は2枚の引戸を左右に開いて開口部を作ります。

この構造の違いにより、以下のような差異が生まれます:

比較項目片引き自動ドア両引き自動ドア(引分け)
可動枚数1枚2枚
開口幅の確保ドア1枚分(戸袋片側)ドア2枚分(戸袋両側)
必要スペース片側に戸袋スペースが必要両側に同等の戸袋スペースが必要
エンジン構成シンプル(片側駆動)両側駆動またはセンター駆動
初期コストやや低めやや高め
メンテナンス性点検部位が少ない可動部が多く保守箇所が増える
開閉速度比較的速い(軽量仕様が多い)可動重量が増す分、速度調整が必要
安全対策最小限で済む場合が多いセンサーや挟み込み防止対策がより重要

このように、両引きは「大きな開口幅を取れる代わりに、設置条件やコストが増す」という特徴を持っています。

判断軸:「開口幅」か「空間制約」か

どちらを選ぶべきかは、「建築空間の制約」と「利用目的」のバランスで考えるのが基本です。

  • 片引きが向いているケース
    • 戸袋を片側にしか確保できない(隣が壁、構造柱など)
    • 開口幅が比較的小さい(900mm〜1200mm程度)
    • 費用を抑えたい、またはシンプルな運用で良い
    • 設置後の点検頻度を抑えたい
  • 両引きが向いているケース
    • 戸袋スペースを左右に確保できる(間口が広い)
    • 多くの人が一斉に通行する場所(駅、病院、商業施設など)
    • バリアフリー性や搬入搬出で大きな開口が必要
    • 設計上の意匠としても左右対称を保ちたい

注意点:広く開く=ベストとは限らない

両引き自動ドアは、開口幅を最大限に活かせる反面、「開きすぎることによるデメリット」も無視できません。

  • 冬場などに熱が逃げやすい
  • センサー範囲が広くなり、誤作動が増える
  • 同時開閉の衝突リスクがある(人の流れが多方向の場合)

このように、広ければ良いという単純な考え方は危険です。あくまで「通行目的」と「空間特性」に合わせて、最適な方式を選ぶことが大切です。

【適ドア適所】という判断の視点

Newtonドアが提唱する「必要なときに、必要なだけ開く」という設計思想から考えると、両引きは「広く、瞬時に開けることが求められる特殊な環境」に適していると言えます。むしろ多くの現場では、片引きや荷重式など「最小限で足りる方式」の方が合理的な場合も少なくありません。

この視点を持つことで、「両引きにすべきか?」という迷いではなく、「この現場に最も合う方式は何か?」という判断が可能になります。


両引きが活きるのはどんな場所?具体事例と選定のヒント

自動ドアの「両引き(引分け)タイプ」は、通行のしやすさと開口の広さが強みです。しかし、どんな場所でも最適とは限りません。このパートでは、両引きが“本領を発揮する”現場の特徴と、実際に採用されている具体的な施設事例、そして選定のヒントを紹介します。

要点:両引きは“広く・同時に・多く”を叶えたい場所で活きる

両引きの強みは何と言っても「広い開口部をすばやく確保できること」。つまり、大人数の同時出入りや、搬入出が頻繁にある施設でこそ、価値が最大化されます。

事例1:病院・クリニックの出入口

医療施設では、車椅子やストレッチャーの出入り、複数人が一緒に動く場面が多いため、片引きでは不十分なケースがあります。両引きにすることで以下のようなメリットがあります:

  • 車椅子2台が並んで通れる開口幅を確保(約1600mm〜1800mm以上)
  • 看護師の付き添いや機器搬送時にもスムーズ
  • 抗菌・衛生仕様と両立できる製品も多い

事例2:商業施設・店舗の正面玄関

出入口での渋滞を避けるため、来店客が同時に出入りできる構造が求められます。とくにセール時や開店直後など、一時的に通行量が増えるケースでは、以下の点が重要です:

  • 両引きにより「入退場の混在」に対応
  • 自動で開くスピードと開口幅がストレスを軽減
  • 出入口の意匠を左右対称にすることで、高級感・安心感のある印象を与える

事例3:マンションや高齢者施設の搬入口

両引きは住居系建物でも活躍します。たとえば、以下のような用途に向いています:

  • 引越しや大型荷物の搬入搬出(ソファ、ベッドなど)
  • 高齢者施設での車椅子、歩行器利用の多さに対応
  • 室内側の建具と干渉しない設計がしやすい(両側開きの調整)

※Newtonドアのマンション導入事例では、共用部の出入口において「電源不要+両引き構造」で採用された例もあり、自然開閉+省エネ設計という視点からの応用も進んでいます【出典:Nドア顧客セグメントと導入事例】。

注意点:戸袋スペースの確保が前提

両引きを採用するためには、左右の壁内に十分な戸袋スペースを確保できることが前提です。これが難しい場合、以下のような代替策を検討する必要があります:

  • 戸袋を“露出仕様”にする(意匠上の工夫が必要)
  • 袖付き自動ドアにして戸袋を内部に収める
  • 開口幅をあえて減らして片引きにする

このように、建物の設計と一体で考えなければならない点が、両引き導入の難しさでもあります。

ヒント:空間×利用動線で選ぶ

「両引きにすべきか?」という問いは、「空間の形」と「人や物の流れ」によって決まります。以下のような条件が3つ以上あてはまるなら、両引きが有力な選択肢になります。

  • 出入口の幅が1800mm以上欲しい
  • 左右対称のデザインを保ちたい
  • 出入口から出入りが多方向にある(双方向動線)
  • 出入り口周囲に柱や干渉物がない
  • 同時に2人以上の人・物の出入りが想定される

【補足】Newtonドアとの選定比較

Newtonドアは荷重式で、電源が不要な省エネ自動ドアです。開口幅が限定される片引き型が多いですが、「両引きほどの開口幅が必要なく、戸袋確保も難しい」といった施設では、むしろNewtonドアのような小回りの利く自動ドアの方が適していることもあります。

このように、「両引き」は特定条件下で力を発揮する“強い選択肢”ですが、どんな場面にも合う“万能選手”ではないという点は理解しておきたいところです。


設計・施工時の注意点は?戸袋、エンジン、安全性

両引き自動ドアは、広い開口と利便性を備える反面、「設計や施工の段階でしっかりとした準備が必要」なタイプでもあります。見た目のシンプルさとは裏腹に、構造や部材、安全装置の設置において複数の注意点があります。このセクションでは、現場でありがちな失敗や、安全性に関わるポイントを整理します。

要点:戸袋と機構、安全設計の三位一体が求められる

両引き自動ドアの最大の難所は「左右の戸袋スペースの確保」です。これが十分でなければ、ドアが完全に引き込めず、開口幅を確保できなくなります。また、戸袋の確保とあわせて、ドアエンジン(駆動ユニット)の選定と、安全センサーの設置も密接に関係してきます。


注意点1:戸袋スペースの確保と施工精度

両引きの場合、1枚の扉が引き込まれるスペースが左右両側に必要です。これは、最低でも各扉の幅以上のクリアランスを確保しなければなりません。

  • 幅1000mmの両引きドアなら、左右に各1000mm以上の戸袋スペースが必要
  • 壁内に埋め込む設計か、露出仕様で設置するかを事前に決定
  • 壁構造の中に配管や配線がある場合、施工に支障が出る

また、戸袋部の仕上がり精度が悪いと、動作に支障が出る(引き込み時に摩擦、傾斜など)ため、施工監理者は特に注意が必要です。


注意点2:エンジンユニットの選定と配置

両引きタイプでは、エンジンユニットも「センター駆動型」や「両側駆動型」など構造が異なります。選定にあたっては以下の要素が重要です:

  • ドア重量:両引きは扉2枚分になるため、片引きよりも重量が増す
  • 開閉速度と制御:動作のバランスが悪いと左右の開閉が不均等になる
  • 駆動方式の種類:ベルト式・ラックピニオン式など、音や保守性も考慮

製品ごとに、適応ドア質量(例:片扉80kg以下)や最大開口幅などが異なるため、現場の設計条件に適合するか、カタログスペックの確認が必須です。


注意点3:安全センサーと挟み込み対策

自動ドアの安全性は、設計段階からの配慮で大きく左右されます。とくに両引きでは「人が通行中にもかかわらず両側から閉まる」リスクが高いため、以下の対策が求められます:

  • センサーの配置:開口部内側だけでなく、外周の感知エリアも重要
  • 挟み込み防止機構:障害物検知による逆動作、再開放制御など
  • JIS規格準拠の安全性能:JIS A 4722で定められた感知領域と反応速度

特にJIS準拠については、Newtonドアの安全性検証においても重視されており、「挟まれたら止まる」だけでなく「挟まれないようにする」設計が強く推奨されています【出典:Newtonドアの安全性検証とJIS規格整合性】。


注意点4:非常時対応(停電・火災時など)

万が一の停電時にも、両引きドアが手動で開閉可能かどうかは非常に重要です。電源喪失時でも以下のいずれかが求められます:

  • 手動切替機構(手で開けられるようにする)
  • バッテリーによる非常開放
  • 火災連動で開放状態に切り替える機構

設計者は「通常時の利便性」だけでなく、「非常時の安全性」も同時に確保する視点が必要です。


注意点5:音・振動・経年劣化への対策

両引きは可動部が多いため、部品の消耗や振動による異音が発生しやすい傾向にあります。

  • 開閉ガイドの摩耗
  • レール内の異物混入
  • モーター音の反響
  • 経年による戸袋のたわみ

これらを防ぐには、製品段階での振動制御設計や、定期メンテナンス計画の策定が不可欠です。


導入のためのチェックリスト

両引きを導入する際には、以下のようなチェック項目を事前に整理しておくと設計ミスを防げます:

  1. 開口幅と利用人数に応じた必要寸法を確保しているか
  2. 戸袋スペースが左右とも確保可能か
  3. 駆動方式が適正な重量・頻度に対応しているか
  4. 停電・火災時の対応が設計に含まれているか
  5. 安全センサーの範囲・数が十分か(JIS準拠)

コストや維持管理の実態は?導入前に知るべきこと

自動ドアを選ぶ際に、導入担当者が最も気になるのが「費用と維持管理」です。とくに両引きタイプは、「開口幅が広い=費用も高い?」というイメージを持たれがちです。しかし、実際には製品仕様・施工条件・使用頻度によってコスト構造は大きく変わります。このセクションでは、片引きと両引きの費用面・管理面を比較し、導入前に知っておくべきポイントを整理します。


要点:初期コストだけでなく、維持費・更新サイクルまで考慮する

両引きは、部材・施工・可動部が多いため、一般的に片引きよりも高コストになります。ただし、「金額差」よりも、「なぜその差が生まれるのか?」を理解することが、最終的な選択の納得につながります。


初期費用の違い:製品価格+施工費で見る

項目片引き自動ドア両引き自動ドア(引分け)
製品本体価格安価(構成がシンプル)やや高め(扉2枚+機構複雑)
施工工数戸袋片側分の施工両側の施工+センター調整が必要
設備対応小規模電源・簡易制御で対応可モーター出力がやや大きめ
合計目安(例)約25〜40万円(条件により変動)約40〜60万円(条件により変動)

※価格は一例であり、建物の仕様、仕上げ、特注対応の有無により大きく変動します。

両引きでは、ドアパネルが2枚になるため、当然材料費も2倍。加えて、センター駆動や安全制御の複雑さが増すことで、施工費も割高になります。


維持管理費:可動部と消耗部材が増える

可動箇所が多い=消耗箇所が多い、というのは自動ドアにおける一般原則です。両引きでは以下のような維持管理上の負担が増えます:

  • センサーの点検ポイントが増加
  • ドアレール・戸車の摩耗頻度が倍に
  • 駆動ユニットのバランス調整が必要
  • 振動による微調整の頻度もやや多め

年間の点検費は、片引きで1〜2万円程度から、両引きでは2〜3万円程度が一般的な相場です(サービス契約内容による)。ただし、頻繁な出入りやハードな使用環境では、部品交換頻度が高まり、想定よりコストが上がるケースもあります。


更新サイクルと交換時の注意点

自動ドアの更新タイミングは、おおよそ10〜15年が目安とされます。両引きの場合、片引きよりも以下の点で更新がやや煩雑になります:

  • 扉2枚分の部材を揃える必要がある
  • センサーや駆動部も両側分必要になる
  • 製品が廃番になっていた場合、左右で別仕様になるリスク

そのため、長期的に使い続ける計画であれば、部品供給の安定性や将来の製品互換性も視野に入れておくべきです。


節電・省エネの視点では?

意外と見落とされがちなのが「自動ドアの電力消費」。両引きは駆動部も2系統になる場合があり、若干の消費電力増加があります。設置環境によっては、センサー反応範囲が広がるため、不必要に開閉して電力ロス・空調ロスが増えるという点にも注意が必要です。

この点で、Newtonドアのように「電源不要」で動作する荷重式自動ドアは、維持費用ゼロ・ランニングコスト不要という点で大きなアドバンテージがあります。


【適ドア適所】で見た“コスト最適解”の考え方

「最安の方式」ではなく、「目的に対して、過不足のない構成」を選ぶ。これが“適ドア適所”の基本発想です。

  • 両引き:多数の通行・広い開口が常に必要 → 初期費用が高くても価値を発揮
  • 片引き:単方向動線・中小規模施設 → 費用対効果の高い選択
  • Newtonドア:電源不要・コンパクトな動線 → ランニングコスト重視の施設に最適

費用面の検討では、「本当に両引きでなければならないか?」を一度立ち止まって考えることも、長期的な判断に繋がります。


【適ドア適所】両引きはどんな環境に最適なのか?

自動ドアの選定は、「このタイプが高性能」「この製品が人気」という表面的な情報だけでは、正しい判断につながりません。本当に重要なのは、「その場所で、なぜそれが必要なのか?」という視点です。ここでは、これまで解説してきた要素を踏まえ、「両引きが最適となる条件」と「選定の軸」を明確に整理します。


要点:「広く・左右対称に・多方向からの通行」がキーワード

両引き自動ドアが最も適しているのは、次のような環境です:

  • 1800mm以上の広い開口幅が必要な場所
  • 出入口の両側に十分な戸袋スペースが確保できる
  • 双方向の通行動線が頻繁にある
  • デザイン上、左右対称の外観が求められる
  • 病院や商業施設のように、人の流れが集中する空間

逆に言えば、これらの条件が1〜2つしか満たされないのであれば、両引き以外の選択肢(片引き、荷重式など)も十分に検討する余地があります。


判断式:「両引きにすべきか?」を整理する3ステップ

自動ドアの方式を決める際、以下の3つの軸で「適ドア適所」を判断すると、後悔のない選定につながります。

  1. 空間条件で考える
     → 両側に戸袋スペースが取れるか?建築構造的に干渉しないか?
  2. 利用目的で考える
     → 通行量は多いか?車椅子や搬入は頻繁か?片方向動線で足りるか?
  3. 設計思想で考える
     → 常に大きく開けたいのか?必要な時だけ開けばよいのか?

この中で、3つすべてが「Yes」となった場合に初めて、両引きが“最適”となります。


Newtonドアの哲学との対比

Newtonドア(荷重式自動ドア)は、「常に自動ではなく、“人の動作に応じて開く”」という新しい発想のもとに設計されています。これは、エネルギーや部材の浪費を避け、必要最小限の動作で快適な開閉を実現するというもので、

  • 電源不要(停電でも動く)
  • 戸袋不要(片引きコンパクト設計)
  • 通行が少ない施設にも最適

という、両引きとはまったく逆の価値を提供します。

つまり、「両引きがベストな環境」もあれば、「両引きほど開かなくてもいい」という場所には、Newtonドアのような選択肢が適しているのです。


導入前に考えるべき「問い」

  • 本当にここは、1800mmの開口が必要か?
  • どれだけの人数が、同時に通行するか?
  • その“便利さ”に、どれだけの電力と維持費を支払うのか?
  • 非常時にも確実に動作するのか?
  • メンテナンス対応が無理なく続けられるのか?

これらの問いに答えることで、「方式ありき」の選定から脱却し、「使い方・空間に合った正しい選択」が可能になります。


「適ドア適所」で後悔のない選定を

両引きはたしかに魅力的な構造です。しかし、それが本当に“最適”かどうかは、設置場所の条件と利用の目的に依存します。「できる」ではなく「本当に必要か?」を起点に考えることで、設置後の満足度、維持コスト、安全性、すべてが大きく変わってくるのです。



【適ドア適所】にそった「まとめ」

自動ドアにおける「両引き(引分け)」タイプは、片引きよりも広い開口幅を実現でき、左右対称で意匠的にも優れた選択肢です。ただし、それはあくまでも「両側に十分な戸袋スペースがあり、頻繁な多方向通行が求められる」ような環境に限られます。

  • 利用者数、開口の必要性、戸袋スペース
  • 建築制限や動線の設計
  • メンテナンス性やコスト感

これらを総合的に判断し、「本当に両引きでなければならないのか?」という視点で検討することが重要です。

そして、電源不要で構造がシンプルな荷重式自動ドア(Newtonドア)のような存在も、「両引きではスペースやコストが見合わない」「もっとシンプルな運用がしたい」といった現場では、最適な選択肢となりえます。

“便利だから”ではなく、“その場所に本当にふさわしいかどうか”
——それが私たちが大切にしたい「適ドア適所」の考え方です。


【FAQ】

Q: 両引きと引き戸の違いは?
A: 両引きは「引き戸」の一種で、2枚の引戸が左右にスライドして開く構造です。

Q: 両引きと片引き、どちらが安い?
A: 一般的には片引きの方が安価です。部材と施工工程が少なくて済むためです。

Q: 両引き自動ドアの設置条件は?
A: 両側に扉1枚分の戸袋スペースが必要で、建築構造による制限がないことが前提です。

Q: 戸袋が取れない場合はどうする?
A: 戸袋を露出仕様にするか、片引きや他方式(袖付き、折戸)への変更が必要です。

Q: 両引きの自動ドアはどんな施設に向いている?
A: 病院、駅、商業施設など、大量の人や物が一斉に通る場所に適しています。

Q: 両開きと両引き、どう違う?
A: 両開きは観音開きのような“開戸”、両引きは左右にスライドする“引戸”です。

Q: 両引きの安全対策にはどんなものがある?
A: JIS規格準拠のセンサー配置、挟み込み防止制御、非常時の手動開放などが必要です。


【出典一覧】

  • 『Newtonドア』
  • 『Newtonドアの安全性検証とJIS規格整合性』
  • 『NドアFAQ』
  • 『Nドア(チラシ)マンション』
  • 『Nドア(チラシ)自治体』
  • 『Nドア顧客セグメントと導入事例』
  • NABCO製品サイト、JAD製品サイトなど公開情報
  • JIS A 4722(自動ドアの性能・安全規格)

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