自動ドアと聞くと、「電動式」を思い浮かべる方がほとんどかもしれません。しかし、実は風除室に限って言えば、もっとシンプルで効果的な選択肢が存在するのをご存知でしょうか?この記事では、「風除室に使える自動ドアのタイプ」を徹底解説し、それぞれの違いと選び方の判断基準をわかりやすく整理します。省エネや安全性、設置のしやすさなど、さまざまな角度から比較しているので、初めての導入を検討している方にもおすすめです。



目次(このページの内容)

そもそも「風除室」に自動ドアは必要なのか?


Q:風除室にわざわざ自動ドアをつける必要はあるの?
A:風・雨・雪・寒気などの侵入を抑えるだけでなく、居住者や来訪者の利便性や安全性も高めるため、近年では多くの施設で「風除室の自動ドア化」が進んでいます。


背景:風除室の基本的な役割

風除室とは、建物の入口に設けられた「外気の侵入を防ぐための前室空間」のことを指します。特に寒冷地や強風地域では、建物内への直接的な風や冷気の流入を防ぐという点で非常に重要な役割を担っています。

また、近年では気候変動の影響もあり、「春の花粉」「黄砂」「大雨による吹き込み」などから室内空間を守る目的でも注目されています。


自動ドア化のメリットとは?

従来はこのスペースに手動のドアを2枚設け、「入口→風除室→建物内部」という三重構造で対応していたケースが多く見られます。しかし最近では、それぞれのドアを「自動化」する施設が増えてきました。その理由には、次のような背景があります。


手動→自動化のニーズが高まる理由
  1. 高齢者・車椅子利用者の増加
     手動ドアは「開ける動作」が負担になることが多く、開けた後も風でドアが急に閉まる危険性がある。自動化により、バリアフリー性能が飛躍的に向上する。
  2. 共用部の快適性と印象の向上
     マンションやビルでは「エントランス=建物の顔」として、第一印象を左右する重要な部分。自動ドアにすることで、清潔感や管理の行き届いた印象を与えることができる。
  3. 非接触ニーズ(感染症対策)
     コロナ禍以降、「なるべくドアに触れたくない」という意識が社会的に高まっている。自動化により、接触機会を最小限に抑えることが可能。

同時に解消したい「風除室の課題」

ただし、単に「ドアを自動にすればいい」というわけではありません。風除室ならではの悩みも多く、以下のような点が現場では課題として挙げられています。

課題内容
遮断性の低下2枚のドアが同時に開いてしまうと、風除室の意味がなくなる
故障時の影響電動式の場合、停電やセンサーの不調により使えなくなる可能性がある
メンテナンスコスト定期点検や部品交換など、電動式は維持費がかかる
設置スペースの制約特にマンションでは「内寸」が狭く、引き戸や開き戸の選定に制限が出やすい

このように、風除室に自動ドアを導入する際には、「どの方式を選ぶか」が非常に重要になります。次のセクションでは、風除室で使われている代表的な自動ドアのタイプと、それぞれの特長について詳しく解説します。



風除室に設置される自動ドアの「タイプ別」特徴とは?


Q:風除室に使える自動ドアにはどんなタイプがあるの?
A:代表的には「スライド式」「インターロック式」「回転ドア」「荷重式」の4種類があります。それぞれ開き方や制御方式が異なり、適した場面も異なります。


比較の前に知っておきたい「風除室に求められる条件」

風除室に設置する自動ドアには、以下のような条件が求められます。

  • 開閉のスムーズさと安全性(高齢者・子どもでも安心)
  • 遮断性の確保(風や寒気をしっかりブロック)
  • 狭小スペースにも対応できる設計
  • 設置・メンテナンスの手間とコストのバランス

これらをふまえて、4つの自動ドアタイプの特徴を見ていきましょう。


代表的な自動ドアの種類と特徴

タイプ開閉方式遮断性電源メンテ性特徴
スライド式(片引き/引分け)横にスライド必要最も一般的/価格と汎用性のバランスが良い
インターロック式2枚のドアを連動制御必要風の遮断性が非常に高い/中〜大規模施設向け
回転ドア回転式必要高遮断性+デザイン性/広い設置スペースが必要
荷重式(Newtonドア等)人が乗ると開く不要電気不要で低コスト/小規模施設や改修に有効

各タイプの詳細解説


スライド式(引戸型)自動ドア

スーパーマーケットや病院などでよく見かける横スライド型の自動ドア。片引き(1枚)と引分け(2枚)のパターンがあり、最も設置実績が多いタイプです。

  • 【長所】既存の風除室にも適用しやすく、価格も比較的抑えられる
  • 【短所】前後のドアが同時に開いてしまうと、風除室の役割が半減

インターロック式自動ドア

前室と建物内のドアが「連動して制御される」システム。片方のドアが閉まらないと、もう片方が開かない設計で、風の吹き抜けを確実に防げます。

  • 【長所】遮断性が非常に高く、空調効率もアップ
  • 【短所】制御機器やセンサー、配線が複雑で費用が高くなりがち

回転ドア

風を最も遮断しやすい構造を持つ回転式ドア。高級ホテルや空調効率の重要な建物で見かけます。

  • 【長所】外気と内気が常に遮断される構造で、エネルギーロスが少ない
  • 【短所】スペースを広く取る必要があり、設置ハードルが高い

荷重式(電気を使わない自動ドア)

人がドアの前に乗ると、自重によってドアが開くという仕組み。電気を使わないため、停電時も問題なく作動します。

  • 【長所】電源不要・省エネ・メンテナンス簡単・静音
  • 【短所】完全自動ではないため、導入に不安を持つ人もいる(※後述)

どのタイプを選ぶべきか?

どのタイプが最適かは、以下のようなポイントで考える必要があります:

  • 人の出入りが多いか少ないか
  • 予算とメンテナンスコスト
  • 風の強さや寒冷地かどうか
  • バリアフリー性の必要度
  • 施設の印象(見た目・デザイン性)をどこまで重視するか

このあとのパートでは、「同時開放問題」や「荷重式の可能性」について、さらに深掘りしていきます。



風除室で「同時開放を防ぐ」って、なに?【インターロックのしくみ】


Q:風除室で「2枚のドアが同時に開くと意味がない」と聞いたけど、なぜ?
A:前後のドアが同時に開くと、風や寒気がそのまま建物内に流れ込んでしまい、風除室の機能が果たせなくなるからです。これを防ぐための制御方式が「インターロック」です。


同時開放が生む「無風除室」状態

風除室の役割は「外と中を一度に接続しないこと」です。しかし、2枚のドアが同時に開いた瞬間、その空間は風の通り道になり、次のような現象が起きます。

  • 冷風が一気に室内に侵入する
  • 花粉やほこりも一緒に入り込む
  • エントランスが寒くなり、空調効率が大きく低下する
  • ドアに風圧がかかって閉まりづらくなり、安全性も下がる

インターロックとは何か?

インターロックとは、**「片方のドアが閉まるまで、もう片方は開かない」**ようにする制御方式です。主に自動ドア同士の連携制御に使われます。


仕組みのポイント:
  1. ドアA(外側)が開く → 人が入る → ドアAが閉まる
  2. ドアAが完全に閉じたのをセンサーが検知 → ドアB(内側)が開く
  3. 逆も同様。常に「一方閉→もう一方開」の順でしか動かない

このように、風除室の密閉性を確保したまま、人の出入りをコントロールできるのが最大のメリットです。


距離・設計で気をつけること

インターロックを導入する場合、風除室の広さが大きなポイントになります。一般的に、以下のような条件が求められます。

項目条件の目安
ドア間距離最低でも1.5~2.0m(歩行者が立ち止まれる広さ)
ドアの開閉速度通常よりやや遅めに設定する必要あり(安全確保のため)
利用人数人の流れが多すぎると滞留しやすくなるため、施設規模によっては非効率に

メリットと注意点

メリット注意点
遮断性が圧倒的に高い(冷気・花粉・風対策)制御システムが複雑になり、初期費用がかかる
自動で制御されるので、使いやすいメンテナンスの頻度と費用が高めになりやすい
安全面の向上(風でバタンと閉まらない)故障時には出入りが完全に止まるリスクもある

どんな施設に向いているか?

  • 空調効率が特に重要な施設(病院、介護施設、ビル等)
  • 出入りの頻度はそこまで多くないが、外気遮断性が求められる施設
  • 冬場の強風や寒さによる室内冷え込みが大きな問題になる地域

このように、インターロックは「風除室の機能を最大限活かすための仕組み」です。ただし、すべての施設に向いているわけではなく、スペースや費用の兼ね合いが重要な判断軸になります。

次の章では、インターロックとはまったく異なる発想で設計された「荷重式自動ドア」の活用可能性についてご紹介します。



「荷重式自動ドア」は風除室にも使える?【電気がいらない選択肢】


Q:荷重式って何?風除室にも使えるの?
A:人がドア前に立つと、その重みでドアが開く「電気を使わない自動ドア」です。風除室でも条件によっては有効な選択肢となり得ます。


荷重式自動ドアとは?

荷重式自動ドアとは、床に設置された踏み板に人が乗ると、その荷重によってドアが開く仕組みの自動ドアです。電気モーターやセンサーではなく、機械的なリンク機構で開閉するため、電源が一切不要という特長があります。

この構造を採用している代表例が、Newtonプラス社の「Newtonドア」です。


特徴まとめ:
  • 電気を使わない完全機械式(停電時も開閉可)
  • 開閉の速度や力が一定(安全・静音)
  • センサー誤作動・故障リスクがほぼゼロ
  • メンテナンスコストが非常に低い

風除室用途で注目される理由

風除室の自動ドアにおいては、以下のような要素が重要視されます:

条件荷重式の対応状況
電源の確保が難しい◎(電源不要)
強風時の安定性○(構造次第)
停電時のリスク◎(常時作動)
メンテナンス性◎(ほぼ不要)
設置コスト○(シンプル構造で低コスト)

このように、特に小規模施設・低コストでの改修を検討している場合には、非常に有効な選択肢となります。


導入事例:マンション風除室に使われたケース

Newtonドアはすでに全国各地で実績があり、以下のような風除室用途で導入されています:

  • 都内中層マンション
     → 管理組合が共用部のバリアフリー化と電気代削減の両立を目的に導入
     → 停電時にも入退館できるという点が、防災観点でも高評価
  • 高齢者施設のエントランス風除室
     → 手動開閉が困難だった箇所を荷重式に変更し、利用者のストレスが大幅に軽減
  • 小学校の昇降口(簡易風除室)
     → 児童が走って入っても安全性を確保しつつ、動作も静かで保守コストも抑制

これらの導入事例を見ると、「風除室=電動ドア」という先入観を覆す柔軟な設計思想が、多くの現場で受け入れられていることがわかります。


注意点:どんな場所でも使えるわけではない

ただし、荷重式が万能というわけではありません。以下のような点には注意が必要です:

注意点解説
利用者の動作に連動するため「自動感」が薄い初めての来訪者が戸惑う場合あり
ドアサイズ・重量に制限がある大型施設や人の流れが多い場所では向かない場合も
片側開きの構造が多い建物の構造や動線によっては不向きな場合がある

したがって、「導入コストを抑えつつ、必要な機能を満たしたい」というケースで、最も真価を発揮するのが荷重式自動ドアです。

選び方の判断軸は?【適ドア適所】で考えるベストな自動ドア


Q:風除室の自動ドア、結局どれを選べばいいの?
A:施設の「規模・目的・スペース・予算」によって最適なドアは異なります。「適ドア適所」の考え方で、自分たちに合う選択肢を整理しましょう。


「適ドア適所」とは?

Newtonプラス社が提唱する独自の選定基準で、「用途・環境・ユーザー特性に応じて、最も適した自動ドア方式を選ぶ」という考え方です。
つまり、「どの施設にも同じドアが最適」ということはなく、それぞれに合った“適材適所”があるという前提でドアを選ぶ視点です。


選定に必要な5つの判断軸

以下の5つの項目を基準にすると、選定の方向性が明確になります。

  1. 人の流れ(利用頻度)
     → 出入りが多いか、まばらか
  2. 利用者の特性
     → 高齢者・子ども・車椅子利用者の有無
  3. スペースの広さ
     → ドア間の距離、スライド可能な壁面スペース
  4. 設置・維持コスト
     → 初期費用、電気代、メンテナンス費用をどこまで許容できるか
  5. 遮断性の重要度
     → 外気の侵入が建物の快適性や運用にどれほど影響するか

各方式の適ドア適所マッピング

方式適している施設/環境避けた方が良い環境
スライド式一般的なマンション、事務所ビル、クリニック風の強い地域、寒冷地のエントランス
インターロック式病院、介護施設、精密機器施設混雑する駅・商業施設などの高頻度施設
回転ドア高級ホテル、広い商業施設、省エネ重視の建築スペースが狭い建物、急ぎの動線が多い場所
荷重式(Newtonドア)小規模マンション、保育園、高齢者施設、停電対策が必要な建物1日数百人単位の往来がある場所、大型ドアが必要な構造

ケース別:どれを選ぶべきか?

  • 予算を抑えてバリアフリーを実現したい場合
     → 荷重式が最適。電気不要・メンテも楽。
  • 風の強い地域・寒冷地で遮断性を確保したい
     → インターロック式か回転ドアが効果的。
  • 既存のドアを手軽に自動化したい(改修案件)
     → スライド式または荷重式が候補。配線工事不要な荷重式は特に有利。
  • 停電時の避難動線として自動ドアを維持したい
     → 荷重式は電源不要で災害対策としても有効。

決め手は「設置目的」と「現場条件」

「バリアフリー化が目的なのか?」
「風や花粉をどこまで遮りたいのか?」
「工事の自由度や電源の有無はどうか?」

このような“現場のリアル”を起点に考えることで、選ぶべき自動ドアの方向性が自然と絞られていきます。



設置・改修の注意点と、よくある疑問に答えます【FAQ】


Q:実際に導入するとなると、どんなことに注意すればいい?
A:改修の可否、設置スペース、費用、安全性など、現場ごとの条件に応じた検討が必要です。よくある質問をまとめて解説します。


Q1:既存の風除室を自動ドアにすることはできる?

A:可能です。ただし、構造や配線の制約によって方式が限られることもあります。

多くのマンションや施設では、後から手動ドアを自動化するケースが増えています。
とくに配線が難しい場合には、荷重式機械式のスプリング式ドアクローザーのような電気不要の選択肢が有効です。


Q2:風除室が狭くても、自動ドアを入れられる?

A:可能ですが、ドア同士の距離に制限がある場合は注意が必要です。

例えば、インターロック式を導入するには最低1.5m以上のスペースが理想とされています。
荷重式や片引きスライド式であれば、省スペースでも対応可能なことが多く、現場調査で判断されます。


Q3:結露やドアの不具合は増える?

A:方式によります。遮断性が低いと、結露が増えたりドアが風で煽られるリスクがあります。

風除室の機能を発揮できるようにドアの同時開放を避ける設計(インターロックなど)をすれば、こうした不具合は軽減できます。
また、荷重式は構造がシンプルなため、結露やセンサー誤作動とは無縁という点が評価されています。


Q4:保守費用や維持管理のコストはどれくらい?

A:方式により差が大きく、電動式は年間数万円~、荷重式はほぼゼロに近いことも。

電動式の自動ドアでは、年1回以上の点検やモーター・センサー部品の交換が必要です。
一方、荷重式は電源・モーターがないため、摩耗部品の交換以外は不要というケースも多く、費用は大幅に抑えられます。


Q5:荷重式は子どもや高齢者でも安全に使える?

A:はい、安全に設計されています。

Newtonドアなどの荷重式自動ドアは、「一定の体重(約15〜20kg程度)」がかかったときだけ反応する設計で、軽いものが誤って開く心配はありません。
また、開閉速度もゆるやかで、バタンと閉まることがなく安心感があります。


Q6:台風や強風の時も大丈夫?

A:ドアの構造と密閉性により、対応可能です。

荷重式やインターロック式では、「一度に両方のドアが開かない」「ドアにかかる風圧が分散される」設計が可能なため、風に強い構造としても評価されています。
ただし、完全な気密性を求める場合には回転ドアやインターロック+エアカーテンなどとの併用が検討されることもあります。



【適ドア適所】にそった「まとめ」


風除室は、単なる通路ではなく「外気と内気を遮断する防衛ライン」です。ここにどのような自動ドアを設置するかで、快適性も安全性も大きく変わってきます。

今回ご紹介したように、風除室に使える自動ドアにはさまざまな方式が存在します:

  • 一般的で汎用性の高い【スライド式】
  • 遮断性に優れる【インターロック式】
  • 高級感と高機能を兼ねる【回転ドア】
  • 電気不要で手軽に導入できる【荷重式(Newtonドア)】

そして重要なのは、それぞれに「適した場所=適ドア適所」があるということです。

スペースが限られているなら?
予算が厳しいなら?
遮断性を最優先したいなら?
停電にも対応したいなら?

これらの条件に対して、一つの正解ではなく「ベストフィットな選択肢」を見つける視点が求められます。

「風除室に自動ドアをつけたいけど、どれがいいのかわからない…」
そう思ったとき、この記事が“選ぶ軸”を見つけるきっかけになっていれば幸いです。


【出典・参考資料】

  • Newtonプラス社『Newtonドア』各種資料(製品構造・安全設計・導入事例)
  • 『Nドア顧客セグメントと導入事例』
  • NABCO公式FAQ「風除室設計における自動ドアの配置距離」
  • MLIT「建築物における高遮断性エントランス設計資料」
  • 各メーカー公式カタログ(YKK AP・LIXIL・ナブテスコ)

【荷重式自動ドア】Newtonドアの資料請求はこちらから→https://76auto.biz/newtonplus/registp/p-offer.htm

【荷重式自動ドア】NewtonドアのYoutubeチャンネルはこちらから→https://www.youtube.com/@newton_plus

地震など長期停電でも、止まらず動く
「事故が全くおきない」国も認めた安全自動ドア
アナログの特許構造で壊れないから修理費も0円

お問い合わせ・資料請求は今すぐ
↓↓↓

関連記事一覧

  • 関連記事
TOP