自動ドアという言葉を聞くと、多くの人が思い浮かべるのは、センサーで人を検知してスッと開く“電動式ドア”でしょう。
しかし、自動ドアの役割は「出入りを楽にする」だけではありません。
衛生・安全・環境配慮・バリアフリーなど、社会全体のしくみに密接に関わっています。
そして実は、“電気を使わなくても自動で開くドア”=「荷重式自動ドア(Newtonドア)」というもう一つの存在もあります。
この記事では、自動ドアの役割をあらためて整理しながら、電動式と荷重式の違いを通して「適ドア適所」という考え方を紹介します。
自動ドアが「どんな目的で」「どんな場所に」「どんな人のために」設計されているのかを理解することで、
暮らしや建物の安全性をより深く見つめ直すことができます。
目次(このページの内容)
自動ドアの役割をあらためて整理する
自動ドアは、単なる“便利な設備”ではありません。
それは「人が触れずに安全に通過できる」ことで、社会的な課題を解決してきた存在でもあります。
では、なぜここまで広く普及したのでしょうか。
自動ドアが生まれた背景と普及の理由
自動ドアが普及したきっかけは、1960年代以降の「公共施設や商業施設の大型化」と「バリアフリー思想の広がり」にあります。
人の流れが多い場所では、手動ドアの開閉が混雑や接触の原因となり、感染症や転倒事故のリスクを高めていました。
その課題を解消したのが、自動的に開閉するドアです。
一方で、災害や停電が多い日本では、「電源に依存する構造」への課題も少しずつ意識されるようになりました。
こうした背景の中で、「人の重みだけで開く荷重式ドア」も生まれています。
「開ける・閉める」だけじゃない4つの社会的機能
自動ドアの役割は、主に次の4つに分類できます。
- 利便性:手を使わずにスムーズに通行できる
- 衛生性:接触を減らして感染予防に貢献する
- 安全性:人の動きを検知して挟み込みや転倒を防ぐ
- 環境性:自動で閉まり、冷暖房効率を高める
これらはすべて、「人にやさしく」「環境にもやさしい」建築設計を支える基本的な役割です。
しかし、場所が変われば“求められる役割の重み”も変わります。
場所によって変わる「役割」の違い
自動ドアの設計は、単にドアの種類を選ぶことではなく、場所と目的に合わせて“何を優先するか”を選ぶことです。
病院・福祉施設=衛生と介助の両立
病院や介護施設では、衛生と安全が最優先です。
手を使わずに通れることで、感染リスクを減らし、介助者が両手を使えるようになります。
また、出入り口の幅や開閉速度、センサー感度などが、車椅子利用者に合わせて設計されることもあります。
商業施設=快適性と防犯のバランス
ショッピングセンターやコンビニなどでは、快適性と防犯性の両立がポイント。
センサーが誤作動しないよう調整されており、閉店時には自動ロックが作動する仕組みも一般的です。
店舗では、ドアが“お客様を迎える第一印象”でもあります。
公共施設・避難施設=安全・災害対応
学校・役所・避難所などでは、「人の集中」「非常時の安全確保」がテーマ。
停電時や火災時にドアが開かない構造では、避難経路が遮断されてしまいます。
そのため、非常解放機構を持つタイプや、手動に切り替えられる設計が求められます。
住宅=バリアフリーと家族の安心
近年、住宅にも自動ドアが導入され始めています。
特に高齢者のいる家庭では、「重い引き戸を押す負担を減らしたい」「車椅子でも出入りしやすい」といったニーズが増加。
家庭では静音性・省電力性・停電時対応が重視される傾向にあります。
「電動式」と「荷重式」で異なる“動力と設計思想”
同じ「自動ドア」でも、仕組みと役割は大きく異なります。
それを知ることが、「適ドア適所」への第一歩です。
電動式自動ドアの特徴と得意分野
電動式は、モーターとセンサーで開閉を制御する方式です。
主な特長は以下の通りです。
| 項目 | 特徴 |
|---|---|
| 開閉方式 | センサー+モーター駆動 |
| 強み | 頻繁な出入り、大人数対応 |
| 弱点 | 停電時には動作制限あり |
| 主な設置場所 | 商業施設、病院、オフィス |
特に多くの人が往来する施設では、スピーディで正確な開閉が求められるため、電動式が最も効率的です。
ただし、電源に依存しているため、災害時には開閉不能になるリスクがあります。
荷重式(Newtonドア)の特徴と仕組み
一方の荷重式自動ドアは、人の重みを利用して自動で開閉する構造です。
センサーもモーターも使わず、床に内蔵された機構が「人が乗る力(荷重)」を感知してドアを開きます。
| 項目 | 特徴 |
|---|---|
| 開閉方式 | 床の荷重センサー機構 |
| 強み | 電気不要・停電でも動作可能 |
| 弱点 | 大規模施設では非対応の場合あり |
| 主な設置場所 | 住宅、福祉施設、自治体施設など |
荷重式は、電源のない場所でも使える“自立したドア”です。
また、停電時や災害時にも安全に開くため、**「最後まで逃げ道を確保できるドア」**として注目されています。
電源がなくても動くという“自立した安全性”
災害時、エレベーターが止まっても階段は使えます。
それと同じように、停電時でも開くドアがある──。
これが荷重式の最大の価値です。
これは単なる構造上の違いではなく、「命を守る建築設計思想」に関わる部分です。
【適ドア適所】で考える、これからの自動ドア選び
自動ドアを選ぶ際に大切なのは、“どこに”“どんな人が”“どんな目的で”使うのかを明確にすることです。
ここでの判断軸は、デザインや価格ではなく、「役割の重み」にあります。
場所・人・目的で使い分ける3つの基準
- 利用者の特性:子ども、高齢者、車椅子利用者が多いか
- 環境条件:停電リスク、設置場所の温度差、出入り頻度
- 安全優先度:避難経路・閉じ込め防止が必要か
これらを整理することで、最適なドアのタイプが見えてきます。
災害時に「閉じ込めない」ための設計視点
停電時や災害時、自動ドアが開かなくなるケースは珍しくありません。
特に電動式ドアはモーター制御のため、電源喪失時に“ロック状態”となることがあります。
一方、荷重式は人が通るだけで機構が作動するため、避難経路として確実に機能します。
家庭にも広がる“静かな自動ドア”という選択肢
荷重式は構造がシンプルで、モーター音がないため非常に静かです。
そのため、マンションや戸建てでも「静音+バリアフリー」を両立するドアとして導入が進んでいます。
生活の中の“ちょっとした不便”を解消しながら、災害時の安全にもつながる設計。
これも、自動ドアが果たす新しい役割のひとつです。
【適ドア適所】まとめ
自動ドアの役割は、単なる自動開閉装置ではありません。
それは、人の安全・衛生・快適性・環境配慮を支える社会インフラです。
そしてその役割は、「電動式」と「荷重式」という2つの構造によってさらに広がっています。
前者は都市や商業の効率を支え、後者は停電時や災害時にも人を守る。
どちらも必要であり、どちらも「適した場所」で使われてこそ意味があります。
「自動ドアをどう選ぶか」は、「その場所をどう守るか」という設計の思想に直結しています。
だからこそ、適ドア適所──つまり、場所と人に合ったドア選びが重要なのです。
出典・参考
・ナブコシステム株式会社「自動ドアの種類と役割」
・日本自動ドア協会「自動ドア安全基準」
・Newtonプラス株式会社「Newtonドア技術資料」
・JIS A 4722(自動ドア装置)関連規格
【荷重式自動ドア】Newtonドアの資料請求はこちらから→https://76auto.biz/newtonplus/registp/p-offer.htm
【荷重式自動ドア】NewtonドアのYoutubeチャンネルはこちらから→https://www.youtube.com/@newton_plus