自動ドアと聞くと、多くの人が「センサーで開くあの便利なドア」を思い浮かべるでしょう。駅、スーパー、病院、ビルの玄関口——私たちの生活の中には、気づかないうちにたくさんの自動ドアが存在しています。けれどふと、こんな疑問を感じたことはありませんか?

「自動ドアって誰が作ったの?」

毎日使っているのに、意外とその始まりや仕組み、発展の歴史は知られていません。実は、自動ドアの技術には、古代の知恵、近代の発明、日本企業の挑戦、そして現代の新しい発想が詰まっています。

この記事では、古代ギリシャから現代日本までの“自動ドアの全歴史”を、分かりやすく、でもしっかりと掘り下げていきます。そして最後には、「今、自動ドアを選ぶとしたらどう考えればいいか?」という視点まで、一緒にたどり着いていきましょう。


目次(このページの内容)

自動ドアって、誰が最初に作ったの?

要点:

最古の“自動ドア”は紀元前のギリシャ時代に、現代的な自動ドアは1930年代のアメリカで発明されました。


根拠:

  • 古代:蒸気圧や重りを利用した“自動”開閉の仕掛け
  • 近代:光センサーやモーターを使った実用的な装置
  • 発明者:Heron of Alexandria(古代)/Raymond & Roby(現代)

背景:

私たちが今見慣れている「人が近づくと開くドア」は、センサー技術とモーター制御を駆使した現代の産物です。しかしそのルーツは、驚くほど昔までさかのぼります。


1. 古代ギリシャに“からくり自動ドア”があった?

自動ドアの原点としてよく紹介されるのが、**紀元1世紀ごろのギリシャの発明家「アレクサンドリアのヘロン(Heron)」**です。彼は蒸気や空気圧の原理を用いて神殿の扉を自動的に開ける仕組みを考案しました。

どういう仕組みかというと——

  1. 神殿の前で火を焚く
  2. 火によって密閉された容器の中の空気が膨張し、容器内の水を別の容器へ押し出す
  3. その水が重りとなってロープを引き、扉を開閉する

まるで近代の自動制御の原型のようなこの装置は、当時の人々にとって神秘的な体験だったに違いありません。

もちろん、この装置は人の動きを感知するセンサーを使っているわけではなく、あくまで自然の力を応用した“機械仕掛け”の自動装置。ですが、「人の手を使わずに扉が開く」という意味では、自動ドアの祖先と呼ぶにふさわしい発明です。


2. 現代的な自動ドアは1931年にアメリカで発明された

時代は飛んで20世紀。
現在の自動ドアに近い仕組みが初めて開発されたのは、1931年、アメリカのレストラン「Wilcox’s Pier Restaurant」に設置されたフォトセル式自動ドアでした。

発明者は、Horace H. Raymond と Sheldon S. Roby
彼らは光を使って人の動きを検知する「フォトセル(光電管)」を利用し、人が近づくと自動的に扉が開く仕組みを実用化しました。

当時の構造は:

  • ドア付近に赤外線センサーを設置
  • 人がセンサーを横切ると信号が送られ
  • モーターでドアがスライドして開く

この仕組みは今でも基本構造として変わっておらず、「自動ドアの基本モデル」とされています。


3. 実用化に踏み出したのは1950年代の開発者たち

さらにその20年後、1954年にはDee Horton と Lew Hewittによって、スライド式自動ドアが開発されます。こちらは**「マットスイッチ」**と呼ばれる、床に圧力を感じるスイッチを使った方式。

このタイプは強風でも安全に使用でき、特に店舗やホテルの入口に最適ということで、一気に普及が進んでいきます。

彼らが開発したこの技術は「Horton Automatics」として製品化され、現在でもその会社は自動ドア業界において重要なポジションを保っています。


4. 「誰が作ったのか」よりも「どうやってここまで来たのか」

こうして見ていくと、自動ドアは「誰か一人が一気に完成させたもの」ではなく、古代の発想 → 現代の技術 → 実用化と普及という複数の段階を経て成立してきたことが分かります。

そしてここから、話は**「日本での自動ドアの発展史」**へと進んでいきます。


日本での自動ドアの始まりは、いつ・どこだった?

要点:

日本では、自動ドアの実用化は鉄道車両やインフラ用途から始まり、1950年代には建築物にも導入されるようになりました。


背景:

私たちにとって自動ドアは「建物の入口にある便利な装置」という印象が強いですが、日本において最初に自動ドアが使われたのは、意外にも“鉄道車両”の世界でした。

この章では、自動ドアがどのように日本で根付いていったのかを、時系列で見ていきます。


1. 鉄道車両での自動ドア:戦前から存在していた“動くドア”

日本で最初に「自動で開閉するドア」が導入されたのは、1920年代の鉄道車両においてです。具体的には、山手線や旧東京地下鉄道(現在の東京メトロ銀座線など)で使われた**空気圧式(エア駆動)**のドアがそれにあたります。

この方式は、車掌がスイッチを操作するとエアシリンダーが動き、ドアが開閉するというものでした。自動といっても「人の存在を検知して開く」わけではなく、あくまで動力による機械的開閉ですが、手動式に比べて効率的で、混雑時や安全面でも大きなメリットがありました。

この時期にはすでに、「人の手を使わずに、安全に効率よくドアを動かしたい」というニーズが鉄道の現場で現れていたことが分かります。


2. 建築用の自動ドアは1950年代に登場

では、建物の入り口にあるような「人が近づくと開く」自動ドアは、いつから使われ始めたのでしょうか?

記録によると、1953年頃から日本でも建築用自動ドアの開発が始まり、1956年には実際に空気圧式の自動ドアが設置されたとされています。この時点ではまだ限られた場所での採用でしたが、技術としては実用段階に入っていたことがうかがえます。

初期には、以下のような方式が使われました:

自動ドアの方式特徴
空気圧式(エア式)コンプレッサーで空気を圧縮し、ピストンを動かすことでドアを開閉。
油圧式オイルの圧力で動作させる方式。大型ドアや静音性が求められる施設で使用。
電気モーター式(初期)電動モーターで直接駆動。現在の主流の基礎になる技術。

当時は、どの方式が最も信頼性・コスト・設置性に優れるか、各社がしのぎを削っていた時代でもありました。


3. 自動ドアはどんな場所で普及したのか?

1950年代後半から1960年代にかけて、自動ドアは徐々に公共建築や商業施設に導入されていきます。普及の背景には、以下のような社会的要因がありました。

① ビル建設ラッシュ(高度経済成長)
新しいオフィスビルやデパートの建設が相次ぎ、「近代的な入口」として自動ドアの需要が急増。

② 銀行・病院などの公共性の高い施設
誰でも使いやすく、安全に出入りできる仕組みが求められ、自動ドアが重宝されました。

③ バリアフリー思想の先駆け
車椅子利用者や高齢者の視点から「自動的に開くドア」は、物理的バリアを取り除く象徴として注目されました。

このように、自動ドアは単なる「ハイテク装置」ではなく、社会の変化・要請に応じて育ってきたインフラ技術なのです。


4. 東芝やナブコといった企業の取り組み

当初、日本の自動ドア市場ではいくつかの大手企業が開発に乗り出します。その中でも代表的なのが:

  • 東芝:1950年代に営業所玄関への自動扉設置を記録。
  • ナブコ(現・ナブテスコ):国産技術の開発・量産化を進め、自動ドア業界のリーダー的存在へ。

とくにナブコは、後の章で紹介する通り、自動ドアの駆動機器(ドアオペレータ)の国産化を進め、独自の制御技術・設計思想を築いていきます。


5. 日本で自動ドアが定着していった理由とは?

海外で発明された自動ドアが、日本でも早期に導入され、比較的広く普及した背景には、

  • 高度成長期におけるインフラ整備の加速
  • 「誰でも使える入口」への社会的期待
  • 鉄道やバスなど交通インフラとの親和性

などが複雑に絡み合っています。

つまり、自動ドアは「技術的に便利だから」だけでなく、“時代が求めた技術”として選ばれていったと言えるのです。


この章では、日本における自動ドアの始まりと社会的背景を見てきました。次のセクションでは、いよいよ「日本企業がどのようにして技術を発展させていったのか?」という本題に入っていきます。
特に、ナブコをはじめとした国産技術の展開と、その中での差別化ポイントに注目していきましょう。

次は第3セクション「日本企業はどうやって技術を発展させた?」(H2-3)を出力していきます。このセクションでは、ナブコなどの企業がどのようにして自動ドア技術を発展させてきたか、具体的な技術と特許の流れを交えて展開します。準備ができ次第、続けます。


日本企業はどうやって技術を発展させた?

要点:

日本の自動ドア技術は、欧米技術の導入から始まり、独自の改良と制御技術によって発展しました。特にナブコ(現ナブテスコ)は、その中心的存在です。


背景:

日本で建築用自動ドアが導入され始めた1950年代。そこからわずか数十年で、日本企業は世界に通用するレベルの制御技術・信頼性を持つ製品を生み出すようになります。

この章では、自動ドアの技術が「どう進化してきたか」、そしてその進化の中で日本企業が果たした役割について見ていきましょう。


1. 海外技術の導入から、国産技術の開発へ

戦後の日本において、産業界全体で見られた傾向ですが、自動ドア分野も例外ではありません。初期には、欧米から導入された自動ドア機器が使われていましたが、次第に以下のような理由から国産化の必要性が高まっていきます。

  • 輸入コストが高い
  • 日本の気候(湿度・風)や建築事情に合わない
  • メンテナンスや修理が難しい

こうした課題を解決するため、日本の企業が立ち上がります。


2. ナブコの登場と、技術革新の歴史

自動ドア分野で日本を代表するのが、**ナブコ(NABCO)**です。ナブコの歩みを振り返ると、日本の自動ドア技術の進化が見えてきます。

年代技術革新/開発内容
1956年自動ドアの製造開始(空気圧式)
1962年電気式自動ドアの開発開始
1970年代安全センサーの導入・開発
1980年代マイコン制御・静音モーター化
1990年代直流ブラシレスモーター採用
2000年代〜CAN通信制御・IoT連携技術導入

とくに直流ブラシレスモーターの導入(1997年)は、耐久性・静音性・省エネ性を大幅に高めた革新的ステップでした。また、CAN通信による建物内システムとの統合も、建築設備としての自動ドアの地位を高めました。


3. 油圧→空圧→電気式への流れ

日本における技術進化の特徴は、段階的な方式移行にあります。

方式特徴使用例
油圧式静音・高トルク、反応はやや遅いホテル、病院の大型ドア
空気圧式駆動が早く、安全性が高い銀行、駅ビルなど
電気式制御しやすく、省エネ性◎商業施設、オフィス

現代では、ほとんどの自動ドアが電気式を基本としていますが、建物や用途によって依然として他方式が選ばれるケースもあります。


4. 特許と製品で見る“差別化”のポイント

日本企業が自動ドアの技術分野で競争力を持つようになった背景には、特許戦略と細やかな製品設計があります。

主な特許技術には以下のようなものがあります:

  • ドアの挟み込み防止センサー制御
  • モーターの回転数制御によるスムーズ開閉
  • 故障時のフェールセーフ設計
  • 耐風圧・停電時の手動開放機構
  • スライド/折戸/回転など多様な開閉方式に対応する機構

こうした技術は、単に「ドアを開け閉めする」だけでなく、安全性・快適性・省エネ性・メンテナンス性といった多面的な価値を提供します。

また、特許だけでなく、建築基準法やJIS規格(日本産業規格)との整合も、製品の信頼性を裏付ける要素となっています。


5. 大手企業の役割分担と競争

ナブコ(現ナブテスコ)を筆頭に、他の大手メーカーや建材企業も自動ドア市場に参入してきました。

企業主な特徴・技術
ナブテスコ(旧ナブコ)開閉機構+制御系統の両立に強み、CAN通信導入など
美和ロックセキュリティ連携機能との統合に強み
リクシル(旧トステムなど)建材一体型の入口設計として展開
三和シャッターシャッターと連携した自動扉構造を開発

このように、単なる“ドア”という製品ではなく、建築・施設の入口ソリューション全体を設計する企業群が、日本の自動ドア技術を押し上げてきました。


この章では、日本企業がどのようにして自動ドア技術を発展させてきたのかを見てきました。次章では、「現代の自動ドアがどこまで進化しているのか?」、そして「電気を使わない自動ドアって本当にあるの?」という疑問に迫ります。


今の自動ドアは、どう進化しているの?

要点:

自動ドアは今、ただ開閉するだけの装置ではありません。安全性、省エネ性、災害対応、そして電気を使わない新方式まで、驚くほど多様な技術進化を遂げています。


背景:

私たちが街で見かける自動ドアは、見た目こそ昔と変わらないかもしれません。しかし、その“中身”は大きく変化しています。

特に近年は、以下のようなキーワードが自動ドア技術の中で重要になっています:

  • 非接触・衛生性
  • 省エネルギー性能
  • 防災・停電対応
  • ユニバーサルデザイン
  • 電源不要の荷重式技術

それぞれを具体的に見ていきましょう。


1. センサー制御の進化と「安全性」の徹底強化

かつての自動ドアは、赤外線センサーや床のマットスイッチで人の動きを検知していました。しかし現代の自動ドアでは、より高度で多重的なセンサー制御が標準になっています。

具体的には:

  • 人体検知センサー(赤外線/マイクロ波):正確な検知で誤動作を防止
  • 挟み込み防止センサー:開閉中に人や物があれば即停止
  • ドア領域監視センサー:開閉エリアに人が入ったかを常時監視
  • 速度制御センサー:ドアの開閉速度を人の動きに合わせて調整

これらの技術により、小さな子供や高齢者が誤って接触しても事故が起きない設計が当たり前になっています。

また、JIS A 4722などの安全基準に準拠することが、自動ドア製品の重要な条件となっています。


2. 省エネルギー性能と静音化の追求

最新の自動ドアは、ただ開閉するだけではなく、**「どれだけ効率よく、静かに動かせるか」**が問われています。

そのために活用されているのが、次のような技術です:

  • ブラシレスDCモーター:高効率・長寿命・メンテナンス不要
  • 開閉最適化アルゴリズム:必要最小限の動きで開閉
  • 断熱構造との統合:冷暖房効率を高める建材一体型
  • 静音ギア・制振構造:ホテルや病院など静寂性が求められる場所でも安心

これらは単に快適さを高めるだけでなく、建物のエネルギーコスト削減にも大きく貢献します。


3. 災害・停電対応:非常時の安心も重視される時代へ

自動ドアは便利な反面、「停電時にどうなるのか?」という不安もあります。これに対応するため、以下のような技術が普及しています。

非常対応機能内容
フェールセーフ機構停電時、自動的にロック解除・開放される
手動開放機構外部からの解除キーで手動で開けられる
非常バッテリー数時間の動作を維持するバッテリーを搭載
火災連動装置火災感知器と連動して全開にする機能

これらの機能により、人命を守るインフラとしての自動ドアが実現されつつあります。


4. そして登場した「電気を使わない自動ドア」

近年注目を集めているのが、**「荷重式自動ドア」**という新しい概念の自動ドアです。

このドアは、人がドアに「乗る」ことで、その重さを動力源にしてドアが開くという方式。つまり、

  • モーターも
  • センサーも
  • 電気も

まったく使わないという設計が可能なのです。


荷重式自動ドアとは?

荷重式とは、ドアの前に設置された床プレートに人が乗ると、その重みで内部の機構が作動してドアを開閉するというもの。テコの原理を応用しており、仕組みとしてはシンプルですが、非常に合理的です。

この方式には、以下のような利点があります:

項目特徴
電源不要停電・災害時にも確実に動作
メンテナンス性電気部品なしで、故障リスクが低い
環境性能CO₂排出ゼロ、省資源設計
設置場所の自由度配線工事不要、既存建築でも導入しやすい

特に、災害時やエネルギーの安定供給が難しい地域での導入が進んでいます。


5. 電動式と荷重式、どちらが“進化形”なのか?

ここで気づくべきなのは、「より高度なセンサーを積んでいる=進化」ではないということです。

  • 電動式は、高度な制御・快適性を追求した進化
  • 荷重式は、シンプルで確実な設計を突き詰めた進化

このように、別の方向での進化が共存しているのが、今の自動ドアの世界です。


次の章では、こうした技術が進化した今、「自分たちはどんな自動ドアを選べばいいのか?」という疑問に正面から向き合っていきます。

用途、設置場所、環境、そしてリスク――
自動ドア選びの新しい考え方「適ドア適所」に触れていきましょう。


結局、自分たちはどんな自動ドアを選べばいいの?

要点:

自動ドアには、設置場所・用途・求める機能によって最適な種類があります。すべてに万能なドアはなく、「適ドア適所」という視点が重要です。


背景:

ここまで、自動ドアの発明、技術の進化、そして現代の多様な方式までを見てきました。では、実際に「導入しよう」と思ったとき、私たちは何を基準に選べばいいのでしょうか?

「センサーが多い=高性能だから良い」
「電気を使わない=エコで良い」

——そんな単純な話ではありません。自動ドア選びには、環境、目的、安全性、コスト、そして将来性まで、複数の視点が必要です。


1. 用途・設置場所・目的によって、最適な選択は変わる

まず、自動ドアを導入する場面によって、求められる性能は大きく異なります。

設置場所主な目的向いている方式
病院・福祉施設バリアフリー、安全・静音性電動式(高感度センサー)
商業施設・スーパー回転率・快適性・空調効率電動式(スライド型)
学校・公共施設耐久性・停電対応荷重式または手動切替型
災害避難所・山間部非常時対応・メンテフリー荷重式(非電源)
集合住宅・オートロック付出入口セキュリティとの連携電動式(制御系統統合)

つまり、「自動ドア」というくくりの中でも、性能の優先順位は場所によってまったく異なるということです。


2. 電動式と荷重式は、そもそも“思想”が違う

よくある誤解に、「荷重式は電気がないから安い/古い」というイメージがあります。しかしこれは大きなミスリードです。

比較軸電動式荷重式
動作原理センサー+モーター人の荷重+機械式てこ
利点快適・自動制御・設計自由度電源不要・災害対応・環境適応力
弱点停電リスク・維持費・誤作動設計制限・構造条件の制約あり
向いている場所高頻度施設、複雑制御災害拠点、省エネ重視施設

つまり、「電動式 vs 荷重式」ではなく、「目的に合っているか?」が本質的な選び方なのです。


3. 「適ドア適所」という新しい考え方とは?

これまでの自動ドア選びは、「とにかく便利に」「とにかく最新を」といった選び方が主流でした。

しかし現代では、

  • エネルギー問題
  • 自然災害の増加
  • 高齢化社会
  • 建物のライフサイクル管理

など、多くの外的要因が絡みます。

そこで生まれた考え方が、「適ドア適所(てきドアてきしょ)」という選定哲学です。


適ドア適所とは?

「すべての場所に最適なドアを選ぶ」という思想。

  • 人が集まる場所には、安全性と快適性を
  • 避難拠点には、確実に開く信頼性を
  • 電源の届きにくい場所には、非電源型の安定性を
  • 管理できない場所には、故障リスクの少なさを

これは“高性能なドア”を探すのではなく、“その場所にとって必要なドア”を考えるアプローチです。


4. 自動ドア選びに正解はない。あるのは「正しい基準」

重要なのは、ドアの方式ではなく「その場所で何を守りたいか」「何を最優先にすべきか」という目的意識です。

以下のような問いかけをしてみてください:

  • 停電時でも、ドアが開く必要があるか?
  • メンテナンスが難しい環境か?
  • 通る人は高齢者や子どもか?
  • 外気を遮断したいか?
  • セキュリティとの連動が必要か?

その答えによって、自動ドアの最適解は変わります。


次の章では、こうした選択の延長線上にある「未来の自動ドア」がどうなっていくのかを見ていきます。IoT、顔認証、省エネ、そしてすべての人のためのドアへ——未来のヒントを一緒に探していきましょう。


未来の自動ドアはどうなる?

要点:

これからの自動ドアは、「開閉する装置」から、「人を守り、つながるプラットフォーム」へと進化していきます。技術と思想の両輪で、“あらゆる人のためのドア”が求められています。


背景:

自動ドアは、長い時間をかけて「便利」から「安全」へ、そして「誰でも使える」存在へと進化してきました。しかし、社会が直面する課題が複雑化する中で、ドアに求められる機能も変わってきています。

ここでは、今後の自動ドアに期待される3つの進化軸を紹介します。


1. IoT連携とスマート管理の時代へ

これまでの自動ドアは「現場で完結する装置」でしたが、今後は**ネットワークでつながる“建物の入口インフラ”**へと進化していきます。

すでに一部では以下のような技術が導入されています:

  • CAN通信によるビル設備との統合管理
  • 顔認証・ID連携による入退室制御
  • スマートロックやスマホ連携のセキュリティ機能
  • 遠隔監視による異常検知・メンテナンス予測

これにより、自動ドアは「開閉装置」ではなく、「建物の安全と利便を担う入口装置」としての役割を持つようになります。


2. 停電・災害・高温多湿に対応できるドアが求められる

日本は地震・台風・集中豪雨などの自然災害が多く、建物のライフラインが失われるリスクもあります。そんな中で、自動ドアも「非常時にどう機能するか」が重要視されるようになっています。

  • 荷重式のように、電気を使わなくても開くドア
  • 簡易手動切替が可能なハイブリッド式
  • 耐風圧・防煙性能を持つ構造
  • 太陽光など再エネとの連携型ドア

これらは「災害に強い建築」を支える重要な要素となっていくでしょう。


3. 本当の意味での“ユニバーサルドア”へ

高齢化社会が進み、多様な人が共に暮らす時代において、自動ドアに求められるのは“誰にとっても自然でやさしい入口”であることです。

  • 子どもにもわかりやすい動き
  • 車椅子でもストレスなく通れる幅と速度
  • 開閉時の音や光による認識サポート
  • 視覚・聴覚に配慮したUI/UX

これからの自動ドアは、ただ「自動で開く」だけでなく、すべての人にとって心地よい体験を設計する装置へと進化していく必要があります。


4. 進化のゴールは「選べるようになること」

未来の自動ドアとは、必ずしも「全自動でハイテクなドア」ではありません。むしろ重要なのは、**状況に応じて最適なドアを“選べること”**です。

  • 都市では電動式のスマートドア
  • 山間部ではメンテナンス不要な荷重式
  • 避難所では手動切替式
  • 高齢者施設では速度調整式

つまり、未来の自動ドアは**「正しく選ぶ文化」をつくることこそが、本当の進化**だと言えるでしょう。


この章を通じて、自動ドアが単なる装置ではなく、「社会の入口をつくる存在」になっていることをお伝えしました。


【適ドア適所】にそった「まとめ」


自動ドアは、誰かが“完成させた”ものではない

自動ドアの歴史を辿ってきたこの記事を通じて、私たちは「誰が作ったのか?」という問いの答えを、単に名前で終わらせるのではなく、時代ごとの課題に応える技術の積み重ねとして見直すことができました。

  • 紀元前のギリシャで構想された「からくり自動扉」
  • 1930年代アメリカで実用化されたセンサー式自動ドア
  • 戦後の日本で独自に発展した建築用ドア技術
  • ナブコなど企業による国産制御技術の進化
  • そして、電気すら使わない「荷重式」の発明

こうして見ると、自動ドアは“誰か一人が作ったもの”ではなく、社会の必要性と人の創意が育ててきた共同の技術文化だと分かります。


だからこそ、選び方にも「哲学」が必要になる

現代の私たちには、すでに様々な自動ドアの選択肢があります。

しかしその中で、「どれが高機能か」ではなく、**「その場所に最もふさわしいのはどれか?」**という視点を持つことが、いま強く求められています。

  • 誰が使うのか?
  • どんな時に使うのか?
  • もし停電や災害が起きたらどうするのか?

これらの問いに向き合い、「適ドア適所」という基準をもって選ぶことが、未来に通じる選択です。


最後に一言

日々、当たり前のように開くドア。その裏には、何十年にもわたる技術の挑戦と、人を思う哲学が積み重なっています。

この記事を通して、あなたが「ドアを選ぶ」という行為に、ほんの少しでも新しい視点と深い理解を持ってもらえたなら、これ以上のことはありません。


【出典・参考文献】

  • Wikipedia「Automatic door」「自動ドア」
  • NABCO ナブテスコ株式会社 公式サイト
  • 一般社団法人 自動ドア産業振興会(JAD)
  • autodoor.jp「自動ドアの歴史」
  • jidodoa110.com「自動ドアの種類と特徴」
  • Horton Automatics 公式情報
  • 各特許公報(特許情報プラットフォームJ-PlatPat)
  • Newtonプラス社「荷重式自動ドア Nドア」関連資料

【荷重式自動ドア】Newtonドアの資料請求はこちらから→https://76auto.biz/newtonplus/registp/p-offer.htm

【荷重式自動ドア】NewtonドアのYoutubeチャンネルはこちらから→https://www.youtube.com/@newton_plus

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